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ターフドンナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ターフドンナ
欧字表記 Turfdonna[1]
品種 サラブレッド[2]
性別 [1]
毛色 青鹿毛[2]
生誕 2012年5月1日(12歳)[2]
Doyen[1]
Turfaue[1]
母の父 Big Shuffle[1]
生国 ドイツの旗 ドイツ[1]
生産者 Gestüt Auenquelle[1]
馬主 Gestüt Auenquelle[1]
→Australian Bloodstock[1]
調教師 Roland Dzubasz(ドイツ)[1]
→Andreas Wöhler(ドイツ)[1]
競走成績
生涯成績 4戦2勝[1]
獲得賞金 313000[1]
勝ち鞍
G1 ディアナ賞 2015年
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ターフドンナ:Turfdonna、2012年5月1日 - )は、ドイツ競走馬。2015年ディアナ賞の勝ち馬である。現役引退後は日本社台ファームによって所有され、繁殖牝馬として同国の重賞馬エリザベスタワーを生産した。

競走馬時代

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デビュー前

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2012年5月1日、アウエンケル牧場によってドイツで生産される[3]

父は、現役時キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを勝ち、2009年から2011年までドイツのアウエンケル牧場に繋養された種牡馬ドワイエン[4]。母は、アウエンケル牧場に繋養されているビッグシャッフル牝駒の繁殖牝馬ターフアウエ[5]。本馬はその7番仔に当たる[6]。2代母は、ブルクエーベルシュタインスタッドが生産したシャーディー牝駒のターフクエレ[5]。ターフクエレは、アウエンケル牧場で繁殖入りして同牧場におけるこの牝系の祖となったほか、吉田照哉に所有されて現役時リディアテシオ賞を勝ち繁殖牝馬としてはGII競走勝ち馬ロサギガンティアの母馬となった牝駒のターフローズを生産している[5][7]

3歳時(2015年)

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アウエンケル牧場によって所有され、ローラント・ズバシュ調教師に手掛けられた3歳馬ターフドンナは、4月5日、3歳牝馬の未出走馬限定戦である1835年ケーニヒスベルク競馬会賞(芝1800メートル)でデビューする予定であったが、ここではゲート入りが悪く出走取消となった[8][9]。代わって4月26日、3歳馬の未出走馬限定戦である春の使者賞(芝1800メートル)に出走し、イギリス人騎手のハリー・ベントレーを鞍上に4馬身差で優勝[6][9]。同競走の5着には後のG1競走3勝馬イキートスが入っている[10]。この勝ち上がりが注目された本馬は、アウエンケル牧場からオーストラリアンブラッドストックへと売却され、5月13日、アンドレアス・ヴェーラー調教師のもとに転厩した[11]

5月24日、ディアナトライアル(G2、芝2000メートル)に出走[12]。競走では中団を進んだが、直線の勝負どころでは手応えが悪く、最後は4着馬にも交わされて勝ち馬ナイトフラワーの5着に敗れた[13]。次いで、ハンブルク牝馬賞(G3、芝2200メートル)に参戦[14]。競走では中団待機から追い上げ、勝ち馬アンナカタリナの3着に入った[15]

映像外部リンク
2015年ディアナ賞 Deutscher Galopp

3戦1勝馬のターフドンナは、8月2日、第157回ディアナ賞(G1、芝2200メートル)に単勝16.7倍のオッズで出走[16]。騎手は、2013年ペネロパで同競走を勝利しているエドワード・ペドロサが配された[16]。競走では道中を好位追走で運び、直線では押し切ってナイトフラワーに3/4馬身差を付けて優勝[16]。ドワイエン産駒はG1競走初勝利[17]。ヴェーラー調教師は前年のフィオドラに続いて同競走2連勝となった[16]。競走後、ヴェーラーは同競走の条件11ハロンが本馬の距離適性の限度であるとして、今後は10ハロン路線に戻すことを示唆した[17]

ディアナ賞を勝ったターフドンナは、次いで、10月10日アメリカ合衆国キーンランド競馬場で施行されるクイーンエリザベス2世チャレンジカップステークスが目標となった[18]。しかし、怪我を負ったためこれを回避[19]。その後は再び出走することなく、残りの同シーズンを休養に充てた[20]。2015年11月頃、日本の吉田照哉に売却され、現役引退して繁殖牝馬となった[21]

