タチアーナ・ソコロワ=デリューシナ
表示
タチアーナ・L・ソコロワ=デリューシナ Татьяна Львовна Соколова-Делюсина | |
---|---|
誕生 |
1946年??月??日 ソビエト連邦 モスクワ |
職業 | 東洋学者、翻訳家 |
国籍 | ロシア |
代表作 | 「源氏物語」のロシア語訳 |
ウィキポータル 文学 |
タチアーナ・L・ソコロワ=デリューシナ(Татьяна Львовна Соколова-Делюсина;ラテン文字転写: Tatyana Lyvovna Sokolova-Delyusina, 1946 - ) [1]はロシアの東洋学者、日本語の翻訳家。
2008年4月、彼女は長年の業績が認められ、明仁天皇の勅令により旭日小綬章を受章した[2]。
経歴
[編集]1946年モスクワ生まれ[1]。父親は中国研究者レフ・デリューシン。1970年モスクワ大学東洋語学部日本語科を卒業し、科学アカデミー東洋研究所、日本語講師を経てプログレス出版社に勤務するが、『源氏物語』翻訳に専念するため1976年退職[3]。
1995年9月から1996年9月まで、国際日本文化研究センターの来訪客員として日本に滞在した[1]。
翻訳
[編集]彼女の最も重要な業績は、10世紀から11世紀の作家紫式部による中世日本文学『源氏物語』を15年かけてロシア語に翻訳したことで[1]、これにより彼女は1993年に国際交流基金奨励賞を受賞[4]。同年4月に授賞式のため初来日し、1か月間滞在した[5]。
彼女はまた世阿弥元清を含む多くの能の謡曲をロシア語に翻訳し、さらに数多くの小林一茶、与謝蕪村、松尾芭蕉らの俳句や短歌、太宰治や中上健次らの散文も翻訳した。日本学者のE・D・ボゴヤヴレンスカヤは日本語からの翻訳史についての評論の中で、加賀乙彦の小説『宣告』のソコロワ=デリューシナによる翻訳について触れている[6]。
翻訳リスト(抜粋)
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d タチアーナ・L.ソコロワ=デリューシナ 著, 法木綾子 訳『タチアーナの源氏日記 : 紫式部と過ごした歳月』ティビーエス・ブリタニカ、1996年9月、カバー裏頁。ISBN 4-484-96219-5。
- ^ “近年の春秋定期叙勲受章者名簿 平成20年:春”. 外務省. 2023年5月14日閲覧。
- ^ 『タチアーナの源氏日記 : 紫式部と過ごした歳月』ティビーエス・ブリタニカ、219頁。
- ^ “これまでの国際交流基金賞受賞者/授賞式・関連行事概要(平成3(1991)年度~平成12(2000)年度)”. 国際交流基金. 2023年5月14日閲覧。
- ^ 『タチアーナの源氏日記 : 紫式部と過ごした歳月』ティビーエス・ブリタニカ、205-206頁。
- ^ Богоявленская 2015.
参考文献
[編集]- Богоявленская Е. Д. (2015). "История переводов и переводоведения с японского и русского языков в России и Японии". Современное российское японоведение: оглядываясь на путь длиною в четверть века. М.: АИРО-XXI. Отв. ред. Д. В. Стрельцов. pp. 90–106.
- タチアーナ・L.ソコロワ=デリューシナ 著;法木綾子 訳『タチアーナの源氏日記 : 紫式部と過ごした歳月』ティビーエス・ブリタニカ, 1996.9 ISBN 4-484-96219-5