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ショーン・コムズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
ショーン・コムズ
Sean Combs
2023年
基本情報
出生名 Sean John Combs
別名 Puffy
Puff
Puff Daddy
P. Diddy
Diddy
Love
Brother Love
生誕 (1969-11-04) 1969年11月4日（55歳）
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク
ジャンル ヒップホップ
R&B
職業 音楽プロデューサー
MC
歌手
作詞家
俳優
ファッションデザイナー
企業経営者
活動期間 1988年 -
レーベル アメリカ合衆国の旗バッドボーイ・レコーズ
ヴァイオレーター
共同作業者

ショーン・コムズ（Sean Combs, 本名: Sean John Combs, 1969年11月4日 - ）、別名 ショーン・パフィ・コムズ（Sean Puffy Combs）、パフ・ダディ（Puff Daddy）、P・ディディ（P. Diddy）、ディディ（Diddy）等、は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市のハーレム地区出身の音楽プロデューサー、作詞家、アレンジャー、ファッションデザイナー、俳優、MC。バッド・ボーイ・エンターテインメント(Bad Boy Entertainment)の最高経営責任者、映画プロダクション、レストランのチェーン、ファッションブランド「ショーン・ジョン」(Sean John)など経営者としても多岐にわたる活躍をみせる。

フォーブスの「アメリカで最も裕福なセレブリティ」では8位にランクするなど、アフロアメリカンの音楽家の中でも特に成功したエンターテイナーの一人である。プロデューサーとしては主にメアリー・J・ブライジやジェニファー・ロペスなどの作品を手掛けたことで有名であり、特にメアリーの初期2作へのプロデュースとヒットはMTVニュースの記事で「驚異的な相性」と伝えられるほどだった[1]。

しかし2024年9月に、前々から噂のあった売買春斡旋、性的人身売買などの疑いでついに逮捕。彼が多数のセレブを招いて開いていたとされる薬物まみれの乱交パーティーなどが明るみに出て、第二のエプスタイン」とも言われている[2]。

来歴

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ジャニスとメルビン・コムズの子としてマンハッタンハーレム地区でコムズは生まれ、マウントバーノンのウェスチェスター郊外で育つ。ショーンの父は彼が赤ん坊のときに殺害され、それがきっかけで母親は別の郊外に移り住む。 数年間はボーイスカウトの熱心なメンバーで、高校をやめる前にはライフスカウトになっていた。ブロンクスのマウント・セイント・マイケル・アカデミーで中等教育を終えた後、コムズはワシントンD.C.のハワード大学に通い、アップタウン・レコード（英語版）の見習いになった。 そのほんの数カ月後にコムズはA&Rの幹部社員になり、 1990年にファーザーMC（英語版）の『ファーザーズ・デイ』(Father's Day)、1992年にメアリー・J・ブライジの『ホワッツ・ザ・411?』[3] She went on to release 13 studio albums, eight 、そしてヘヴィ・D&ザ・ボーイズの『ブルー・ファンク』(Blue Funk)をプロデュースする。 コムズは彼自身のレーベル「バッド・ボーイ・エンターテインメント」(Bad Boy Entertainment)を創設し、即座にクレイグ・マック（英語版）とノトーリアス・B.I.G.と契約する。

ラッセル・シモンズ（英語版）の手を借り、コムズは最高のラッパーであると彼が考えていた2パックとも契約すれば、レーベル「バッド・ボーイ・レコード」が好調なスタートを切るだろうと考えたが、2パックに拒否されてしまう。[要出典]しかし直後にリリースされたクレイグ・マックのデビューアルバム『プロジェクト:ファンク・ダ・ワールド（英語版）』やノトーリアス・B.I.G.のデビューアルバム『レディ・トゥ・ダイ』はヒットし、コムズはバッド・ボーイとフェイス・エヴァンス、112（英語版）など次々に契約を結び始める。プロデュースではリル・キム、TLC、マライア・キャリー、ボーイズIIメン、SWV、アレサ・フランクリンなどを手がける。メイスとザ・ロックス（英語版）もすぐにバッド・ボーイに参加し、アメリカ西海岸のデス・ロウ・レコードとの対立を強めた。コムズとノトーリアス・B.I.G.は1990年代半ごろ、ライムやインタビューで2パックとシュグ・ナイトに敵意を表明し始めた。2パックは1996年9月に何者かに殺害され、その6か月後にノトーリアス・B.I.G.もアルバム『ライフ・アフター・デス』(Life After Death)リリース前の1997年3月に殺害されるという悲劇に見舞われた。

