エアカー
エアカー(英: Air car)は、空気を地面に噴射して車体を浮揚させることで車輪を使用せずに道路を走行する車である[1]。ホバーカー(英: Hovercar)とも呼ばれる[2]。
未来予想とエアカー
[編集]日本では戦後から高度経済成長期の間にかけて様々な児童向け雑誌が出版された。なかでも21世紀の世界を描いた未来予想図などが人気を集め、宇宙旅行やロボットなどと共にエアカーが描かれていた[3]。
1961年、100年後の東京を予測した『2061年の東京』がたのしい四年生に掲載された。その中には、エアカーに乗り込む2061年の人々が描かれている[4]。
当時のフォード副社長 Andrew Kucher は、1950年代後半から1960年代前半にかけて様々なメディアに登場し、将来的にはエアカーが実現するだろうと語っていた[5]。1958年に Arthur Radebaugh によって書かれたコミック・ストリップ「Closer Than We Think」には Kucher の研究とエアカーの想像図が描かれている[6][5]。
その他の浮上方法
[編集]空気を地面に噴射する以外の方法で車を浮上させる取り組みも存在する
2014年6月9日にアメリカのサンフランシスコで開催されたイベントにて、自動車メーカーのトヨタは浮上して走行する車の開発に取り組んでいることを明らかにした[7]。グーグルが自動運転車の開発を進めていることに対抗する狙いがあるとも指摘されている[8]。実態は不明ながらトヨタが後に公開した動画のCGには磁気レーンのようなものが描かれている[9]。
物理学者のミチオ・カクは、室温超伝導が達成されれば地面から磁気浮上して走行する車が実現できると予測する[10]。この方法なら浮上時、走行時ともにエネルギーをほとんど消費しないため、エネルギー問題や地球温暖化の解決策にもなる[10]。
フィクションにおけるエアカー
[編集]実写映画
[編集]- マイノリティ・リポート (2002年)
- トータル・リコール (2012)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 石川憲二『「未来マシン」はどこまで実現したか? エアカー・超々音速機・腕時計型通信機・自動調理器・ロボット』株式会社 オーム社、2012年2月、18頁。ISBN 978-4-274-06879-9 。
- ^ Holderith, Peter. “Curtiss-Wright's Hovering Air Cars Were the Future of Transportation in 1960” (英語). The Drive. 2021年5月13日閲覧。
- ^ “昭和少年 SF大図鑑 展”. インターネットミュージアム. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “Party Like It’s 1999: Japanese Retrofuturism and Chrono Trigger—The Appendix”. theappendix.net. 2021年6月22日閲覧。
- ^ a b “Flying Carpet Car (1958)” (英語). Paleofuture. 2021年6月23日閲覧。
- ^ “Asimov's 2014 Predictions Were Shockingly Conservative For 1964” (英語). Gizmodo. 2021年6月23日閲覧。
- ^ Yasunori, Avanti (2016年6月27日). “GAZOO Racingの動画「ホバーカー(空飛ぶクルマ)86」がトヨタの戦略を示唆!?”. Clicccar: p. 1 2022年10月17日閲覧。
- ^ Yasunori, Avanti (2014年6月25日). “トヨタがクルマからタイヤを無くしてしまうかも!?”. clicccar.com. p. 3. 2022年10月17日閲覧。
- ^ Yasunori, Avanti (2016年6月27日). “GAZOO Racingの動画「ホバーカー(空飛ぶクルマ)86」がトヨタの戦略を示唆!?”. Clicccar: p. 2 2022年10月17日閲覧。
- ^ a b “Q&A With Dr. Michio Kaku: Where Are Our Flying Cars?” (英語). PCMAG. 2022年6月24日閲覧。
- ^ Franzen, Carl (2021年12月28日). “Nostalgia Driven: Revisiting the Vertical Highway and the Self-Driving Lexus From ‘Minority Report” (英語). Ground Truth. 2022年10月17日閲覧。
- ^ a b Stephen Schaefe. “MIT scientist gives a 'Minority' report: John Underkoffler helped Spielberg with the science of futuristic film” (英語). Milford Daily News. 2022年10月17日閲覧。
- ^ a b “Cutting-edge tech in 'Total Recall' that actually exists” (英語). ABC News. 2022年10月16日閲覧。
- ^ “TOTAL RECALL Vignette In HD - "Hover Cars"”. www.youtube.com. 2022年10月16日閲覧。
関連文献
[編集]- 石川憲二『未来マシンはどこまで実現したか? −エアカー・超々音速機・腕時計型通信機・自動調理器・ロボット−』オーム社、2012年
- イェ・イ・ルジッキ著、藤川健治訳『ソビエトの少年科学2 エア・カー』誠文堂新光社、1967年
- アーサー・C・クラーク『未来のプロフィル』ハヤカワ文庫 NF、1980年