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シュードモナス属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シュードモナス属
タイプ種である緑膿菌(P. aeruginosa)の電子顕微鏡写真
分類
ドメイン : 真正細菌
Bacteria
: Pseudomonadota
: ガンマプロテオバクテリア綱
Gammaproteobacteria
: シュードモナス目
Pseudomonadales
: シュードモナス科
Pseudomonadaceae
: シュードモナス属
Pseudomonas
学名
Pseudomonas
Migula 1894[1]
(IJSEMリストに掲載 1980)[2]
タイプ種
緑膿菌
Pseudomonas aeruginosa

(Schroeter 1872)[3]
Migula 1900[4]
(IJSEMリストに掲載 1980)[2]
シノニム
  • "Geopseudomonas"
    Rudra and Gupta 2024
  • "Metapseudomonas"
    Rudra and Gupta 2024
  • "Ectopseudomonas"
    Rudra and Gupta 2024
  • "Aquipseudomonas"
    Rudra and Gupta 2024
  • "Caenipseudomonas"
    Rudra and Gupta 2024
  • "Phytopseudomonas"
    Rudra and Gupta 2024
  • "Zestomonas"
    Rudra and Gupta 2024
  • Stutzerimonas
    Lalucat et al. 2022
  • フラビモナス属
    Flavimonas
    Holmes et al. 1987
  • サーペンス属
    Serpens
    Hespell 1977
    (Approved Lists 1980)
下位分類()(2024年6月現在)[5]

シュードモナス属(シュードモナスぞく、Pseudomonas)とは、Pseudomonadotaガンマプロテオバクテリア綱シュードモナス科に属する、グラム陰性好気性桿菌の属である[5]。本来のラテン語読みであるプセウドモナスと呼ばれることもある(シュードモナスは英語発音に近い)。過去にはプソイドモナスと呼ばれていたこともあった[6]。病院内において多剤耐性を獲得しその感染症が問題になる緑膿菌P. aeruginosa)を含む。シュードモナス属である菌株をシュードモナス属菌: pseudomonad)という。現在、218のと18の亜種が知られている[7]

特徴

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この属は異化特性が非常に多様であり、このため幅広いニッチに生息している[8]in vitroでの培養が容易である点とゲノムDNA増幅が可能である点により学術的研究において重要視とされており、人間に対する日和見感染院内感染の原因菌であるP. aeruginosa植物の病害や霜害の原因菌であり一方で生物防除用や人工降雪用として注目されているP. syringae、生物として世界で初めて特許登録された土壌微生物であり油分汚染に対するバイオレメディエーションに有用なP. putida、植物病原性を持たず植物生長を促進するP. fluorescensなどが特に研究されている。

水圏や、双子葉類といった植物の種子にも見出せるため、シュードモナス属は微生物学の歴史の初期において認識されていた。シュードモナスという言葉は、シュードモナスを発見したと主張した[ : Walter Migula(英語版) ]が1894年から1900年に、グラム陰性で桿状の極鞭毛を持った細菌というあいまいな定義をして生まれた[9][10](のちにWalterの発見は微粒子の見間違いであることが証明された[11])。

分類学的特徴

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分子生物学的な分類手法が登場する以前の、形態学的にシュードモナス属を定義していた特徴は以下である[12]

その他のシュードモナス属一般の特徴として以下が挙げられる。グルコースを用いたヒュー・レイフソンテスト[注釈 1]においてガス形成はしない。血液寒天培地上でベータ溶血性を示す。インドールテストとメチルレッドVoges–Proskauerテストに陰性であり、クエン酸テストに陽性である。

分布

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その生息域は幅広く、土壌、淡水、海水、植物動物(ヒト、家畜魚介類を含む)の組織、天然の、雲などを含む。石油農薬(殺菌剤)、重金属などで汚染された環境においても生育する株も存在する。P. putida IH-2000は高濃度のトルエン中においても生存できる。

様々な有機化合物を分解する能力があり、自然界における分解者であるため、地球上の炭素循環に大きく貢献していると考えられている。

シュードモナス属菌は霜や雲にも分布している。霜や雲を形成する核(凍結核)としてシュードモナス属菌は最も一般的である。一部のシュードモナス属菌が凍結核となる理由は、細胞膜中に氷核活性[ : ice nucleation-active ](Ina)タンパク質を産生する[13][14]性質による。Inaタンパク質は比較的高い温度(-4 ℃から-2 ℃)で水の凍結を促進する。

