シルヴァー・レイルズ
『シルヴァー・レイルズ』 | ||||
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ジャック・ブルース の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ロンドン アビー・ロード・スタジオ | |||
ジャンル | ロック、ジャズ・ロック、ブルースロック | |||
時間 | ||||
レーベル | Esoteric Antenna | |||
プロデュース | ロブ・キャス | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ジャック・ブルース アルバム 年表 | ||||
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『シルヴァー・レイルズ』(Silver Rails)は、スコットランドのミュージシャン、ジャック・ブルースが2014年3月に発表したスタジオ・アルバム。ブルースは2014年10月25日に71歳で死去したので、結果的に生前最後のアルバムとなった[2]。
背景
[編集]ジョン・メデスキ[3]とシンディ・ブラックマン・サンタナは、本作に先がけてトニー・ウィリアムス・ライフタイム[4][注釈 1]のトリビュート・バンド「スペクトラム・ロード」でもブルースと共演している[5]。「キープ・イット・ダウン」はアルバム『アウト・オブ・ザ・ストーム』(1974年)、「ノー・サレンダー」は『クエスチョン・オブ・タイム』(1989年)の収録曲の再録音で、いずれもバーニー・マースデンがギターを担当した[6]。
ブルースの説明によれば、「ラスティ・レディ」はクリームの「政治家」(1968年)の現代版と言える曲で、歌詞はマーガレット・サッチャーを題材としている[7]。
イギリス及びヨーロッパでは、28分に及ぶメイキング映像を収録したDVD付きのデラックス・エディション盤も発売された[8]。
評価
[編集]Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「音楽的には極めて多様で、1969年の『ソングス・フォー・ア・テイラー』とは精神的な意味で遠い親戚と言える」と評している[5]。また、Phillip WooleverはAll About Jazzのレビューで5点満点中4.5点を付け「5曲において、ジョン・メデスキの壮大なハモンドが特徴的な閃きをもたらしている」「ちょっとした失策もあるとはいえ、『シルヴァー・レイルズ』は確かにブルースの最高傑作の一つであり、恐らく、ここ何年かでは最上の作品と言えよう」と評している[9]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲は作詞がピート・ブラウン、作曲がジャック・ブルースによる。
- キャンドルライト "Candlelight" (Jack Bruce, Margrit Seyffer) – 4:20
- リーチ・フォー・ザ・ナイト "Reach for the Night" – 6:19
- フィールズ・オブ・フォーエヴァー "Fields of Forever" – 4:35
- ヒドゥン・シティーズ "Hidden Cities" (J. Bruce, Kip Hanrahan) – 5:01
- ドント・ルック・ナウ "Don't Look Now" – 5:06
- ラスティ・レディ "Rusty Lady" – 5:13
- インダストリアル・チャイルド "Industrial Child" – 3:40
- ドローン "Drone" (J. Bruce) – 4:47
- キープ・イット・ダウン "Keep It Down" – 4:57
- ノー・サレンダー "No Surrender" – 3:33
参加ミュージシャン
[編集]- ジャック・ブルース - ボーカル、ベース、ピアノ、メロトロン
- フィル・マンザネラ - ギター(#1)
- トニー・レミー - リズムギター(#1)、ギター(#2、#3、#5)、アコースティック・ギター(#7)
- マルコム・ブルース[注釈 2][10][11] - アコースティック・ギター(#2)、ギター(#5、#6)
- ピアース・マッキンタイア - アコースティック・ギター(#3)
- ウリ・ジョン・ロート - ギター(#4)
- ロビン・トロワー - ギター(#6)
- バーニー・マースデン - ギター(#9、#10)
- ジョン・メデスキ - ハモンドオルガン(#1、#2、#4、#5、#9)、メロトロン(#5)
- フランク・トントー - ドラムス(#1、#2、#3、#5、#6、#9)
- シンディ・ブラックマン・サンタナ - ドラムス(#4、#10)
- ミロス・パル - ドラムス(#8)、ジャンベ(#1)
- ロブ・キャス - パーカッション(#1、#3、#6)、バックグラウンド・ボーカル(#10)
- デレク・ナッシュ - テナー・サクソフォーン(#1、#2、#3)
- ラッセル・ベネット - トランペット(#1、#3)
- ウィンストン・ロリンズ - トロンボーン(#1、#3)
- アルーバ・レッド - ボーカル(#4)
- シャンテル・ナンディ - ボーカル(#4)
- Julie Iwheta - ボーカル(#4)
- カイラ・ブルース[注釈 3][12] - ボーカル(#4)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ブルースが1969年に在籍した。
- ^ ブルースの次男。母親はブルースの最初の妻ジャネット・ゴドフレー。1970年生まれ。
- ^ ブルースの娘。母親はブルースの再婚相手マーグリット。1985年生まれ。
出典
[編集]- ^ Offizielle Deutsche Charts
- ^ “Brilliant bassist of the 'supergroup' Cream”. The Irish Times (2014年11月1日). 2018年1月2日閲覧。
- ^ Shapiro (2010), p. 278.
- ^ Shapiro (2010), pp. 132–139, 304, 305.
- ^ a b Jurek, Thom. “Silver Rails - Jack Bruce”. AllMusic. 2018年1月2日閲覧。
- ^ 日本盤CD (VICP-75137)ライナーノーツ(大鷹俊一、2014年4月3日)
- ^ Grow, Kory (2014年4月15日). “Jack Bruce Moves Past Cream; 'It Was Nice to Have a Little Comeback'”. Rolling Stone. 2018年1月2日閲覧。
- ^ Jack Bruce - Silver Rails (CD, Album) at Discogs - デラックス・エディション盤の情報。
- ^ Woolever, Phillip (2014年6月15日). “Jack Bruce: Jack Bruce: Silver Rails”. All About Jazz. 2018年1月2日閲覧。
- ^ Shapiro (2010), p. 126.
- ^ “Discogs”. 2024年12月9日閲覧。
- ^ Shapiro (2010), p. 228.
引用文献
[編集]- Shapiro, Harry (2010). Jack Bruce: Composing Himself: The Authorised Biography by Harry Shapiro. London: A Genuine Jawbone Book. ISBN 978-1-906002-26-8