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ディック・スタインボーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ディック・スタインボーン
プロフィール
リングネーム ディック・スタインボーン
ディッキー・スタインボーン
ディッキー・ガンケル
ホワイト・ナイト
ザ・グラディエーター
ミスター・レスリング
ミスター・ロー[1]
本名 リチャード・オニール・スタインボーン[2]
ニックネーム 閃光男[3]
身長 175cm[4] - 180cm[3]
体重 110kg[4] - 112kg[3]
誕生日 (1933-09-28) 1933年9月28日[5]
死亡日 (2020-04-18) 2020年4月18日(86歳没)[5]
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ミズーリ州の旗 ミズーリ州
セントルイス[1]
スポーツ歴 レスリング[4]
トレーナー ヘンリー・スタインボーン[3]
デビュー 1951年[1]
引退 1984年[4]
テンプレートを表示

ディック・スタインボーンDick Steinborn、本名:Richard O'Neil Steinborn1933年9月28日 - 2020年4月18日)は、アメリカ合衆国プロレスラー[2]ミズーリ州セントルイス出身[4]

技巧派のベビーフェイスとして、NWA南部テリトリーを主戦場に活動した[3]。出身地はバージニア州リッチモンドともされる[5]

来歴

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プロレスラー兼プロモーターだった父親ヘンリー "マイロ" スタインボーンのトレーニングを受け、1951年7月にデビュー[1][4]ディック・スタインボーンDick Steinborn)をリングネームに、ノース&サウスカロライナおよびバージニアなどの大西洋岸を拠点として各地を転戦する。1956年11月26日にはニューヨークマディソン・スクエア・ガーデンに出場してハンス・シュミットと対戦[6]1958年7月25日にはテキサス州ヒューストンにてNWAテキサス・ヘビー級王座を獲得、10月17日にトシ東郷に敗れるまで戴冠した[7]

1950年代末よりジョージアを主戦場とし、同地区のブッカーでもあったレイ・ガンケルの兄弟という設定のもと、ディッキー・ガンケルDickie Gunkel)の変名で活動[1]1959年にはフレッド・ブラッシーを相手に、NWA南部ヘビー級王座を巡る抗争を展開[8]スカル・マーフィーとの防衛戦も行われた[9]

その後はリングネームを戻し、1961年にはフロリダにてエディ・グラハムと組み、11月3日にロイ・ヘファーナン&アル・コステロの初代ファビュラス・カンガルーズからNWA USタッグ王座を奪取[10]トージョー・ヤマモト&タロー・ミヤケ(ジョージ・カハウミア)やジ・アサシンズトム・レネスト&ジョー・ハミルトン)ともタイトルと争った[10]

ミネソタAWAではダグ・ギルバートをパートナーに、ハイ&ローHigh & Low)なるタッグチームを結成[1]。大型のギルバートがミスター・ハイ(Mr. High)、小柄な自身はミスター・ローMr. Low)と名乗り[1]1962年12月16日にAWA世界タッグ王座を獲得[11]。タッチを受けてリングに入る際も、ギルバートはトップロープの上を飛び越え、スタインボーンはサードロープの下を潜り抜けるという対照的なキャラクターで人気を博した[1]

AWAを離れると南部のテリトリーに戻り、ジョージアでは1963年5月3日にターザン・タイラーを下して、同地区認定の世界ヘビー級王座を獲得[12]。フロリダではヒロ・マツダと組んで、1965年11月24日にスカル&クルトのフォン・ストロハイム兄弟からフロリダ版のNWA世界タッグ王座を奪取[13]1966年からはテキサス西部のアマリロ地区に進出し、11月24日にドリー・ファンク・シニアを破ってNWA北米ヘビー級王座を獲得した[14]

1967年5月、日本プロレスの『ゴールデン・シリーズ』に初来日[3]。6月2日の室蘭大会では、スタインボーン同様に技巧派として鳴らした吉村道明とのシングルマッチで時間切れ引き分けの戦績を残した[15]。再来日となる1971年11月開幕の『ワールド・チャンピオン・シリーズ』では、12月6日の水戸大会において、アントニオ猪木とシングルマッチで対戦[16]。この試合は、猪木の日本プロレスにおける最後のシングル戦としても知られている[17]

