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テトラメチルエチレンジアミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テトラメチルエチレンジアミン
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識別情報
略称 TMEDA, TEMED
CAS登録番号 110-18-9 チェック
PubChem 8037
ChemSpider 7746 ×
UNII K90JUB7941 チェック
EC番号 203-744-6
国連/北米番号 2372
MeSH N,N,N',N'-tetramethylethylenediamine
ChEBI
RTECS番号 KV7175000
バイルシュタイン 1732991
Gmelin参照 2707
特性
化学式 C6H16N2
モル質量 116.2 g mol−1
外観 無色の液体
匂い 魚臭、アンモニア臭
密度 0.7765 g mL−1 (at 20 °C)
融点

−58.6 °C

沸点

121.1 °C

への溶解度 混和する
酸解離定数 pKa 8.97
塩基解離定数 pKb 5.85
屈折率 (nD) 1.4179 (20 °C)[2]
危険性
GHSピクトグラム 可燃性 腐食性物質 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H225, H302, H314, H332
Pフレーズ P210, P280, P305+351+338, P310
NFPA 704
4
2
1
引火点 20 °C (68 °F; 293 K)
爆発限界 0.98–9.08%
関連する物質
関連するアミン トリエチレンテトラミン
関連物質
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

テトラメチルエチレンジアミン (tetramethylethylenediamine) は、有機化合物の一種で、エチレンジアミンN-メチル化により合成されるアミンである。不快な魚臭を持つ無色の液体。TMEDA, TEMED, TMED, TMEN などの略称で呼ばれる。pKb(塩基解離定数)は 5.85。消防法に定める第4類危険物 第1石油類に該当する[3]

有機/無機合成における用途

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テトラメチルエチレンジアミンは金属イオンへのキレート配位子(二座配位子)として用いられる。さまざまな金属塩と安定な錯体を作り、有機溶媒へ可溶化させる。

有機金属化学では、リチウムイオンへの親和性がよく知られる。n-ブチルリチウム (n-BuLi) が作る6量体クラスターに作用し、活性化させる。この n-BuLi/TMEDA 錯体はベンゼンフランチオフェンN-アルキルピロールフェロセンなどのプロトンを、場合によっては 2個引き抜くほどの強い塩基性を示す[4]。さまざまな有機金属アート錯体が、[Li(TMEDA)2]+ を対カチオンとする形で単離されている[5]。それらの錯体では、[Li(TMEDA)2]+ イオンは4級アンモニウムイオンのようなはたらきをしているが、塩基に対する耐性はずっと高い。

他の用途

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テトラメチルエチレンジアミン(0.1~0.2% v/v)はペルオキソ二硫酸アンモニウムAPS)とともに、アクリルアミドポリアクリルアミドゲルとする重合ゲル化反応の開始剤として用いられる。ポリアクリルアミドゲルはポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE) やウェスタンブロッティングで担体とされる。

出典

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  1. ^ N,N,N′,N′-tetramethylethylenediamine – Compound Summary”. PubChem Compound. USA: National Center for Biotechnology Information (16 September 2004). 30 June 2012閲覧。
  2. ^ Lide, David R., ed (2009). CRC Handbook of Chemistry and Physics (90th ed.). Boca Raton, Florida: CRC Press. ISBN 978-1-4200-9084-0 
  3. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  4. ^ Haynes, R. K.; Vonwiller, S. C. "N,N,N',N'-Tetramethylethylenediamine" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (Ed: L. Paquette) 2004, J. Wiley & Sons, New York.
  5. ^ 例:Morse, P. M.; Girolami, G. S. J. Am. Chem. Soc. 1989, 111, 4114-4115.