エキセドル・フォルモ
エキセドル・フォルモ | |
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「マクロスシリーズ」のキャラクター | |
登場(最初) |
『超時空要塞マクロス』 第1話 「ブービー・トラップ」 |
作者 |
スタジオぬえ(原作) アートランド(原作協力) 美樹本晴彦(デザイン) |
声優 |
大林隆介 田中和実(『永遠のラヴソング』) |
プロフィール | |
性別 | 男性 |
種類 | ゼントラーディ人 |
エキセドル・フォルモ (Exsedol Folmo[1], Exedol Folmo[2]) は、1982年から1983年にかけて放映されたテレビアニメ『超時空要塞マクロス』および、それをもとに制作された作品群「マクロスシリーズ」に登場する架空の人物。声の出演は大林隆介(『マクロス7』放映当時は「大林隆之介」名義)。
概要
[編集]登場
[編集]作品世界における西暦2009年から2012年を舞台とする『超時空要塞マクロス』の第1話より登場する。地球人の敵となる巨人の異星人勢力「ゼントラーディ軍」において、地球と最初に接触する艦隊を率いるブリタイ・クリダニクを補佐する部下で、記憶力と作戦立案能力に優れた「記録参謀」という役職にある。作戦を立て主人公たちが乗る宇宙戦艦マクロスを窮地に追い込む一方で、地球人がもつ文化に関心をもち、のちにマクロスとの停戦交渉を担い、戦後も地球側に貢献する。
テレビ版の設定や物語を再構成した劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(1984年公開)ではエキセドル4970という名前(製造番号)で、ブリタイ7018の記録参謀を務める。
2037年を舞台とし、OVA『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』の歴史につながるゲーム『超時空要塞マクロス 永遠のラヴソング』(1992年発売)にもブリタイとともに登場する。この作品では声を田中和実が担当している。
2045年を舞台とするテレビアニメ『マクロス7』(1994 - 1995年放映)では、物語の舞台となるマクロス7船団の船団長にして超大型可変万能ステルス宇宙攻撃空母バトル7の艦長マクシミリアン・ジーナス(マックス)のもとで参謀を務める。以降のシリーズでも設定や漫画・小説などの作品でしばしば言及され、2068年を舞台とするアニメ映画『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』(2021年公開)では、マックスが艦長を務める星間複合企業体ケイオス所属艦マクロス・ギガシオンの参謀として登場する。
外見
[編集]テレビ版『超時空要塞マクロス』と劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』では、キャラクターのなかでもゼントラーディの外見デザインにとりわけ大きな変更が加えられており、テレビ版『マクロス』におけるエキセドルは地球人と同じような体型で褐色の肌に赤い髪という外見である一方、『愛・おぼえていますか』では体が緑色で、頭部は脳が肥大化し脈打ったような形状となり、両腕も触手状になっている。のちに制作された『マクロス7』におけるエキセドルの外見は、おおむね『愛・おぼえていますか』のデザインを引き継いでおり、これ以降の作品でも細部の違いはあれど同様の特徴で描かれている。
これは『マクロス7』(および、並行制作されたOVA『マクロスプラス』)以降のシリーズ作品が『愛・おぼえていますか』の内容を作品世界における「史実」としているわけではなく、『愛・おぼえていますか』は作品世界内で公開された映画と設定されており[3]、作品世界における年表内の出来事はテレビ版『マクロス』の内容に沿ったものになっている。ただしテレビ版も同様に「史実」ではなく、シリーズ制作の中心的存在である河森正治によって、「マクロスシリーズ」の作品はいずれも作品世界内においてその世界の史実をもとに制作された再現ドラマ、再現ドキュメンタリーであるという解釈が示されている。
設定・経歴
[編集]『超時空要塞マクロス』時代
[編集]テレビ版
[編集]ゼントラーディ軍のゼム一級記録参謀。第67グリマル級分岐艦隊司令ブリタイ・クリダニクを補佐し、各種作戦を立案する。戦闘種族であるゼントラーディ人のなかにおいて、戦闘能力は低い代わりに知能や記憶力は高く、さまざまな知識を持つ。ブリタイに比べて背が低く、痩せて骨張った顔つきが特徴。
