トーア・ブックス
トーア・ブックス | |
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親会社 | マクミラン |
設立日 | 1980年4月2日 |
設立者 | トム・ドハティ |
国 | アメリカ合衆国 |
本社所在地 | エクイタブル・ビル(ニューヨーク市) |
流通範囲 |
マクミラン (US) Melia Publishing Services (UK)[1] |
主要人物 | トム・ドハティ |
出版物 | 書籍、電子書籍 |
インプリント | フォージ、スタースケープ、トーア・ティーン、オーブ、Tor.com |
公式サイト |
us |
トーア・ブックス(Tor Books)はニューヨーク市を拠点とする、トム・ドハティ・アソシエイツの主要インプリント(ブランド)である出版社。主にサイエンス・フィクションおよびファンタジーを出版している。
社歴
[編集]トーアは1980年にトム・ドハティ、ハリエット・マクドゥーガルおよびジム・ビーンによって創設された。この3名に、初期スタートアップチームを形成したバーバラ・ドハティとキャサリン・ペンディルがすぐに加わった。
Tor は同社のロゴマーク[2]に図式化されているように「岩がちの丘ないし山の頂き」を意味する古英語の単語である[3]。トーア・ブックスは1987年にセント・マーチン出版に売却された。セント・マーチン出版、ヘンリー・ホルト社およびファラー・ストラウス&ジルーとともに、現在は米国のマクミラン出版社の一部であるホルツブリンク出版グループを形成した[4]。2019年6月に、トーアおよびその他のマクミランの出版社はフラットアイアンビルディングから、エクイタブル・ビルのより広いオフィスに移転した[5][6]。
インプリント
[編集]トーアはトム・ドハティ・アソシエイツの主要インプリントである[7]。同社には、歴史小説やスリラーなどの一連のフィクション作品を出版するインプリントのフォージ(Forge)もある。トーア・ブックスはさらに若い読者向けのスタースケープ(Starscape、10歳以上向け)とトーア・ティーン(13歳以上向け)の2つのブランドを出版している[8]。また、トーア・ブックスには中編、短編小説、連載小説などの短い作品を主に扱う Tor.com というブランドも有している[9]。
イギリスの姉妹インプリントであるトーアUKもあり、サイエンス・フィクション、ファンタジーおよびホラーを専門としており、コンピューターゲームのフランチャイズに基づくヤングアダルト向けのクロスオーバーフィクションも出版している[7]。トーアUKは一時的にオープンな投稿ポリシーを維持していたが、2013年1月に終了した[10]。
オーブ・ブックスはA・E・ヴァン・ヴォークトの『スラン』などのSFの古典作品を出版している。
トーア・ティーンはコリイ・ドクトロウの『リトル・ブラザー』などのヤングアダルト向けの小説や、オーソン・スコット・カードの『エンダーのゲーム』などの小説を若い読者向けに再パッケージしたものを出版している。
ドイツの姉妹インプリントのフィッシャー・トーアは同様にホルツブリンク出版グループの一員であるS.フィッシャー出版のインプリントとして2016年8月に設立された[12]。同社はオリジナルのドイツ語作品と同様に、ドイツ語に翻訳されたさまざまな国の作品を出版している。また、フィッシャー・トーアは、英語のオンライン雑誌のTor.comと同じコンセプトを基にしているが、独自のコンテンツを有するドイツ語のオンライン雑誌 Tor Online も出版している[12]。
著者
[編集]トーアおよびフォージから出版している著者としてはケヴィン・J・アンダースン、ジーン・ウルフ、スティーヴン・エリクソン、オーソン・スコット・カード、アイリーン・ガン、ジェイムズ・ガン、ジョナサン・キャロル、スティーヴン・グールド、テリー・グッドカインド、サラ・ゲイリー、マイク・コール、メアリ・ロビネット・コワル、チャールズ・デ・リント、フィリップ・K・ディック、コリイ・ドクトロウ、ブランドン・サンダースン、ヴィクトリア・シュバーブ、ロバート・ジョーダン、ジョン・スコルジー、アンドレ・ノートン、グレン・ハーシュバーグ、ブライアン・ハーバート、スティーヴン・ブルースト、スカイラー・ホワイト、リチャード・マシスン、L・E・モデシット・ジュニアおよびハロルド・ロビンズなどがいる[8]。
トーアUKはダグラス・アダムズ、エイドリアン・チャイコフスキー、リューリック・デイビッドソン、アダム・ネヴィル、アマンダ・ホッキング、チャイナ・ミエヴィルなどの作品を出版している[7]。
電子書籍
[編集]トーアはさまざまな作品を電子書籍として出版しているが、ドハティは2012年に、同年7月までに自社のインプリントでは電子書籍はDRMフリーのものだけど販売することを発表した[13]。1年後、トーアはDRMの排除が電子書籍ビジネスに損害を与えていないことから、その後もDRMフリーの書籍販売を継続すると発表した[14]。
2018年7月にマクミラン出版社およびトーアは、今後はトーアの電子書籍を出版後4ヶ月はOverDriveのようなディジタル配信サービスを通して図書館が購入して貸し出すために提供しないことを発表し、SNSサイトや図書館掲示板で不買運動が広がるきっかけとなった[15]。同社は、電子貸出が電子書籍の小売販売に「直接的かつ悪影響を与える」ことを理由に挙げたが、この変更は「テストプログラム」の一部であり、再評価される可能性があることを示唆した[15][16]。
賞賛
[編集]トーアは1988年から2020年まで33年間連続でローカス誌の投票でベストSF出版社に選ばれた[17]。
2014年3月に Worlds Without End はトーアをヴィクター・ゴランツ社に次いで、SF、ファンタジー、ホラー出版物の受賞、ノミネート数が多い出版社に挙げた[18]。その時点で、197人の著者が書いた、723点の小説で316回ノミネートされ、54回受賞していた[18]。その翌年、トーアはゴランツを超えてリストの一位の出版社となった[19]。
2018年3月までに、トーアの記録は対象となったジャンルの16の賞全体で、579回のノミネートと111回の受賞に増加し、576人の著者によって書かれた合計2,353点の小説が出版された[20]。
脚注
[編集]- ^ “List of client publishers”. Melia Publishing Services. December 27, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ Mangu-Ward, Katherine (December 2008). “Tor's Worlds Without Death or Taxes”. Reason. オリジナルのAugust 11, 2017時点におけるアーカイブ。 .
