第95回アカデミー賞
第95回アカデミー賞 | |
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開催日 | 2023年3月12日 |
会場 |
カリフォルニア州ロサンゼルス市ハリウッド ドルビー・シアター |
司会 | ジミー・キンメル |
プロデューサー | |
演出 | グレン・ウェイス |
Highlights | |
作品賞 | 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 |
最多部門受賞 | 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(7) |
最多部門ノミネート | 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(11) |
テレビ放送 | |
放送局 | ABC |
時間 | 3時間40分 |
Ratings | 18.7 million[1] |
第95回アカデミー賞は、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催する賞であり、2022年の映画を対象とし、2023年3月12日にカリフォルニア州ロサンゼルス市ハリウッドのドルビー・シアターで午後5時(PDT)より授賞式が行われた[2]。プロデューサーはグレン・ウェイスとリッキー・カーシュナー、ウェイスはディレクターも担当し、コメディ俳優のジミー・キンメルが第89回、第90回に続き3度目の授賞式司会を務めた[3][4][5]。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞を含む最多の7部門を受賞し、その他、『西部戦線異状なし』は国際長編映画賞を含む4部門、『ザ・ホエール』が主演男優賞を含む2部門を受賞した。7部門以上の受賞作品が現れたのは第86回の『ゼロ・グラビティ』以来、作品賞を受賞した映画を含めると第81回の『スラムドッグ$ミリオネア』以来となった。
演技部門のうち3部門を同じ映画が独占したのは『欲望という名の電車』、『ネットワーク』以来[6]で、作品賞を受賞したのは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が史上初となる。
日程
[編集]日付 | イベント |
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2023年1月24日 | 候補発表 |
2023年2月13日 | ノミニーズ・ランチョン |
2023年3月2日 | 最終投票開始 |
2023年3月7日 | 最終投票終了 |
2023年3月12日 | 第95回アカデミー賞授賞式 |
受賞とノミネート
[編集]第95回アカデミー賞のノミネートは2023年1月24日5時30分PST(13時30分UTC、22時30分JST)にサミュエル・ゴールドウィン・シアターにてリズ・アーメッドとアリソン・ウィリアムズが発表し、ABCの「グッド・モーニング・アメリカ」とストリーミング配信で生放送・生配信が行われた[7][8][9][10][11][12]。
作品賞では『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』と『トップガン マーヴェリック』がノミネートされ、同部門で2つの続編がノミネートしたのは初めてであり、全世界で10億ドル以上の興行収入をあげた2作品が同時にノミネートされたのも初めてだった[13][14]。 『西部戦線異状なし』は9部門でノミネートされ、非英語映画では『グリーン・デスティニー』と『ROMA/ローマ』に次ぐものであった[15]。『The Quiet Girl』はアイルランドからの応募作品で初めて国際長編映画賞にノミネートされることになった[16]。
主演男優賞の5人全員を含めて4つの演技部門で16人の初ノミネートがあり、史上最多の初ノミネートを記録した[17]。主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーは、同部門でノミネート・受賞をした初のアジア人となった。また、主演女優賞のミシェル・ヨー、助演男優賞のキー・ホイ・クァン、助演女優賞のホン・チャウとステファニー・スーとアジア系の俳優が演技部門でノミネートされたのが過去最多の4人となった[18]。『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』で助演女優賞にノミネートされたアンジェラ・バセットはマーベル・コミックを原作とした映画への出演で演技部門にノミネートされた最初の人物となった[19][20]。『フェイブルマンズ』で助演男優賞にノミネートされたジャド・ハーシュは、『普通の人々』以来42年ぶりのノミネートとなり、最も間隔が開いた俳優となり[20][21]、同映画で作曲を担当したジョン・ウィリアムズは53回目、90歳でのノミネートとなり、アカデミー賞史上最高齢のノミネートとなった[21]。 『無垢の瞳』で短編映画賞にノミネートされたアルフォンソ・キュアロンはケネス・ブラナーにつづく2人目の7部門でノミネートされた人物となり、同作品はDisney+の作品として同部門に初めてノミネートされた作品となった[20]。
