ドイツの連邦行政機関
本項目ではドイツ連邦共和国の中央行政機関について記述する。
ドイツの連邦行政機関はドイツ連邦共和国基本法第86条(Art 86)に基づき運営されている。これらの行政機関の最も上位には最高連邦機関が、その下には連邦庁等をはじめとする中級および下級の行政機関が設けられている。
最高連邦機関
[編集]最高位にある最高連邦機関の下には78個の下級機関(例として連邦雇用庁)、23個の公法財団(Stiftungen des öffentlichen Rechts)が(例としてプロイセン文化財財団)、そして35個の機関(例として復興住宅金融公庫)が属している。原則として監督には法的監督(Rechtsaufsicht)と専門監督(Fachaufsicht)が含まれる。法的監督については幾つかの事例ごとに地方自治体による条例上の監督に制限される。
以下は連邦の最高機関を構成している。
連邦庁、連邦中級機関
[編集]連邦中級機関は最高連邦機関の直下に設けられている。しかし、例外的に幾つかの連邦庁は管轄省から半ば独立した組織も存在している。これらの例として税務連邦中央機関、連邦管理庁、連邦保険庁、連邦情報局、連邦憲法擁護庁、連邦ネットワーク庁、ドイツ特許商標庁そして連邦市民防護・災害救援庁がある。
より単純な連邦庁には連邦言語庁、連邦警察本部、連邦軍基盤施設・環境保護・役務連邦庁および連邦軍人事管理連邦庁などがある。
連邦機関
[編集]公営企業
[編集]略称 | 名称 | 主務連邦官庁 | 所在地 |
---|---|---|---|
BA | 連邦雇用庁[12] de:Bundesagentur für Arbeit |
連邦労働社会省 | バイエルン州、ニュルンベルク |
DRV-Bund | ドイツ年金保険連合 de:Deutsche Rentenversicherung Bund |
連邦保険庁 | ベルリン |
DRV-KBS | ドイツ鉱山労働者・鉄道員・船員年金保険 de:Deutsche Rentenversicherung Knappschaft-Bahn-See |
連邦保険庁 | ノルトライン=ヴェストファーレン州、ボーフム |
連邦基金と連邦下級機関
[編集]36個ある連邦資産管理機関は連邦省と下級管理機関の間に存在している。これらは連邦財務局(de:Bundesfinanzdirektion)や防衛管区行政(de:Wehrbereichsverwaltung)などは連邦領内を区分する管区内にのみ権限を行使できる。
304個ある連邦下級機関は中央の主管官庁に属し、郡防衛補充事務所(de:Kreiswehrersatzamt)、水利・水運管理局(de:Wasser- und Schifffahrtsamt)、連邦軍業務センター(de:Bundeswehr-Dienstleistungszentrum)、中央税関(de:Hauptzollamt)などは小さな域内にて各種業務に従事している。
ドイツ連邦共和国基本法第83条により、基本法で明示・列挙されている事例を除いて通常の行政は州政府が実施することになっている。したがって、中間以下に置かれる下級連邦機関の設立については基本法に明示されたものを除けば、外交政策、財政、水路および水運、国境管理、情報評価、国家安全保障および犯罪捜査、連邦軍および鉄道航空問題に関する項目と同様のものに限られている。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b “貿易管理制度 - ドイツ - 欧州 - 国・地域別情報 - ジェトロ”. 日本貿易振興機構. 2014年6月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 主要運輸事情調査報告書 -ドイツ-(2008年版), 国土交通省 2014年6月1日閲覧。
- ^ 2008~2009年 海外情勢報告 -諸外国における外国人労働者対策-, 厚生労働省, (2010-03) 2014年6月1日閲覧。
- ^ 齋藤純子 (2012-06), “ドイツにおける介護休業制度の拡充 : 家族介護時間法の制定”, 外国の立法 : 立法情報・翻訳・解説 (国立国会図書館調査及び立法考査局): 187-197, ISSN 0433-096X, NAID 40019332129
- ^ 伊藤弘之; 小林肇; 林照悟; 榎村康史; 飯野光則; 山岸陽介; 大谷周; 白井正孝 et al., “ハリケーン・カトリーナ災害を契機とした米国の危機管理体制の改編に関する調査”, 国総研資料 (598) 2014年6月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g 科学技術・イノベーション政策動向報告 ~ドイツ~, 科学技術振興機構, (2009-06-19) 2014年6月1日閲覧。
- ^ 比較法研究センター, ed. (2010-03-26), アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、ブラジルにおける集団的消費者被害の回復制度に関する調査報告書, 消費者庁 2014年6月1日閲覧。
- ^ 門脇利広; 下地恒明; 大木章一 (2009), “欧州諸国における地理空間情報活用推進について”, 国土地理院時報 (119): 13-22, ISSN 04309081, NAID 40017107844
- ^ “(参考)外国の主な情報・団体規制機関の所属組織等”. 首相官邸. 2014年6月1日閲覧。
- ^ a b “海外主要国における消費者政策体制等に関する総合的調査 第3部 主要国の消費者政策体制 ドイツ”. 消費者庁. 2014年6月1日閲覧。
- ^ 太田康広 (2014-03-05), フランスおよびドイツの防衛装備品・航空宇宙産業資材調達における原価監査と契約形態について, 会計検査院 2014年6月1日閲覧。
- ^ a b “第3章第2節 ドイツ連邦共和国”, 2013年 海外情勢報告, 厚生労働省 2014年6月1日閲覧。
- ^ 平成24年度 産業技術総合研究所年報, 産業技術総合研究所, p. 962 2014年6月1日閲覧。