オムネオ
オムネオ(OMNEO) "Régio 2N" フランス国鉄Z55500形電車 フランス国鉄Z56500形電車 | |
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リール=フランドル駅に停車するオムネオ(Régio 2N) | |
基本情報 | |
運用者 | フランス国鉄(SNCF) |
製造所 | ボンバルディア・トランスポーテーション |
運用開始 | 2014年10月31日 |
主要諸元 | |
編成 |
6車体連接車(Short) 7車体連接車(Medium) 8車体連接車(Long) 10車体連接車(Extra Long) 8車体連接車(V200) |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 |
直流 1,500 V/交流 25,000 V (50 Hz) (架空電車線方式) |
設計最高速度 |
160km/h 200km/h(V200) |
車両定員 |
680人~775人(着席360人~450人)(Short) 800人~880人(着席435人~520人)(Medium) 9550人~1,050人(着席515人~615人)(Long) 1,210人~1,320人(着席650人~780人)(Extra Long) 着席485人(V200) |
編成長 |
80,900mm~84.500mm(Short) 93,200mm~95.000mm(Medium) 108,200mm~109.900mm(Long) 133,600mm~135.400mm(Extra Long) 109,900mm(V200) |
車体長 |
14,300mm(1階建て先頭車体) 19,215mm(2階建て先頭車体) 10,020mm(1階建て中間車体) 13,695mm/15,445mm(2階建て中間車体) |
全幅 |
2,990mm(1階建て車体) 3,050mm(2階建て車体) |
全高 | 4,320mm |
床面高さ | 550mm / 760mm / 920mm |
軸重 | 17.5t / 19t / 20t |
主電動機 | 永久磁石同期電動機 |
主電動機出力 | 400 kW |
編成出力 |
2,400kW(Short) 2,400kW(Medium) 2,400kW/3,200kW(Long) 2,400kW/3,200kW(Extra Long) 2,550kW(V200) |
制御方式 | IGBT素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 | ボンバルディアMITRAC |
備考 | 数値は[1][2]に基づく。 |
オムネオ[3](OMNEO)は、ドイツ・ベルリンに本社を置くボンバルディア・トランスポーテーションが開発・展開する2階建て電車。フランス国鉄(SNCF)ではRégio 2Nのブランド名で呼ばれている。
概要
[編集]Z2N電車やV2N客車などフランス国鉄で運用されている旧型2階建て車両の置き換え[2]を目的に製造が行われている電車。2010年2月14日にフランス国鉄とボンバルディアの間で製造に関する契約が交わされた[4]。
一度に多数の乗客を輸送する事が出来る反面、車内間の移動や居住性、バリアフリーに難がある2階建て車両の課題を解決するため、オムネオは1階建ての車体と2階建て車体を交互に繋いだ連接構造を採用し、2階建て車体を1階建て車体よりも長くしている。また、1階建て先頭・中間車体および2階建て先頭車体に設置された扉の位置をプラットフォームと同一にする事で車椅子を用いる乗客でも容易に利用出来る設計となっており、障害者対応トイレを1階建て車体に設置する事も可能である[1]。
さらに、2階建て車体は1階建て車体および従来の2階建て車両に比べて車体幅が広く取られており、快適性が向上している[1]。
構造全般においてボンバルディアが提唱する省エネ技術"ECO4"を採用しており、消費電力が従来の車両から3%削減されメンテナンスにかかる費用も抑えられている他、車体の95%は再利用可能な材料を用いて組み立てられている。モーターについてもボンバルディアが開発した永久磁石同期電動機の"MITRAC"が使われ、消費電力の削減や騒音抑制に貢献している[1]。
編成
[編集]需要に応じて最短6車体連接車から自由に編成を組む事が出来、内装に応じて2階建て中間車体の長さを変更する事も可能である[2]。下記の編成に加え、長距離運用に適した最高速度200km/hのV200も存在する[1][2]。
- Short 1 - 6車体連接車、全長80,945mm。一方の先頭車は2階建て車体となっている。
- Short 2 - 6車体連接車、全長82,695mm。2階建て中間車体の全長がShort 1と比べて長い。
- Medium - 7車体連接車、全長94,975mm。先頭車は双方とも1階建て車体。
- Long - 8車体連接車、全長109,910mm。一方の先頭車は2階建て車体。
- Extra Long - 10車体連接車、全長135,375mm。一方の先頭車は2階建て車体。
運用
[編集]2012年9月からチェコのヴェリム鉄道試験線で試験運転が開始され、2013年9月までに単独運転10万km、連結運転2万kmもの走行試験が行われた[5]。最初の編成が営業運転を開始したのは2014年10月31日で[6]、2018年2月現在フランスの10地域で合計382編成が発注されている[7]。
なお2013年現在、フランス国鉄は最高速度160km/hのTER(地域圏急行輸送)など地域輸送向け編成にZ55500形、最高速度200km/hの長距離運用向け編成(V200)にZ56500形の形式名を与えている[5]。そのうちZ56500形についてはノルマンディー地域圏向けに40編成が発注されており、2019年の運転開始を予定している[8]。
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ピカルディ地域圏に投入されたオムネオ(Régio 2N)
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サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏で活躍するオムネオ(Régio 2N)
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オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏のオムネオ(Régio 2N)
関連項目
[編集]- オランダ鉄道VIRM形電車、Twindexx - ボンバルディア・トランスポーテーションが製造を手掛ける2階建て電車ブランド。後者は2階建て客車も並行して生産している。
- 近鉄10000系電車、近鉄10100系電車 - かつて日本に存在した2階建て電車。オムネオと同様、1階建て車体と2階建て車体を繋いだ連接編成であった。
脚注
[編集]- ^ a b c d e OMNEO: The ultimate breakthrough for high capacity comfort 2018年7月31日閲覧
- ^ a b c d bombardier-transportation-Regio-2N-datasheet-en.pdf 2018年7月31日閲覧
- ^ 「中国&ビッグスリー 変貌する世界の車両メーカー」『週刊東洋経済臨時増刊 鉄道最前線2017』、東洋経済新報社、2017年2月28日、87頁、ASIN B06XBXHPT8。
- ^ “First Régio2N double-deck train order signed” (英語). Railway Gazette International. (2010年2月25日) 2018年7月31日閲覧。
- ^ a b “New French double-deck emu unveiled” (英語). International Railway Journal. (2013年9月25日) 2018年7月31日閲覧。
- ^ “Crespin : le Regio2N de Bombardier a commencé à circuler ce week-end en Bretagne” (フランス語). La Voix du Nord. (2014年11月1日) 2018年7月31日閲覧。
- ^ “Transilien double-deck EMUs ordered” (英語). Railway Gazette International. (2018年2月19日) 2018年7月31日閲覧。
- ^ “PREMIÈRE NATIONALE : LA NORMANDIE OFFICIALISE LA COMMANDE DE 40 NOUVEAUX TRAINS” (フランス語). Région Normandie. (2016年11月24日). オリジナルの2017年2月11日時点におけるアーカイブ。
外部サイト
[編集]- “ボンバルディアによる紹介ページ” (英語). 2018年7月31日閲覧。