カラーボール
表示
カラーボール (colored ball) は、特殊染料が入った防犯用のボール。
防犯装備の一つであり、金融機関、店舗等の防犯に用いられている。
内容物
[編集]カラーボールの中には、色素と特殊塗料(ルミノール反応)の液体が封入されており、強力な悪臭(チーズの腐敗臭のような臭い)を放つものもある。内容物が一度付着すれば、除去するのは極めて難しい。
使用方法
[編集]対象物または対象者にぶつけると衝撃で外装が割れ、内容液が対象に付着する。人間など小さい標的に対しては、足元に投げることにより飛沫させ、付着させる。犯人に直接ぶつけても割れないことがあるので(人体に当たった程度で割れては脆弱過ぎる)、足元に投げつけ、飛び散った塗料が掛かるようにする。逃走車には直接投げつける。
これにより、強盗犯等を識別する。染料は洗剤などで落ちてしまうが、特殊塗料は簡単には消えない。
実用例
[編集]- 2007年10月12日に長野県北安曇郡池田町にある八十二銀行池田支店で強盗事件があり、銀行員が投げたカラーボールが犯人の車に命中。10分後に警察官が被疑車両を発見し、逮捕に至った。
- 2008年4月3日に神奈川県横浜市青葉区たちばな台にある横浜農協たちばな台支店で強盗事件があり、職員が投げたカラーボールが犯人の運転する車のフロントガラスに命中。民家の庭に隠れていたが、乗り捨ててある車を見た住人から通報があり、事件から40分後に被疑者が逮捕された。
- 2009年1月26日に神奈川県小田原市のコンビニエンスストアで強盗事件があり、店員が投げたカラーボールが犯人に命中した。客の通報でかけつけた警察官が、犯人を現行犯逮捕した。
- 2009年5月25日に石川県金沢市にある金沢三馬郵便局で強盗事件があり、300万円を奪って逃走。郵便局長が投げたカラーボールが犯人の運転する車のフロントガラスに命中した。27日に警察が車両を発見し被疑者の逮捕に繋がった。金沢三馬郵便局ではカラーボールを用いた防犯訓練を年2回実施していた。
- 2009年12月18日に群馬県伊勢崎市にある伊勢崎豊城郵便局で強盗事件があり、女が約100万円を奪って逃走。郵便局員が投げたカラーボールが犯人の車に当たったことが目印となり約1時間後に犯人の女が逮捕された(『読売新聞』2009年12月19日)。
- 2014年6月5日に神奈川県伊勢原市東大竹の東大竹郵便局に強盗が押し入る事件があり、現金を奪うことなく逃走。3時間半後に無職の67歳男性が逮捕された。局内に常備してあるカラーボールの塗料が車に付着しており、車のナンバーも控えられていた [1]。
- 2016年3月17日に東京都台東区にある東京都民銀行御徒町支店に刃物を持った男が押し入り、現金約100万円を奪って逃げた。銀行員がカラーボールを投げて足に命中させ、通報で駆けつけた警視庁上野署員が約200メートル先で拳銃を向けて警告し、逮捕した[2]。
脚注
[編集]- ^ 「郵便局で強盗…でも交番の隣 局員と警察OBが連携し容疑者逮捕」神奈川新聞2014年6月5日
- ^ 「銀行強盗容疑で男逮捕 包丁突き付け百万円奪う」産経新聞2016年3月17日