凍結核となる性質はシュードモナス属菌の重要性の一つである。シュードモナス属菌は世界中のの発生に最も重要であると考えられている[15]P. syringaeは、植物の霜害における最も大きな原因であると同定されている。Inaタンパク質は人工雪の生産に用いられている[16]

色素の産生

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シュードモナス属菌の多くは蛍光色素を産生する。その多くはピオベルジン[ : pyoverdine(英語版) ](黄緑色の蛍光性のシデロホアであり、栄養としての鉄分が不足している条件下で分泌される[17]。また、一部の種はピオベルジン以外のシデロホア分子を分泌する。Pseudomonas aeruginosaを含むシュードモナス属病原性菌はピオシアニン[ : pyocyanin(英語版) ](青緑色)を分泌する[18]Pseudomonas fluorescensチオキノロバクチン[ : thioquinolobactin ][19]を分泌する。P. fluorescensグループの種は一般に緑色気味の水溶性色素を産生する。

バイオフィルムの形成

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相当数のシュードモナス属菌が存在するとき、アルギン酸といった菌体外多糖[ : exopolysaccharide(英語版) ]の分泌によりバイオフィルムが形成される。バイオフィルムはシュードモナス属菌にとって都合のよい生息場所となり、また、外敵や物理的ストレスから保護する。例えば、哺乳類白血球による貪食[20]や、(食品に繁殖したシュードモナス属菌の)調理による除去を困難にする。

日和見感染の病原菌であるP. aeruginosaによるバイオフィルムの形成は、遺伝性疾患である嚢胞性線維症(CF)患者に対するP. aeruginosa感染の原因となる。このバイオフィルムは気道内の粘液に形成され、P. aeruginosaの生息場所となる。それに加え、CF病患者のバイオフィルムに生息するP. aeruginosaは(歴史的に、全てのシュードモナス属菌は偏性好気性生物に分類されていたにもかかわらず)嫌気呼吸を行うようになる[21]

薬剤耐性

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グラム陰性菌であるため、大部分のシュードモナス属は本質的にペニシリンやその他のβ-ラクタム系抗生物質に対して耐性を持つが、ピペラシリンイミペネムチカルシリン、またはシプロフロキサシンに対して感受性を持つ[20]。このため、これらの抗生物質は治療に用いられるが、その他、トブラマイシンゲンタマイシンアミカシンのようなアミノグリコシド系抗生物質が治療に用いられる(アミノグリコシド系抗生物質#抗緑膿菌作用のあるもの)。

P. aeruginosa(緑膿菌)は、臨床現場における日和見感染病原体である。抗生物質に対して低感受性であるため警戒されている[22]。この低感受性は、染色体にコードされた薬剤耐性遺伝子(例えば、 mexAB-OPRMmexXYなど[23])による多剤排出ポンプ[ : Bacterial efflux pumps(英語版) ]、および細菌細胞のエンベロープの低透過性に起因する。多剤排出ポンプは細胞壁中の膜貫通タンパク質ポリンであり、抗生物質が効果を現す前にこれを細胞外へ排出する。

P. aeruginosaが抗生物質の低感受性と抵抗性を獲得することがある。染色体の遺伝子の突然変異および、抗生物質抵抗性の決定因子の水平伝播はその原因となり、多剤耐性の発生も引き起こす。また、体細胞超変異は、慢性の感染症を引き起こす緑膿菌株の薬剤耐性獲得の原因の一つとなる。また、インテグロン[注釈 2]中にいくつかの異なる薬剤耐性遺伝子が集まっており、薬剤耐性決定因子の獲得につながる。複数の研究は、バイオフィルムの形成または変異体の小コロニーの出現に関連する耐性表現型が緑膿菌の抗生物質処理への応答において重要である可能性を示している[24]

病原性

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動物に対する病原性

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シュードモナス属の感染性種はP. aeruginosa(緑膿菌)やP. oryzihabitansP. plecoglossicidaなどである。緑膿菌は非常に広大な分泌系を有しており、院内感染の原因は緑膿菌が分泌する多数のタンパク質であると考えられている[25]

植物に対する病原性

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  • P. syringae植物に対して非常に多くの疾病をもたらす病原体である。宿主植物に高度に特異的である、50種類の病原型が存在する。他のシュードモナス属菌の多く、とりわけP. syringae亜種は植物に対する病原体であるが、植物病原体としてP.syringaeが最も一般的であり、最もよく研究されている。
  • 厳密には植物病原体ではないが、P. tolaasiiは栽培キノコにしみを生じさせる[26]。このため農業において問題視されている主要なシュードモナス菌のひとつである。
  • P. agariciは、垂れたのような外見の変化を栽培キノコに与える[27]
  • P. tomatoは多様な病原型を持ち、様々な植物に感染する。トマトに感染して果実を実らないようにする病原型のほか、それぞれ、キュウリセロリキンギョソウパッションフルーツなどに感染する病原型が存在する。

