粉食
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(コナモンから転送)
粉食(ふんしょく)とは、穀物等を、挽いて粉に(製粉)し、パン・麺などに加工して食べること[1]。粉食文化は全世界に分布し[2]、利用される穀物も小麦のほか、イモ類・トウモロコシ、雑穀など、地域により様々である。粉食に対し、北東アジアから南アジアの米飯のように、穀物を粒のまま食べることを粒食という[3]。
調理方法
[編集]粉を食用にするには、粉を水などと均一に混ぜて捏ねたペースト状、ないし液状のものにし、これを(場合により成形してから)加熱調理する場合が多い。このような水などとの混合物を生地という。パスタ(ペースト、パテと同語源)とはこのような生地から製した食品を指す言葉である。このほか、粉に湯を加えてそのまま食し(蕎麦掻きなど)、あるいは粉を固めて食用とする(落雁など)場合もある。
主な食用の粉
[編集]→詳細は「穀粉」を参照
粉を加工した食品
[編集]麺類
[編集]→詳細は「麺」を参照
パン類
[編集]→詳細は「パン」を参照
菓子類
[編集]- 洋菓子類 - パンケーキ、クレープなど、小麦粉を用いたもの多数。
- 揚げ菓子類 - ドーナツ、アメリカンドッグ、ベビーカステラ
- 和菓子類 - 団子、白玉、たい焼き、今川焼き (あるいは、太鼓焼き・大判焼き・回転焼き)
- スナック菓子 - フライドポテト(芋の粉を整形して作る)など多数。
軽食類
[編集]特に関西圏で、たこ焼きやお好み焼き等の小麦粉を調理した軽食は、「粉もん」などと呼ばれる。
その他
[編集]日本の粉加食材
[編集]食材・加工法 | 粉の原料 | 備考 |
---|---|---|
うどんの麺 | 小麦 | 麺 |
沖縄そばの麺 | 小麦 | 麺(そば粉は入らない) |
おやき | 小麦 | |
かりんとう | 小麦など | 生地を油で揚げたもの |
餃子の皮 | 小麦 | |
サーターアンダギー | 小麦 | |
せんべい | 米・小麦など | 粉にしたものを焼き固めた菓子 |
小麦 | ||
米 | 生地を焼いたもの | |
すいとんの白身 | 小麦 | 生地を煮たもの |
そうめんの麺 | 小麦 | 麺 |
蕎麦の麺 | ソバ、小麦など(つなぎとして) | 麺(他の材料を練りこむ場合もある。例:茶そば) |
団子 | 米など | |
ちゃんぽん・皿うどんの麺 | 小麦 | 麺 |
鉄板焼き | 小麦 | 他の食材と一緒に鉄板上で焼いたもの(たこ焼き、お好み焼き、どんどん焼き、もんじゃ焼きなど)や、型に入れて焼いたもの(今川焼き、たい焼きなど) |
ひやむぎの麺 | 麺 | |
麩 | 小麦 | |
ほうとうの麺 | 麺 | |
まんじゅう | 小麦など | 中華まんも含まれる |
餅 | 米など | 生地を突き固めたもの |
焼きそば・焼きうどんの麺 | 麺 | |
ラーメンの麺 | 小麦 | 麺 |
冷麺の麺 | 小麦など | 麺 |
ワンタンの皮 | 小麦 |
参考文献
[編集]- 安達巌著『日本の粉食民俗史』(『食の風俗民俗名著集成』第3巻)『東京書房社、1985年3月
- 柏企画編『粉物のすすめ 信濃は小麦粉消費大国』柏企画、2003年9月
- 熊谷真菜著『たこやき 大阪発おいしい粉物大研究』(『講談社文庫』)、講談社、1998年5月、ISBN 4062638002
- 向後紀代美ほか著『粉食文化と肉食文化』(『シリーズ食文化の発見』、『世界編』3)柴田書店、1981年3月
- 参考文献リスト: p285 - 308、叢書の編者: 日本観光文化研究所
- 総理府大臣官房審議室編『食生活(粉食)に関する世論調査 調査報告書』食生活改善協会、1955年
- 粉食栄養料理研究会編『めん類・粉食・パン食 栄養料理の献立』第一出版、1954年、1958年 改訂版
- 『大麦めん 大麦と粉食化技術』食品出版社、1982年10月
- 『粉食の栞』生活科学化協会、1946年
- 『粉食文化のパイオニア 日本製粉』(『企業の現代史』46)、フジ・インターナショナル・コンサルタント出版部、1964年
- 『こなものがっこう』(フレーベル館)2017年10月
脚注
[編集]- ^ 『大辞泉』 下巻(第二版)、小学館、2012年、3245頁。ISBN 978-4-09-501213-1。
- ^ 向後紀代美ほか『粉食文化と肉食文化』柴田書店〈シリーズ食文化の発見. 世界編; 3〉、1981年。
- ^ 『大辞泉』 下巻(第二版)、小学館、2012年、3815頁。ISBN 978-4-09-501213-1。