ツクシシャクナゲ
表示
ツクシシャクナゲ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
神代植物公園 2013年4月
| |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. japonoheptamerum[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花) |
ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花[5]、学名:Rhododendron japonoheptamerum var. japonoheptamerum )はツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木[6][7]。
分布と生育環境
[編集]日本固有種。本州の紀伊半島、四国南部、九州に分布し、深山の林中に生育する[7]。日本に産するシャクナゲのなかまでは比較的標高の低いところまで自生する[5]。岩地で排水性が良く、霧などの空気中の湿気がほどよく送られてくるような場所に自生する[5]。
長崎県諫早市の「多良岳ツクシシャクナゲ群叢」[8]、福岡県豊前市と大分県中津市にまたがる「犬ヶ岳ツクシシャクナゲ自生地」が国の天然記念物に指定されている[9]。
特徴
[編集]常緑広葉樹の低木で、樹高は3 - 4メートル (m) になる[5]。幹は直立するか下部が曲がり、多く枝分かれし、大きいものは幹が直径12センチメートル (cm) ほどになる。葉はやや輪生状に互生し、革質でつやがあり[5]、太い葉柄をもつ。葉身は長さ15 cmほどになり、長楕円形か倒披針形で、縁は全縁。葉の表面は無毛で濃緑色、裏面には赤褐色のビロード状の毛が密に生え、スポンジ状になる[6][7]。
花期は5 - 6月[5]。枝先に総状花序をつけて、多数の花をつける。花冠は淡紅色でまれに白色があり、径4 - 5 cmの漏斗状鐘形で7裂する[5]。雄蕊は14本で[5]、花冠より短く、花糸の毛は少ない。子房は7室からなり、毛が密生する[6][7]。
下位分類
[編集]- シロバナツクシシャクナゲ Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. japonoheptamerum f. albiflorum (Takeda) T.Yamaz.[10]
- ホンシャクナゲ Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. hondoense (Nakai) Kitam.
- キョウマルシャクナゲ Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. kyomaruense (T.Yamaz.) Kitam.
- オキシャクナゲ Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. okiense T.Yamaz.
脚注
[編集]- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. japonoheptamerum”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年7月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron metternichii Siebold et Zucc.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年7月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron japonicum (Blume) C.K.Schneid.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年7月23日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron degronianum Carrière subsp. heptamerum (Maxim.) H.Hara”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年7月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 17.
- ^ a b c 『樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物)山溪ハンディ図鑑5』pp.96-97
- ^ a b c d 『新牧野日本植物圖鑑』p.539
- ^ 多良岳ツクシシャクナゲ群叢
- ^ 『日本の天然記念物』p.355
- ^ シロバナツクシシャクナゲ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
参考文献
[編集]- 加藤陸奥雄ほか監修『日本の天然記念物』講談社、1995年。
- 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、17頁。ISBN 978-4-05-403844-8。
- 茂木透、高橋秀男ほか『樹に咲く花(合弁花・単子葉・裸子植物)』〈山溪ハンディ図鑑5〉、山と溪谷社、2001年。
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』北隆館、2008年。
- 多良岳ツクシシャクナゲ群叢 長崎県の文化財