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キングデヴィッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キングデヴィッド
欧字表記 King David[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 2009年3月13日[1]
ハットトリック
Storm West
母の父 Gone West
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ケンタッキー州[2]
生産者 Ben Lengacher[2]
馬主 Grenville Stable
→Larry Rivelli
→Danny Gargan
→Scarlet Stable
→Fedai Kahraman[2]
調教師 David Stephens
→George Leonard, III
→Larry Rivelli
→Nick Canani
→Michael Maker
→Murat Sancal[2]
競走成績
生涯成績 29戦7勝[2]
獲得賞金 45万5509米ドル[2]
勝ち鞍
GI ジャマイカハンデキャップ 2012年
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キングデヴィッドは、アメリカ競走馬トルコ種牡馬。主な勝ち鞍は2012年ジャマイカハンデキャップ[1]

日本からアメリカに種牡馬として輸出されたハットトリックの初年度産駒で、2011年フランスG1を2勝したダビルシムに続いてアメリカで最初にG1に勝利した同馬の産駒である[3]。引退後はトルコで種牡馬入りし、同国のダービー馬の父になった[4]

馬名はキングデイヴィッドともカナ表記される[3]

なお、2015年デンマーク産の同名馬King David(DEN)[注釈 1]がいるが、本項では2009年アメリカ産のKing David(USA)について記述する。

戦績

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2011年10月4日、インディアナ州フージャーパーク競馬場ダートの2歳未勝利戦に初出走し、年内に4戦するが勝ち上がることができなかった[2]。5か月の間隔を開けて3歳時の2012年5月にオールウェザーの未勝利クレーミング競走(出走馬が売りに出される競走)に出走し初勝利を挙げると、6月から芝のクレーミング競走を4連勝し、最後のクレーミング競走でマイケル・メイカー調教師に3万5000ドル(当時のレートで約280万円)で購入されて転厩した[3][5][6][7]

2012年10月6日、転厩初戦にニューヨーク州ベルモントパーク競馬場で3歳馬限定の芝GI競走ジャマイカハンデキャップ(現在のベルモントダービーインビテーショナルステークス)に出走。GIはおろかステークス競走も初出走であるキングデヴィッドは出走7頭中でハンデ6番目の負担重量115ポンド、6番人気の単勝28倍という低評価であったが、スローペースを演出して逃げ粘った5番人気キングクリーサを3番手追走からゴール前でとらえ、半馬身差をつけて優勝した[3][5][6][7][8][9]

次走のGIIIコモンウェルスターフステークスは一転して出走14頭中トップタイの123ポンドを課せられるが[10]、僅差の2着で前走が単なるフロックでなかったことを証明した[11]。続いてクレーミングクラウン英語版エメラルドステークス4着、ジョンBコナリーターフカップステークス2着とステークス競走で入着を続けるが、軽度の故障があり[12]、8か月間隔を開けて出走した2013年9月の一般競走(アローワンス)に優勝した後は勝ち星から遠ざかった[2]

2013年、トルコダービーのガジ賞(ガジダービー)をディヴァインライト産駒のディヴァインハートが優勝したことからサンデーサイレンス系の種牡馬がトルコの競走馬生産に適していると考えた同国のオーナーブリーダーのフェダイ・カフラマンは、メイカー調教師にキングデヴィッドの購入を打診したが、売却を断られた[12]2014年には一般競走でもまったく勝てなくなっていたキングデヴィッドは同年末から再びクレーミング条件で出走するようになり[2]2015年10月2日のクレーミング競走でカフラマンによって2年越しで購入された[13]

毎年9月にイスタンブールで開催される国際競走のG2トプカプトロフィーに出走させてから種牡馬入りするプランもあったが、すでにピークを過ぎた6歳秋に購入されたため、アメリカで1走した後に翌年のトプカプトロフィーを待たずに引退し、トルコで種牡馬入りした[12]

