ティムラズ・レジャバ
ティムラズ・レジャバ | |
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თეიმურაზ ლეჟავა | |
在日本ジョージア大使 | |
就任 2021年11月25日 | |
大統領 | サロメ・ズラビシュヴィリ |
前任者 | レヴァン・ツィンツァゼ |
個人情報 | |
生誕 | 1988年4月12日(36歳)[1] グルジア・ソビエト社会主義共和国トビリシ[1](現 ジョージア) |
身長 | 186 cm (6 ft 1 in)[4] |
配偶者 | アナ・シチナヴァ (ანა სიჭინავა)[1] |
子供 | |
父 | アレクサンドレ・レジャヴァ |
出身校 | 早稲田大学国際教養学部 |
ティムラズ・レジャバ[5](ジョージア語: თეიმურაზ ლეჟავა、英語: Teimuraz Lezhava、1988年4月12日[1] - )は、ジョージアの外交官、駐日特命全権大使(2021年~)[6]。グルジア・ソビエト社会主義共和国(当時)の首都トビリシ出身[7]。外交官として駐在する以前に日本の小中高大を含む約20年の日本在住経験があり、日本語に堪能[8][9][10][11][12]。
経歴
[編集]1988年、生物工学者アレクサンドレ・レジャバ[13]の長男としてグルジア・ソビエト社会主義共和国の首都トビリシに生まれる。弟がいる[8]。父アレクサンドレは広島大学への留学や理化学研究所勤務の経験があったこともあり、ティムラズを含む息子二人共を日本の小中高に通わせた[15]。
ティムラズは茨城県立牛久栄進高等学校を卒業後、2007年9月から早稲田大学に入学。国際教養学部に在学して重村智計、加藤典洋、茂木健一郎教授らに師事した。重村ゼミでは国際ジャーナリズムをテーマに学び、2011年9月に同学部を卒業した[7][16][17][18]。大学時代は和敬塾(北寮)に住んでいた。
大卒後
[編集]2012年から2015年にかけて、キッコーマン株式会社の国内および海外の営業・マーケティング部門で勤務していた[7][19]。キッコーマン勤務時代の2014年1月19日、東京都渋谷区の新国立劇場で上演されたオペラ「カルメン」を観劇して、駐日ジョージア大使館のノシュレワン・ロムタティゼ臨時代理大使およびグヴァンツア・バルカイア二等書記官と共に楽屋を訪問し、主演を務めるジョージア人女優ケテワン・ケモクリーゼを激励した[20]。
2015年にジョージアへ帰国し、母国で日本・ジョージア間の経済活動に携わる 。
外交官時代
[編集]2019年7月27日より、駐日特命全権公使兼臨時代理大使[22]。臨時代理大使として在任中の2019年10月22日、ティムラズは来日中のサロメ・ズラビシュヴィリ大統領と共に今上天皇の即位礼正殿の儀に参列したが、このとき着用していたジョージアの民族衣装が映画『スター・ウォーズ』に出てくるジェダイの騎士に似ていると日本で話題になった[21][23]。
2019年12月11日、レジャバ臨時代理大使は、ジョージア大使館のアルチル・マチャヴァリアニ公使参事官とダヴィド・ゴギナシュヴィリ博士と共に松屋フーズの店舗でジョージア料理のシュクメルリを食べたことを自身のTwitterに投稿した[24]。このシュクメルリは松屋が全国69店舗限定で提供する期間限定メニューであったが、あまり熱心に広告しておらず密やかに販売していたため、松屋の広報担当も驚いて、レジャバ臨時代理大使らがシュクメルリ御膳を発見した上に賞味までしてくれたことに対して大変光栄であるとの意見を表明した[25]。
2021年11月25日、皇居で信任状を捧呈して駐日特命全権大使に就任した[6]。
ロシア軍によるウクライナ侵攻が危ぶまれていた2022年2月24日の午前11時43分(日本時間)、レジャバ大使が駐日各国大使に対して共にウクライナ支持の連帯を示そうと呼び掛けたところ、これに対して13ヶ国の駐日大使館が応じ、レジャバ大使と駐日ウクライナ大使セルギー・コルスンスキーを含む14ヶ国の駐日大使館から駆け付けた代表が一堂に会して当時ロシアから軍事脅迫を受けていたウクライナに対する支持を表明した[26][27]。但し、同日中にロシア軍は国際社会の批難を一顧だにせずウクライナに対する全面侵攻を開始した[28]。また、ロシアによるウクライナ侵攻が開始された後の3月9日には、ロシアが日本などを「非友好国」と指定したことを皮肉る意味で自身のSNSに「日本は"非非友好国"です。ガウマルジョス。」と発言し、話題を呼んだ[29]。
2023年7月14日、大使車で東京都港区を移動中に、何者かにドアを開けられ暴力を振るわれた[30]。同年8月3日、日本ジョージア商工会議所が設立されると、同名誉顧問に就任[31][32]。
2024年3月3日、同日開催された東京マラソンに出場。道中で他の参加者や同大会のボランティアなどと記念撮影しながら都内を走り続け、4時間5分1秒で完走した[18][33]。
