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スプリックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社スプリックス
SPRIX CO.,LTD
種類 株式会社
市場情報
東証スタンダード 7030
2018年6月29日上場
本社所在地 日本の旗 日本
150-6222
東京都渋谷区桜丘町一丁目1番
本店所在地 940-0062
新潟県長岡市東坂之上町一丁目2番地6
設立 1997年1月
業種 サービス業
法人番号 7110001022686 ウィキデータを編集
事業内容 学習塾、ダンススクールの経営、教育プログラム・学習教材の開発・出版など
代表者 常石 博之(代表取締役
資本金 14億4400万円[1]
売上高 318億6000万円
(2024年9月期)[1]
営業利益 10億9300万円
(2024年9月期)[1]
経常利益 11億3400万円
(2024年9月期)[1]
純利益 5億000万円
(2024年9月期)[1]
純資産 95億620万円
(2024年9月30日現在)[1]
総資産 204億4800万円
(2024年9月30日現在)[1]
従業員数 1,394名(連結)[2]
決算期 9月30日
外部リンク https://sprix.inc/
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株式会社スプリックス(SPRIX)は、東京都渋谷区桜丘町に本部を置く、学習塾の運営やインターネット教育コンテンツなどの開発を手がける企業[3]

概要

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スプリックスは、個別指導塾「森塾」や「東京ダンスヴィレッジ」の運営、読書教育プログラム「グリムスクール」や中国語学習教材「HSK公認テキスト」、学習教材「フォレスタシリーズ」などの教材開発を手がける総合教育企業である。その他、インターネットを使った教育コンテンツの開発も行っている。教育コンテンツの開発、戦略立案、人事等の本部機能はすべて東京都渋谷にあるが、登記上の本店は新潟県長岡市[4]

社名と企業理念

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スプリックス(SPRIX)という社名は、新しい生命が誕生する「春 spring」と「教育を通して世界中の人に人生の新たなステージ『春』を届けたい」という想いを由来としている。

沿革

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  • 1997年 2月 - 新潟県長岡市で「森塾」を創業[5]
  • 1999年 2月 - 読書教育プログラム「グリムスクール」の開発開始
  • 2003年 3月 - ベネッセコーポレーションと業務提携し、全国でグリムスクールの教室展開がスタート。
  • 2004年 2月 - 森塾が首都圏での出店を開始
  • 2004年12月 - パイオニアNTTPCと提携し、e-learning事業を開始。[6]
  • 2004年12月 - 学習塾用教材「フォレスタ」を全国の塾にむけて販売開始
  • 2005年 7月 - 上智大学と提携し、インターンシップ制度をスタート
  • 2006年10月 - 「東京カルチャーヴィレッジ」(現「東京ダンスヴィレッジ」)を池袋に展開
  • 2007年 6月 - 吉本興業と業務提携し、「スプリックスの楽しく学べるシリーズ」を開発。
  • 2008年 2月 - 塾講師専門求人サイト「塾講師JAPAN」オープン
  • 2011年 2月 - 「自立学習RED」教室展開を開始
  • 2012年 2月 - 中国語検定HSK 「公式過去問集」出版開始
  • 2013年 6月 - 本部機能を東京都池袋へ移転
  • 2014年10月 - 教育アプリ「ゴールスタート」リリース
  • 2018年 6月 - 東京証券取引所一部へ上場[7]
  • 2019年 4月 - サイバーエージェントの子会社と、小学生向けプログラミング教材の開発・運営・販売を行う株式会社キュレオを設立[8]
  • 2019年 6月 - 学習ノート共有アプリ「Clear」を運営するアルクテラス株式会社と事業提携を発表。
  • 2019年 9月 - 経済産業省「未来の教室」へのeフォレスタの採択
  • 2019年10月 - 明光ネットワークジャパンと業務提携し、「自立学習RED」をフランチャイズ展開 [9]
  • 2020年 2月 - サイバーエージェントと合弁にて株式会社プログラミング総合研究所を設立 [10]
  • 2020年 5月 - オンライン個別指導塾「そら塾」のサービス提供を開始 [11]
  • 2020年10月、自立学習塾「自立学習RED」が第3回 日本サービス大賞」において「経済産業大臣賞」を受賞[12]
  • 2020年12月 - 株式会社湘南ゼミナールの全株式を取得 [13]
  • 2020年12月 - プログラミング検定「プログラミング能力検定」を開始 [14]
  • 2021年 3月 - 国際基礎学力検定「TOFAS(トーファス)」の世界展開を開始 [15]
  • 2021年11月 - 基礎学力・プログラミング・主要教科の理解を評価できる、3 つの CBT を学校向けにパッケージ化した『SPRIX CBT』を開発[16]
  • 2022年 5月 - 教育業界特化型新卒エージェントサービス「教育JAPAN 新卒エージェント」を開始[17]
  • 2023年 8月 - 湘南ゼミナールの一部社内サーバーがランサムウェアに感染[18]
  • 2023年 10月 - 東京証券取引所スタンダード市場へ市場変更
  • 2024年 1月 - 「森塾」が関西での出店を開始
  • 2024年 4月 - スプリックスのブランドロゴを刷新
  • 2024年 6月 - 本部機能を東京都渋谷へ移転