スタジオ別の受賞数では『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と『ザ・ホエール』の配給を手がけたA24は9部門で受賞し、同じスタジオで作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞と主要部門を独占したのは史上初となった[22]。
受賞者は各項目最上段に太字でダブルダガー () 付きのものである。
複数の部門での受賞・ノミネート作品
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ガヴァナーズ賞
[編集]アカデミーは2022年6月21日、第13回ガヴァナーズ賞授賞式で授与される名誉賞等を発表した[23]。
- アカデミー名誉賞
- ジーン・ハーショルト友愛賞
授賞式
[編集]2023年2月11日、制作チームの発表が行われ、共同製作者としてロブ・ペイン、プロデューサーとしてサラ・レヴィン・ホール、ラジ・カプール、エリン・アーウィン、ジェニファー・シャロンが参加し、第92回以来に音楽監督としてリッキー・マイナー、タレントプロデューサーとしてターリン・ハード、作家としてデイブ・ブーン、ネフェタリ・スペンサー、アガーテ・パナレットス、照明デザイナーとしてロバート・ディキンソンが復帰することが発表された[24]。
歌曲賞のパフォーマンスでは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の「This Is a Life」ではMitskiは授賞式には出席せず、代わりにステファニー・スーがデヴィッド・バーンとともに披露し[25]、『RRR』の「Naatu Naatu」では主演のN・T・ラーマ・ラオ・ジュニアとラーム・チャランはリハーサル時間がなかったため授賞式には出席せず、歌手のカーラ・バイラヴァとラーフル・シプリガンジが務め、ロサンゼルス在住のダンサーがこの曲の振り付けを披露し[26][27][28]、『トップガン マーヴェリック』の「Hold My Hand」ではレディー・ガガが『ジョーカー』の続編である『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の撮影に専念するため、当初は授賞式に出席する予定ではなかったが、直前になって披露すると報じられ、会場で披露した[29][30]。また、ディズニーの実写版リメイク『リトル・マーメイド』の最新予告が放送中に公開され、主演のハリー・ベイリーとメリッサ・マッカーシーがプレゼンターとして登場して映画を宣伝し[31]、モーガン・フリーマンとマーゴット・ロビーはワーナー・ブラザースの100周年トリビュート企画の紹介をした[32]。『リトル・マーメイド』の予告編とワーナー・ブラザースのトリビュートはいずれもABCの広告として放映され、ドルビー・シアターや海外での放送では上映・放映されなかった[33]。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はロシアのウクライナ侵攻に対する認識を高めるため、式典にリモート出演することを要求したと伝えられたが、映画芸術科学アカデミーはその要求を断った[34]。グレン・クローズは当初プレゼンターとして出席することが発表されていたが、新型コロナウイルス感染症の陽性反応があったため欠席した[35]。
今回の会場では第33回から使用されていたレッドカーペットに関する問題を映画芸術科学アカデミーCEOのビル・クレイマーが指摘したため色が初めて変更され、日差しを遮るように設計されたシエナ色のカーテンとは対照的なシャンパン色のカーペットとなった[36]。
プレゼンターとパフォーマー
[編集]以下の人々がプレゼンターを行い、パフォーマンスを披露した[37][38][39]。
名前 | 役割 |
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シルヴィア・ビラグラン | アナウンス担当[40] |
エミリー・ブラント ドウェイン・ジョンソン |
長編アニメ映画賞のプレゼンター |
アリアナ・デボーズ トロイ・コッツァー |
助演男優賞と助演女優賞のプレゼンター |
カーラ・デルヴィーニュ | 「Applause」のパフォーマンス紹介 |
リズ・アーメッド アミール・"クエストラブ"・トンプソン |
長編ドキュメンタリー映画賞と短編映画賞のプレゼンター |
ハリー・ベイリー メリッサ・マッカーシー |
『リトル・マーメイド』の紹介 |
マイケル・B・ジョーダン ジョナサン・メジャース |
撮影賞のプレゼンター |
ドニー・イェン | 「This Is a Life」のパフォーマンス紹介 |
ジェニファー・コネリー サミュエル・L・ジャクソン |
メイクアップ&ヘアスタイリング賞のプレゼンター |
モーガン・フリーマン マーゴット・ロビー |
ワーナー・ブラザース100周年トリビュートの紹介 |
ポール・ダノ ジュリア・ルイス=ドレイファス |
衣装デザイン賞のプレゼンター |
ディーピカー・パードゥコーン | 「Naatu Naatu」のパフォーマンス紹介 |
エヴァ・ロンゴリア ジャネット・ヤン |
アカデミー映画博物館の紹介 |
ヒュー・グラント アンディ・マクダウェル |
