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ジャファール・パナヒ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャファール・パナヒ
Jafar Panahi
Jafar Panahi
2007年
本名 جعفر پناهی
生年月日 (1960-07-11) 1960年7月11日(64歳)
出生地 イランの旗 イラン 東アーザルバーイジャーン州ミヤーネ
国籍 イランの旗 イラン
職業 映画監督
ジャンル 映画
活動期間 1995年 - 現在
主な作品
白い風船
チャドルと生きる
オフサイド・ガールズ
これは映画ではない
『人生タクシー』
ある女優の不在
受賞
カンヌ国際映画祭
脚本賞
2018年ある女優の不在
「ある視点」部門 審査員賞
2003年『クリムゾン・ゴールド』
カメラ・ドール
1995年白い風船
国際映画批評家連盟賞
1995年『白い風船』
功労賞
2011年
ヴェネツィア国際映画祭
金獅子賞
2000年チャドルと生きる
審査員特別賞
2022年熊は、いない
国際映画批評家連盟賞
2000年『チャドルと生きる』
ベルリン国際映画祭
金熊賞
2015年人生タクシー
銀熊賞(審査員グランプリ)
2006年オフサイド・ガールズ
銀熊賞(脚本賞)
2013年『閉ざされたカーテン』
国際映画批評家連盟賞
2015年『人生タクシー』
東京国際映画祭
東京ゴールド賞
1995年白い風船
全米映画批評家協会賞
実験映画賞
2012年これは映画ではない
ニューヨーク映画批評家協会賞
外国語映画賞
1996年『白い風船』
特別賞
2022年
その他の賞
ロカルノ国際映画祭
金豹賞
1997年『鏡』
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ジャファール・パナヒペルシア語: جعفر پناهی‎, ラテン文字転写:Jafar Panahi, 1960年7月11日 - )はイラン映画監督。名前の発音は、ペルシア語ではファの後を伸ばさない「ジャアファル・パナーヒー」に近い。日本では「ジャファル・パナヒ」と表記されることもある。

経歴

[編集]

テヘランで映画製作を学び[1]アッバス・キアロスタミ作品の助監督となった。

1995年、キアロスタミが脚本を書いた『白い風船』で監督デビューし、カンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞。1997年に『鏡』でロカルノ国際映画祭金豹賞を、2000年の『チャドルと生きる』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞し、世界的に高い評価を得た[2]。2006年には『オフサイド・ガールズ』でベルリン国際映画祭審査員グランプリを受賞。ベルリン国際映画祭では後に、『閉ざされたカーテン』で脚本賞、『人生タクシー』で金熊賞も受賞した。

『チャドルと生きる』『オフサイド・ガールズ』はともにイランの政治体制を批判する内容であるとして、イラン国内では上映禁止とされた。パナヒ自身も2009年の大統領選挙で改革派のミール・ホセイン・ムーサヴィー候補を支持するなど、保守派のマフムード・アフマディーネジャード政権と対立し、2010年3月1日に自宅で拘束された[3]。この年開催の第63回カンヌ国際映画祭の審査員の一人に選ばれていたが、逮捕により欠席。同映画祭で女優賞を受賞したジュリエット・ビノシュを始めとする各国の映画人は言論の自由の名の下に、イラン政府への抗議表明とともにパナヒの解放を要求した。同年5月に保釈金20億リヤルで釈放された[4]ものの、その後禁錮6年の判決が下り、さらに20年間にわたり映画製作・脚本執筆・メディア対応と海外渡航が禁止された[5]

2012年、欧州議会が人権と思想の自由を守るために活動した人物に贈るサハロフ賞を、政治犯や女性活動家を支援する女性人権弁護士ナスリーン・ソトゥーデ英語版とともに受賞した[6]

2022年7月11日、同月に治安関連の容疑で逮捕された他の映画監督2人について調べるためテヘランの検察庁を訪れた際、当局によって拘束され、2010年に言い渡された禁固刑に服するため収監された[7]。しかしパナヒは、判決の出訴期限はすでに時効を迎えており、控訴をめぐる司法判断が出るまで釈放されるべきだと主張。司法当局が何ら対応をしなかったため、2023年2月1日に釈放を求めるハンガー・ストライキを敢行し、48時間後に保釈が認められた[8][9]。4月には当局の海外渡航禁止令が解かれ、パナヒが14年ぶりの海外渡航を果たしたと報じられた[10]

監督作品

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脚注

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  1. ^ Teo, Stephen. “The Case of Jafar Panahi -An Interview with the Iranian Director of The Circle”. Senses of Cinema. 2008年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月9日閲覧。
  2. ^ Levy, Emanuel. “Jafar Panahi's Career”. Emanuel Levy. 2006年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月9日閲覧。
  3. ^ “イラン当局、映画監督パナヒ氏を拘束”. AFPBB News (フランス通信社). (2010年3月2日). https://www.afpbb.com/articles/-/2704683 2021年10月9日閲覧。 
  4. ^ 拘束中だったイランのジャファル・パナヒ監督、保釈か CinemaCafé.net, 2010年5月26日。
  5. ^ “「反体制的」、イラン映画監督パナヒ氏に禁錮6年”. AFPBB News (フランス通信社). (2010年12月21日). https://www.afpbb.com/articles/-/2780220 2022年7月31日閲覧。 
  6. ^ Iranian filmmaker wins EU’s Sakharov Prize | Human Rights Film Network”. www.humanrightsfilmnetwork.org. 2023年11月18日閲覧。
  7. ^ “イラン当局、パナヒ監督を収監 ベルリン映画祭の最高賞受賞者”. ロイター. (2022年7月20日). https://jp.reuters.com/article/iran-judiciary-panahi-idJPKBN2OV09G 2022年7月31日閲覧。 
  8. ^ Roxborough, Scott (2023年2月3日). “Iran Director Jafar Panahi Released From Prison” (英語). The Hollywood Reporter. 2023年11月4日閲覧。
  9. ^ “Jafar Panahi: Prominent Iranian film director leaves jail” (英語). BBC News. (2023年2月4日). https://www.bbc.com/news/world-middle-east-64519948 2023年11月4日閲覧。 
  10. ^ Roxborough, Scott (2023年4月26日). “Dissident Filmmaker Jafar Panahi Reportedly Leaves Iran for First Time in 14 Years” (英語). The Hollywood Reporter. 2023年11月4日閲覧。
  11. ^ “ジャファル・パナヒのベルリン金熊受賞作が2017年4月公開”. 映画ナタリー. (2016年11月18日). https://natalie.mu/eiga/news/209741 2016年11月18日閲覧。 
  12. ^ 【公式】映画『熊は、いない』オフィシャルサイト”. 【公式】映画『熊は、いない』オフィシャルサイト. 2023年11月4日閲覧。
  13. ^ 特別招待作品 - 第23回「東京フィルメックス」” (2021年9月24日). 2023年11月4日閲覧。

外部リンク

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