カーブル国際空港
カーブル国際空港 パシュトー語: د حامدکرزی نړيوال هوائي ډګر ペルシア語: میدان هوائی بین المللی حامدکرزی Kabul International Airport | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
IATA: KBL - ICAO: OAKB | |||||||||
概要 | |||||||||
国・地域 | アフガニスタン | ||||||||
所在地 | カーブル | ||||||||
種類 | 軍民共用 | ||||||||
運営者 |
運輸民間航空省 アフガニスタン空軍 | ||||||||
運用時間 | 日の出 - 日没 | ||||||||
拠点航空会社 |
アリアナ・アフガン航空 アフガン・ジェット・インターナショナル カーム航空 | ||||||||
標高 | 1,791 m (5,877 ft) | ||||||||
座標 | 北緯34度33分57.07秒 東経69度12分44.38秒 / 北緯34.5658528度 東経69.2123278度座標: 北緯34度33分57.07秒 東経69度12分44.38秒 / 北緯34.5658528度 東経69.2123278度 | ||||||||
地図 | |||||||||
カーブル国際空港の位置 | |||||||||
滑走路 | |||||||||
| |||||||||
リスト | |||||||||
空港の一覧 |
カーブル国際空港(カーブルこくさいくうこう、パシュトー語: د حامدکرزی نړيوال هوائي ډګر,ペルシア語: میدان هوائی بین المللی حامدکرزی)は、アフガニスタンのカーブル市北部にある国際空港である。カーブル・フワージャ・ラワーシュ国際空港 (Kabul-Khwaja Rawash Airport) と表記することもある。かつての大統領の名を冠してハーミド・カルザイ国際空港とも称する。カブール国際空港とも表記される[1]。
概要
[編集]アフガニスタンで最大の国際空港であったが、1970年代以降の度重なる戦火によって破壊された為、現在は日本を含めた国際社会の援助により、機材の整備や空港ターミナルビルの建設が行われ、2008年11月6日に新しいターミナルビルがオープンした。その後も航法支援設備のグレードアップなどが継続して行われた。
2021年8月までの航空管制、燃料供給、通信事業については北大西洋条約機構加盟国の文民が、空港の治安維持についてはトルコ、アメリカ合衆国、イギリス、アゼルバイジャンの部隊が担当してきた[2]。これら業務は同月31日までにターリバーンに委ねられた(経緯は後述)が、ターリバーン側は管制業務等を担う人材を欠いておりトルコと交渉を行った[3]が、最終的にはカタールが人材の派遣を行った[4]。9月5日、アリアナ・アフガン航空の国内便がヘラート、カンダハール、マザーリシャリーフ間で[5]、9月9日にはカタール航空の国際便がドーハ間で航空機が運行を開始した[6]。
2021年 政権崩壊に伴う混乱
[編集]2021年8月15日、ターリバーンがカーブルに迫り政権が崩壊する(2021年ターリバーン攻勢 参照)と、空港を利用してアメリカ大使館員らの国外避難が行われた。また国外避難を希望する市民も空港に殺到[7]。民間側の旅客機の出発はキャンセルされた[8]。アメリカの外交官や大使館職員を退避させる米軍輸送機に人々がしがみつくのを阻止するため、米軍が空に向けて発砲した。混乱の中、5人が死亡したという情報もある[9]。同年8月17日からは国外に退避する市民向けの航空便の運行が再開された[10]。
アメリカは避難民が殺到する空港及び周辺でISIL-Kによるテロ対策を講じていた[11]が、同年8月26日に空港のアビーゲート付近で180人以上が死亡する自爆テロが発生[12][13]。空港の機能は停止したが、翌27日には再開された[14]。
8月30日、ISIL-Kは空港に向けて6発のロケット弾を発射したことを発表。ロケット弾は空港のミサイル防衛システムにより迎撃され被害は生じなかった[15]。 同日夜、アメリカ軍の最後の輸送機がアメリカ国務省とアメリカ国防総省のチームを乗せて空港を離陸。アメリカ軍の撤退が完了し[16]、米連邦航空局は空港での航空管制システムが不能状況にあるため、米国民間機は事前認可無しでアフガニスタン上空飛行禁止となった[17]。 8月31日、アメリカ軍の撤退完了後の空港でザビフラ・ムジャヒド(報道担当幹部)が記者会見を行い、ターリバーンの勝利を祝福した[18]。
