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コウヤボウキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コウヤボウキ
コウヤボウキ(2006年10月)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : コウヤボウキ亜科 Pertyoideae
: コウヤボウキ属 Pertya
: コウヤボウキ P. scandens
学名
Pertya scandens (Thunb.) Sch.Bip. (1862)[1][2]
シノニム
和名
コウヤボウキ(高野箒)

コウヤボウキ(高野箒[4]学名: Pertya scandens)はキク科コウヤボウキ属落葉小低木[2]。古名はタマボウキ[4]。キク科の多くは草本であるが、本種は木本である[4]

名称

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和名「コウヤボウキ」は、和歌山県高野山で茎を束ねての材料としたのでこの名がある[4][2][5]。玉箒(たまぼうき、古くは「たまははき」)と呼ばれて古くから箒の材料とされ、正月の飾りなどにもされた[5]正倉院にある宝物の一つである子日目利箒(ねのひのめとぎぼうき:儀式用の玉飾りの箒)はコウヤボウキを材料としたものであることがわかっている[6]

特徴

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日本関東地方以西の本州四国九州に分布する[4][7]。山林の日当たりのよいところ、すこし乾燥した林内によく見られる[4][2]

落葉広葉樹小低木で、高さは 60 - 90センチメートル (cm) になる[4][7]。根本からたくさんの枝を出し、集団を作り、草本のように見える[7]。茎は灰褐色で細いが[4]、木質化していて硬い。茎には毛が多く生えているので、触るとざらつく[7]は本年枝について互生し、幅広い卵形[4]。前年枝の節に束生する葉は細長い[4][2]。冬には葉を落とし、枝のみが目につく[2]

冬芽は卵形で白い毛に覆われていて目につき、葉痕はわかりづらい[7]。側芽は枝に互生する[7]。春には葉が展開し、夏ごろには枝先の花芽が膨らんでくる[7]

花期は秋(9 - 10 月)[4]。本年枝の先端に頭状花が一輪ずつ咲く[4][2]。頭状花は筒状花のみ十数個からなり[4]、白い房状、長さ1.5 cmほどで[2]花弁は細長くてよじれる。

果実痩果冠毛がつき、風にのって散布される[4]。冠毛の長い果実は冬でもよく残っており[7]、風あたりの弱い場所では春まで残っている。

近縁種

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脚注

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参考文献

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  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎ほか『日本の野生植物 草本III合弁花』平凡社、1999年。ISBN 4-582-53503-8 
  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、38頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 深津正『植物和名の語源』八坂書房、1989年。ISBN 4-89694-584-0 
  • 木下 武司『万葉植物文化誌』八坂書房、2010年。ISBN 489694951X 
  • 西田尚道監修 志村隆・平野勝男編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 フィールドベスト図鑑〉、2009年8月4日、236頁。ISBN 978-4-05-403844-8 

外部リンク

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