ナワリヌイ (映画)
ナワリヌイ | |
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Navalny | |
監督 | ダニエル・ロアー |
製作 |
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製作総指揮 |
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出演者 |
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音楽 |
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撮影 | ニキ・ウォルトル |
編集 |
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製作会社 | |
配給 |
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ トランスフォーマー |
公開 |
2022年1月25日 (SFF 2022年4月11日 2022年6月17日 |
上映時間 | 98分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | |
興行収入 | $106,399[1] |
『ナワリヌイ』(Navalny)は、ダニエル・ロアー監督による2022年のドキュメンタリー映画である[2][3]。ロシア野党指導者のアレクセイ・ナワリヌイと彼の中毒事件に関連する出来事が主に扱われている[4]。HBO MaxとCNNフィルムズにより製作された。2022年1月25日にサンダンス映画祭で初公開された[5]。
内容
[編集]映画はロシアの野党指導者のアレクセイ・ナワリヌイと中毒事件に関連する出来事とその後の捜査について扱っている。2020年8月20日、ナワリヌイはトムスクからモスクワへの飛行中にノビチョク[6]を盛られて体調を崩した。ナワリヌイはオムスクに緊急着陸した後に病院に搬送され、昏睡状態に至った。2日後に彼はドイツのベルリンのシャリテー病院に緊急搬送された。神経剤の使用は化学兵器禁止機関(OPCW)の認定を受けた5つの研究所で確認された。ナワリヌイはロシア大統領のウラジーミル・プーチンを非難したが、クレムリン側は繰り返し関与を否定している[7][8]。
映画はベリングキャットのジャーナリストであるクリスト・グローゼフとナワリヌイの反腐敗財団の調査責任者であるマリア・ペフチフがプーチンの関与を示す策謀の詳細を明らかにする様子を映し出している[9]。
監督はこの映画を「1人の男と権威主義政権との闘いの物語」と説明した[10][11]。
製作
[編集]このプロジェクトは2022年1月13日に初めて告知された。監督はカナダのドキュメンタリー映画作家のダニエル・ロアーであり、当初はクリスト・グローゼフの捜査の一端を描いた映画を作る予定であった。ロアーによると、カール・フォン・ハプスブルクからの声掛かりが製作のきっかけで、グローゼフの紹介者も彼だという[12]。
撮影はナワリヌイが昏睡状態から目覚めた直後に始まり、2021年1月の逮捕まで続けられた。映画の出演者によると、空港の国境検査でも撮影隊は彼に密着していた[13]
映画はHBO MaxとCNNフィルムズがフィッシュボウル・フィルムズ、ライフィルム・スタジオズ、コテージ・Mと共同で製作した。プロデューサーはフィッシュボウル・フィルムズのダイアン・ベッカーとメラニー・ミラー、コテージ・Mのシェーン・ボリス、ライフィルム・スタジオズのオデッサ・レイ、CNNフィルムズのエイミー・エンテリスとコートニー・セクストン、そしてマリア・ペフチフが務めた。
公開
[編集]2022年1月25日にサンダンス映画祭で米国ドキュメンタリー・コンペティション部門の最終作としてプレミア上映され、フェイバリット賞と観客賞を獲得した[14]。2022年3月、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズが米国配給権を獲得し、公開日を2022年4月11日-12日に設定した[15]。
2022年4月24日にアメリカ合衆国のCNNで初放送され、またストリーミング・プラットフォームのCNN+でも配信となった[16][17]。2022年5月26日にHBO Maxでストリーミング配信が開始された[18]。
イギリスでは2022年3月25日にBBC2で放送された[19]。
評価
[編集]レビュー集積サイトのRotten Tomatoesでは81件の批評家レビューに基づいて支持率は99%、平均点は8.6/10となり、「『ナワリヌイ』はスリラーのように手に汗握るドキュメンタリーであるが、この映画が詳述する権威主義に対する現実の闘争は極めて深刻である」とまとめられ[20]。Metacriticでは22件の批評に基づいて加重は82/100となり、「概ね好評」と示された[21]。
『ガーディアン』紙の批評家のフィル・ハリソンは「...あなたが今までに目撃した最も衝撃的なものの1つ」、「この恐ろしいドキュメンタリーは奇想天外なスパイスリラーの領域に入り込み、しかも全てが真実である」と評し、5つ星満点を与えた[22]。『ニューヨーク・タイムズ』紙のベン・ケニグスバーグはこの映画を「批評家のリスト」に加え、「ロアーはナワリヌイとその側近について緊張感と吸収力のある見方を組み立てた」と賞賛した[23]。
