サリー・ブラウン

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サリー・ブラウン
ピーナッツのキャラクター
ドイツアーヘンのローベンス通りにあるピーナッツの壁画
左から2番目の人物がサリー(2016年9月撮影)
初登場 1959年5月26日(初登場)
1959年8月23日(正式デビュー)
最後の登場 2000年2月6日
作者 チャールズ・M・シュルツ
キャシー・スタインバーグ (1963–1968)
ヒラリー・モンバーガー英語版 (1969–1973)
エリン・サリヴァン (1969)
リン・モーテンセン (1974–1975)
ゲイル・M・デイビス (1975–1977)
アナリサ・ボルトリン (1977–1980)
シンディ・ライリー (1980–1982, 1983)
ステイシー・ヘザー・トルキン (1983)
ファーギー・デュアメル (1984–1986)
ドーン・D・リアリー (1985)
ティファニー・レインボルト (1985)
エリザベス・リン・フレイザー (1986)
アミ・フォスター英語版 (1986, 1988)
クリスティーナ・ラング (1988)
ブリタニー・M・ソーントン (1988–1989)
アドリエンヌ・ブーツ (1990)
ケイトリン・ウォーカー (1991)
ミンディ・アン・マーティン (1992)
ジェイミー・ヘンディ (1994)
ダニエル・ウィーナー英語版 (1995, 1997)
アシュリー・エドナー (2000)
ニコレット・リトル (2002)
ミーガン・テイラー・ハーヴェイ (2002–2003)
ハンナ・リー・ドウォーキン (2003)
オリビア・ダンフォード (2006)
シエラ・マルコー (2006)
ケイト・フィッシャー (2006)
クレア・コーレット (2008–2009)
アマンダ・ペイス英語版 (2011)
マリエル・シーツ (2015)
エマ・ヤロヴィンスキー (2016)
テイラー・オータム・バートマン (2016)
サラ・J・ゴセリン (2018-2019)
ハティ・クラグテン英語版 (2019)
チャーリー・タウンゼント (2019-)
詳細情報
種族 ヒト
性別 女性
家族 チャーリー・ブラウン(兄)
無名の両親
サイラス・ブラウン(祖父)
無名の叔父
無名の祖母
スヌーピー(ペットの犬)
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サリー・ブラウン: Sally Brown)は、チャールズ・M・シュルツコミック・ストリップピーナッツ』に登場するキャラクターで、主人公のチャーリー・ブラウンである[1]1959年5月に初めて作中で存在が明かされてから、8月に初登場するまで長い連載期間を要した[2]。キャシー・スタインバーグは、1965年CBS特別番組スヌーピーのメリークリスマス』で、当時6歳だったサリーの声を初めて担当した[3][4]

概要[編集]

1959年5月26日、病院からの電話を受けたチャーリー・ブラウンが「新しい妹ができた」と叫んで颯爽と家を飛び出したシーンから、サリーの存在が初めて確認された[5]。同年6月2日に「サリー」という名前がつけられた。サリーは、チャーリー・ブラウンがシガーチョコレートを配ってお祝いするなど、度々話題になっていたが、8月23日に初登場した。

ライナスやシュローダーといった他のキャラクター(彼らも赤ん坊の頃に登場している)と同様に、サリーも急速な成長を遂げた。1960年8月22日、サリーは最初の一歩を踏み出し、ライナスに恋心を抱くようになった[5]1962年8月9月には、3週間限定で幼稚園に通った[5][注釈 1]しかし、ほどなくしてサリーの勉強嫌いが判明する。後のストリップで、彼女は緊張しながら「お花をうまく育てられなかったから、また幼稚園に行かされたのではないか」という発言があった。とはいえ、最終的に幼稚園を卒業し、その後のストリップでは小学1-2年生くらいの年齢に落ち着いていた。