エピソード
[編集]ネット上ではお笑い芸人である小島よしおと顔が似ていると言われており、2019年のエイプリルフールには互いに入れ替わる写真を小島と在日ジョージア大使館のTwitterへと投稿した。また2024年1月23日には、上記のポストを引用し、「なぜこのタイミングでこの写真が話題になっているかわかりませんが、 もしかしたら私が現在太平洋(パシフィックオーシャン)の国に来ていて、そこでオーシャンパシフィックピース[34]をやったことが関係あるかもしれません」と小島の持ちネタである「おっぱっぴー」のポーズをした写真を添え、X(旧Twitter)に投稿した。[35]
著書
[編集]- 『大使が語るジョージア 観光・歴史・文化・グルメ』(星海社、2023年)ISBN 978-4-06-530310-8
- 『ジョージア大使のつぶや記』(教育評論社、2024年)ISBN 978-4-86-624092-3
- 『日本再発見』(星海社、2024年)ISBN 978-4-06-535471-1
出典・脚注
[編集]- ^ a b c d e “თეიმურაზ ლეჟავა დეკლარაცია 04.09.2019” (グルジア語). საჯარო სამსახურის ბიურო (2019年9月2日). 2020年1月24日閲覧。
- ^ teimurazlezhavaの2020年11月25日のツイート、2021年2月12日閲覧。
- ^ https://x.com/TeimurazLezhava/status/1823641184117391827
- ^ https://twitter.com/TeimurazLezhava/status/1306554218757550081
- ^ テイムラズ・レジャバとカナ表記されることもある。
- ^ a b 駐日ジョージア大使の信任状捧呈 | 外務省
- ^ a b c d 手中のハンドボ-ル / レジャバ,アレキサンダー【著】〈Lezhava,Aleksander〉/レジャバ,ティムラズ【編】〈Lezhava,Teimuraz〉/児島 康宏【訳】 - 紀伊國屋書店ウェブストア
- ^ a b “茨城)ジョージアの遺伝子研究者が小説 息子の中学時代:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2019年12月5日). 2023年8月29日閲覧。
- ^ この度は、在日ジョージア大使館に新しいメンバー、ティムラズ レジャバが在日ジョージア臨時代理大使として加わる運びとなりました! - Embassy of Georgia to Japan | Facebook
- ^ “完璧な日本語を話し、日本を深く理解する大使が語る「歴史ある若い国とその魅力」”. HERSEY (2022年4月20日). 2023年6月10日閲覧。
- ^ ""バズる大使"レジャバさん『ドラコンボール』に『ドンキーコング』など、日本文化で感性を育んだ少年時代". 女性自身. 光文社. 12 May 2023. 2024年5月12日閲覧。
- ^ ""バズる大使"レジャバさん「皇室の方々とお会いして感じるのは奥ゆかしさと品格」"日本文化大好き"の理由を明かした". 女性自身. 光文社. 12 May 2023. 2024年5月12日閲覧。
- ^ 父親の名アレクサンドレ(ジョージア語: ალექსანდრე)は、英語読みのアレキサンダーで言及されることも少なくない。
- ^ 北野隆一 (2019年12月2日). “東京)ジョージアの遺伝子研究者、息子を小説に”. 朝日新聞デジタル 2023年1月22日閲覧。
- ^ 2019年4月に妻を病気で亡くした父アレクサンドレ・レジャバは、ティムラズたちが日本の中学校で過ごした思い出をもとに「つくば市で家族4人で過ごした思い出を小説にして、日本の隣人たちに感謝を伝えたい」と小説として書き記し、ティムラズによる編集や児島康宏{{仮リンク|児島康宏|ka|იასუჰირო კოჯიმა}}(グルジア語版)の翻訳を経て、著書『手中のハンドボール』を牧歌舎から自費出版した。[14]
- ^ 臨時代理大使・ティムラズレジャバ 開拓者精神でジョージアと日本をつなぐ(早稲田ウィークリー 2021年10月1日) - ウェイバックマシン(2023年4月9日アーカイブ分)
- ^ @Teimurazlezhava (2020年12月27日). "ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使". X(旧Twitter)より2023年6月30日閲覧。
- ^ a b “駐日ジョージア大使、SNS更新しながら東京マラソン完走 「はやっ!」「つぶやきながらこのタイム」”. ENCOUNT (2024年3月4日). 2024年3月4日閲覧。
