ECMレコード
ECMレコード ECM Records | |
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親会社 | ユニバーサル ミュージック グループ |
設立 | 1969年 |
設立者 | マンフレート・アイヒャー |
販売元 | ユニバーサル ミュージック グループ |
ジャンル | ジャズ フュージョン/コンテンポラリー・ジャズ 現代音楽 クラシック音楽 ニュー・エイジ ワールド・ミュージック |
国 | ドイツ |
本社所在地 | ミュンヘン |
公式サイト | 公式ウェブサイト |
ECMレコード(英: Editions of Contemporary Music、ECM Records)は、1969年、西ドイツ(当時)ミュンヘンにマンフレート・アイヒャーによって設立されたレコード会社。主要な配給元はユニバーサル ミュージック グループである。
ジャズを主としたレーベルであり、アメリカやヨーロッパ各国のミュージシャンのアルバムをリリースしている。また、ECM New Seriesにて現代音楽や古楽などのクラシックも手がけている。
沿革
[編集]- 1969年 マンフレート・アイヒャーにより設立。ECM 1001のマル・ウォルドロン -『Free At Last』をリリース。
- 1984年 ECM New Seriesリリース開始。アルヴォ・ペルト -『Tabra Rasa』をリリース。
- 1992年 ECM 1500のヤン・ガルバレク - 『Twelve Moons』をリリース。
- 1993年 ヤン・ガルバレク&ヒリヤード・アンサンブル -『オフィチウム』がレーベル最大のヒットとなる。
- 2002年・2004年 レーベルを代表する20人のアーティストそれぞれの自薦ベスト集":rarum Serected Recordings"シリーズをリリース。新たにデジタルリマスターを施している。
- 2008年 ECM誕生40周年を記念して、"Touchstones"シリーズをリリース。紙製の簡易ジャケット仕様40タイトルを、それぞれ9.9ユーロで数量限定販売。
スタイル
[編集]このレーベルの音作りのコンセプトとして"The Most Beautiful Sound Next To Silence"(「沈黙の次に美しい音」)がしばしば言及される。わずかにリバーブのかかった音作りは、このレーベル独特の空気感を生み出している。美しいジャケットデザインも評価が高い。[1]レコーディングは全世界で行われているが、メイン・スタジオはノルウェーのオスロにあるレインボー・スタジオ。専属のエンジニアにヤン・エイク・コングスハウクがいる。またレーベル全体が統一感をもって企画されているため、レーベル自体が固定ファンを獲得している。キース・ジャレットはこのレーベル随一の人気を誇るアーティストである。
レコード番号には通し番号を採用しているが、全番号が埋まっている訳ではなく、正確なリリース順でもない。1200、1300といったいわゆる「キリ番」は、キース・ジャレットとヤン・ガルバレクの2人がほとんどを占める。
ECM New Series
[編集]1980年代よりスティーヴ・ライヒやアルヴォ・ペルト作品の紹介を手始めに、現代音楽のリリースも行うようになった。現在は現代音楽以外にも、古楽、バロック音楽などにも充実したラインナップを持つ。アイヒャー自身、このレーベルのタイトルによってグラミー賞最優秀クラシック・プロデューサー賞を数回受賞している。ギドン・クレーメル、アンドラーシュ・シフなど大物の演奏家もこのレーベルから新作をリリースするなど、ジャズだけでなくクラシック界からの評価も高い。
代表的なアーティスト
[編集]ECM
[編集]ECM New Series
[編集]- アルヴォ・ペルト
- アンドラーシュ・シフ
- ヴァレンティン・シルヴェストロフ
- キース・ジャレット
- ギドン・クレーメル
- キム・カシュカシャン
- スティーヴ・ライヒ*
- ハインツ・ホリガー
- パウル・ギーガー
- ヒリヤード・アンサンブル
- メレディス・モンク
現在、他レーベルへ移籍した人物には*を付加する。
傘下レーベル
[編集]- WATT:カーラ・ブレイを中心とするレーベル。
- CARMO:エグベルト・ジスモンチの所有するレーベル。ECMがブラジル外での配給を担う。
- JAPO:アイヒャーがECMを興す以前に主催していたレーベル。各タイトルはECMに引き継がれて販売されている。ダラー・ブランド (アブドゥーラ・イブラヒム) の『African Piano』等が知られる。
- リューネ・グラモフォン(Rune Grammofon):ノルウェーのポップグループ、フラ・リッポ・リッピ(en:Fra Lippo Lippi)のベーシスト、リューネ・クリストファーセン (Rune Kristoffersen) が1998年に興したレーベル。2000年から2005年の間、ECMによって配給された。
配給元
[編集]アメリカでの配給元はポリドール、ポリグラム、ワーナー、BMGと複数のレコード会社を点々としている。現在はユニバーサル ミュージックが配給をしている。
日本国内では、1970年代後半から1980年代前半にかけてはトリオレコードが配給。ポリドールの配給を経た後に、現在はアメリカと同様にユニバーサル(ユニバーサル・ミュージック・ジャパン)が配給をしている。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 稲岡邦彌『増補改訂版 ECMの真実』河出書房新社、2009年
- 原雅明「ECMというサウンド・デザイン」『Jazz Thing ジャズという何か:ジャズが追い求めたサウンドをめぐって』DU BOOKS、2018年
- Sleeves of Desire: a Cover Story (1996). Edited by Lars Müller, Lars Müller Publishers ISBN 978-3-906700-85-4. 1996
- Horizons Touched: the Music of ECM (2007). Steve Lake and Paul Griffiths, eds. Granta Books ISBN 978-1-86207-880-2
- Windfall Light: The Visual Language of ECM (2010). Edited by Lars Müller, Lars Müller Publishers ISBN 978-3-03778-157-9. 2009 [English] & ISBN 978-3-03778-197-5. 2009 [German]
- Der Blaue Klang (2010). Edited by Rainer Kern, Hans-Jürgen Linke and Wolfgang Sandner, Wolke Verlag ISBN 978-3-936000-83-2 (German only)
- ECM - A Cultural Archaeology (2012). Edited by Okwui Enwezor and Markus Müller, Prestel Verlag ISBN 978-3-7913-5285-5 [English] & ISBN 978-3-7913-5284-8 [German]
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- ECMレーベル JAZZ/ ユニバーサル・クラシックス Universal classics