事業内容

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  • 森塾 - 「成績を上げることで生徒の人生に貢献する」という理念のもと運営されている個別指導形式の学習塾。茨城県埼玉県千葉県東京都神奈川県群馬県栃木県静岡県新潟県大阪府に展開[5]
  • グリムスクール - ベネッセコーポレーションと業務提携し、2003年より運営している幼児・小学生向けの読書教育プログラム[19]
  • インターネット教材「楽しく学べる」シリーズ - 吉本興業と業務提携し、開発された自立学習用映像教材。お笑い芸人をナビゲーターに起用しているのが特徴[20]
  • 中国語教材「HSK」シリーズ - 2012年より、中国語検定試験であるHSK教材に関する公式過去問集や公認テキスト、映像教材など関連教材を出版、販売。
  • フォレスタ - 学校の定期テストを収集、分析して制作された塾専用学習教材。シェアは6~7割とされている[21]。その他、旺文社と提携して作られたe-learning教材「eフォレスタ」がある[22]
  • 東京ダンスヴィレッジ」 - 池袋・新宿・渋谷に展開する、大人向けのダンススクール。
  • ゴールスタート(通称「ゴルスタ」[23] )- SNSやライブストリーミング、映像授業の閲覧などの機能を備えた中高生向けのスマートフォン用アプリ。後述の個人情報流出や不適切な運営管理体制などの問題により、2016年9月サービス終了[24][23]
  • 自立学習RED - 自立学習形式の学習塾。2019年10月より明光ネットワークジャパンとの業務提携でフランチャイズ展開。
  • そら塾 - スマートフォンで学べるオンライン個別指導塾。
  • 塾講師JAPAN - 日本最大級の掲載教室数を誇る、塾講師の求人募集サイト。
  • 教育JAPAN 新卒エージェント - 新卒学生向けの、教育業界に特化した無料就職エージェントサービス[25]
  • 授業準備ネット - 授業準備の情報を集めた、教師向けサイト。
  • DOJO - AI搭載のタブレットで「計算」「漢字・語い」「英単語」の基礎学力を鍛える学習塾。
  • プログラミング能力検定 - プログラミングの基礎となる知識を測る試験[26][14]
  • 国際基礎学力検定TOFAS - グローバルレベルで「基礎学力」を評価するオンライン検定[27]
  • SPRIX CBT - タブレット端末を利用してテストや調査を行える、公教育機関向けのサービスパッケージ[28]

不祥事

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教育アプリ「ゴールスタート」のトラブル

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2016年8月、教育アプリ「ゴルスタ」の運営に際して、「運営に批判的なユーザーは即時にアカウントの凍結・退会処分を行う」「アカウント凍結処分にあったユーザーは運営に協力的な姿勢を示すなど反省文を提出することでアカウントの凍結を解除する」「アプリのプライバシーポリシーにクレジットカード情報を要求する文面が掲載されている」など、Twitterなどの各種SNS上で問題視されるようになった[29][30]

また、運営担当者が利用者の個人情報をインターネット上に書き込んでいたことが判明。個人情報を意図的に流出していた[31][32]

これらについて、読売新聞の取材に対し、常石博之副社長は元ユーザーの本名を意図的に書き込んだことについては「当社のミス」「担当者がヒートアップしてしまった」と謝罪した[30]。本来会員登録には氏名の記入は必要ないが、朝日新聞の取材に対して「イベント開催時のやりとりで当該ユーザーの氏名を知った」と説明している[33]

