ギラッド・コーヘン

ギラッド・コーヘン^[1]（ヘブライ語: גלעד כהן‎、英語: Gilad Cohen、1967年 10月11日 - ）は、イスラエルの外交官、大使。国防軍での兵役、ヘブライ大学での修学、マーゲン・ダビド公社（赤十字社のイスラエル版）での奉仕活動を経て、1994年に外務省へ入省。その後、ブラジル、トルコ、アメリカ合衆国での在外勤務やエルサレムの本省勤務を経て、2021年より駐日大使。また、本省勤務のかたわら2020年にテルアビブ大学で安全保障・外交の修士号を取得している。母国語のヘブライ語に加えて、英語とポルトガル語に堪能。既婚で3児の父^[2]^[3]。

経歴

1985年 - 1988年: 国防軍兵役^[2]^[3]
1988年 - 1992年: マーゲン・ダビド公社（赤十字社のイスラエル版）教官^[2]^[3]
1994年 - 1996年: 外務省外交官研修生^[2]^[3]
1996年 - 1999年: 在ブラジル大使館（ポルトガル語版）政務書記官^[2]^[3]
1999年 - 2001年: 在トルコ大使館政務書記官^[2]^[3]
2001年 - 2004年: 外務省調整局調整部政務書記官^[2]^[3]
2004年　　　　　　: 外務省調整局調整部政務参事官^[2]^[3]
2004年 - 2008年: 在ニューヨーク国際連合政府代表部（ヘブライ語版、英語版）政務参事官^[2]^[3]
2008年 - 2011年: 外務省調整局調整部部長^[2]^[3]
2011年 - 2014年: 外務省調整局局長次官室室長^[2]^[3]
2014年 - 2017年: 外務省次官室調整外交担当次官補^[2]^[3]
2017年 - 2021年: 外務省アジア太平洋担当次官補^[2]^[3]
2021年 - （現職）: 駐日大使^[2]^[3]

日本との関係

アジア太平洋担当次官補在任中の2021年1月28日、ビデオ会議形式で開催された第2回日本・イスラエル外務・防衛当局間協議にイスラエル外務省の代表としてコーヘン次官補が参加した^[4]^[5]。

2021年6月20日、イスラエル内閣（ヘブライ語版、英語版）がコーヘンを次期駐日大使に任命^[6]。同年7月にイスラエルで日本・イスラエル間のベンチャービジネスに携わる実業家や投資家が集う「Big in Japan」会議が開催された際、彼は次期駐日イスラエル大使としてパネルディスカッションに登壇し、大使として日本に赴任するに当たって日本からイスラエルへの投資を増やし両国の経済協力関係をより一層強化することを自身の抱負として掲げた^[7]^[8]^[9]。同じく7月には日本電信電話（NTT）が自社の子会社としてイスラエルに技術拠点「NTT Innovation Laboratory Israel」を設立しており^[10]、同月29日にイスラエルで開催された設立記念式典には、前駐日イスラエル大使館経済公使でNTTイスラエル拠点長を務めるノア・アッシャーやヨアズ・ヘンデル（ヘブライ語版、英語版）通信大臣（ヘブライ語版、英語版）、水嶋光一大使に加えて、コーヘン次期駐日大使も参加した^[11]。

2021年10月3日、任地である日本に到着^[12]^[13]。COVID-19防疫のための自主隔離期間を経て^[14]、同年11月5日、コーヘン次期大使は日本国防衛省航空幕僚長の井筒俊司空将を訪問し、両国間の防衛協力や防衛交流の重要性を確認すると共に、イスラエルの先進的な防衛装備・技術についても意見を交換した^[15]。

2021年11月25日、コーヘンは皇居で信任状を捧呈して駐日大使に就任した^[16]。同年12月21日、日本記者クラブにおいて会見を開き、日本とイスラエルの二国間関係の現状と展望、中東情勢などについて語った^[17]。また、同記者会見において、コーヘン大使は「（世界は）北朝鮮に核兵器を持つことを許してしまった。イランも同じようなことになりかねない」と警鐘を鳴らし、イランの脅威を取り除くためには外交努力や経済制裁だけでは不充分で、それら圧力の支えとして軍事力が必要であるとの認識を示した^[18]。