その後もジョージア地区を主戦場に、1972年は3月から11月にかけてドリー・ファンク・ジュニアNWA世界ヘビー級王座に再三挑戦[18]。10月20日にはアルゼンチン・アポロと組んでオックス・ベーカー&スカンドル・アクバからNWAジョージア・タッグ王座を奪取したが[19]、同年8月に死去したレイ・ガンケルの未亡人アン・ガンケルと共に、NWAを離脱して新団体のASWAAll-South Wrestling Alliance)をジョージアにて設立[1]。レスラー兼任の共同プロモーターとして、1974年11月までASWAの運営に携わった[20]

ASWAがジム・バーネットに買収されてからは、アメリカ本土を一時離れてプエルトリコWWCで活動[1]。1974年12月14日にWWC世界ジュニアヘビー級王座の初代王者に認定され、翌1975年にかけてカルロス・コロンと王座を争った[21]。その後、NWFの残党が参画していた新興団体IWAを経て、1970年代後半よりNWAのローカル・テリトリーに復帰。1976年8月13日にはテネシー州ノックスビルにてトール・タナカを破り、NWAサウスイースタン・ヘビー級王座を獲得した[22]

1978年8月、ホワイト・ナイトWhite Knight)なる覆面レスラーに変身してテキサス東部のダラス地区に登場[23]。白覆面を被ったヒールとなって、フリッツケビンデビッドフォン・エリック・ファミリーと抗争[24]。10月30日にはマーク・ルーインと組んで、空位となっていたNWAテキサス・タッグ王座の争奪トーナメントに出場[25]。決勝でマンド・ゲレロ&タイガー・コンウェイ・ジュニアを破り、タイトルを獲得した[26]

1979年からはベビーフェイスに戻ってカナダカルガリー地区に参戦し、ミスター・ヒトミスター・サクラダと対戦[27]1980年には世界ミッドヘビー級王座を賭けてダイナマイト・キッドと抗争した[1][28]。同年下期にはアラバマ地区において、トニー・チャールズジェリー・スタッブスを相手にUSジュニアヘビー級王座も争っている[29]

以降、キャリア末期となる1980年代前半はプエルトリコのWWCで活動。1982年8月28日にはレス・ソントンを下してWWC世界ジュニアヘビー級王座に返り咲き、11月にジェリー・ブリスコに敗れるまで戴冠した[30]。WWCでは1983年キング・トンガとも対戦した[31]

引退後はフロリダ州オーランドを経て、2018年よりジョージア州コロンバスに居住していた[1]2020年4月18日、86歳で死去[1]

得意技

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獲得タイトル

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ミッドアトランティック・チャンピオンシップ・レスリング
  • NWA南部タッグ王座(ミッドアトランティック版):2回(w / ジョージ・ベッカー)[33]
ミッドサウス・スポーツ
  • 世界ヘビー級王座(ジョージア版):1回[12]
  • NWA南部ヘビー級王座(ジョージア版):3回[8]
  • NWA南部タッグ王座(ジョージア版):1回(w / ニック・コザック)[34]
  • NWAインターナショナル・タッグ王座(ジョージア版):3回(w / レイ・ガンケル×2、チーフ・リトル・イーグル)[35]
  • NWAジョージア・タッグ王座:2回(w / アルゼンチン・アポロ[19]
チャンピオンシップ・レスリング・フロム・フロリダ
NWAビッグタイム・レスリング
NWAウエスタン・ステーツ・スポーツ
  • NWA北米ヘビー級王座(アマリロ版):2回[14]
  • ロッキー・マウンテン・ヘビー級王座:2回[36]
NWAミッドアメリカ
  • NWAミッドアメリカ・ヘビー級王座:1回[37]
サウスイースタン・チャンピオンシップ・レスリング
  • NWAサウスイースタン・ヘビー級王座:1回[22]
  • NWA USジュニアヘビー級王座:1回[29]
アメリカン・レスリング・アソシエーション
オール・サウス・レスリング・アライアンス
  • ASWAジョージア・タッグ王座:1回(w / アルゼンチン・アポロ)[38]
  • ASWAジョージアTV王座:1回[39]
  • ASWAジョージア・ジュニアヘビー級王座:1回[40]
スタンピード・レスリング
  • 世界ミッドヘビー級王座:1回[41]
ワールド・レスリング・カウンシル

