サフロール
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サフロール safrole[1][2] | |
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別称 1,3-benzodioxole,5-(2-propenyl)(CAS名) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 94-59-7 |
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特性 | |
化学式 | C10H10O2 |
モル質量 | 162.19 |
外観 | 無色~淡黄色の液体 |
匂い | ササフラス香 |
密度 | 1.096 |
融点 |
11.2℃ |
沸点 |
232~234℃ |
水への溶解度 | 不溶 |
溶解度 | プロピレングリコール・グリセリンに微溶 アルコール、油類に可溶 ジエチルエーテル、クロロホルムに混和 |
屈折率 (nD) | 1.536~1.539 |
危険性 | |
引火点 | 97℃ |
半数致死量 LD50 | 1.95g/kg(ラット経口) 5g/kg以上(ウサギ経皮) |
関連する物質 | |
関連物質 | イソサフロール |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
サフロール(英: safrole)は、化学式C10H10O2で表される有機化合物の一種。天然にはササフラス油やオコチア油、樟脳赤油に存在する。
用途
[編集]ヘリオトロピンやピペロニルブトキサイドの原料としての用途が主であるが、かつては石鹸の香料としても使用された。国際香料協会では、最終製品での濃度が0.01%以下になるよう制限を設けている。アメリカ合衆国では、食品への使用を禁じている。工業的にはブラジル産オコチア油や中国産ササフラス油の分留により得られる[1]。
安全性
[編集]日本の消防法では危険物第4類・第3石油類に分類される[2]。半数致死量(LD50)は、ラットへの経口投与で1.95g/kg、ウサギへの経皮投与で5g/kg以上[1]。ヒトへの急性症状としては吐き気やチアノーゼ、痙攣、感覚麻痺などの神経症状が報告されている[2]。動物実験では肝臓への発癌性が報告されている[3]。 特定麻薬向精神薬原料に該当し、一定量を越える輸出入等には麻薬及び向精神薬取締法に基づく届出が義務付けられている[4]。
脚注
[編集]- ^ a b c 『合成香料 化学と商品知識』印藤元一著 2005年増補改訂 化学工業日報社 ISBN 4-87326-460-X
- ^ a b c 製品安全データシート(安全衛生情報センター)
- ^ Studies on the Genotoxicity of Naturally Occurring Plant Hepatocarcinogen Safrole (PDF) (大門弘彦)
- ^ 麻薬向精神薬の原料の取扱いについて (PDF) (厚生労働省関東信越厚生局)