コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ブレンダン・フレイザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブレンダン・フレイザー
Brendan Fraser
ブレンダン・フレイザー Brendan Fraser
2022年
本名 ブレンダン・ジェームズ・フレイザー
: Brendan James Fraser
生年月日 (1968-12-03) 1968年12月3日(56歳)
出生地 インディアナ州インディアナポリス
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業 俳優
ジャンル 映画テレビドラマ
活動期間 1988年 -
配偶者 アフトン・スミス(1998年 - 2007年)
主な作品
映画
青春の輝き
ジャングル・ジョージ
ゴッド・アンド・モンスター
ハムナプトラ』シリーズ
愛の落日
ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション
クラッシュ
センター・オブ・ジ・アース
インクハート/魔法の声
ザ・ホエール
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
テレビドラマ
『ドゥーム・パトロール』
受賞
アカデミー賞
主演男優賞
2022年ザ・ホエール
放送映画批評家協会賞
主演男優賞
2022年『ザ・ホエール』
アンサンブル演技賞
2005年クラッシュ
全米映画俳優組合賞
主演男優賞
2022年『ザ・ホエール』
キャスト賞
2005年『クラッシュ』
その他の賞
テンプレートを表示

ブレンダン・ジェームズ・フレイザー: Brendan Fraser, 1968年12月3日[1] - )は、アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス出身の俳優アイルランド系で、フランス語も話す[2]

来歴

[編集]

カナダの観光局で働いていた父親についてインディアナポリス、デトロイトシアトルオタワオランダスイスなどで育った。カナダのアッパー・カナダ・カレッジ[3]とシアトルのコーニッシュ・カレッジ・オブ・ザ・アーツで演劇を学び、1991年に映画デビュー。

映画『ハムナプトラ』シリーズ(1999年 - 2008年)や『センター・オブ・ジ・アース』(2008年)で主演を務めて人気を博すが、その後は体調の悪化や、結婚生活の破綻、母親の死などの様々な原因でハリウッドの表舞台から遠ざかる[4]。(心身のバランスを崩した理由については、後述も一因とのこと)

2021年にはDCユニバース作品の『バットガール』で悪役ファイアーフライを演じることが発表された[5]が、後にお蔵入りとなった[6]

2022年、『ザ・ホエール』で272キロの巨体を持つ主人公を演じる[1]。フレイザーの演技は高く評価され、同作が初公開となったヴェネツィア国際映画祭では6分間にわたるスタンディングオベーションを受け[4]第95回アカデミー賞では主演男優賞を受賞した[7]

2009年

セクシャルハラスメント被害

[編集]

2018年、2003年にフレイザーは、ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)の元会長フィリップ・バークからセクシャルハラスメントを受けていたと雑誌「GQ」のインタビューで告発[8][9]。この時の心身的ショックによって鬱状態になったことも、第一線から退かざるを得なかった一因であると自ら語っている[10](インタビューでは、#MeToo運動のおかげで被害告発に踏み切る勇気がもらえたとも語っている[11][12])。

なお、この一件でHFPA側が声明を出すも公平性かつ透明性を欠き、かつフレイザーへの被害を「ジョーク」と評した[13]ことで両者は決裂。しかもHFPAは告発者であるフレイザーの名を実質ブラックリスト入りさせ、彼の出演作をボイコット扱いしたことも後日判明[4]。フレイザーへの敬意を欠き問題を軽んじた対応として、批判を浴びている。

のちにフレイザーは「彼ら(HFPA)との歴史が問題」として、ゴールデングローブ賞への参加を辞退すると表明している[14]

私生活

[編集]

1998年に女優のアフトン・スミスと結婚し、現在3人の息子がいる。長男のグリフィンは自閉症であることを公表している[15]。2007年12月に離婚を公表した[16][17]

『ハムナプトラ』シリーズをはじめとするアクション映画やコメディ映画での激しいアクションやスタント演技で椎骨層切除、膝・声帯などの手術を繰り返し、その期間は7年にも及んだという[4][15]

主な出演作品

[編集]