美術賞のプレゼンター |
ジョン・チョー ミンディ・カリング |
作曲賞のプレゼンター |
エリザベス・バンクス | 視覚効果賞のプレゼンター |
ダナイ・グリラ | 「Lift Me Up」のパフォーマンス紹介 |
アンドリュー・ガーフィールド フローレンス・ピュー |
脚本賞と脚色賞のプレゼンター |
ケイト・ハドソン ジャネール・モネイ |
音響賞と歌曲賞のプレゼンター |
ジョン・トラボルタ | イン・メモリアムのプレゼンター |
ゾーイ・サルダナ シガニー・ウィーバー |
編集賞のプレゼンター |
イドリス・エルバ ニコール・キッドマン |
監督賞のプレゼンター |
ハリー・ベリー ジェシカ・チャステイン |
主演男優賞と主演女優賞のプレゼンター |
ハリソン・フォード | 作品賞のプレゼンター |
名前 | 役割 | 内容 |
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リッキー・マイナー | 音楽監督 | オーケストラ |
ソフィア・カーソン ダイアン・ウォーレン |
パフォーマー | 「Applause」 - 『私たちの声』 |
デヴィッド・バーン ステファニー・スー サン・ラックス |
パフォーマー | 「This Is a Life」 - 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』[41] |
カーラ・バイラヴァ ラーフル・シプリガンジ |
パフォーマー | 「Naatu Naatu」 - 『RRR』 |
レディー・ガガ | パフォーマー | 「Hold My Hand」 - 『トップガン マーヴェリック』 |
リアーナ | パフォーマー | 「Lift Me Up」 - 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』 |
レニー・クラヴィッツ | パフォーマー | イン・メモリアムにて「Calling All Angels」の演奏[42] |
イン・メモリアム
[編集]- オリビア・ニュートン=ジョン - 歌手・女優
- ジョン・コーティ - 映画監督・プロデューサー
- メイ・ラウス - 衣装デザイナー
- ルイーズ・フレッチャー - 女優
- ジョン・ザリツキー - 撮影監督
- アルバート・バーナー - 美術デザイナー
- イレーネ・パパス - 女優
- ミッチェル・ゴールドマン - エグゼクティブ
- ボブ・ラフェルソン - 映画監督・脚本・プロデューサー
- アルバート・サイキ - デザイン・エンジニア
- イアン・ウィテカー - 舞台装飾家
- ロビー・コルトレーン - 俳優
- カースティ・アレイ - 女優
- レイ・リオッタ - 俳優
- ビッキー・エギア - パブリシティ エグゼクティブ
- アンジェロ・バダラメンティ - 作曲家
- グレッグ・ジーン - 視覚効果アーティスト・モデルメーカー
- ニール・ヒメネス - 脚本家・映画監督
- マイク・ヒル - フィルム編集技師
- トム・ラディ - プロデューサー・テルライド映画祭共同創設者
- マリーナ・ゴルドフスカヤ - 映画監督・撮影監督・教師
- クリストファー・タッカー - 特殊効果メイクアップアーティスト
- アイリーン・キャラ - 女優・シンガー・ソングライター
- グレゴリー・アレン・ハワード - 脚本家・プロデューサー
- オーウェン・ロイズマン - 撮影監督
- ラスター・ベイレス - 衣装デザイナー
- グレイ・フレデリクソン - プロデューサー
- ロバート・ダルヴァ - 映画編集者
- ニシェル・ニコルズ - 女優
- エドワード・R・プレスマン - プロデューサー
- ダグラス・マクグラス - 脚本家・映画監督・俳優
- ジュリア・ライヒェルト - プロデューサー・ディレクター
- エディ・ランドウ - プロデューサー・エグゼクティブ
- マイク・モーダー - 助監督・プロデューサー
- ジャン=リュック・ゴダール - 映画監督・脚本家
- ラルフ・エグルストン - アニメーター・美術デザイナー
- マーヴィン・マーチ - 舞台装飾家
- バート・バカラック - 作曲家
- ニック・ボサストウ - プロデューサー
- クレイトン・ピニー - 特殊効果アーティスト
- シモーヌ・バー - キャスティングディレクター
- ドン・キャンバーン - 映画編集者
- トム・ウィットロック - 作詞家
- アマンダ・マッキー - キャスティングディレクター
- アンジェラ・ランズベリー - 女優
- ウォルフガング・ペーターゼン - 映画監督・脚本・プロデューサー
- ジョン・ダーティグ - パブリシティ エグゼクティブ
- バーニー・マティソン - アニメーター
- マウリツィオ・シルヴィ - メイクアップアーティスト
- ジャック・ペラン - 俳優・プロデューサー・映画監督
- メアリー・アリス - 女優
- ジーナ・ロロブリジーダ - 女優
- カール・ベル - アニメーター
- ダグラス・カークランド - 写真家
- ヴァンゲリス - 作曲家・映画音楽家
- ジェームズ・カーン - 俳優・プロデューサー
- ラクエル・ウェルチ - 女優
- ウォルター・ミリッシュ - プロデューサー・映画芸術科学アカデミー元会長