出典・脚注

外部リンク

駐日イスラエル大使館による公式プロフィール、同（英語）
ギラッド・コーヘン (@GiladCohen_) - X（旧Twitter）（英語）
連携と協力ビジネス関係更なる発展を第85回中東研究会ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使 - 2022年7月
【前編】ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使に訊く”人と人との交流を大切にしたい”日イ国交70周年と日本への思い、【後編】 - 2022年3月9日
ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使 2021.12.21 - YouTube - 日本記者クラブでの会見（2021年12月21日 13:00～14:00）、発言は英語、日本語の通訳つき

公職
先代ヤッファ・ベンアリ	駐日イスラエル大使 2021年 -	次代（現職）
先代イスラエル・ストゥルロヴ	駐日イスラエル大使館公館長 2021年 -	次代（現職）

[1] 他にギラード・コーヘン、ギラッド・コーエン、ギラード・コーエンなどとも表記されるが、本項では駐日イスラエル大使館による公式プロフィールのカナ表記を採用。

[Official_Profile_in_Japanese-2] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ 駐日イスラエル大使館による公式プロフィール

[Official_Profile_in_English-3] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ Official Profile by the Embassy of Israel in Japan （英語）

[4] 第2回日本・イスラエル外務・防衛当局間（PM）協議の開催 | 外務省

[5] Second Joint Foreign Affairs and Security Consultation (Pol-Mil Dialogue) between Japan and Israel | Ministry of Foreign Affairs of Japan （英語）

[6] Government appoints 36 diplomats, a move held up by Netanyahu for over 6 months | The Times of Israel （英語）

[7] 「Big in Japan」会議でイスラエルと日本の技術協力に注目 | AT PARTNERS

[8] "The potential of Israeli technology in Japan is no less than in the US" - CTech （英語）

[9] Big in Japan conference highlights Israel-Japan tech cooperation - Globes （英語）

[10] イスラエルに熱視線　NTTとソフトバンクが驚きの人事前駐日経済公使と「モサド」元長官: イスラエル発ニュービジネス（1/2 ページ） - ITmedia ビジネスオンライン

[11] 7月29日 NTTイスラエル拠点の設立記念式典への水嶋大使の参加 | 在イスラエル日本国大使館

[12] Gilad Cohen 🇮🇱 on Twitter: 昨夜 #東京に到着し、駐日イスラエル大使としての任務を開始しました。 #日本と #イスラエルの友情をより強固なものにすることを心から楽しみにしています🇯🇵🇮🇱

[13] Gilad Cohen 🇮🇱 on Twitter: Last night I landed in #Tokyo, set to begin my mission as the Ambassador of Israel to Japan. I am very excited and looking forward to working on strengthening the friendship between #Japan and #Israel 🇯🇵🇮🇱 （英語）

[14] Gilad Cohen 🇮🇱 on Twitter: 未だ自主隔離期間中ですが、おいしい #和食を食べるのが待ちきれません！ I’m still in quarantine, but couldn’t wait to eat some delicious #japanesefood ! https://t.co/IE5AZAbVbq （日本語）（英語）

[15] ニュースリリース > 駐日イスラエル大使の航空幕僚長訪問について | 防衛省 [JASDF] 航空自衛隊

[16] 駐日イスラエル大使の信任状捧呈 | 外務省

[17] ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使会見 | 日本記者クラブ JapanNationalPressClub (JNPC)

[18] 核問題「イランに圧力を」イスラエル駐日大使 - 産経ニュース

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公職
先代ヤッファ・ベンアリ	駐日イスラエル大使 2021年 -	次代（現職）
先代イスラエル・ストゥルロヴ	駐日イスラエル大使館公館長 2021年 -	次代（現職）