競走成績

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競走成績

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以下の内容は、Equibase[2]の情報に基づく。

出走日 競馬場 競走名 コース 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2011.10.04 フージャーパーク 未勝利 D 6f 7着 T.Turner 14馬身1/2 Sherp
0000.11.16 チャーチルダウンズ 未勝利 D 8.5f 7着 R.Vazquez 23馬身 Gold Megillah
0000.11.26 チャーチルダウンズ 未勝利 9f 7着 O.Rossi 13馬身3/4 Red Jack
0000.12.31 ホーソーン 未勝利 D 6f 4着 F.Torres 5馬身 Latent Rush
2012.05.25 アーリントン 未勝利クレーミング AW 6.5f 1着 Q.Hamilton アタマ (Trickeroy)
0000.06.06 アーリントン クレーミング 5.5f 2着 Q.Hamilton 半馬身 Fairy Cat
0000.06.27 アーリントン クレーミング 8f 1着 Q.Hamilton クビ (Dancing Rock)
0000.07.15 アーリントン クレーミング 8f 1着 Q.Hamilton アタマ (Tragic Magic)
0000.08.13 サラトガ クレーミング 8.5f 1着 R.Dominguez 3馬身1/4 (Reserve Currency)
0000.09.13 ベルモントパーク クレーミング 8.5f 1着 R.Dominguez 1馬身1/4 (See Me Proud)
0000.10.06 ベルモントパーク ジャマイカH GI 9f 1着 R.Napravnik 半馬身 (King Kreesa)
0000.12.17 チャーチルダウンズ コモンウェルスターフS GIII 8.5f 2着 J.Leparoux 3/4馬身 Lea
0000.12.01 ガルフストリームパーク CCエメラルドS 8.5f 4着 E.Prado 1馬身1/2 Nikki's Sandcastle
2013.01.26 サムヒューストン ジョンBコナリーTCS GIII 9f 2着 R.Napravnik 2馬身3/4 Swift Warrior
0000.09.29 チャーチルダウンズ 一般競走 8f 1着 R.Napravnik 1馬身3/4 (Street Serenade)
0000.12.21 フェアグラウンズ BディルベルトメモリアルH 8.5f 6着 R.Napravnik 9馬身 Daddy Nose Best
2014.01.25 サムヒューストン ジョンBコナリーTCS GIII 9f 4着 R.Napravnik 2馬身 Admiral Kitten
0000.03.23 ガルフストリームパーク クレーミング馬限定 8.5f 6着 L.Saez 3馬身1/2 Zane
0000.05.09 チャーチルダウンズ 一般競走 8.5f 9着 R.Albarado 3馬身 Villandry
0000.06.20 チャーチルダウンズ 一般競走 9f 5着 R.Albarado 4馬身1/2 Avanzare
0000.07.22 インディアナポリス 一般競走 8.5f 3着 F.Torres 3馬身 Red Strike
0000.09.13 チャーチルダウンズ 一般競走 8f 5着 M.Pedroza,Jr. 9馬身1/4 Free World
0000.11.07 チャーチルダウンズ 一般競走 8f 5着 C.Lanerie 7馬身3/4 Silver Freak
0000.11.22 チャーチルダウンズ クレーミング 8f 6着 J.Castanon 7馬身1/2 Paroled
0000.12.14 ターフウェイパーク 一般競走 AW 8.5f 6着 J.Castanon 9馬身 Taken by the Storm
2015.08.08 インディアナポリス 一般競走 7.5f 9着 A.Jimenez 6馬身1/2 Forever Sure
0000.09.15 インディアナポリス クレーミング 7.5f 4着 F.De La Cruz 2馬身1/4 Bell by the Ridge
0000.10.02 インディアナポリス クレーミング 8f 3着 F.De La Cruz 半馬身 Sweet Daddy
0000.10.21 インディアナポリス 一般競走 8.5f 7着 C.Lugo 4馬身1/2 Shock Leader

引退後

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2016年からトルコで種牡馬として供用されたが[14]、同年にスタッドインしたディープインパクト産駒の日本産種牡馬スマートロビンが100頭以上の繁殖牝馬を集めた[15]のと比べ、キングデヴィッドの種付け数は15頭(うち8頭は所有者カフラマンの持ち馬)にとどまった[16]

2019年に産駒がデビューしてからも毎年の出走産駒数は20頭前後に過ぎないが[17]、供用2年目の少ない産駒の中から2021年にガジ賞(ガジダービー)に優勝し[4]同年の年度代表馬に選ばれた[18]ブルガスを輩出し、2023年には種付け繁殖牝馬数が100頭を超える人気種牡馬となった[19]

主な産駒

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太字はトルコ国内G1。

  • 2018年産
    • Burgas / ブルガス[20] - ガジ賞アンカラ賞トルコ大統領賞ハリチ賞トルコジョッキークラブ賞アヴラシア賞ファーティフ・スルタン・メフメト賞、メフメト・アーキフ・エルソイ賞、ジェラル・バヤル賞、イスメト・イノニュ賞、フェヴズィ・チャクマク賞
  • 2020年産
    • Lion Victory / ライオンヴィクトリー[21] - カライェル賞、サカリヤ賞、トルコ競走馬生産者馬主協会賞、トラキヤ賞、無名G3競走

血統表

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キングデヴィッド血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系
[§ 2]

ハットトリック
2001 黒鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*トリッキーコード
1991 青鹿毛
Lost Code Codex
Loss Or Gain
Dam Clever Damascus
Clever Bird