- ^ オグマナオト. “臨時代理大使・ティムラズレジャバ 開拓者精神でジョージアと日本をつなぐ”. 早稲田大学. 2022年5月23日閲覧。
- ^ グルジア臨時代理大使が「カルメン」タイトルロールのケテワン・ケモクリーゼを激励なさいました | 新国立劇場 オペラ
- ^ a b 羽太康裕 (2023年4月7日). “ジョージア大使つぶやき、人気の秘密は? 「徒然なるまま」フォロワー21万人”. 時事ドットコム. 2023年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月7日閲覧。
- ^ 駐日各国大使リスト | 外務省(2021年11月19日時点のアーカイブ)
- ^ 千葉雄登 (2019年10月30日). “即位礼正殿の儀に「ジェダイの騎士」? ツイートしたら、思わぬ展開に…”. Yahoo!ニュース. BuzzFeed. オリジナルの2020年11月1日時点におけるアーカイブ。 2023年4月7日閲覧。
- ^ ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア臨時代理大使 on Twitter: "今夜は大使館のメンバーで松屋でシュクメルリ御膳を頂きます🇬🇪… "(2019年12月11日)
- ^ 山崎春奈. ““ある国”の大使が、なぜか「松屋」でウキウキでごはんを食べていた理由”. BuzzFeed. 2023年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月7日閲覧。
- ^ 14ヶ国の内訳は、五十音順でアイスランド、アメリカ合衆国、イギリス、ウクライナ、カナダ、サンマリノ、ジョージア、ノルウェー、ブルガリア、ポーランド、モルドバ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア。14名全員が特命全権大使ではなく、大使の代理で来た者もいる。
- ^ Ibuki, Sumireko Tomita, Saori. “「#ウクライナを支持します」日本で各国の大使たちが国旗を掲げた理由”. BuzzFeed. 2023年4月7日閲覧。
- ^ “ロシアが全面侵攻開始、ウクライナは自国を防衛=クレバ外相”. Reuters. (2022年2月24日) 2023年6月10日閲覧。
- ^ “ジョージア「日本は“非”非友好国」ロシアに皮肉か”. Yahoo!ニュース. テレ朝ニュース. (2022年3月9日). オリジナルの2022年3月9日時点におけるアーカイブ。 2023年4月7日閲覧。
- ^ 遠藤美波、御船紗子「ジョージア大使の運転手から、交通トラブルで通報か 大使にけがなし」『朝日新聞デジタル』2023年7月14日。2023年7月19日閲覧。
- ^ 組織概要日本ジョージア商工会議所
- ^ 日本に設立されたジョージア商工会議所 ティムラズ・レジャバ大使が名誉顧問NewSphere Nov 25 2023
- ^ “東京マラソン完走の駐日大使、道中で見つけた日本人の勤勉ぶりに感謝 「心遣いさすが」と反響”. THE ANSWER (2024年3月4日). 2024年3月4日閲覧。
- ^ 小島はおっぱっぴーの意味の一つをオーシャンパシフィックピースであると説明している
- ^ 毎日放送, MBS. “万バズ連発!ジョージア駐日大使の素顔とは?”顔が似ている”小島よしおさんとコラボ企画に...驚きのフットワークの軽さ!「国に親しみを持って大事な友人だと思えるような関係を作る」 | 特集”. MBSニュース. 2024年7月13日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ティムラズ・レジャバ (@TeimurazLezhava) - X(旧Twitter)
- ティムラズ・レジャバ - YouTubeチャンネル
- 社会の進歩と共に伝統を守る (Maintaining traditions as society progresses) - 2022年5月26日
- 臨時代理大使・ティムラズレジャバ 開拓者精神でジョージアと日本をつなぐ - 2021年10月1日
- 「広島は第二のふるさと」ジョージア大使、平和記念式典出席へ 母国の戦争は「震撼」 - 2021年8月5日
- 103年の歩みと民主主義を振り返って (Reflecting on 103 years of progress and democracy) - 2021年5月26日
- バズった外交官「私は広島人」 恩人の存在、そして非核の願い - 2021年3月6日
- 【連載】大使館の扉がひらく。第6回 ジョージア・ティムラズ・レジャバ駐日臨時代理大使 - 2020年7月21日
- 何十年にもわたる厚い友情を記念して (Celebrating decades of loyal friendship) - 2020年5月26日