サリーに恋心を抱いたのは、もともとライナスだった。サリーが生まれて間もない頃のストリップには、ライナスがフェンスに計算式を書き込んでいる姿が描かれている。チャーリー・ブラウンが立ち寄ると、ライナスはチャーリーに「僕が22歳でサリーが17歳になった時、彼女は僕と付き合ってくれると思う?」と尋ねた[5]。しかし、1年以上経ってシュルツがこのシーンを再掲した時、ライナスに惚れたのはサリーだった。

1965年11月29日に始まったストリップでは、サリーは弱視と診断され、しばらくの間、治療のために眼帯をつけていた[5][6]。スヌーピーは海賊ごっこに使うため、しばしばサリーの眼帯を勝手に持ち出していた。その後、眼科医から「もう眼帯をしなくてもよい」と指示を受けたサリーは、スヌーピーに眼帯を譲る。サリーが弱視と診断された作品の一部は、後にアメリカ合衆国保健福祉省が無料で発行・配布したコミックブック『Security is an Eye Patch』に転載された。

1974年9月、サリーは学校に行くことへの不安や心配を校舎に話し始めた[7]。シュルツは、サリーにはその返事が聞こえないようにと考えたが、校舎は吹き出しで返事をした[8]

キャスト[編集]

原語版[編集]

キャシー・スタインバーグは、1965年の『スヌーピーのメリークリスマス』でサリー・ブラウンの声を初めて担当した。その後、様々な女優がサリーの声を担当している。リンダ・ジェンナーは、『スヌーピーは名探偵英語版』 (1974)から『Be My Valentine, Charlie Brown英語版』 (1975)までサリーの声を担当した。『スヌーピーは名探偵』 (1984)、『スヌーピーの結婚英語版』 (1985)、『チャーリーブラウン&スヌーピー・ショー英語版』の1983年シーズンでは、サリーの声はブラック・アイド・ピーズファーギーとして知られるステイシー・ファーガソンが担当していた。

その他サリーを演じた声優は以下の通りである。

  • ヒラリー・モンバーガー英語版 (1969–1973)
  • エリン・サリヴァン (1969)
  • リン・モーテンセン (1974–1975)
  • ゲイル・デイビス (1975–1977)
  • アナリサ・ボルトリン (1980)
  • シンディ・ライリー (1981–1983)
  • ステイシー・ヘザー・トルキン (1983)
  • ティファニー・レインボルト (1985)
  • エリザベス・リン・フレイザー (1986)
  • アミ・フォスター英語版 (1988)
  • クリスティーナ・ラング (1988)
  • ブリタニー・ソーントン (1988–1989)
  • アドリエンヌ・ブーツ (1990)
  • ケイトリン・ウォーカー (1991)
  • ミンディ・アン・マーティン (1992)
  • ジェイミー・ヘンディ (1994)
  • ダニエル・ウィーナー英語版 (1997)
  • ニコレット・リトル (2002)
  • ミーガン・テイラー・ハーヴェイ (2002–2003)
  • ハンナ・リー・ドウォーキン (2003)
  • シエラ・マルコー (2006)
  • クレア・コーレット (2008)
  • アマンダ・ペイス英語版 (2011)
  • マリエル・シーツ (2015)
  • エマ・ヤロヴィンスキー (2016)
  • テイラー・オータム・バートマン (2016)
  • サラ・J・ゴセリン (2018–2019)
  • ハティ・クラグテン英語版 (2019)
  • チャーリー・タウンゼント (2019–)

クリスティン・チェノウェスは、ブロードウェイでリバイバル上演されたミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』でサリーを演じ、トニー賞の最優秀主演女優賞を受賞した。サリーは『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』のオリジナル作品には登場していなかったが、復活版では長い間コミック・ストリップから姿を消していたパティ(後のキャラクターであるペパーミント・パティとは別人)に代わってサリーが登場した。2016年のリバイバル版『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』では、ミリー・シャピロが演じた。

日本語吹替版[編集]