映画

[編集]
題名 役名 備考 吹替
1991 恋のドッグファイト
Dogfight
船員A 日本劇場未公開
ジャッジメント/推定有罪
Guilty Until Proven Innocent
ボビー テレビ映画 山寺宏一
1992 原始のマン
Encino Man
リンク 森川智之
青春の輝き
School Ties
デヴィッド・グリーン 山寺宏一
1993 風と共に去る20ドル!?
Twenty Bucks
サム 日本劇場未公開
カントリー・ファーム/招かれざる婿!?
Son in Law
リンク
グローリーデイズ/夢見る頃はいつも
Younger and Younger
ウィンストン・ヤンガー 遠藤純一
1994 きっと忘れない
With Honors
モンゴメリ・ケスラー(モンティ)
ハードロック・ハイジャック
Airheads
チェスター・ダーベイ(チャズ) 森川智之
イン・ザ・アーミー/こちら最前線、異常あり
In the Army Now
リンク 日本劇場未公開
クレジットなし
(吹き替え版なし)
スカウト
The Scout
スティーブ・ネブラスカ 日本劇場未公開 森川智之
1995 聖なる狂気
The Passion of Darkly Noon
ダークリー・ヌーン 堀内賢雄
Dearフレンズ
Now and Then
ベトナム帰還兵 クレジットなし TBA
1996 ブレイン・キャンディ
Kids in the Hall: Brain Candy
プラセボ患者 日本劇場未公開
クレジットなし
(吹き替え版なし)
くちづけはタンゴの後で
Mrs. Winterbourne
ヒュー・ウィンターボーン / ビル・ウィンターボーン 家中宏
グローリー・デイズ〜旅立ちの日〜
Glory Daze
ダグ (吹き替え版なし)
1997 The Twilight of the Golds テレビ映画
日本未公開
ジャングル・ジョージ
George of the Jungle
ジョージ 檀臣幸
いつかあなたに逢う夢
Still Breathing
フレッチャー・マクブレイク 日本劇場未公開
1998 ゴッド・アンド・モンスター
Gods and Monsters
クレイトン・ブーン 置鮎龍太郎
1999 タイムトラベラー/きのうから来た恋人
Blast from the Past
アダム・カルヴィン 関智一
ハムナプトラ/失われた砂漠の都
The Mummy
リック・オコーネル 森川智之(ソフト版)
堀内賢雄(日本テレビ版)
ダドリーの大冒険
Dudley Do-Right
ダドリー・ドゥ・ライト 日本劇場未公開 森川智之
2000 悪いことしましョ!
Bedazzled
エリオット 森川智之(ソフト版)
宮本充(機内上映版)
Sinbad: Beyond the Veil of Mists 声の出演
日本未公開
2001 モンキーボーン
Monkeybone
ステュ 森川智之
ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
The Mummy Returns
リック・オコーネル 森川智之(ソフト版)
堀内賢雄(フジテレビ版、テレビ朝日版)
2002 愛の落日
The Quiet American
アルデン・パイル 別題『愛の落日 クワイエット・アメリカン』 堀内賢雄
2003 ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション
Looney Tunes:Back in Action
DJドレイク 森川智之
ディッキー・ロバーツ 俺は元子役スター
Dickie Roberts:Former Child Star
本人役 クレジットなし
2004 クラッシュ
Crash
リック・カボット 堀内賢雄
2006 ブレンダン・フレイザー 復讐街
Journey to the End of the Night
ポール 日本劇場未公開 森川智之
ラストタイム 欲望が果てるとき
The Last Time
ジェイミー 東地宏樹
2007 狼たちの報酬
The Air I Breathe
プレジャー (吹き替え版なし)
2008 センター・オブ・ジ・アース
Journey to the Center of the Earth
トレヴァー・アンダーソン 兼製作総指揮 沢村一樹(劇場公開版)
堀内賢雄(テレビ朝日版)
ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝
The Mummy:Tomb of the Dragon Emperor
リック・オコーネル 森川智之(劇場公開版)
堀内賢雄(フジテレビ版)
インクハート/魔法の声
Inkheart
モーティマ・フォルチャート 宮内敦士
2009 G.I.ジョー
G.I.Joe:The Rise of Cobra
ストーン クレジットなし
2010 小さな命が呼ぶとき
Extraordinary Measures
ジョン・クラウリー 宮本充
アニマル・ウォーズ 森林帝国の逆襲
Furry Vengeance
ダン・サンダース 兼製作総指揮
日本劇場未公開
大塚智則
2011 チャンス!
Whole Lotta Sole
ジョー・マグワイア 日本劇場未公開 西垣俊作
2013 スペースガーディアン
Escape from Planet Earth
スコーチ 声の出演 遠藤大智
ウソはホントの恋のはじまり
A Case of You
トニー 江原実
ブレンダン・フレイザーのエリートをぶっとばせ!
Hair Brained
レオ 日本劇場未公開 西谷修一
スティーラーズ
Pawn Shop Chronicles
リッキー・バルドースキー 杉田智和
ブレンダン・フレイザー 追撃者
Breakout
ジャック 兼製作
日本劇場未公開
堀内賢雄
ギミー・シェルター
Gimme Shelter
トム・フィッツパトリック 日本劇場未公開
2014 ナッツジョブ 〜サーリー&バディのピーナッツ大作戦!〜
The Nut Job
グレイソン 声の出演 伊藤健太郎
2019 ポイズンローズ
The Poison Rose
マイルス・ミッチェル 松尾一心
2020 The Secret of Karma 日本未公開
2021 クライム・ゲーム
No sudden Move
ダグ・ジョーンズ 日本劇場未公開 山口恵
2022 ザ・ホエール
The Whale
チャーリー アカデミー主演男優賞 受賞[7] (吹き替え版なし)
2023 キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン
Killers of the Flower Moon
WS・ハミルトン かぬか光明
2024 マンガー・ブラザーズ
Brothers
ファーフル 堀内賢雄
TBA
Pressure
ドワイト・D・アイゼンハワー