表話編歴現職の駐日大使
特命全権大使	2002年マンリオ・カデロ 2003年エスティファノス・アフォワキ・ハイレ 2005年セイコウ・ルイス・イシカワ・コバヤシ 2008年ジョン・フリッツピエール・ンジェンゲ 2011年ジェローム・クロー・ウェヤ 2014年アンドレ・スピテリ 2015年ファアラヴァアウ・ペリナ・ジャックリーン・シラ・ツアラウレレイドラジェン・フラスティッチ 2016年ジェルジ・テネケチェジウモハメッド・ラシャッド・ブフラル（英語版） 2018年ジョゼフ・ジロ・エファンゴン・オバゲラウル・フロレンティン＝アントラニダル・ヤヒヤー（英語版）アハメッド・ムハッマド・ユースフ・アルドーセリパレサ・モセツェミルゾシャリフ・ジャロロフ・アソムッディノヴィチモハメッド・サイード・ハリファ・アル・ブサイディ 2019年モーヴェン・M・ルスウェニョピエール・フェリングハジ・シャブディン・ハジ・ムサメルバ・マリア・プリーア・オラバリエタルラマ・スマッツ・ンゴニャマ（英語版）リーナ・アンナーブヘイミッシュ・ネヴィル・フランシス・クーパーブラモー・ネルソンピーター・タクソ＝イェンセン（英語版）ペールエリック・ヘーグベリアレクサンダー・サラス・アラヤパヴェウ・ミレフスキ 2020年カルロス・ペレテヴィタ・スカ・マンギシイリディオ・シメネス・ダ・コスタ（ドイツ語版）ギュルセル・イスマイルザーデエリザベート・ベルタニョーリシャハブッディン・アーメドショーナ＝ケイ・マリー・リチャーズアンドレアス・バオムセルギー・コルスンスキーフィリップ・セトンソー・ハンヘリ・アフマディ 2021年ロバート・ミキイ・タカタ・ピメンテルディエゴ・アレハンドロ・ダルトン・ロサレスシハブ・アハマド・アル・ファヒームステファン・ホイクル・ヨハネソン（英語版）アレグ・ホヴァニシャン（ロシア語版）マリエタ・ペトロヴァ・アラバジエヴァ・デ・デスカルシージュリア・ロングボトムコルクット・ギュンゲンシャイダ・モハマド・アブダリフォンサムット・アンラワンリカルド・ロハスサーブル・エシムベコフイアン・G・マッケイアレクサンドラ・コヴァチュムクシンクジャ・アブドゥラフモノフホツィレエネ・モラケオヴィディウ・ドランガクレーメンス・フォン・ゲッツェサミュエル・アバル（英語版）イブラヒム・ビレ・ドゥアレジャンルイジ・ベネデッティギラッド・コーヘンティムラズ・レジャバドゥミトル・ソコランモハメド・アブバクル・サレー・ファッターフバラカ・ハラン・ルヴァンダ 2022年クワチャ・チシザロベルト・セミナリオサブリ・キチマリトゥイ・リーディミトリオス・カラミツォス＝ジラスラーム・エマニュエルクレン・アクエイ・パチ・ギャランフィデル・センダゴルタ・ゴメス・デル・カンピージョジェネヴィーヴ・エドゥナ・アパルゥ（英語版）ヴィットル・パウロ・ダ・コスタ・セレーノアレクサンダー・カーター・ビングセサル・アウグスト・モンターニョ・ウエルタピーター・アデルバイオーレリウス・ジーカス（リトアニア語版）ベンジャマン・エヴァユルビクトリア・エウヘニア・フランコリーノ・エスレパクハッサン・ソービルトーファス・カーフワ（英語版）尹徳敏オタヴィオ・エンヒッケ・ジアス・ガルシア・コルテスアタドゥルディ・バイラモフドゥルガ・バハドゥール・スベディニナ・ワレット・インタルーズィグマールス・ズィルガルヴィスデミアン・コールサンディ・アナベル・ダビラ・サンドバルサーミ・ガッサーブ・ムハンマド・アルザマーナーンタンヤ・ヤースケライネンジャン＝エリック・パケ（ドイツ語版）シャフリル・エフェンディ・アブドゥル・ガニーアーデル・アリ・アハマド・アル・スナイニー 