- ^ "tor". Dictionary.com Unabridged. Random House. 2018年3月21日閲覧。
- ^ "Tor Books". The Encyclopedia of Science Fiction. 20 December 2017. 2018年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ “Macmillan's Move” (英語). Locus Online (June 2, 2019). June 23, 2019閲覧。
- ^ “Minotaur Books on Instagram: "Getting all settled into our brand new Minotaur HQ ✨ . . #mystery #thriller #suspense #bookstagram #minotaurbooks"” (英語). Instagram. December 26, 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。June 23, 2019閲覧。
- ^ a b c “About Tor UK – A Blog from the Tor UK Team and Authors”. Tor UK. Pan Macmillan (2014年). July 24, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ a b “Tor/Forge”. MacMillan Publishers. Macmillan (2014年). November 28, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ “Announcing Tor.com the Imprint”. Tor.com. Macmillan (May 28, 2014). January 24, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ “Submitting a Novel to Tor UK”. Blogs – Science Fiction and Fantasy. Pan Macmillan (January 29, 2013). March 21, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ Liptak, Andrew (May 2, 2017). “Tor Books announces a new fiction imprint dedicated to experimental storytelling”. The Verge. September 24, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ a b “Fischer Tor” (ドイツ語). S. Fischer Verlage (2016年). August 19, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ “Tor/Forge E-book Titles to Go DRM-Free”. Tor.com. Macmillan (April 24, 2012). March 9, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ Geuss, Megan (May 4, 2013). “Tor Books says cutting DRM out of its e-books hasn't hurt the business – A look at the sci-fi publisher a year after it announced it would do away with DRM”. Ars Technica. March 21, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。 “Early this week, Tor Books, a subsidiary of Tom Doherty Associates and the world's leading publisher of science fiction, gave an update on how its decision to do away with Digital Rights Management (DRM) schemes has impacted the company. Long story short: it hasn't, really.”
- ^ a b Hoffelder, Nate (July 19, 2018). “Updated: Tor Books is Now Windowing Library eBooks”. The Digital Reader. August 27, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ “Statement Release Regarding TOR Digital Books”. Upper Arlington Public Library (July 17, 2018). August 25, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ “Locus Award Winners by Category – Publishers”. The Science Fiction Awards Database. September 4, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ a b “Top Science Fiction, Fantasy & Horror (SF/F/H) Publishers”. Worlds Without End (2014年). March 31, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ “Top Science Fiction, Fantasy & Horror (SF/F/H) Publishers”. Worlds Without End (2015年). March 22, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。
- ^ “Top Science Fiction, Fantasy & Horror (SF/F/H) Publishers”. Worlds Without End (2018年). March 21, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月28日閲覧。