受賞とノミネート
[編集]賞 | 授賞式 | 部門 | 候補 | 結果 | 参照 |
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サンダンス映画祭 | 2022年1月30日 | 観客賞: 米国ドキュメンタリー部門 | 『ナワリヌイ』 | 受賞 | [24] |
フェスティバル・フェイバリット賞 | 受賞 | ||||
クリティクス・チョイス・ドキュメンタリー・アワード | 2022年11月13日 | ドキュメンタリー作品賞 | ノミネート | [25] [26] | |
政治ドキュメンタリー賞 | 受賞 | ||||
監督賞 | ダニエル・ロアー | ノミネート | |||
音楽賞 | マリウス・デヴリーズ、マット・ロバートソン | ノミネート | |||
編集賞 | ラングドン・ペイジ、マヤ・ホーク | ノミネート | |||
サンディエゴ映画批評家協会 | 2023年1月6日 | ドキュメンタリー賞 | 『ナワリヌイ』 | ノミネート | [27] |
サンフランシスコ・ベイエリア映画批評家協会 | 2023年1月9日 | ドキュメンタリー作品賞 | ノミネート | [28] | |
ジョージア映画批評家協会 | 2023年1月13日 | ドキュメンタリー映画賞 | ノミネート | [29] | |
シネマ・アイ・オナーズ | 2023年1月12日 | ノンフィクション作品賞 | ダニエル・ロアー、オデッサ・レイ、ダイアン・ベッカー、メラニー・ミラー、シェーン・ボリス | ノミネート | [30] |
作品賞 | オデッサ・レイ、ダイアン・ベッカー、メラニー・ミラー、シェーン・ボリス | 受賞 | |||
観客賞 | 『ナワリヌイ』 | 受賞 | |||
アンフォアゲッタブル賞 | アレクセイ・ナワリヌイ | 受賞 | |||
シアトル映画批評家協会 | 2023年1月17日 | ドキュメンタリー作品賞 | 『ナワリヌイ』 | ノミネート | [31] |
ヒューストン映画批評家協会 | 2023年2月18日 | ドキュメンタリー映画賞 | ノミネート | [32] | |
英国アカデミー賞 | 2023年2月19日 | ドキュメンタリー賞 | ダニエル・ロアー、ダイアン・ベッカー、シェーン・ボリス、メラニー・ミラー、オデッサ・レイ | 受賞 | [33][34] [35] |
平和のための映画賞 | 2023年2月24日 | 正義賞 | 『ナワリヌイ』 | 受賞 | [36] |
第95回アカデミー賞 | 2023年3月12日 | 長期ドキュメンタリー映画賞 | 『ナワリヌイ』 | 受賞 | [37] |
参考文献
[編集]- ^ “Navalny”. 2023年1月11日閲覧。
- ^ “'Everyone was freaking out': Navalny novichok film made in secret premieres at Sundance”. The Guardian (26 January 2022). 2022年1月26日閲覧。
- ^ “'Navalny' Review: A Must-See Documentary About the Anti-Putin Freedom Fighter Who Has Become the Conscience of Russia” (26 January 2022). 2022年1月26日閲覧。
- ^ “'Navalny': Film Review”. The Hollywood Reporter (26 January 2022). 2022年1月26日閲覧。
- ^ “Navalny Poisoning Documentary to Premiere at Sundance”. The Moscow Times (25 January 2022). 2022年1月26日閲覧。
- ^ Генеральный директор ОЗХО Фернандо Ариас Гонсалес (2020年11月30日). “OPENING STATEMENT BY THE DIRECTOR-GENERAL TO THE CONFERENCE OF THE STATES PARTIES AT ITS TWENTY-FIFTH SESSION” (英語). ОЗХО. 2023年1月11日閲覧。 “28. In September, the Secretariat conducted a technical assistance visit in response to a request from Germany under subparagraph 38(e) of Article VIII of the Convention. During the visit, a team of experts from the Secretariat collected biomedical samples directly from Mr Navalny for analysis by OPCW designated laboratories. The results of the analysis confirmed that a toxic chemical of the Novichok family was found in Mr Navalny's blood.”