2015年シーズンのターフドンナは、31万3000ユーロの賞金を獲得し、これはヌタンに次ぐ同年ドイツ2位の記録であった[22]。最高GAGは96キログラム[1]。なお、同年のドイツ年度代表馬には、ディアヌ賞2着、バーデン大賞2着、オイロパ賞勝利のナイトフラワーが選出されている[23]

競走成績

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以下の内容は、Deutscher Galopp[1]による。

出走日 競馬場 競走名 頭数 オッズ(人気) 着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム 着差 1着(2着)馬
2015.04.26 ホッペガルテン 3歳未出走 8 04.7(3人) 01着 H.ベントレー 56 芝1800m(良) 1:52.20 4馬身 (Bergwind)
0000.05.24 ホッペガルテン ディアナTR G2 5 04.2(3人) 05着 H.ベントレー 58 芝2000m(良) - 4馬身3/4 Nightflower
0000.07.04 ハンブルク ハンブルク牝馬賞 G3 4 17.5(6人) 03着 J.ボイコ 58 芝2200m(良) - 2馬身1/2 Anna Katharina
0000.08.02 ホッペガルテン ディアナ賞 G1 10 16.7(6人) 01着 E.ペドロサ 58 芝2200m(良) 2:13.93 3/4馬身 (Nightflower)

繁殖牝馬時代

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現役時にドイツのオークス競走であるディアナ賞を勝ったターフドンナは、2015年11月頃、日本の社台ファーム代表吉田照哉によって繁殖牝馬として購買される[24]。これによってイギリスのニューセルズパークスタッドに繋養された[21]種牡馬キングマンと配合されると、イギリスで初仔として牝駒エリザベスタワーを生産[25]。同馬は、2021年チューリップ賞を1着同着で勝利することになる[25]

2018年12月頃、日本へ輸入[26]。社台ファームで繁殖生活を送ることとなった[25][27]。ドイツのオークス馬が日本に輸入されるのは、プンティラ(1997年生)、ミスティックリップス(2004年生)、ナイトマジック(2006年生)、エノラ(2007年生)、サロミナ(2009年生)、フィオドラ(2011年生)に続く7例目であった[28]

繁殖成績

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生年 馬名 毛色 馬主 厩舎 戦績 出典
初仔 2018年 エリザベスタワー 黒鹿毛 Kingman (有)社台レースホース 栗東高野友和 6戦2勝(引退・繁殖) [29]
2番仔 2019年 ヴィクトリアタワー 鹿毛 Postponed 美浦久保田貴士 2戦0勝(引退) [30]
3番仔 2020年 フルングニル 青鹿毛 イスラボニータ 栗東・杉山晴紀 6戦2勝(現役) [31]
4番仔 2022年 ハニードレス 鹿毛 ブリックスアンドモルタル (デビュー前) [32]
5番仔 2024年 ターフドンナの2024 青鹿毛 コントレイル [33]
  • 2024年9月28日現在

血統表

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ターフドンナ血統 (血統表の出典)[§ 1]

Doyen
鹿毛 2000
父の父
Sadler's Wells
鹿毛 1981
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
父の母
Moon Cactus
鹿毛 1987
Kris Sharpen Up
Doubly Sure
Lady Moon Mill Reef
*ムーンライトナイト

Turfaue
黒鹿毛 2000
Big Shuffle
鹿毛 1984
Super Concorde Bold Reasoning
Prime Abord
Raise Your Skirts Elevation
Strings Attached
母の母
Turfquelle
鹿毛 1993
*シャーディー Danzig
Unfurled
Thekla Prince Ippi
Tania
母系(F-No.) (FN:8-b) [§ 2]
5代内の近親交配 Northern Dancer 3×5 [§ 3]
出典
  1. ^ [34]
  2. ^ [34]
  3. ^ [34]

