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ニコラス・サントス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニコラス・サントス
選手情報
フルネーム ニコラス・アラウージョ・ディアス・ドス・サントス
国籍 ブラジルの旗 ブラジル
泳法 自由形バタフライ
大学 ブラジルの旗 サンタ・セシリア大学ポルトガル語版[1]
生年月日 (1980-02-14) 1980年2月14日(44歳)
生誕地 ブラジルの旗 サンパウロ州リベイラン・プレト
身長 191cm
獲得メダル
国際大会 1 2 3
世界選手権 0 3 1
世界短水路選手権 6 3 3
パンアメリカン競技大会 2 1 0
パンパシフィック選手権 0 1 0
南アメリカ競技大会 1 0 0
南アメリカ選手権 3 0 0
ユニバーシアード 1 1 2
ミリタリーワールドゲームズ 2 0 0
世界ミリタリー選手権 4 0 0
合計数 19 9 6
競泳 男子
ブラジルの旗 ブラジル
世界選手権
2015 カザン 50mバタフライ
2017 ブダペスト 50mバタフライ
2022 ブダペスト 50mバタフライ
2019 光州 50mバタフライ
世界短水路選手権
2012 イスタンブール 50mバタフライ
2014 ドーハ 4x50mメドレーリレー
2014 ドーハ 混合4x50mメドレーリレー
2018 杭州 50mバタフライ
2021 アブダビ 50mバタフライ
2022 メルボルン 50mバタフライ
2004 インディアナポリス 4x100mフリーリレー
2014 ドーハ 50mバタフライ
2016 ウィンザー 混合4x50mメドレーリレー
2004 インディアナポリス 50m自由形
2010 ドバイ 4x100mフリーリレー
2018 杭州 4x50mメドレーリレー
パンアメリカン競技大会
2007 リオデジャネイロ 4x100mフリーリレー
2011 グアダラハラ 4x100mフリーリレー
2007 リオデジャネイロ 50m自由形
パンパシフィック選手権
2010 アーバイン 50mバタフライ
南アメリカ競技大会
2014 サンティアゴ 4x100mメドレーリレー
南アメリカ選手権
2008 サンパウロ 50m自由形
2008 サンパウロ 50mバタフライ
2008 サンパウロ 4x100mフリーリレー
ユニバーシアード
2007 バンコク 50m自由形
2007 バンコク 50mバタフライ
2005 イズミル 50m自由形
2005 イズミル 50mバタフライ
ミリタリーワールドゲームズ
2015 聞慶 50m自由形
2015 聞慶 4x100mフリーリレー
世界ミリタリー選手権
2010 ヴァーレンドルフ 50m自由形
2010 ヴァーレンドルフ 50mバタフライ
2010 ヴァーレンドルフ 4x100mフリーリレー
2014 テネロ=コントラ 50mバタフライ
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ニコラス・アラウージョ・ディアス・ドス・サントス(Nicholas Araújo Dias dos Santos、1980年2月14日 - )は、ブラジルサンパウロ州リベイラン・プレト出身の元男子競泳選手。2022年世界短水路選手権英語版の50mバタフライを42歳303日で優勝し、史上最年長の競泳世界チャンピオンに輝いた選手である。これはギネス世界記録に掲載されている[2]。また、40歳を超えて世界選手権世界短水路選手権のメダルを獲得した唯一の選手であり、両大会の最年長メダリスト記録を保持している。

21歳でブラジル代表デビューを果たし、その後42歳まで代表で活躍。オリンピックのメダルを獲得することはできなかったが、世界選手権で銀3つを含む4個のメダル、世界短水路選手権で金6つを含む12個のメダルを獲得したほか、パンアメリカン競技大会パンパシフィック選手権などの国際大会でもメダルを獲得した。メイン種目の50mバタフライにおいては、世界短水路選手権で世界チャンピオンに4度輝き、世界選手権では優勝こそできなかったが銀メダルを3度獲得した。記録の面では、短水路で世界記録、長水路で繊維製水着(非高速水着)の世界最高記録をそれぞれ樹立し、現在は長水路と短水路の南米記録を保持している。また、50m自由形においては、オリンピックと世界選手権で準決勝に進出したほか、世界短水路選手権で銅メダル、パンアメリカン競技大会で銀メダルを獲得した。記録の面では、長水路でブラジル選手2人目の21秒台[3]、短水路で南米選手初の20秒台をそれぞれマークした。