パフ・ダディとして知られる以前にコムズは1993年、スーパーキャットの「ドリー・マイ・ベイビー」(Dolly My Baby)のリミックス版でノトーリアス・B.I.G.と共にラップを披露していた。1997年に「パフ・ダディ」というMCネームを名乗り、サンプリングを多用したデビュー・シングル「キャント・ノーバディ・ホールド・ミー・ダウン」(Can't Nobody Hold Me Down)と、ノトーリアス・B.I.G.を追悼した2ndシングル「アイル・ビー・ミッシング・ユー」(I'll Be Missing You)をリリース。ポリスの1983年の曲「見つめていたい」(Every Breath You Take)をサンプリングというよりほとんど引用した「アイル・ビー・ミッシング・ユー」はファンの間でかなり物議を醸し賛否両論あったが、それらが収録されたファースト・アルバム『ノー・ウェイ・アウト』はアメリカだけでも700万枚を超える大ヒットとなった。そして第40回グラミー賞で最優秀ラップ・アルバム賞を受賞。その後もコムズのキャリアは、MCとしても続いた。

2013年

コムズは頻繁にMCネームを変えることでも知られ、ショーン・パフィ・コムズ（Sean Puffy Combs）、パフ・ダディ（Puff Daddy）、P・ディディ（P. Diddy、ノトーリアス・B.I.G.が付けたニックネーム）、ディディ（Diddy）と変えてきた。尚、イギリスの音楽プロデューサー、リチャード “ディディ” ディアラヴとの裁判に敗訴したため、イギリスではディディと名乗って活動することが出来なかった。2014年、MCネームをパフィ・ダディに戻す。

コムズは数々のスキャンダルの持ち主でもある。イギリスのDJディディは、コムズがP・ディディを名乗る9年前の1992年からこの名を使用してきたと訴訟を起こした。結果はコムズが損害賠償金10000ポンドと、裁判費用10万ポンドを支払うことで和解した。

1999年12月、マンハッタンのナイトクラブ、クラブ・ニューヨークで銃撃事件が起きたとき、コムズと当時のガールフレンド、ジェニファー・ロペスが現場にいた。コムズはロペスや仲間を連れて現場から逃走し後に逮捕。警察の調べによって盗難銃が発見されたことから、コムズと仲間のMC Shyneは銃刀法違反などで逮捕される[4]。この事件は免罪となったものの、ほかにも数多くの事件で告訴されたことがある。

性的虐待容疑と逮捕

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2023年11月から民事訴訟で訴えられていたが、2024年3月25日には、ヨット上での女性への性犯罪（sexual assault）、国際的な性的人身売買（sex traffic）などの疑いでカリフォルニア州とフロリダ州の自宅に、国家安全保障省の機関銃武装の約50人の捜査員らが入り家宅捜索が一斉に行なわれた[5][6]。身柄が1週間以上拘束されず、カリブ海のアンティグア・バーブーダにプライベートジェットを陽動作戦として飛ばすなどして当局を嘲笑うようにまいており、SNSでも”Where is Diddy”と話題が沸騰し、ニュースで大きく取り上げられた。同年9月16日にマンハッタンで逮捕された[7][8]。翌17日に起訴状が公表され、コムズが自らの影響力を背景に多数の女性に性的暴行を加えていたとみられることが分かった。コムズは性的人身売買や恐喝共謀などの罪に問われ、同日の法廷で起訴内容を否認した[9]。

また2024年10月、1996年9月8日に発生した2パック殺害事件（英語版）の犯人として2023年9月に逮捕されたキーフィー・Dことドゥエイン・デイヴィス (Duane Davis）が、コムズから約1.5億円で2パックの殺害を依頼されたと話していることから、2パック殺害事件にコムズが関わっているのではないかという疑惑もあり、2パックの遺族が弁護士を雇って調査を進めていることが報じられている[10]。

この件でコムズと非常に親しく、ショーンの主催するパーティーにも参加していたビヨンセとジェイ・Z夫婦は沈黙を貫き[11]、同じくショーンと親しいと報道されていたレオナルド・ディカプリオは「ショーンと何年も行動を共にしていない」と釈明する事態に追われた[12]。更に12月8日にはジェイ・Zがコムズと共に13歳の少女へ性的暴行を働いたとして告発された[13]。

人物

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ディスコグラフィ

[編集]
→詳細は英語版「en:Sean Combs discography」を参照
→プロダクション参加作品は英語版「en:Sean Combs production discography」を参照