またクレジットカード情報については「将来的に課金コンテンツを設置した時に備えた物」として要求していたことを認めたものの、今までに記載したユーザはいなかったと回答、同月26日付で規約を改定し文言を削除している。一方でアカウント凍結処分や反省文の提出などについては「中高生に安全・安心に使ってもらうためにこのような対応を取っている。厳しすぎるかもしれないが中高生を守るため」と話している[30]。なお、このアプリは同月27日にアプリストアでの公開を中止したがサービス自体は継続していた[34]

同月31日に企業公式サイト上で謝罪のリリースを発表、トラブル発生の経緯や担当者の減給処分、イベント開催時に氏名を取得しないなどの再発防止策を講じるほか、氏名が公表された元ユーザーに対しては誠意を持った対応を行うとした[35][36]。また、「運営方針が厳しすぎる」という指摘に関しては、「中高生の安心安全が最優先」と理解を求めつつも、細部の表現については意見を受け入れ適宜見直しを検討していくとしていた[35][36]。その後実態を調査した結果、一部の運営担当者に「アカウントを停止したユーザーを直ちに削除せずユーザー名を『違反-停止理由』にして見せしめ行為を行う」などのふさわしくない言動があったことを確認、9月5日付で企業公式サイト上で改めて謝罪すると共に、「社内全体の問題であり、教育を生業とする者としては今回の調査結果は大変重い」として直ちにサービスを終了すると発表した[37][38]

ITmediaの「ねとらぼ」がスプリックスの元社員に行った取材や提供された情報等によれば、メイン事業である森塾を含めたスプリックス社内で「定例会議のたびに不祥事で懲戒解雇を受けた元従業員の氏名をプリントに記載し配布する」「ネット上に自社の書き込みを行うと、特定した上で法的手段に訴える」「愚痴などネガティブな発言をした場合はその意図を追及され、昇給に響くこともある」など、元から言論統制や監視、見せしめなどの制裁が常態化していた、との事である。取材を受けた元社員は「社内でやっていることをゴルスタの運営で一般ユーザーにも向けて行っただけ」と分析している[39]

前述した通り、「ゴルスタ」は「ゴールスタート」の略だが、上記の騒動以後は一部で「ゴルバチョフスターリン」と言われていた[40]

湘南ゼミナールサーバーのランサムウェア感染

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2023年8月21日、湘南ゼミナールの一部社内サーバーがランサムウェアに感染し障害が発生。2023年8月23日、同社子会社である株式会社湘南ゼミナールがランサムウェアに感染したと発表。公表時点で個人情報含むデータ流出を裏付ける事実は確認されていないとのこと[18]