脚注

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参考文献

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  • 藤井正弘「ここに注目!! 血統クローズアップ」『優駿』2021年5月号、中央競馬ピーアール・センター、2021年、129頁。 
  • 藤井正弘「ここに注目!! 血統クローズアップ」『優駿』2021年7月号、中央競馬ピーアール・センター、2021年、113頁。 

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Turfdonna (2012, GER)” (ドイツ語). www.deutscher-galopp.de. Deutscher Galopp. 2022年12月3日閲覧。
  2. ^ a b c ターフドンナ(GER)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年12月3日閲覧。
  3. ^ Turfdonna | Race Record & Form”. www.racingpost.com. Racing Post. 2022年12月3日閲覧。
  4. ^ Doyen in Pension”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月4日閲覧。
  5. ^ a b c Delius, Daniel. “Turfdonna (Doyen) Gr. I-Siegerin im 157. Henkel-Preis der Diana in Düsseldorf”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  6. ^ a b 2015-04-26, Hoppegarten, 1. R. - Preis der Frühlingsboten”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月4日閲覧。
  7. ^ Turfdonna (Doyen) Dreijährigen-Siegerin in Hoppegarten”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  8. ^ 2015-04-05, Hoppegarten, 2. R. - Preis des Königsberger Rennverein von 1835”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月4日閲覧。
  9. ^ a b Ladies Day auf der Rennbahn Hoppegarten”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  10. ^ turf-times ausgabe 551”. Turf-Times Deutschland. 2022年12月4日閲覧。
  11. ^ Turfdonna an Australian Bloodstock verkauft”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  12. ^ Nightflower blüht im Diana-Trial richtig auf” (ドイツ語). www.deutscher-galopp.de. Deutscher Galopp. 2022年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月3日閲覧。
  13. ^ Full Result 3.35 Hoppegarten (GER) | 24 May 2015”. www.racingpost.com. Racing Post. 2022年12月4日閲覧。
  14. ^ "Ladies-Day" am Derby-Samstag in Hamburg”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  15. ^ Full Result 3.55 Hamburg (GER) | 4 July 2015”. www.racingpost.com. Racing Post. 2022年12月4日閲覧。
  16. ^ a b c d Turfdonna ist die Königin der Stuten” (ドイツ語). www.deutscher-galopp.de. Deutscher Galopp. 2022年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月3日閲覧。
  17. ^ a b Conolly-Smith, David. “The English page: Racing & Breeding in Germany 18”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  18. ^ Delius, Daniel. “Nightflower im Japan Cup?”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  19. ^ Adam, Thomas (2015年10月7日). “Turfdonna startet nicht in Keeneland” (ドイツ語). GaloppOnline. 2022年12月3日閲覧。
  20. ^ Conolly-Smith, David. “The English page - 2015 season round-up”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  21. ^ a b Delius, Daniel. “Turfdonna nach Japan verkauft”. www.turf-times.de. Turf-Times Deutschland. 2022年12月3日閲覧。
  22. ^ Kanzler, Wolfgang (2015年12月31日). “Areion Champion der Deckhengste” (ドイツ語). GaloppOnline. 2022年12月4日閲覧。
  23. ^ Nightflower ist Galopper des Jahres 2015” (ドイツ語). www.deutscher-galopp.de. Deutscher Galopp. 2022年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月4日閲覧。
  24. ^ Shadai Buys German Oaks Winner” (英語). TDN | Thoroughbred Daily News | Horse Racing News, Results and Video | Thoroughbred Breeding and Auctions (2015年11月23日). 2022年12月3日閲覧。
  25. ^ a b c 『優駿』2021年5月号、129頁。
  26. ^ 種雌馬28頭が輸入されました”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2022年12月3日閲覧。
  27. ^ ターフドンナ(GER)”. www.studbook.jp. 2022年12月3日閲覧。
  28. ^ 『優駿』2021年7月号、113頁。
  29. ^ エリザベスタワー(GB)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年1月6日閲覧。
  30. ^ ヴィクトリアタワー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年1月6日閲覧。
  31. ^ フルングニル|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年1月6日閲覧。
  32. ^ _________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年1月6日閲覧。
  33. ^ __________________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年9月29日閲覧。
  34. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ターフドンナ(GER)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年12月4日閲覧。

外部リンク

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