アルバム

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年 タイトル アルバム詳細 チャート最高位 認定
US
[16] 		AUS
[17] 		CAN
[16] 		FRA
[18] 		GER
[19] 		NLD
[20] 		NZ
[21] 		SWE
[22] 		SWI
[23] 		UK
[24]
1997 No Way Out 1 17 1 18 2 6 12 6 1 8
1999 Forever
  • 発売日: 1999年8月24日[34]
  • レーベル: Bad Boy, Arista
  • フォーマット: CD, LP, cassette, digital download
  • 全米売上: 100万枚
 2 17 4 14 4 26 — 40 7 9
  • US: プラチナ[27]
  • CAN: ゴールド[35]
  • UK: ゴールド[33]
2001 The Saga Continues...
  • 発売日: 2001年6月19日[36]
  • レーベル: Bad Boy, Arista
  • フォーマット: CD, LP, cassette, digital download
 2 — 19 14 14 85 — — 43 89
  • US: プラチナ[27]
  • CAN: ゴールド[35]
  • UK: シルバー[33]
2006 Press Play
  • 発売日: 2006年10月17日[37]
  • レーベル: Bad Boy, Atlantic
  • フォーマット: CD, LP, cassette, digital download
  • 全米売上: 70万枚[38]
 1 41 — 31 32 58 — 46 9 11
  • US: ゴールド[27]
  • UK: ゴールド[33]
2010 Last Train to Paris
  • 発売日: 2010年12月14日[39]
  • レーベル: Bad Boy, Interscope
  • フォーマット: CD, LP, digital download
  • 全米売上: 27万枚[40]
 7 — 67 194 52 — — — 61 24
2014 11 11
(with Guy Gerber)
  • 発売日: 2014年8月20日[41]
  • レーベル: Rumors
  • フォーマット: CD, LP, digital download
 — — — — — — — — — —
2015 MMM (Money Making Mitch)
  • 発売日: 2015年11月4日
  • レーベル: Bad Boy, Interscope
  • フォーマット: CD, LP, digital download
 — — — — — — — — — —
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。

フィルモグラフィ

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→詳細は英語版「en:Sean Combs#Filmography」を参照

受賞歴

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→詳細は英語版「en:Sean Combs#Awards and nominations」を参照

参考資料

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  • ノー・ウェイ・アウト (ライナーノーツ). パフ・ダディ. BMGビクター・バッド・ボーイ・レコード. 1997. BVCA-729。