- ^ “'Everyone was freaking out': Navalny novichok film made in secret premieres at Sundance”. The Guardian (26 January 2022). 2023年1月11日閲覧。
- ^ “Documentary On Navalny Wins Top Awards At Sundance Film Festival”. rferl.org (29 January 2022). 2023年1月11日閲覧。
- ^ Horton, Adrian (27 January 2022). “Navalny review – shocking documentary of a Russian poisoning”. The Guardian. 13 December 2022閲覧。
- ^ HBO Max и CNN сняли документальный фильм об Алексее Навальном
- ^ “HBO и CNN сняли документальный фильм про Навального”. (13 January 2022)
- ^ 中原鼎 (2023年9月12日). “「プーチンは新たなヒトラーだ」本当のヒトラーを知るハプスブルク家当主が20年以上前から続けていた警告”. プレジデントオンライン 2023年9月17日閲覧。
- ^ “Журналист Bellingcat рассказал, какой эффект на Запад окажет фильм HBO и CNN про Навального”. Dozhd. (14 January 2022)
- ^ D'Alessandro, Anthony (2022年1月24日). “Daniel Roher Documentary Thriller 'Navalny' Is This Year's Sundance Secret Screening” (英語). Deadline. 2022年1月25日閲覧。
- ^ McClintock, Pamela (March 30, 2022). “Russian Dissident Doc 'Navalny' to Receive Special Theatrical Release”. The Hollywood Reporter. April 22, 2022閲覧。
- ^ CNN и HBO сняли документальный фильм о Навальном
- ^ Vlessing, Etan (2022年4月15日). “CNN Sets Premiere Date for Russian Dissident Doc 'Navalny'” (英語). The Hollywood Reporter. 2022年4月16日閲覧。
- ^ “This May Stream "Hacks," "The Staircase," "The Time Traveler's Wife," "George Carlin's American Dream" and More on HBO Max”. The Futon Critic (April 21, 2022). April 22, 2022閲覧。
- ^ “BBC Two - Navalny”. 2023年1月11日閲覧。
- ^ “Navalny”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2023年1月11日閲覧。
- ^ “Navalny”. Metacritic. Red Ventures. 2023年1月11日閲覧。
- ^ Harrison, Phil (25 April 2022). “Navalny review – one of the most jaw-dropping things you'll ever witness ★★★★★”. The Guardian 26 April 2022閲覧。
- ^ Kenigsberg, Ben (24 April 2022). “'Navalny' Review: Speaking Truth to Power in a Corrupt System (Critic's List)”. New York Times 26 April 2022閲覧。
- ^ “2022 SUNDANCE FILM FESTIVAL AWARDS ANNOUNCED – sundance.org” (英語). 2022年1月30日閲覧。
- ^ Davis, Clayton (October 17, 2022). “‘Fire of Love’ and ‘Good Night Oppy’ Lead Critics Choice Documentary Award Nominations”. Variety. October 17, 2022閲覧。
- ^ Zilko, Christian (November 13, 2022). “‘Good Night Oppy,’ ‘Get Back’ Dominate Critics Choice Documentary Awards (Complete Winners List)”. IndieWire. November 14, 2022閲覧。
- ^ “2022 San Diego Film Critics Society Nominations”. San Diego Film Critics Society (January 3, 2023). January 4, 2023閲覧。
- ^ Neglia, Matt (January 6, 2023). “The 2022 San Francisco Bay Area Film Critics Circle (SFBAFCC) Nominations”. Next Best Picture. January 6, 2023閲覧。
- ^ Anderson, Erik (January 7, 2023). “2022 Georgia Film Critics Association (GAFCA) nominations”. AwardsWatch. January 7, 2023閲覧。
- ^ Jones, Marcus (November 10, 2022). “‘Fire of Love’ and ‘The Territory’ Lead 2023 Cinema Eye Honors Nonfiction Film Nominees”. IndieWire. November 10, 2022閲覧。
- ^ ““Everything Everywhere All At Once” Leads the 2022 Seattle Film Critics Society Nominations”. Seattle Film Critics Society (January 9, 2023). January 10, 2023閲覧。
- ^ “The 2022 Houston Film Critics Society (HFCS) Winners” (英語). Next Best Picture. (2023年2月18日) 2023年2月19日閲覧。
- ^ “英アカデミー賞、「西部戦線異状なし」が作品賞など7部門で受賞”. ロイター通信. (2023年2月20日) 2023年3月20日閲覧。
- ^ “Baftas 2023: The winners and nominees in full”. BBC News (19 January 2023). 20 February 2023閲覧。
- ^ “2023 EE BAFTA Film Awards: The Winners”. British Academy of Film and Television Arts. 2023年2月20日閲覧。
- ^ “Awards 2022” (英語). Cinema for Peace Foundation. 2022年12月30日閲覧。
- ^ “米アカデミー賞、「ナワリヌイ」に長編ドキュメンタリー賞”. ロイター通信. (2023年3月13日) 2023年3月20日閲覧。