バイオレメディエーションへの利用

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一部の種は環境中の化学汚染物質を代謝することができるため、バイオレメディエーションに利用することができる。バイオレメディエーション剤として適切であると実証された種として以下が含まれている。

生物防除への利用

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1980年代半ば以降、農作物への病原菌の繁殖を防止するためシュードモナス属の特定の菌株が穀物種子または農耕地に散布されている。このような行為は一般的に生物防除と呼ばれている。P. fluorescensP. protegens(CHA0株やPf-5株など)の生物防除特性が現在のところ最もよく理解されている。ただし、P. fluorescensがどのように植物生長促進効果を実現しているかは明確になっていない。一つの理論として、宿主植物への全身抵抗性を誘導し、宿主植物が本当の病原体に対してより強い抵抗性を示すようになり、一方でP. fluorescensが生存競争で土壌病原微生物を抑えるためと考えられている。P. fluorescensが他の微生物よりも生存競争で優勢となる理由として、キレート剤であるシデロホアを利用するため鉄分の獲得競争で有利になるためや、フェナジン系の抗生物質シアン化水素のような他の土壌微生物を抑制する化合物を生産するためと考えられている。2005年に行われた研究結果はこの理論を支持している[36]

生物防除特性で注目すべきその他のシュードモナス菌種として、特定の植物病原性真菌に対して働くフェナジン系の抗生物質を産生するP. chlororaphis[37]や、その近縁種であり、グラム陽性微生物に対して働く抗生物質di-2,4-diacetylfluoroglucylmethaneを産生するP. aurantiaca[38]がある。

食品の腐敗への関連

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シュードモナス属の代謝多様性と、低温での生育能力と、非常に広範な分布とにより、多くのシュードモナス属菌種は食品の腐敗の一般的な原因である。代表的な例として、P. fragiによる肉類や酪農製品の腐敗[39]P. taetrolensP. mudicolensによるからのカビの発生[40]P. lundensisによる牛乳チーズ牛肉魚肉の腐敗が挙げられる[41]。シュードモナスの増殖による食品の腐敗は果実のような臭気を生じさせる。

分類の歴史

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シュードモナス属という語は19世紀末にWalter Migulaによって創られた。当時、この属名の語源は説明されなかったが、: Bergey's Manual of Systematic Bacteriology(英語版)第7版(当時における、細菌の学名命名法および分類法の標準だった書籍[42])では、ギリシャ語におけるpseudes=「偽物の」(ψευδής)と-monas=「単一単位」(μονάς/μονάδος)の合成語であると記述されている。しかしながら、おそらくMigulaは「偽物の[ : Monas(英語版) ](微小な鞭毛をもつ原生生物)」を意図して名づけたと考えられている[11]

Migulaの定義から数十年でこの属に割り当てられた種名の数は膨大となり、問題となった。Migulaの定義はあいまいであり、一致する種が非常に多かったためである。しかし、多くの株は、種間で保存された高分子(タンパク質核酸など)に基づく方法や新しい分類法に基づいて再分類された[24]。例えば、リボソームRNAの配列や組成の類似性に基づいた分類法は、そのような分子生物学的手法がまだなかった当時に分類された種で構成されたシュードモナス属が、5つのいわゆるrRNAホモロジーグループ、すなわち異なる属に明確に分離できることを明確に示した。現在登録されている種の数は、当時と比べて90%以上減少している。

2000年に16S rRNA系統解析により多くの細菌種が再分類された[43]。その結果、以前は Chryseomonas属と Flavimonas属に分類されていた株をシュードモナス属は含むことになった[44]。シュードモナス属とされていた一部の株はBurkholderia属またはRalstonia属に分類されなおされている[45][46]

2000年には、シュードモナス属に分類されている一種のゲノム配列決定が完了した。より最近では、P. aeruginosa PAO1 (2000)、P. putida KT2440 (2002)、P. protegens Pf-5 (2005)、P. syringae pathovar tomato DC3000 (2003)、P. syringae pathovar syringae B728a (2005)、P. syringae pathovar phaseolica 1448A (2005)、P. fluorescens Pf0-1、P. entomophila L48を含む様々なシュードモナス菌株のゲノム配列決定がなされた[24]

