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クレスト・オブ・ア・ネイヴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『クレスト・オブ・ア・ネイヴ』
ジェスロ・タルスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル クリサリス・レコード
プロデュース イアン・アンダーソン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 7位(スイス[1]
  • 10位(ドイツ[2]
  • 19位(イギリス[3]、オーストリア[4]
  • 32位(アメリカ[5]
  • 40位(スウェーデン[6]
  • ジェスロ・タル アルバム 年表
    オリジナル・マスターズ
    (1985年)
    クレスト・オブ・ア・ネイヴ
    (1987年)
    20イヤーズ・オブ・ジェスロ・タル
    (1988年)
    テンプレートを表示

    クレスト・オブ・ア・ネイヴ』(Crest of a Knave)は、イギリスプログレッシブ・ロックバンドジェスロ・タル1987年に発表した16作目のスタジオ・アルバム

    背景

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    中心人物のイアン・アンダーソンが喉の病気を抱えていたため、ジェスロ・タルはしばらく活動を停止しており、結果的には『アンダー・ラップス』(1984年)以来3年ぶりの新作となった[7]。収録曲のうち「スティール・モンキー」、「ドッグス・イン・ザ・ミッドウィンター」、「レイジング・スティーム」はドラマー不在の編成でレコーディングされ、アンダーソンがドラム・プログラミングも兼任した[8]

    反響

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    全英アルバムチャートでは10週トップ100入りし、最高19位を記録した[3]。また、全英シングルチャートでは本作からの「スティール・モンキー」が84位、「シー・ワズ・ア・ダンサー」が55位に達した[9]

    アメリカでは28週Billboard 200入りし、1987年12月12日には32位に達した[5]。オーストリアのアルバム・チャートでは初登場19位となり、『ザ・ブロードスウォード・アンド・ザ・ビースト』(1982年)以来約5年ぶりに、同国におけるチャート入りを果たした[4]

    評価

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    第31回グラミー賞英語版では最優秀ハードロック/メタル・パフォーマンス賞を受賞し、バンド初のグラミー受賞を果たした[10]。しかし、一般的な認識ではジェスロ・タルはヘヴィメタル・バンドとみなされておらず、授賞式でプレゼンターを務めたアリス・クーパーは2016年、「誰もが受賞者はメタリカだと思っていた」「受賞者はジェスロ・タルと発表したら、会場は2分ぐらい沈黙して、それから皆が爆笑した。俺がジョークを言ったと思ったんだよ」と振り返っている[11]。また、イアン・アンダーソンは2012年、この件に関して「ジェスロ・タルが受賞した時には、信じられなかった人々のブーイング、野次、絶句が続いたもので、私はナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンスの6千人が、ジェスロ・タルをヘヴィロック・バンドやヘヴィメタル・バンドとみなして投票したとは思いたくない。連中は私達が『良い奴らなのにグラミー賞を受賞したことがない』ってことで受賞させたんだろう。悲しいことに、それからも『片足立ちのフルート奏者賞』は創設されていない。それなら毎年受賞できるのに」と語っている[12]。なお、本作のメタル部門でのグラミー受賞は、2015年2月8日付の『ガーディアン』紙の記事「ミリ・ヴァニリからスティーリー・ダンまで、最も不可解な5つのグラミー賞」でも言及された[13]

    Bruce Ederはオールミュージックにおいて5点満点中2.5点を付け「イアン・アンダーソンと仲間達は、このレコードでジェスロ・タルのサウンドをアップデートさせようと意識的に努力したように思える」「全体的に見れば、かなりの成功作であり、間違いなく1978年以降の彼らが発表したアルバムとしては最高傑作である」と評している[14]

    収録曲

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    全曲ともイアン・アンダーソン作。下記リストはCDに準拠しており、5.と8.(いずれもシングルB面曲)はLPには収録されていない[7]

    1. スティール・モンキー "Steel Monkey" – 3:37
    2. ファーム・オン・ザ・フリーウェイ "Farm on the Freeway" – 6:31
    3. ジャンプ・スタート "Jump Start" – 4:55
    4. シー・ワズ・ア・ダンサー "Said She Was a Dancer" – 3:41
    5. ドッグス・イン・ザ・ミッドウィンター "Dogs in the Midwinter" – 4:29
    6. ブダペスト "Budapest" – 10:05
    7. マウンテン・メン "Mountain Men" – 6:21
    8. ウェイキング・エッジ "The Waking Edge" – 4:47
    9. レイジング・スティーム "Raising Steam" – 4:12

    2005年リマスターCDボーナス・トラック

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    1. パート・オブ・ザ・マシーン "Part of the Machine" – 6:54

    参加ミュージシャン

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    アディショナル・ミュージシャン

    脚注

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    注釈

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    1. ^ フランス系をルーツとし姓の表記は“Barre”のため、日本では“バレ”と読まれることも多いが、イギリス人であり“バー”と発音するのが正しい[15]

    出典

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    1. ^ Jethro Tull - Crest Of A Knave - hitparade.ch
    2. ^ Offizielle Deutsche Charts
    3. ^ a b JETHRO TULL | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    4. ^ a b Jethro Tull - Crest Of A Knave - austriancharts.at
    5. ^ a b Jethro Tull Crest Of A Knave Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2019年11月24日閲覧。
    6. ^ swedishcharts.com - Jethro Tull - Crest Of A Knave
    7. ^ a b Crest of a Knave”. jethrotull.com. 2019年11月24日閲覧。
    8. ^ Jethro Tull - Crest Of A Knave (2005, CD) | Discogs
    9. ^ JETHRO TULL | full Official Chart History | Official Charts Company
    10. ^ Jethro Tull - Artist”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2019年11月24日閲覧。
    11. ^ Kielty, Martin (2019年2月22日). “30 Years Ago: Metallica Lose Grammy to Jethro Tull”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2019年11月24日閲覧。
    12. ^ Jethro Tull's Ian Anderson Reflects On His 'Metal' Grammy Win”. Blabbermouth.net (2012年2月11日). 2019年11月24日閲覧。
    13. ^ Nelson, Brad (2015年2月8日). “Five of the Grammys most mystifying awards, from Milli Vanilli to Steely Dan”. The Guardian. Guardian News and Media. 2019年11月24日閲覧。
    14. ^ Eder, Bruce. “Crest of a Knave - Jethro Tull”. AllMusic. 2019年11月24日閲覧。
    15. ^ マーティン・バー、ジェスロ・タルのデビュー50周年を祝うライヴ作を発表【前編】”. 2021年3月31日閲覧。

    外部リンク

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