エウロパ・クリッパー

エウロパ・クリッパー
	エウロパ・クリッパー（想像図）
任務種別	エウロパ探査
運用者	アメリカ航空宇宙局（NASA）
COSPAR ID	2024-182A
ウェブサイト	science.nasa.gov/mission/europa-clipper/
任務期間	移動: 6年; 観測：4年
特性
製造者	ジェット推進研究所 (JPL); 応用物理研究所 (APL)
打ち上げ時重量	6,065 kg (13,371 lb)
燃料無重量	2,616 kg (5,767 lb) (科学機器除く)
ペイロード重量	352 kg (776 lb)
寸法	高さ: 6 m (20 ft); 太陽電池パドル幅: 30 m (98 ft)
消費電力	600 W (0.80 hp) (太陽電池)
任務開始
打ち上げ日	2024年10月14日12時6分; （アメリカ合衆国東部夏時間）
ロケット	ファルコンヘビー
打上げ場所	ケネディ宇宙センターLC39A
エウロパ（木星の衛星）オービター
軌道投入	2030年4月11日 (予定)
軌道周回数	45
搭載機器
PIMS（英語版）	Plasma Instrument for Magnetic Sounding
ECM	Europa Clipper Magnetometer
MISE（英語版）	Mapping Imaging Spectrometer for Europa
EIS（英語版）	Europa Imaging System
REASON（英語版）	Radar for Europa Assessment and Sounding: Ocean to Near-surface
E-THEMIS（英語版）	Europa Thermal Emission Imaging System
MASPEX（英語版）	MAss SPectrometer for Planetary EXploration/Europa
Europa-UVS（英語版）	Europa-Ultraviolet Spectrograph
SUDA（英語版）	SUrface Dust Analyzer
	Solar System Exploration program（英語版） « DART

エウロパ・クリッパー (Europa Clipper) は、ジェット推進研究所、応用物理学研究所、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が共同で開発し、2024年 10月14日に打ち上げた、木星の衛星エウロパを観測するための大型探査機である^[6]^[9]。2030年の到達を予定している。

概要

エウロパ・クリッパーはエウロパを周回する軌道には入らないが、木星を周回しながらエウロパ上空の低高度を45回フライバイすることが構想されている。探査機には、氷の中を探知するレーダー、短波長の赤外線分光器、地形を撮影するためのカメラ、イオンと中性粒子の質量分析計が搭載される予定である。

2021年7月23日、予定されていたSLSに代わりスペースXのファルコンヘビーで打ち上げられることが決まった^[10]。SLS請負業者の、アメリカ合衆国議会を通した圧力は強かったが、それ以上にSLSはコスト超過、スケジュール遅延、振動の問題が大きすぎた^[11]。

打ち上げ

打ち上げは当初2024年10月10日の予定であったが、ハリケーン・ミルトンの影響で延期された^[12]。

ファルコンヘビーにより2024年10月14日の月曜日の東部夏時間午後12時6分、日本時間15日火曜日午前1時6分にケープ・カナベラルの39A発射台から打ち上げられた^[13]。

ファルコンヘビーには2段式ロケットと2つのサイドブースターがある。サイドブースターが分離した後、センターコアは大西洋に着水する。その後、第2段が点火、フェアリングを分離し、落下したフェアリングは再利用される。一旦待機軌道に入ったあと、打ち上げ約50分後にロケットの第2段エンジンが再点火され、地球の脱出速度まで加速の後に探査機が分離する^[12]。サイドブースターは6回目の再利用、センターコアは新品であったが、いずれも重たい探査機の初速を稼ぐ必要があったため、使い捨てられた^[14]。

打ち上げ約1時間後の午後1時13分にはオーストラリアのキャンベラにあるディープスペースネットワーク施設との通信が確立、探査機の状態が良好であることが確認された。

エウロパ・クリッパーの軌道アニメーション