過去にシュードモナス属に分類されていた種

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シュードモナス属は現在、ガンマプロテオバクテリア綱に分類されている。

アルファプロテオバクテリア綱

P. abikonensis(現Sphingomonas abikonensis)、P. aminovorans(現Aminobacter aminovorans)、P. azotocolligans(現Sphingomonas trueperi)、P. carboxydohydrogena(現Bradyrhizobium属)、P. carboxidovorans(現Oligotropha carboxidovorans)、P. compransoris(現Zavarzinia compransoris)、P. diminuta(現Brevundimonas diminuta)、P. echinoides(現Sphingomonas echinoides)、P. extorquens(現Methylobacterium extorquens)、P. lindneri(現Zymomonas mobilis)、P. mesophilica(現Methylobacterium mesophilicum)、P. paucimobilis(現Sphingomonas paucimobilis)、P. radiora(現Methylobacterium radiotolerans)、P. rhodos(現Methylobacterium rhodinum)、P. riboflavina(現Devosia riboflavina)、P. rosea(現Methylobacterium extorquens)、P. vesicularis(現Brevundimonas vesicularis)

ベータプロテオバクテリア綱

P. acidovorans(現Comamonas acidovorans)、P. alliicola(現Burkholderia gladioli)、P. antimicrobica(現Burkholderia gladioli)、P. avenae(現Acidovorax avenae)、P. butanovorae(現Thauera属)、P. caryophylli(現Burkholderia caryophylli)、P. cattleyae(現Acidovorax avenae)、P. cepacia(現Burkholderia cepacia)、P. cocovenenans(現Burkholderia cocovenenans)、P. delafieldii(現Acidovorax delafieldii)、P. facilis(現Acidovorax facilis)、P. flava(現Hydrogenophaga flava)、P. gladioli(現Burkholderia gladioli)、P. glathei(現Burkholderia glathei)、P. glumae(現Burkholderia glumae)、P. graminis(現Burkholderia graminis)、P. huttiensis(現Herbaspirillum huttiense)、P. indigofera(現Vogesella indigofera)、P. lanceolata(現Comamonadaceae属)、P. lemoignei(現Paucimonas lemoignei)、P. mallei(現Burkholderia mallei)、P. mephitica(現Janthinobacterium lividum)、P. mixta(現Telluria mixta)、P. palleronii(現Hydrogenophaga palleronii)、P. phenazinium(現Burkholderia phenazinium)、P. pickettii(現Ralstonia pickettii)、P. plantarii(現Burkholderia plantarii)、P. pseudoflava(現Hydrogenophaga pseudoflava)、P. pseudomallei(現Burkholderia pseudomallei)、P. pyrrocinia(現Burkholderia pyrrocinia)、P. rubrilineans(現Acidovorax avenae)、P. rubrisubalbicans(現Herbaspirillum rubrisubalbicans)、P. saccharophila(現Matsuebacter属)、P. solanacearum(現Ralstonia solanacearum)、P. spinosa(現Hydrogenophaga属)、P. syzygii(現Ralstonia syzygii)、P. taeniospiralis(現Hydrogenophaga taeniospiralis)、P. terrigena(現Comamonas terrigena)、P. testosteroni(現Comamonas testosteroni)

ガンマ-ベータプロテオバクテリア

P. beteli(現Stenotrophomonas属)、P. boreopolis(現Xanthomonas属)、P. cissicola(現Xanthomonas属)、P. geniculata(現Stenotrophomonas属)、P. hibiscicola(現Stenotrophomonas属)、P. maltophilia(現Stenotrophomonas maltophilia)、P. pictorum(現Stenotrophomonas属)

ガンマプロテオバクテリア綱

P. beijerinckii(現Chromohalobacter)、P. diminuta(現Brevundimonas diminuta)、P. doudoroffii(Aeromonas属)、P. elongata(現Microbulbifer elongatus)、P. flectens(Enterobacteriaceae属)、P. halodurans(現Halomonas halodurans)、P. halophila(現Marinobacter)、P. iners(現Marinobacterium georgiense)、P. marina(現Halomonadaceae属)、P. nautica(現Marinobacter hydrocarbonoclasticus)、P. nigrifaciens(現Pseudoalteromonas nigrifaciens)、P. pavonacea(現Acinetobacter)[47]P. piscicida(現Pseudoalteromonas piscicida)、P. stanieri(現Marinobacterium stanieri)