経歴

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ダイビングスクールを経営している父アントニオ・カルロス・ディアス・マルティンス・ドス・サントスの影響で[4]、わずか3歳で水泳を始め[5]、6歳か7歳の頃には大会に出場して50m背泳ぎで優勝した[6]。若い頃はバスケットボールバレーボール格闘技サッカーなど、水泳以外のスポーツも経験した[7][6]。サッカーは13歳から14歳の間にボタフォゴFCの下部組織でプレーし、ポジションはストライカーだった[8]。水泳は18歳まで生まれ育ったリベイラン・プレトで訓練を受けていたが、その後はフラメンゴに移った[9]

2000-2001年ワールドカップ

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2001年1月、ストックホルムで開催されたワールドカップ英語版・第9戦に出場。50mバタフライで23秒92をマークし、1999年にフェルナンド・シェラー英語版が樹立した短水路南米記録を0秒02更新した[10]

2001年世界選手権

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2001年7月、福岡で開催された世界選手権においてブラジル代表デビューを果たした[11]。大会では50mの自由形とバタフライに出場したが、ともに予選敗退に終わった[12][13]

2001-2002年ワールドカップ

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2001年11月、リオデジャネイロで開催されたワールドカップ英語版・第1戦に出場。50mバタフライで23秒82でマークし、自身の持つ短水路南米記録(23秒92)を更新した[14]

2001-2002年ワールドカップ

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2002年1月、ベルリンで開催されたワールドカップ英語版・第9戦に出場。50mバタフライで23秒41の短水路南米記録を樹立した[15][16]

2004年ホセ・フィンケル杯

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2004年9月、ホセ・フィンケル杯(José Finkel Trophy)の4×50mフリーリレーで21秒32をマークし、2002年にアルゼンチンのホセ・メオランス英語版が樹立した短水路南米記録(21秒36)を更新した[17]。この記録は2008年にセーザル・シエロが同タイムをマークして、共同の短水路南米記録となった[18]

2004年世界短水路選手権

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2004年10月、インディアナポリスで開催された世界短水路選手権に出場。第4泳を務めた4×100mフリーリレー決勝において、チーム唯一の47秒台となる47秒45で泳ぎ、ブラジルの銀メダル獲得に貢献した(優勝したアメリカと2秒77差)[19]。50m自由形決勝では、マーク・フォスター(21秒58)、ステファン・ニストランド(21秒66)に次ぎ、ニック・ブルネッリ英語版と同タイム(21秒71)の3位に入り、この種目では1995年リオデジャネイロ大会フェルナンド・シェラー英語版以来、9年ぶりブラジル人2人目のメダリストとなった[20][21]

2005年ユニバーシアード

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2005年8月、イズミルで開催されたユニバーシアードに出場し、50m自由形とバタフライで銅メダルを獲得した。50m自由形は史上3人目のブラジル人メダリスト、2001年北京大会から実施されている50mバタフライではブラジル人初のメダリストに輝いた[22]

2007年パンアメリカン競技大会

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2007年パンアメリカン競技大会のセーザル・シエロ(右)とサントス

2007年7月、自国開催(リオデジャネイロ)のパンアメリカン競技大会に出場。4×100mフリーリレーは予選のみの出場に終わったが(第2泳で50秒59をマーク)、ブラジルは金メダルを獲得したため予選を泳いだサントスもメダルを手にした[23][24]。50m自由形は予選で22秒20をマークし、1999年ウィニペグ大会英語版フェルナンド・シェラー英語版が樹立した大会記録(22秒22)を塗り替えたが[25]、準決勝でサントスが22秒42とタイムを落とす中、セーザル・シエロがサントスの記録を塗り替える22秒18をマークした[26]。決勝でシエロは南米人として初めて22秒の壁を破る21秒84をマークして優勝し、サントスは予選の記録を縮める22秒18をマークするも銀メダルに終わった[27][28]