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m A piece of history passes with Steinborn's death”. Slam Wrestling (2020年4月19日). 2024年7月5日閲覧。
  2. ^ a b Dick Steinborn”. Wrestlingdata.com. 2024年6月24日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 『THE WRESTLER BEST 1000』P300(1996年、日本スポーツ出版社
  4. ^ a b c d e f Dick Steinborn”. Cagematch.net. 2024年6月24日閲覧。
  5. ^ a b c Dick Steinborn”. Internet Wrestling Database. 2024年6月24日閲覧。
  6. ^ Manhattan Wrestling Enterprises: Event”. Cagematch.net. 2024年6月24日閲覧。
  7. ^ a b NWA Texas Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  8. ^ a b NWA Southern Heavyweight Title [Georgia]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  9. ^ The GCW matches fought by Dick Steinborn in 1959”. Wrestlingdata.com. 2024年7月5日閲覧。
  10. ^ a b c NWA United States Tag Team Title [Florida]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  11. ^ a b AWA World Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  12. ^ a b World Heavyweight Title [Georgia]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  13. ^ a b NWA World Tag Team Title [Florida]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  14. ^ a b NWA North American Heavyweight Title [W. Texas]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  15. ^ JPWA 1967 Golden Series”. Puroresu.com. 2024年7月5日閲覧。
  16. ^ JPWA 1971 World Champion Series”. Puroresu.com. 2024年7月5日閲覧。
  17. ^ 米元プロレスラーのスタインボーンさん死去と海外報道 元AWAタッグ王者”. デイリースポーツ (2020年4月19日). 2024年7月5日閲覧。
  18. ^ The Records of NWA World Heavyweight Championship Matches 1972”. Wrestling-Titles.com. 2024年7月5日閲覧。
  19. ^ a b NWA Georgial Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  20. ^ All-South Wrestling Alliance”. Wrestling-Titles.com. 2024年7月5日閲覧。
  21. ^ a b WWC World Junior Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  22. ^ a b NWA Southeastern Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  23. ^ a b c Dick Steinborn”. Online World of Wrestling. 2024年7月5日閲覧。
  24. ^ The WCCW matches fought by Dick Steinborn in 1978”. Wrestlingdata.com. 2024年7月5日閲覧。
  25. ^ NWA Big Time Wrestling: Event”. Cagematch.net. 2024年7月5日閲覧。
  26. ^ a b NWA Texas Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  27. ^ The Stampede matches fought by Dick Steinborn in 1979”. Wrestlingdata.com. 2024年7月5日閲覧。
  28. ^ The Stampede matches fought by Dick Steinborn in 1980”. Wrestlingdata.com. 2024年7月5日閲覧。
  29. ^ a b NWA United States Junior Heavyweight Title [Southeast/Continental]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  30. ^ The WWC matches fought by Dick Steinborn in 1982”. Wrestlingdata.com. 2024年7月5日閲覧。
  31. ^ The WWC matches fought by Dick Steinborn in 1983”. Wrestlingdata.com. 2024年7月5日閲覧。
  32. ^ 『Gスピリッツ Vol.70』P10(2023年、辰巳出版ISBN 4777831043
  33. ^ NWA Southern Tag Team Title [The Carolinas & Virginia]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  34. ^ NWA Southern Tag Team Title [Georgia]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  35. ^ NWA International Tag Team Title [Georgia]”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  36. ^ Rocky Mountain Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  37. ^ NWA Mid-America Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  38. ^ All-South Wrestling Alliance Georgia Tag Team Title”. Wrestling-titles.com. 2024年7月5日閲覧。
  39. ^ All-South Wrestling Alliance Georgia Television Title”. Wrestling-titles.com. 2024年7月5日閲覧。
  40. ^ All-South Wrestling Alliance Georgia Junior Heavyweight Title”. Wrestling-titles.com. 2024年7月5日閲覧。
  41. ^ Stampede Wrestling World Mid-Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  42. ^ WWC Caribbean Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。
  43. ^ WWC North American Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2024年6月24日閲覧。

外部リンク

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