デブ
デブとは、日本語で肥満体型のこと[1]。また、そのような体型の人間を嘲った言い方[2]。
本記事では、言語としてのデブについて記述する。
概要
[編集]一般的には蔑称や差別用語として扱われることが多いが、お笑い芸人には、デブであることを売りにしているタレントもいる(略して「デブタレ」などと呼ばれる)。例えば、テレビ番組『元祖!でぶや』は、主な出演者がデブであることを売りにしている[3]。
前述のとおり、デブには侮蔑的意味合いが含まれるため、最近は「ぽっちゃり」と言い換えることもあり、特にぽっちゃりした女性のことを『マシュマロ女子』などと呼ぶ動きもある[4]。またアイドルグループPottyaは、肥満女性だけで構成されている[5]。
ほかに『日本俗語大辞典』は類語として「ふとっちょ・でぶっちょ・ブー・ぶた」などを挙げる[2]。
デブにフェティシズムを持つ人間を「デブ専」と呼び、アダルトビデオの1ジャンルにもなっており、専門のAVメーカーも存在する[6]。
英語では fat、fatty という単語が日本語の「デブ」と同様の意味を持つ蔑称であるため、“stout”(恰幅が良い、年配者に用いる)、“plump” / “chubby”(丸々と肉付きが良い、ぽっちゃりした、赤ん坊や子供・若年層に用いる)などと言い換えられる。女性に対しては "BBW" (Big Beautiful Woman) と表現される。
語源
[編集]江戸時代から「肥満したさま」を表す「でっくり・でっぷり」という副詞が使われている。また、「しまりなく肥満したさま」を表す「でぶでぶ」という副詞もある[7]。オノマトペとしての「でぶでぶ」が名詞化されたというのが一般的な説である。
民間語源的な別の説としては、「二重顎」を意味する英語、double chinが肥満を揶揄するスラングとして使われているうちに、明治時代以降の日本において「でぶちん」として聞き取られて次第に略されたというものもある。浅田次郎は前述の「でっぷり」説や「でぶちん」説と併記する形で「開発」を意味する英語であるdevelopmentが略されたものではないかという説も提示されている[8]。
脚注
[編集]- ^ 村松明, 三省堂編修所 編『大辞林 第三版』三省堂、2006年10月27日、1735, 2232頁。ISBN 4-385-13905-9。
- ^ a b 米川明彦『日本俗語大辞典』東京堂出版、2003年11月10日、406頁。ISBN 4-490-10638-6。
- ^ “元祖!でぶや”. tv-tokyo.co.jp. 株式会社BSテレビ東京. 2019年10月22日閲覧。
- ^ “賛否両論の“マシュマロ女子”を直撃、批判に対する本音も告白”. モデルプレス. 株式会社ネットネイティブ (2013年12月12日). 2019年10月22日閲覧。
- ^ “5人で総体重380キロ・平均76キロ 新たな“ぽちゃドル”お披露目”. ORICON MUSIC. 株式会社oricon ME (2015年1月15日). 2019年10月22日閲覧。
- ^ “(no title)”. maguro721.com. まぐろ物産. 2019年10月13日閲覧。
- ^ 前田勇(編)『江戸語の辞典』講談社〈講談社学術文庫422〉、1979年、674-678頁。
- ^ 浅田次郎(著者)『アイム・ファイン!』(電子書籍)小学館、2011年9月11日。ISBN 9784094086430。