テレビドラマ

[編集]
題名 役名 備考 吹替
1991 My Old School チェビー 短編映画
日本未公開
1995 殺意の罠
Fallen Angels
Perfect Crimes
ジョニー・ラム 別題『パーフェクト・クライム』
「完全なる殺人(別題「完璧なる殺人」)」
TBA
1997 サタデー・ナイト・ライブ
Saturday Night Live
ホスト 計2話出演
1999
2002-2004 Scrubs〜恋のお騒がせ病棟
Scrubs
ベン・サリヴァン 計3話出演
2009 Wishology ターボ・サンダー Oops!フェアリーペアレンツ』のテレビスペシャル
声の出演
2015 Texas Rising ビリー・アンダーソン 計5話出演
2016-2017 アフェア 情事の行方
The Affair
ジョン・ガンサー 計6話出演 白熊寛嗣
2018 TRUST/トラスト ゲティ家のスキャンダル
Trust
フレッチャー・チェイス 計8話出演 (吹き替え版なし)
コンドル〜狙われたCIA分析官〜
Condor
ネイサン・ファウラー 計6話出演
Titans/タイタンズ
Titans
ロボットマン 声の出演
第1シーズン第4話「ドゥームパトロール」
黒田崇矢
2019- ドゥーム・パトロール
Doom Patrol
クリフ・スティール / ロボットマン 声の出演(ロボットマン)
2020 Professionals ピーター・スワン 兼製作総指揮
計10話出演
TBA Rental Family

テレビアニメ

[編集]

ゲーム

[編集]
  • The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor(2008年、『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』のゲーム作品)

日本語吹き替え

[編集]

主に担当しているのは、以下の二人である[18]

森川智之
原始のマン』で初担当。以降多くの作品を吹き替えており、『ハムナプトラ』シリーズ(ソフト・劇場公開版)をはじめ、『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』などのキャリア初期から何度も吹き替えを担当してきたことから森川自身も思い入れが深いと語っている。フレイザーが『ザ・ホエール』(本編は吹き替え無し)で第95回アカデミー賞主演男優賞を受賞し、同作の宣伝に向けて約15年ぶりに来日した際に『アフター6ジャンクション』で行われたラジオ独占インタビューではフレイザーのボイスオーバーを担当した[19][20]
堀内賢雄
聖なる狂気』で初担当。森川と並んで多く吹き替えている。フレイザーの代表作の一つである『ハムナプトラ』シリーズはテレビ放送(1作目は日本テレビ、2作目はフジテレビテレビ朝日、3作目はフジテレビ制作)版の吹き替えを務めた。