脚注

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出典

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  1. ^ a b c d e f g 2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)スプリックス 2024年11月12日
  2. ^ (株)スプリックス【7030】:企業情報・会社概要・決算情報 - Yahoo!ファイナンス
  3. ^ (株)スプリックス(森塾)”. job.mynavi.jp. 2024年4月11日閲覧。
  4. ^ 企業情報”. sprix.inc. sprix. 2024年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月13日閲覧。
  5. ^ a b 千葉誠一 『教育』 産学社、2011年
  6. ^ 『日経新聞』2004年7月23日
  7. ^ 当社株式の東京証券取引所市場第一部への所属決定に関するお知らせスプリックス 2018年6月19日
  8. ^ サイバーエージェント子会社、スプリックスと小学生向けプログラミング教材事業で新会社「キュレオ」を設立
  9. ^ 明光ネットワークジャパン 2019年10月10日
  10. ^ サイバーエージェント、プログラミング総合研究所による「プログラミング能力検定」の運営を開始
  11. ^ 【塾×テクノロジー】EdTechの本質は、「人」だ。
  12. ^ 日経済産業大臣賞 | 日本サービス大賞
  13. ^ 株式会社湘南ゼミナールの全株式取得完了に関するお知らせ
  14. ^ a b 学生のプログラミングの理解度を6段階で測る「プログラミング能力検定」、第1回の試験を12月開催
  15. ^ 日本だけでなく世界と比較した「基礎学力」レベルが把握できる国際基礎学力検定「TOFAS」を2021年3月21日(日)より提供開始~保護者の96%が重要視する「基礎学力」に特化して評価~
  16. ^ スプリックス、3つのCBTで構成される「CBT for school」を開発、今年度は無償提供”. EdTechZine. 2022年6月23日閲覧。
  17. ^ 総合教育企業のスプリックス、日本初の教育業界特化型新卒エージェントサービス「教育JAPAN 新卒エージェント」の提供を開始:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2022年6月23日閲覧。
  18. ^ a b 湘南ゼミナールサーバーがランサムウェア感染か、株式会社スプリックス|サイバーセキュリティ.com”. cybersecurity-jp.com. 2024年10月31日閲覧。
  19. ^ 『読売新聞』2005年3月11日
  20. ^ 『読売新聞』2012年4月13日
  21. ^ 『伸び悩む子の成績を上げる 東西評判塾の独自ノウハウ』 週刊ダイヤモンド 2012年2月25日号
  22. ^ 『日経流通新聞』 2009年2月13日
  23. ^ a b 河崎環 (2016年9月10日). “中高生限定「ゴルスタ」騒動が示した本当の闇 救われない子供たちは、たださまよっていく”. 東洋経済オンライン. 2021年8月27日閲覧。
  24. ^ ゴルスタのサービス終了につきまして”. 株式会社スプリックス公式ウェブサイト (2016年9月5日). 2016年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月27日閲覧。
  25. ^ 総合教育企業のスプリックス、日本初の教育業界特化型新卒エージェントサービス「教育JAPAN 新卒エージェント」の提供を開始:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2022年8月5日閲覧。
  26. ^ 学生のプログラミングの理解度を6段階で測る「プログラミング能力検定」、第1回の試験を12月開催”. EdTechZine. 2022年8月18日閲覧。
  27. ^ 日本だけでなく世界と比較した「基礎学力」レベルが把握できる国際基礎学力検定「TOFAS」を2021年3月21日(日)より提供開始~保護者の96%が重要視する「基礎学力」に特...”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2022年8月25日閲覧。
  28. ^ スプリックス、3つのCBTで構成される「CBT for school」を開発、今年度は無償提供”. EdTechZine. 2022年8月25日閲覧。
  29. ^ 個人情報だだ漏れ?:「中高生以外は登録禁止」なSNS、「ゴルスタ」の運営対応がTwitterで炎上中(追記あり),ITmedia Mobile,2016年8月26日
  30. ^ a b c 中高生向けアプリ「ゴルスタ」 個人情報流出で謝罪,読売新聞,2016年8月26日
  31. ^ スプリックス、アプリ「ゴルスタ」利用者個人情報をTwitterで意図的に投稿し流出”. パソコンの情報漏洩ニュース (2016年8月31日). 2024年10月31日閲覧。
  32. ^ 【セキュリティ ニュース】中高生向けアプリ「ゴルスタ」、利用者の個人情報をツイート(1ページ目 / 全1ページ):Security NEXT”. www.security-next.com. 2024年10月31日閲覧。
  33. ^ 「ゴルスタ」、個人情報をツイート 中高生向けアプリ,朝日新聞,2016年8月29日
  34. ^ 中高生限定SNSアプリ「ゴルスタ」がアプリストアから消滅 厳しすぎるユーザー対応で「怖い」「まるで独裁国家」と炎上, ITmedia, 2016年08月30日閲覧
  35. ^ a b ゴルスタにかかわるお詫びとご報告 - ウェイバックマシン(2016年8月31日アーカイブ分)
  36. ^ a b Twitterにユーザーの個人情報を故意に書き込み 大炎上の「ゴルスタ」が謝罪 担当者は減給処分に,ねとらぼ,2016年8月31日
  37. ^ 『中高生限定アプリ『ゴルスタ』サービス終了 運営が個人情報書き込みで騒動 』(ORICON STYLE 2016年9月5日)
  38. ^ 「ゴルスタ」サービス終了が決定 個人情報の取り扱いなどで炎上していた(ねとらぼ 2016年9月5日)
  39. ^ ゴルスタ個人情報流出問題 運営会社スプリックスでは数年前から「みせしめ」存在 関係者に聞いた,ねとらぼ,2016年9月5日
  40. ^ SNS運営側が暴走した炎上騒動 ゴルスタってゴルバチョフ・スターリンの略なの?

外部リンク

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