地球の文化に対して強い興味を持ち、第一次星間大戦の末期、ブリタイが停戦の決断をした際には自らマイクローン化してマクロスに停戦交渉に赴く。交渉の席では停戦のきっかけとなったリン・ミンメイを呼び出してもらうために彼女の持ち歌である「私の彼はパイロット」を振り付けもつけながら外れた音程で歌う。
最終的には上官であるブリタイとともにボドル基幹艦隊総司令ボドルザーに反逆し、統合軍側に基幹艦隊の情報と効果的な戦術案を提供する。戦後もマイクローンのまま新統合政府に残り、大戦により人材不足がちな新統合政府の貴重な人材として復興に貢献する。彼の持つ知識やゼントラーディ側の情報や記録、統合軍と協力して行った諸々の分析結果はゼントラーディとの共存、混血化が進む人類の指南書となる。
劇場版
[編集]劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』ではゼントラーディ軍第425基幹艦隊所属のブリタイ7018アドクラス艦隊の記録参謀。テレビ版とは異なりマイクローン化はせず、最後までブリタイの側に付き従う。
漫画版
[編集]美樹本晴彦による漫画版『超時空要塞マクロス THE FIRST』では基本的な外見は劇場版に近いが、右目の上にレンズ状の物体が埋め込まれ、頭部から触手を伸ばすというデザインになっている。
『マクロス7』時代
[編集]『マクロス7』では「マイクローン化すると脳の記憶容量が落ちる」と考えたため元の大きさに戻り、参謀・オブザーバーとして2038年に出航したマクロス7船団に乗り込む。出航以来、船団旗艦マクロス7の戦闘区画となる超大型可変万能ステルス宇宙攻撃空母「バトル7」から一歩も外に出ず、艦長席の左手(向かって右)にある穴から顔だけを出し、かつて天才パイロットとして活躍したマクシミリアン・ジーナス(マックス)艦長を補佐する。
2045年のバロータ戦役においては、蓄積された膨大な知識からいち早く敵の正体に感づくが、敵機体が地球人タイプであることから思いなおす。戦闘においては、マックスが自身で作戦立案をも行うため、前作のように積極的に作戦立案に関与することは少なく、幾度となく諦念を表現する場面もある。のちに敵の正体がゼントラーディ人にとって恐怖の存在であるプロトデビルンだと確信し、一時はブリッジに顔を出すこともままならないほどの怯えの色を見せる。未開拓惑星ラクスでプロトカルチャーの遺跡が発見された際には自ら調査に赴き資料を回収し、研究実験艦アインシュタインで分析に当たり、プロトデビルンに関する情報を解読する。
テレビ未放映エピソード「最強女の艦隊」では、遭遇したゼントラーディ残存艦隊(クロレ艦隊)に対し妻のミリア・ファリーナ・ジーナス市長とともに和平交渉に赴いたマックスの代理を務め、地球統合軍本部高官による殲滅命令に従うふりをして主砲マクロス・キャノンを見当違いの方向に発射する指示を出し、戦闘を回避するという機転を見せる。
CDドラマ『マクロス7 ドッキングフェスティバル 歌は銀河を救う』ではのど自慢大会に出場し「私の彼はパイロット」を披露するが、音程を外しながらも節をつけていた『超時空要塞マクロス』とは異なり、節をつけずに歌詞を読み上げ、語尾にエキセドルの口癖である「ですな」「ですかな」をつけるというものになっている。
『マクロスF』時代
[編集]2059年の世界を描いた『マクロスF』では劇中でエキセドルの存在に触れられることはないが、同作品の舞台であるマクロス・フロンティア船団におけるゼントラーディの巨人とマイクローンが共存するショッピングモールが「フォルモ (Formo) 」と名づけられており、エキセドルにちなんだ命名であるとされる[4]。
テレビ版『マクロスF』の第12話・第13話に登場する、惑星ガリア4駐留ゼントラーディ部隊副長のデザインは、『愛・おぼえていますか』のエキセドルをモデルとしている[5]。
漫画版[6]や小説版[7]では、引き続きマクロス7船団で参謀職に就いており、その知識量から他の移民船団に頼られる描写がある。
小太刀右京による『劇場版 マクロスF』のノベライズ作品『劇場版マクロスF(下) サヨナラノツバサ』においては、決戦に駆けつけるS.M.S・新統合軍連合艦隊にバトル7も参加しており、ミリアとともにパイロットとして出撃するマックスに艦長代理を任される[8]。
『マクロスΔ』時代
[編集]テレビアニメ『マクロスΔ』の「改・構成」版である『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』の続編で、2068年を舞台とする『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』においては、軍を退役したマックスとともに星間複合企業体「ケイオス」のスカウトを受け、マックスが艦長を務めるケイオス・リスタニア支部所属の艦「マクロス・ギガシオン」の参謀として登場する[9]。