Storm West
1999 黒鹿毛
Gone West
1984 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Secrettame Secretariat
Tamerett
母の母
Storm Attack
1992 鹿毛
Storm Bird Northen Dancer
South Ocean
Hortensia Luthier
Helenouchka
母系(F-No.) (FN:F4-j) [§ 3]
5代内の近親交配 アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ King David(USA)”. JBIS. 2023年10月23日閲覧。
  2. ^ King Davidの血統表”. netkeiba. 2022年10月23日閲覧。
  3. ^ King David(USA)”. JBIS. 2023年10月23日閲覧。
  4. ^ King Davidの血統表”. netkeiba. 2022年10月23日閲覧。

脚注

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注釈

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  1. ^ King David(DEN)は2015年デンマーク産の父Ellusive City、母Jeunesse Lulu(母の父Montjeu)の牡馬。主な勝ち鞍は2019年のハンブルクロト大賞(ドイツG3)、2022年のストックホルムストゥーラプリス(スウェーデンG3)、マリットスヴェアースミネロップ(ノルウェーG3)。King David(DEN)”. JBIS. 2023年10月24日閲覧。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d King David(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月23日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Horse Profile for King David”. Equibase. 2023年10月23日閲覧。
  3. ^ a b c d ハットトリック産駒がG1制覇、キングデイヴィッドが抜け出す」『競馬ブック』2012年10月14日。2023年10月23日閲覧。
  4. ^ a b 【海外競馬】ハットトリックの孫がトルコでダービー制覇、鞍上A.チェリク騎手は7連覇”. netkeiba. Net Dreamers (2021年6月27日). 2023年10月23日閲覧。
  5. ^ a b “Belmont Park: King David claims Jamaica Handicap as his”. Daily Racing Form. (2012年10月6日). https://www.drf.com/news/belmont-park-king-david-claims-jamaica-handicap-his 2023年10月23日閲覧。 
  6. ^ a b “King David Rules Jamaica Handicap”. BloodHorse. (2012年10月6日). https://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/125980/king-david-rules-jamaica-handicap 2023年10月23日閲覧。 
  7. ^ a b “King David shocks Jamaica first off the claim”. BloodHorse. (2012年10月6日). https://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/125962/king-david-shocks-jamaica-first-off-the-claim 2023年10月23日閲覧。 
  8. ^ BELMONT PARK - October 6, 2012 - Race 9” (PDF). Equibase. 2023年10月23日閲覧。
  9. ^ Full Result 10.06 Belmont Park (USA)”. Racing Post. 2023年10月23日閲覧。
  10. ^ “Commonwealth Turf is King David's to Lose”. BloodHorse. (2012年11月15日). https://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/124819/commonwealth-turf-is-king-davids-to-lose 2023年10月22日閲覧。 
  11. ^ “Claiming Crown Gets Big Gulfstream Welcome”. BloodHorse. (2012年11月28日). https://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/124544/claiming-crown-gets-big-gulfstream-welcome 2023年10月23日閲覧。 
  12. ^ a b c Fedai Kahraman: Atçılık Serüvenim bir Hobi Olarak Başladı...”. TJK'nin Sesi. pp. 8-15 (2021年8月). 2023年10月23日閲覧。
  13. ^ Horseshoe Indianapolis - October 2, 2015 - Race 7” (PDF). Equibase. 2023年10月23日閲覧。
  14. ^ KING DAVID”. Kahraman Stud Harası. 2023年10月23日閲覧。
  15. ^ SMART ROBIN”. Türkiye Jokey Kulübü Aşım Sezonu Raporu 2016. pp. 144-146. 2023年10月23日閲覧。
  16. ^ KING DAVID”. Türkiye Jokey Kulübü Aşım Sezonu Raporu 2016. p. 77. 2023年10月23日閲覧。
  17. ^ Sire Statistics”. Jockey Club of Turkey. 2023年10月23日閲覧。
  18. ^ Karayel Ödülleri”. Safkan İngiliz Atı Yetiştiricileri ve Sahipleri Derneği. 2023年10月23日閲覧。
  19. ^ KING DAVID”. Türkiye Jokey Kulübü Aşım Sezonu Raporu 2023. pp. 111-114. 2023年10月23日閲覧。
  20. ^ BURGAS”. Jockey Club of Turkey. 2023年10月23日閲覧。
  21. ^ LION VICTORY”. Jockey Club of Turkey. 2023年10月23日閲覧。
  22. ^ Blazing Sevens(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月23日閲覧。
  23. ^ Hortensia(FR)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年10月23日閲覧。

外部リンク

[編集]
  • 競走馬成績と情報 netkeibaJBISサーチRacing Post
    • 2023年10月現在、netkeibaのKing David(USA)の競走成績欄にはKing David(DEN)の情報が誤って表示されている。