エンメルトの法則

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エンメルトの法則(エンメルトのほうそく、英語: Emmert's law[1])とは、物体網膜像の大きさが同一である場合、知覚される物体との距離比例して物体の大きさ知覚は変化する、という法則である。この法則は、もともとは残像の大きさ知覚を説明するために提案された。

エンメルトの法則を簡単に体験するには、ペンライトなどをしばらく見つめたあと、奥行きの異なるを交互に見て、残像の知覚される大きさを比較すればよい。このとき、より遠くにある面に投影したときに、残像はより大きく知覚される。また、よく晴れた日に、自分のをしばらく見たあと、を見上げると、残像が空に投影される(影送り[2]。このとき、空に投影された残像の大きさは、地面の影よりも大きく知覚される。これは地面よりも空は遠くに知覚されたため、エンメルトの法則によって残像がより大きく知覚された例とみなせる。

脚注[編集]

  1. ^ 文部省日本心理学会編『学術用語集 心理学編』日本学術振興会、1986年。ISBN 4-8181-8602-3 
  2. ^ 『大人も知らない?ふしぎ現象事典』2021年 マイクロマガジン社 106頁

関連項目[編集]