2023年エルッピティムディヤンセラーゲ・ロドニー・マノーランジャン・ペレーラシビ・ジョージ（英語版）フィリモネ・ワガバザラザー・バシール・ターラルマヌエル・エストゥアルド・ロルダン・バリジャスミレーン・デ・ホヤ・ガルシア＝アルバノジャスティン・ラウール・ヘイハーストステュワート・ニャコチョエルキンベク・オソエフ呉江浩ペイマン・セアダットダバ・デベレ・フンデファム・クアン・ヒエウトバイアス・ムリンビカオン・エン・チュアンルベン・エドゥアルド・ミゲル・テンポーネテオドリンダ・ローザ・ロドリゲス・コエーリョ（英語版）マイト・マルティンソンジャン・アントワーヌ・デュフユーリ・リフェルクリスティン・イグルムアントワン・エヴラーマルチン・クルチャルヤニス・ミハイリディスファリード・ブーラハベルバンズラグチ・バヤルサイハンマト・ゼコルクムエナ・センダオルネル＝バーリン・アンナシディヤ・エル・ハ―ジュヒセラ・ベアトリス・ガルシア・リベラ
非常駐大使	1998年ノラナ・タ・アマ（中国常駐） 2008年アンソニー・リバプール（本国常駐）ムプメレロ・ジョセフ・ンドゥミソ・ロペ（マレーシア常駐） 2010年ヴェツォプ・ナムギャル（インド常駐） 2012年マルコス・ムバ・オンド（中国常駐） 2013年マラン・サンブー（ポルトガル語版）（中国常駐） 2014年パスカル・ガスンズ（中国常駐）ロイド・ルシエン・ピナス（中国常駐）テーコア・イウタ（台湾常駐） 2016年アハメッド・スンギ（中国常駐）ヨバン・ミルコビッチ（本国常駐） 2017年イヌサ・ムスタファ（中国常駐） 2018年ジャスミン・ハギンス（台湾常駐） 2019年ターニャ・セラフィム・イヴォンヌ・ロミュアルド（中国常駐） 2022年アーネスト・ビンバ・ドマヒナ（中国常駐）アンドレア・ボウマン（台湾常駐）キャンディス・ピッツ（シンプル英語版）（台湾常駐）ディディエ・ガメルダンジェ（フランス語版）（本国常駐） 2023年マリー・クレア・ジャン・モンティ（オーストラリア常駐）ロジャー・ゴポール（インド常駐）マウラナ・シャリフ（中国常駐）セドリック・アレキサンダー・スコット（本国常駐）アンヌ・ラフォルテューン（中国常駐）
次期大使	ハロルド・エフライン・ブルゴス・カストロジャベル・ジャララ・アルマッリ
臨時代理大使	2019年ツィラヴ・マエリゾ・ランジャザフィ 2021年ナターリア・フェルナンダ・サラサール・バルデラマ 2022年アハメッド・S・A・アルナァースムッサ・ファンタ・カマラフロル・アンヘラ・ドゥラン・コンスエグラアリ・モハメド・アーメッド・オスマン・モハメドナジブ・エルジアニバル・アロルド・アンドン・シルバゲンナーディー・オヴェチコ（ロシア語版）ドジヴィ・エヴァ・ケケリ・ムヴィエヴゲーニイ・ラヴリネンコテウェンデ・ポール・スィンガ 2023年ワトソン・レイシウス・デニエフェンディレール・スナイアバス・フセムセオドーラス・ペータースリヴェ・ファブリスプラーンティップ・ガーンジャナハッタキットアブダラ・セイフ・アルカヤリンディンバ・エニオマボニー・ムセファノジョゼ・アントニオ・ジュスティーノ・ニャルンゴロマン・ハウザー 2024年アナス・サーレ・A・アルノワイセーペワン・ジャセム・イブラヒム・ザウィタイアーサー・アマヤ・アンダンビモルジャン・アルビンヌ・カールメンヌ
その他	2003年ワリード・アリ・シアム 2012年許宗萬 2016年謝長廷 2020年ツェワン・ギャルポ・アリア于田ケリム 2022年ソー・バ・フラ・テイン

経歴

日本との関係

出典・脚注

関連項目

外部リンク