キス・ミー・ケイト
『キス・ミー・ケイト』(Kiss Me, Kate)は、コール・ポーター作詞・作曲のブロードウェイミュージカル。
概説
[編集]ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『じゃじゃ馬ならし』上演の裏側に、離婚後の男女関係を織り込んで仕上がったミュージカルコメディー。1948年に初演され、トニー賞を受賞した。ケイトというのはじゃじゃ馬・キャサリンの愛称。後に監督にもなるボブ・フォッシーも出演している。
1953年にはメトロ・ゴールドウィン・メイヤーで3D作品として映画化され、日本では1987年になって3Dではなく普通の映画として劇場公開された[1]。
登場人物
[編集]- フレッド・グレアム(舞台俳優。離婚したばかり)/ペトルーキオ
- リリー(フレッドの元妻)/ケイト
- ビル・カルホーン/ルーセンシオー
- ロイス・レーン/ビアンカ
映画
[編集]w:Kiss Me Kate (film)は1953年10月15日、アメリカで封切放映[2]。3D映画として撮影された。
- 製作:ジャック・カミングス
- 監督:ジョージ・シドニー
- 脚本:ドロシー・キングスレイ
- 音楽:アンドレ・プレヴイン、ソール・チャップリン
- 作曲:コール・ポーター
- 振付:ハーメス・パン
ストーリー
[編集]フレッド(ハワード・キール)の自宅に作曲家のコール・ポーター(ロン・ランデル)が新作をもってやってくる。喜劇『じゃじゃ馬ならし』をベースにした「キス・ミー・ケイト」。そこへ元妻で相手役を務めるリリー(キャスリン・グレイソン)もやって来て、2人は出来あがったばかりの曲を早速デュエットする。ロイス・レーン(アン・ミラー)も加わり、一気に盛りあがる。
初日の開幕を前にフレッドとリリーは昔話に花が咲く。リリーはフレッドから花束をもらって上機嫌なのだが、若いロイスに贈ったものが手違いで渡ったのだ。劇中劇『じゃじゃ馬ならし』が始まる[3]。第1幕の途中でリリーが間違って花束を渡されたことを知るが、波乱のうちになんとか終了。幕間でもリリーの怒りはおさまらず、舞台を降りるとダダをこね、第2幕の途中で本当に出ていく。終幕、ロイスを中心にした男女3組のダンス・ナンバー。この後はリリーの代役でしのぐ手はずだったが、舞台を見ると何とリリーが戻っていた。まるで『じゃじゃ馬ならし』そのもので、ハッピー・エンドを迎え、フィナーレで賑やかにテーマ曲「キス・ミー・ケイト」を歌いあげる。
日本版
[編集]日本では、1966年に東宝ミュージカルで宝田明・江利チエミのコンビで初演され、その後1985年、シアターアプルでも立川光貴・倍賞千恵子のコンビで上演された。2002年には再び東宝ミュージカルで一路真輝・今井清隆のコンビで、2003年には一路・鈴木綜馬のコンビで上演され。2017年には松平健と一路のコンビで上演された。[4]
宝塚版
[編集]演出家・岡田敬二が大浦みずき・ひびき美都の新トップコンビに相応しいと判断し、1988年(昭和63年)、コンビ御披露目公演として宝塚歌劇団で上演。また、74期生(麻乃佳世、汐風幸、白城あやか、渚あき、初風緑、美郷真也、森奈みはる、和央ようかなど)の初舞台公演でもあった。この宝塚版は、その年の月刊「ミュージカル」の作品・アーチスト・タレント部門ベスト10に、それぞれランクインした。
脚注
[編集]- ^ 和田誠(『ぼくが映画ファンだった頃』七つ森書館 2015年 pp.131-133)。
- ^ “Kiss Me Kate - Details”. AFI Catalog of Feature Films. June 22, 2018閲覧。
- ^ シェイクスピアの原作も劇中劇になっている。
- ^ “『キス・ミー・ケイト』公式ページ”. 一般社団法人映画演劇文化協会. 2016年9月13日閲覧。
外部リンク
[編集]- 『キス・ミー・ケイト』公式サイト - 2017年公演[リンク切れ]
- ハロー・ミュージカル!プロジェクト ミュージカル『キス・ミー・ケイト』 - ウェイバックマシン(2018年8月19日アーカイブ分)
- 平成29年度事業報告(平成29年4月1日~平成30年3月31日) - 一般社団法人 映画演劇文化協会