このほかにも、山寺宏一宮本充白熊寛嗣檀臣幸置鮎龍太郎東地宏樹宮内敦士なども声を当てている。

参照

[編集]
  1. ^ a b ブレンダン・フレイザー:プロフィール・作品情報・最新ニュース”. 映画.com. 2023年3月13日閲覧。
  2. ^ BBC - Films - Brendan Fraser”. BBC. 2008年2月27日閲覧。
  3. ^ : Upper Canada College
  4. ^ a b c d Ryoko, Oh (2022年9月7日). “うつ症状から復活。俳優ブレンダン・フレイザー、ヴェネツィア国際映画祭で6分間にわたる拍手喝采を受け涙”. Esquire. 2023年3月13日閲覧。
  5. ^ 「ハムナプトラ」のブレンダン・フレイザー、巨漢キャラでハリウッドに完全復活!?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS”. MOVIE WALKER PRESS. 2023年3月13日閲覧。
  6. ^ 【解説】製作費120億円のDC映画『バットガール』お蔵入り、撮影済みにも関わらず”. THE RIVER (2022年8月3日). 2023年3月13日閲覧。
  7. ^ a b Inc, Natasha. “【アカデミー賞速報】主演男優賞は「ザ・ホエール」のブレンダン・フレイザー”. 映画ナタリー. 2023年3月13日閲覧。
  8. ^ Nast, Condé (2018年2月22日). “Brendan Fraser on His Comeback, Disappearance, and the Experience that Nearly Ended His Career” (英語). GQ. 2022年9月7日閲覧。
  9. ^ ELLE (2018年2月23日). “ブレンダン・フレイザー、映画界から姿を消したのはセクハラを受けたせいだった”. ELLE. 2022年9月7日閲覧。
  10. ^ 朝倉健人 (2018年2月26日). “『ハムナプトラ』主演俳優、セクハラされてウツ状態に…ハリウッドから姿を消した理由”. シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/news/N0098729 2021年10月26日閲覧。 
  11. ^ America, Good Morning. “Brendan Fraser says he has his own #MeToo story” (英語). Good Morning America. 2022年9月7日閲覧。
  12. ^ Nast, Condé (2018年6月6日). “UPDATED: Brendan Fraser Says the HFPA Denied His Claims of Sexual Harassment” (英語). GQ. 2022年9月7日閲覧。
  13. ^ ブレンダン・フレイザー、セクハラ被害を冗談扱いされ怒り (2018年6月8日)”. エキサイトニュース. 2022年9月7日閲覧。
  14. ^ Nast, Condé (2022年11月18日). “ブレンダン・フレイザー、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされても授賞式に出席しない”. Vogue Japan. 2023年3月13日閲覧。
  15. ^ a b セクハラ被害を告白したブレンダン・フレイザー、新作で大飛躍のチャンス|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS”. MOVIE WALKER PRESS. 2023年3月13日閲覧。
  16. ^ “Mummy Star Brendan Fraser, Wife Split After Nine Years” (英語). US Magazine. (December 27, 2007). オリジナルの2008年4月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080421083536/http://www.usmagazine.com/brendan_fraser_wife_split_after_nine_years 2008年8月24日閲覧。 
  17. ^ “ブレンダン・フレイザー、結婚9年目で破局”. シネマトゥデイ. (2007年12月31日). https://www.cinematoday.jp/page/N0012411 2012年12月25日閲覧。 
  18. ^ 映画『センター・オブ・ジ・アース』ネタバレ解説|大人でも子供でも楽しめるアドベンチャー映画! | 動画配信サービス情報ならエンタミート
  19. ^ “4月18日(火)「アトロク」にオスカー俳優降臨!ブレンダン・フレイザー、ラジオ独占インタビューを放送! ボイスオーバーは、声優・森川智之が担当。”. 株式会社TBSラジオ (PR TIMES). (2023年4月17日). https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001057.000003392.html 2023年8月8日閲覧。 
  20. ^ “ブレンダン・フレイザーのラジオ独占インタビューがTBSラジオ「アトロク」で4月18日に放送! ボイスオーバーは声優・森川智之が担当”. 株式会社TBSラジオ (WEEKEND CINEMA). (2023年4月17日). https://weekend-cinema.com/47867/ 2023年8月8日閲覧。 

外部リンク

[編集]