  • 加藤みどり - テレビアニメ (1972, 1978)
  • 松島トモ子 - テレビアニメ (1976, 1978)
  • 貴家堂子 - 『スヌーピーとチャーリー』『スヌーピーの大冒険』『スヌーピーの大冒険』それぞれ劇場公開時・テレビ放映版
  • 井上瑤 - 『スヌーピーとチャーリーブラウン』 - 1984年12月17日(木)17:04-18:00・2003年4月19日(土)10:00-11:30テレビ放映版
  • 大杉久美子及川ひとみ - 『スヌーピーとチャーリーブラウン』CBS/FOX ビデオから発売されたソフト版・テレビ放映版、『スヌーピー・アドベンチャー』テレビ放映版
  • 斉藤友子 - テレビアニメ (1981-1985)
  • 神代知衣 - テレビアニメ (1983-1920)、『スヌーピーの大冒険』CBS/FOX ビデオから発売されたソフト版・テレビ放映版、『がんばれ!スヌーピー』CIC・ビクタービデオ発売版・テレビ放映版、『スヌーピーとチャーリー・ブラウン ヨーロッパの旅』CIC・ビクタービデオ発売版・テレビ放映版
  • 松井菜桜子 - テレビアニメ (1990)
  • 山田妙子 - 『チャーリーブラウンという男の子』『帰っておいで、スヌーピー』テレビ放映版
  • 松崎夏希 - テレビアニメ (NHK-BS及びカトゥーン・ネットワーク)
  • 小桜エツ子 - 『スヌーピーとチャーリー・ブラウン ヨーロッパの旅』2003年12月29日・2004年12月31日テレビ放映版
  • 折笠富美子 - 『Happiness is :スヌーピーと幸せのブランケット』
  • 田中ちえ美 - テレビアニメ (2015)
  • 小林星蘭 - 『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE
  • 太田梨香子 - 『スヌーピー宇宙への旅』(2019)『スヌーピーのショータイム』(2021)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 後の1995年に発売されたコンピュータゲームスヌーピーコンサート」では、彼女の学校名が「Pine Crest Elementary School」だと明かされている。

出典[編集]

  1. ^ The Peanuts papers : writers and cartoonists on Charlie Brown, Snoopy & the gang, and the meaning of life. Andrew Blauner. New York, NY. (2019). ISBN 1-59853-616-8. OCLC 1083228350. https://www.worldcat.org/oclc/1083228350 
  2. ^ Farago, Andrew (2017). The complete Peanuts family album : the ultimate guide to Charles M. Schulz's classic characters. Berke Breathed, Bob Peterson. San Francisco. ISBN 978-1-68188-292-5. OCLC 975365249. https://www.worldcat.org/oclc/975365249 
  3. ^ Schulz, Charles M. (2000). A Charlie Brown Christmas : the making of a tradition. Lee Mendelson, Bill Melendez, Antonia Felix (1st ed ed.). New York: HarperResource. ISBN 0-06-019851-6. OCLC 44413715. https://www.worldcat.org/oclc/44413715 
  4. ^ Sally Brown Voices (Peanuts)” (英語). Behind The Voice Actors. 2021年5月26日閲覧。
  5. ^ a b c d e Schulz, Charles M. ([2004-2016]). The complete Peanuts. Seattle, WA. ISBN 1-56097-589-X. OCLC 55215354. https://www.worldcat.org/oclc/55215354 
  6. ^ Schulz, Charles M. ([2004-2016]). The complete Peanuts. Seattle, WA. ISBN 1-56097-589-X. OCLC 55215354. https://www.worldcat.org/oclc/55215354 
  7. ^ The comics of Charles Schulz : the good grief of modern life. Jared Gardner, Ian Gordon. Jackson. (2017). ISBN 978-1-4968-1289-6. OCLC 962829412. https://www.worldcat.org/oclc/962829412 
  8. ^ Charles M. Schulz : conversations. M. Thomas Inge. Jackson: University Press of Mississippi. (2000). ISBN 1-57806-304-3. OCLC 43590547. https://www.worldcat.org/oclc/43590547 

外部リンク[編集]