ケイオスに指示を与える存在「レディM」の排除をもくろむ組織「ヘイムダル」が惑星ウィンダミアに奇襲をかけた際、同型の別個体がレディMとの通信係を務めていることから脳に直接指令を受け、ギガシオンを同惑星に急行させる。レディMの正体についてはわからないとしつつも、銀河系の人類種が滅亡したプロトカルチャーの二の舞となるのを避けるため文明の成熟を見守っていると推測する。ヘイムダルとの決戦では、アラド・メルダースに艦長の任を譲りパイロットとして出撃するマックスを呼び捨てにし、その決断を「今までで最も優れた判断」と称する。
制作・備考
[編集]『超時空要塞マクロス』の企画書で使用された設定画では、頭髪がないデザインであった[10]。
エキセドルを演じる大林は、もともとカムジン・クラヴシェラを演じる予定であったが、オーディションで声がひっくり返ったためにエキセドル役に決まったと述べている[11]。
2009年10月17日に開催された「マクロス クロスオーバーライブ A.D.2009×45×59」では、冒頭でエキセドルが注意事項を伝えたのち、会場に「デカルチャー」コールを促す映像が流された[12]。
『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』におけるキャラクターデザイン設定画は、マックスやマクロス・ギガシオンのオペレーターと同じく丸藤広貴が担当している[13]。
『ロボテック』版
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
日本国外で放送された翻案作品『ロボテック:マクロス・サーガ』(Robotech: The Macross Saga)では、綴りは “Exedore” 。声の出演はテッド・レイマン(Ted Layman)。
脚注
[編集]- ^ “劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!”. MACROSS PORTAL. 2022年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月16日閲覧。
- ^ BD/DVD『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!! / 劇場短編マクロスF 〜時の迷宮〜 特装限定版』英語字幕(マクロス・ギガシオン艦内のエキセドル初登場シーンにおけるミラージュ・ファリーナ・ジーナスの台詞)、バンダイナムコフィルムワークス、2022年。
- ^ 「MACROSS DATE PLUS THE HISTORY」『アニメージュ』1994年12月号、徳間書店、9頁。
- ^ DVD/Blu-ray Disc『マクロスF 3』
- ^ 『アニメージュ オリジナル vol.1』徳間書店、2008年、36頁、ISBN 978-4-19-720255-3。
- ^ 青木ハヤト『マクロスF 2』角川書店、2008年、98頁。ISBN 978-4-04-715107-9
- ^ 小太刀右京『マクロスフロンティア Vol.1 クロース・エンカウンター』角川書店、2008年、46頁、ISBN 978-4-04-473801-3。
- ^ 小太刀右京『劇場版マクロスF(下) サヨナラノツバサ』角川書店、2011年、262-265頁、ISBN 978-4-04-473810-5。
- ^ 『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』パンフレット、ビックウエスト、2021年、22頁。
- ^ 『マクロス・パーフェクト・メモリー』みのり書房、1983年、222頁。
- ^ 『マクロス・パーフェクト・メモリー』みのり書房、1983年、257頁。
- ^ 「エクストラシート イベント マクロス クロスオーバーライブ A.D.2009×45×59」『マクロス・クロニクル No.40』ウィーヴ、2010年、31頁 / 「グッズシート 08 イベント マクロス クロスオーバーライブ A.D.2009×45×59」『週刊 マクロス・クロニクル 新訂版 No.04』デアゴスティーニ・ジャパン、2013年、29頁。
- ^ BD/DVD『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!! / 劇場短編マクロスF 〜時の迷宮〜 特装限定版』ブックレット、バンダイナムコフィルムワークス、2022年、32-33頁。