イプシロンプロテオバクテリア綱

P. formicans(現Aeromonas caviae)

グループ

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2000年に行われた16S rRNA系統解析により、シュードモナス属136種は5つのグループに分割され、各グループに種が分類された。

P. aeruginosa グループ

P. chlororaphis グループ

P. fluorescens グループ

P. pertucinogena グループ

P. putida グループ

P. stutzeri グループ

P. syringae グループ

所在位置不明

シュードモナス属に感染するバクテリオファージ

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シュードモナス属に感染するバクテリオファージの例として以下がある。

注釈

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  1. ^ ヒュー・レイフソンテスト(Hugh and Leifson test)とは、炭水化物(ブドウ糖乳糖ショ糖など)の分解形式が酸化か発酵かを判別する酸化対発酵試験(O/Fテスト)法である。炭水化物を最終濃度1%になるようにOF基本培地に加えた半流動培地を2組用意する。試験細菌を穿刺培養したあと、一方の組を好気的に培養し、他方の組を滅菌流動パラフィンの重層で嫌気的に培養する。炭水化物が分解されると産生される酸をpH指示薬で検出し、検出される場所が空気(酸素)に触れる場所ならばその分解は酸化または発酵、触れない場所ならば発酵のみと判断する。Rudolph Hugh; Einar Leifson (1953). “The taxonomic significance of fermentative verus oxidative metabolism of carbohydrates by various Gram-negative bacteria”. Journal of Bacteriology 66 (1): 24-26. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC357086/. 
  2. ^ インテグロン[ : integron(英語版) ]:薬剤耐性遺伝子の細菌間の伝播に関与していることが知られている、グラム陰性細菌に広く存在する可動性遺伝因子。島本整 (2003-2004). “病原細菌のゲノム進化におけるレトロンとインテグロンの役割”. 旧ゲノム特定領域 最終報告書データ 領域3 細胞システム解明に向けたゲノム生物学の新展開 pages=282-283. http://lifesciencedb.jp/houkoku/pdf/001/c062.pdf. 

参考文献

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  • 大島泰郎, 今堀和友, 山川民夫『生化学辞典』(第4版)東京化学同人、2007年。ISBN 9784807906703全国書誌番号:21342313https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009196716-00 
  • 掘越弘毅, 井上明『微生物学』オーム社〈ベーシックマスター〉、2006年。ISBN 4274203212NCID BA79515697全国書誌番号:21154254https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008381662-00 

脚注

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  2. ^ a b c V. B. D. Skerman, Vicki. McGOWAN and P. H. A. Sneath (01 January 1980). “Approved Lists of Bacterial Names”. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology 30 (1): 225-420. doi:10.1099/00207713-30-1-225. 
  3. ^ a b Schroeter J (1875). “Über einige durch Bacterien gebildete Pigmente. (1872)”. In Cohn F. Beiträge zur Biologie der Pflanzen. Max Müller, Breslau. pp. 109-126 
  4. ^ a b Migula W. (1900). System der Bakterien, Vol. 2. Gustav Fischer, Jena 
  5. ^ a b Jean P. Euzéby, Aidan C. Parte. “Genus Pseudomonas”. List of Prokaryotic names with Standing in Nomenclature. 2024年6月17日閲覧。
  6. ^ 寺川, 博典「生物進化と菌類の栄養法 : その道筋と生態系の確立との関わり」『化学と生物』第16巻第11号、1962年、693-700頁、doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.16.693 
  7. ^ of Prokaryotic names with Standing in Nomenclature(LPSN)
  8. ^ Madigan M; Martinko J, ed (2005). Brock Biology of Microorganisms (11th ed.). Prentice Hall. ISBN 0-13-144329-1 
  9. ^ Migula, W. (1894) Über ein neues System der Bakterien. Arb Bakteriol Inst Karlsruhe 1: 235–328.
  10. ^ Migula, W. (1900) System der Bakterien, Vol. 2. Jena, Germany: Gustav Fischer.
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  12. ^ Krieg, Noel (1984). Bergey's Manual of Systematic Bacteriology, Volume 1. Baltimore: Williams & Wilkins. ISBN 0-683-04108-8 
  13. ^ Maki, Leroy (Sep 1974). “Ice Nucleation Induced by Pseudomonas syringae”. Applied Microbiology 28 (3): 456–459. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC186742/pdf/applmicro00015-0154.pdf. 
  14. ^ 綜一, 荒井「細菌の氷核活性とその食品工業への応用 強力な凍結促進タンパク質の開発をめざして」『化学と生物』第29巻第3号、1962年3月29日、176-182頁。 
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関連項目

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