Deadlineはチャールビ・ディーン、アン・ヘッシュ、トム・サイズモア、ポール・ソルヴィノ、チャイム・トポルが含まれていないと指摘したが、映画芸術科学アカデミーは授賞式前に「デジタル雑誌のA.frameに200人以上の映画製作者、アーティスト、経営者を称える」と述べていたことを明かしている[43]。
不祥事
[編集]主演女優賞にノミネートされていたアンドレア・ライズボローの友人がアカデミー会員になっている者を含む役者仲間を集めて試写会を行ったほか、SNS(Instagram)を通じてライズボローへの投票を呼び掛けていたことが後日判明し、批判された。この事を受けて、映画芸術科学アカデミーは私的イベントやSNS上での資金提供や支持表明などを禁止することを発表した[44]。
脚注
[編集]- ^ “Oscars Draw 18.7 Million Viewers, Up 12% From Last Year”. Variety (March 13, 2023). March 13, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。March 14, 2023閲覧。
- ^ Hammond, Pete (May 13, 2022). “Oscars 2023 Telecast And Nomination Dates Set”. Deadline Hollywood. May 13, 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。May 13, 2022閲覧。
- ^ Pete Hammond (September 17, 2022). “Oscars: Glenn Weiss And Ricky Kirshner To Produce 95th Academy Awards; Other Key Creative Team Members Named”. Deadline Hollywood. December 31, 2022閲覧。
- ^ Pete Hammond (November 7, 2022). “Jimmy Kimmel Set For Third Oscar Hosting Stint”. Deadline Hollywood. November 7, 2022閲覧。
- ^ “来年の米アカデミー賞司会、ジミー・キンメルが復帰”. シネマトゥデイ. (2022年11月7日) 2023年1月25日閲覧。
- ^ Coyle, Jake (March 13, 2023). “‘Everything’ wins best picture, is everywhere at Oscars”. Associated Press 2023年3月13日閲覧。
- ^ “How to Watch the Oscars 2023 Nominations Announcement Hosted by Riz Ahmed and Allison Williams”. The Oscars 2023 95th Academy Awards. ABC (2023年1月18日). 2023年1月25日閲覧。
- ^ Lewis, Hilary (January 24, 2023). “Oscars: Full List of Nominations”. The Hollywood Reporter. January 24, 2023閲覧。
- ^ “アカデミー賞ノミネート全リスト!『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最多”. シネマトゥデイ. (2023年1月24日) 2023年1月25日閲覧。
- ^ “【第95回アカデミー賞ノミネート全リスト】「エブエブ」が最多10部門11ノミネート!”. 映画.com. (2023年1月24日) 2023年1月25日閲覧。
- ^ “作品賞は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』!最多7冠でオスカー席巻”. シネマトゥデイ. (2023年3月13日) 2023年3月13日閲覧。
- ^ “【アカデミー賞全受賞リスト】7冠「エブエブ」ミシェル・ヨーやキー・ホイ・クァンが歓喜”. 映画ナタリー. (2023年3月13日) 2023年3月13日閲覧。
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- ^ “Oscars In Memoriam Segment Missing Anne Heche, Tom Sizemore, Paul Sorvino And Charlbi Dean From Oscar-Nominated 'Triangle Of Sadness'”. Deadline (March 12, 2023). March 13, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。March 14, 2023閲覧。
- ^ “米アカデミー、キャンペーンに関するルールを改正”. 映画.com (2023年5月8日). 2023年5月9日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]公式ウェブサイト