9月になってカタール政府が運用しているカタールアミリフライト運航、カタール空軍所属C-17が空港技術者を含め複数回輸送し、4日から空港一部運用を再開し、国際線運航再開を目指し復旧作業を行っている[19]。
就航航空会社と就航都市
[編集]旅客便
[編集]航空会社 | 就航地 |
---|---|
アリアナ・アフガン航空 | 東アジア:ウルムチ 南アジア:デリー 中東:アンカラ、カンダハール、ジッダ、ドバイ/国際、ヘラート、マザーリシャリーフ 東欧:モスクワ/シェレメーチエヴォ |
カムエアー | 南アジア:デリー、イスラマバード 中央アジア:アルマトイ、タシュケント、ドゥシャンベ 中東:アンカラ、イスタンブール、カンダハール、ザランジ、ジッダ、ドバイ/国際、バーミヤーン、ファラーフ、ヘラート、マザーリシャリーフ、ラシュカルガー |
エミレーツ航空 | ドバイ/国際 |
フライドバイ | ドバイ/国際 |
エア・アラビア | シャールジャ |
エア・インディア | デリー |
スパイスジェット | デリー |
パキスタン国際航空 | イスラマバード |
マーハーン航空 | テヘラン/エマーム・ホメイニー、マシュハド |
ターキッシュ エアラインズ | イスタンブール |
貨物便
[編集]航空会社 | 就航地 |
---|---|
シルクウェイ航空 | バクー |
エミレーツ・スカイカーゴ | 東アジア:香港 中東:ドバイ/アール・マクトゥーム |
MNG航空 | 南アジア:カラチ、ラホール 中東:アブダビ |
SNAS/DHL | アブダビ |
フィッツエア | ドバイ/国際 |
コイン・エアウェイズ | ドバイ/国際 |
アトラス航空 | フランクフルト/ハーン |
脚注
[編集]- ^ カブール国際空港保安機能強化計画 | ODA見える化サイト. 2021年8月26日閲覧
- ^ “アフガン空港、米軍撤退後の運営主体めぐり協議混迷”. AFP (2021年8月28日). 2021年8月28日閲覧。
- ^ “武装勢力タリバン“カブールの空港内の一部を管理下に置いた””. NHK (2021年8月30日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “カブール空港、国内線が再開 カタール支援”. 朝日新聞 (2021年9月6日). 2021年9月9日閲覧。
- ^ “教育の新規則を発表、国内便の運航が再開 アフガン”. CNN (2021年9月6日). 2021年9月6日閲覧。
- ^ “米軍撤退後初の国際便 カタール行き、外国人も搭乗―アフガン”. 時事通信 (2021年9月9日). 2021年9月9日閲覧。
- ^ “カブール市内緊迫で混乱も 空港や銀行、市民ら殺到”. 時事通信 (2021年8月16日). 2021年8月15日閲覧。
- ^ “混乱のアフガン情勢 安保理が緊急協議へ、民間航空便は全て欠航に”. CNN (2021年8月16日). 2021年8月16日閲覧。
- ^ “アフガン空港、死者が出る混乱 バイデン氏は撤退の正当性主張”. ロイター (2021年8月16日). 2021年8月17日閲覧。
- ^ “タリバン、首都機能の再開急ぐ 政府職員に「恩赦」も”. AFP (2021年8月17日). 2021年8月18日閲覧。
- ^ “ISIS系、カブール空港へのテロ攻撃を謀議か 米分析”. CNN (2021年8月22日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “カブール国際空港付近で2度の爆発、米国人やアフガン人に被害”. CNN (2021年8月27日). 2021年8月27日閲覧。
- ^ “米、アフガンIS系勢力に空爆 報復で立案者殺害か―空港テロ、死者180人超に”. 時事通信. 2021年8月28日閲覧。
- ^ “カブール空港で退避便再開 米、さらなる攻撃の恐れ警告”. AFP (2021年8月21日). 2021年8月28日閲覧。
- ^ “カブール空港にロケット弾攻撃 ISが犯行声明”. AFP (2021年8月30日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “アフガンを去る最後の米兵、国防総省が画像を公開”. CNN (2021年8月31日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “カブール空港の管制不在、米民間機はアフガン飛行禁止=FAA”. Reuters. (2021年8月31日)
- ^ “タリバン報道官、空港から「勝利」を祝福”. CNN (2021年8月31日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “カブール空港、数日内に運用再開か カタールが技術者派遣”. CNN. (2021年9月5日)