脚注

[編集]
[脚注の使い方]
  1. ^ Mali, Shreya (2024年4月13日). “The Truth About Diddy's Relationship With Mary J. Blige”. The List. 2024年11月21日閲覧。
  2. ^ もはや第二のエプスタイン。米大物ラッパー、ディディとグルなセレブは誰？【ピーチズのOM(F)G！】（ELLE、2024年9月29日）
  3. ^ Stacia Proefrock. “Mary J. Blige”. AllMusic. 7 October 2021閲覧。
  4. ^ Kettle, Martin (1999年12月28日). “Celebrity couple charged after nightclub shooting”. The Guaridan. 2024年12月27日閲覧。
  5. ^ 米 ヒップホップ大物プロデューサーの自宅に捜索（NHKニュース、2024年3月26日）
  6. ^ 「パフ・ダディ」に性的人身売買疑惑　男女が被害訴え家宅捜索　NFLスターは関連投稿を削除（Yahooニュース、2024年3月30日）
  7. ^ “米音楽界の大物ショーン・コムズ容疑者、NYで逮捕 弁護士が明らかに”. CNN. (2024年9月17日). https://www.cnn.co.jp/usa/35223970.html 2024年9月22日閲覧。 
  8. ^ “米大物プロデューサー逮捕、起訴 ショーン・コムズ被告 米”. AFP. (2024年9月17日). https://www.afpbb.com/articles/amp/3539064 2024年9月22日閲覧。 
  9. ^ “米音楽界大物プロデューサー、影響力背景に性的暴行か 起訴状で判明”. 産経新聞. (2024年9月18日). https://www.sankei.com/article/20240918-AHYHL5LA2NKRDB32YWKDL5WIWA/ 2024年9月22日閲覧。 
  10. ^ ディディ、ラッパーの2パック殺害事件にも関わっていた？　遺族が敏腕弁護士を雇って調査を進める（ELLE、2024年10月8日）
  11. ^ O'Toole, Scarlett (2024年10月11日). “Beyoncé and Jay-Z are 'keeping quiet' about P Diddy's arrest amid online conspiracy theories”. The Mirror US. 2024年10月17日閲覧。
  12. ^ Yeates, Cydney (2024年9月23日). “Leonardo DiCaprio breaks silence on hanging out with Sean 'Diddy' Combs as picture emerges of him at notorious 'White Party'”. Daily Mail. 2024年10月17日閲覧。
  13. ^ Crane, Emily (2024年12月8日). “Jay-Z accused of raping girl, 13, with Sean ‘Diddy’ Combs more than 2 decades ago: bombshell lawsuit”. New York Post. 2024年12月8日閲覧。
  14. ^ ノー・ウェイ 1997
  15. ^ Aizin, Rebecca (2024年9月18日). “A Look at Diddy's Past Girlfriends, From Jennifer Lopez to Cassie”. People. 2024年11月5日閲覧。
  16. ^ a b “Diddy – Awards”. AllMusic. Rovi Corporation. January 24, 2015閲覧。
  17. ^ “Discography P. Diddy”. 'australian-charts.com'. Hung Medien. January 24, 2015閲覧。
  18. ^ “Discographie P. Diddy” (French). 'lescharts.com'. Hung Medien. January 24, 2015閲覧。
  19. ^ “Chartverfolgung / P.Diddy / Longplay” (German). 'musicline.de'. GfK Entertainment. January 24, 2015閲覧。
  20. ^ “Discografie P. Diddy” (Dutch). 'dutchcharts.nl'. Hung Medien. January 24, 2015閲覧。
  21. ^ “Discography P. Diddy”. 'charts.org.nz'. Hung Medien. January 24, 2015閲覧。
  22. ^ “Discography P. Diddy”. 'swedishcharts.com'. Hung Medien. January 24, 2015閲覧。
  23. ^ “Discography P. Diddy”. 'swisscharts.com'. Hung Medien. January 24, 2015閲覧。
  24. ^ Peak chart positions for albums in the United Kingdom:
  25. ^ Stanley, Leo. “No Way Out – Puff Daddy & the Family”. AllMusic. Rovi Corporation. January 24, 2015閲覧。
  26. ^ Ross, Erik (May 18, 2013). “The 50 Best Selling Rap Albums of All Time”. Complex. Complex Media. January 24, 2015閲覧。
  27. ^ a b c d “Gold & Platinum: Diddy”. Recording Industry Association of America. January 24, 2015閲覧。
  28. ^ “ARIA Charts – Accreditations – 1997 Albums”. Australian Recording Industry Association. January 24, 2015閲覧。
  29. ^ “Gold/Platinum – Puff Daddy”. Music Canada. January 24, 2015閲覧。
  30. ^ “Notre Base de Données: Puff Daddy” (French). Syndicat National de l'Édition Phonographique. March 8, 2015閲覧。
  31. ^ “ÅR 1987−1998” (PDF) (Swedish). International Federation of the Phonographic Industry. January 24, 2015閲覧。
  32. ^ “The Official Swiss Charts and Music Community: Awards (Puff Daddy)”. 'swisscharts.com'. Hung Medien. January 24, 2015閲覧。
  33. ^ a b c d “Certified Awards” (enter "Puff Daddy" or "Diddy" into the "Keywords" box, then select "Search"). British Phonographic Industry. September 3, 2013閲覧。
  34. ^ Farley, Keith. “Forever – Diddy,Puff Daddy”. AllMusic. Rovi Corporation. January 24, 2015閲覧。
  35. ^ a b “Gold/Platinum – P. Diddy”. Music Canada. January 24, 2015閲覧。
  36. ^ Birchmeier, Jason. “The Saga Continues – Diddy”. AllMusic. Rovi Corporation. January 24, 2015閲覧。
  37. ^ Kellman, Andy. “Press Play – Diddy,P. Diddy”. AllMusic. Rovi Corporation. January 24, 2015閲覧。
  38. ^ Gold & Platinum: Searchable Database. Recording Industry Association of America (RIAA). Retrieved on 2009-10-25.
  39. ^ Kellman, Andy. “Last Train to Paris – Diddy,Diddy – Dirty Money”. AllMusic. Rovi Corporation. January 24, 2015閲覧。
  40. ^ Jacobs, Allen (May 11, 2011). “Hip Hop Album Sales: The Week Ending 1/1/2012”. HipHopDX. 11 May 2011閲覧。
  41. ^ “11 11 [Rumours]”. Beatport. January 24, 2015閲覧。

関連項目

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外部リンク

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