ヘリオトロピン
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ヘリオトロピン heliotropine[1] | |
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1,3-benzodioxole-5-carbaldehyde | |
別称 ピペロナール piperonal | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 120-57-0 |
特性 | |
化学式 | C8H6O3 |
モル質量 | 150.13 |
外観 | 白色結晶 |
匂い | ヘリオトロープ香 |
融点 |
35~37℃ |
沸点 |
264℃ |
水への溶解度 | 冷水に0.2%、温水に微溶 |
溶解度 | グリセリンに不溶 アルコール、プロピレングリコール、油類に可溶 |
危険性 | |
引火点 | 131℃ |
半数致死量 LD50 | 2.7g/kg(ラット経口) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ヘリオトロピン(英: heliotropine)は、化学式C8H6O3で表される有機化合物の一種。ピペロナール(英: piperonal)とも呼ばれる。天然にはバニラ豆やセイヨウナツユキソウの花、ニセアカシアの精油に存在する。
用途
[編集]ライラックやスイートピー、カーネーションなどフローラル系調合香料の保留剤として広く用いられるほか、フレーバーとしてもバニリンとの併用により、最終製品に対し5.8~36ppmほど使用される。向精神薬のレボドパの原料ともなる。工業的にはサフロールからイソサフロールを経て、オゾンと亜硫酸水素ナトリウムを加え還元分解による製造が主であるが、安価なカテコールからの合成も研究されている[1]。
安全性
[編集]半数致死量(LD50)は、ラットへの経口投与で2.7g/kg[1]。眼に対し強い刺激性がある[2]。特定麻薬向精神薬原料に指定されており、一定量を越える輸出入等には麻薬及び向精神薬取締法に基づく届出が義務付けられている[3]。
脚注
[編集]- ^ a b c 『合成香料 化学と商品知識』印藤元一著 2005年増補改訂 化学工業日報社 ISBN 4-87326-460-X
- ^ 東京化成工業
- ^ 麻薬向精神薬の原料の取扱いについて (PDF) (厚生労働省地方厚生局麻薬取締部)