2007年ユニバーシアード

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2007年8月、バンコクで開催されたユニバーシアードに出場し、50mバタフライで銀メダル、50m自由形で金メダルを獲得した。50m自由形は22秒12の大会記録(当時)で優勝し[29]、この種目では1995年福岡大会フェルナンド・シェラー英語版以来12年ぶり、ブラジル人2人目のチャンピオンに輝いた[22]

2008年オリンピック

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2008年8月、北京で開催されたオリンピックに出場しオリンピックデビューを果たした。昨年のパンアメリカン競技大会で銀メダルを獲得し出場権を得た50m自由形は、予選を自己ベスト(当時)の22秒00で突破したが、準決勝ではスタート前に水着が破れるアクシデントもあり、22秒15とタイムを落とし最下位に終わった[30][31][32]

2009年世界選手権

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2009年7-8月、ローマで開催された世界選手権に出場。50mバタフライ予選で23秒23をマークし、2つ前の組でベネズエラのアルベルト・スビラッツ英語版が樹立した南米記録に並んだ[注釈 1][33]。準決勝では1組目で泳いだスビラッツが南米記録を23秒05に更新したが、2組目で泳いだサントスがその記録を23秒00に更新した。全体3位で準決勝を突破したサントスは決勝でも23秒00の南米タイ記録を樹立したが、メダルに0秒12及ばず5位に終わった[34]

2009年ホセ・フィンケル杯

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2009年9月、ホセ・フィンケル杯(José Finkel Trophy)の50mバタフライで22秒87をマークし、自身の持つ南米記録(23秒00)を更新した[35]。また、この記録はアメリカ大陸記録でもあったが、2012年にセーザル・シエロによって22秒76に塗り替えられた[36]

2009年ワールドカップ

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2009年11月、ベルリンで開催されたワールドカップ英語版・第4戦に出場し、50mの自由形とバタフライで短水路南米記録を樹立した。50mバタフライは予選で22秒42をマークし、カイオ・アルメイダ英語版の持つ短水路南米記録を0秒02更新すると、決勝では予選の記録を更に縮める22秒17をマークした[37][38]。50m自由形は予選で20秒90をマークし、自身とセーザル・シエロの持つ短水路南米記録(21秒32)を塗り替えるとともに、21秒の壁を破る初の南米選手となった[39]。決勝では20秒74と予選の記録を更に縮めた[40]シンガポールで開催された第5戦の50mバタフライでは22秒16をマークし、1週間前に樹立した短水路南米記録を0秒01更新した[41][42]。なお、50m自由形の短水路南米記録は、2010年にセーザル・シエロによって20秒61に塗り替えられた[43]

2010年世界短水路選手権

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2010年12月、ドバイで開催された世界短水路選手権に出場。4×100mフリーリレーで第1泳を務めると、第2泳のセーザル・シエロ、第3泳のマルセロ・シエリギニ、第4泳のニコラス・オリベイラ英語版と共に予選で3分08秒71をマークし、1998年にブラジルが樹立した3分10秒45の短水路南米記録(当時の短水路世界記録)を更新して決勝に進出した[44]。予選と同じメンバーで臨んだ決勝では予選の記録を更に縮める3分05秒74をマークし[45]、優勝したフランスと2位のロシアにそれぞれに0秒96と0秒92及ばなかったものの、ネイサン・エイドリアンライアン・ロクテ擁するアメリカを0秒36抑え銅メダルを獲得した[46]。50mバタフライは予選で大会記録(22秒70)を上回る22秒64をマークし、シュテフェン・ダイブラー英語版(22秒57)に次ぐ2位で決勝に進出した。迎えた決勝では準決勝の記録を更に縮める22秒45をマークしたが、アルベルト・スビラッツ英語版(22秒40)、アンドリー・ゴボロフ英語版(22秒43)、シュテフェン・ダイブラー(22秒44)に次ぐ4位に終わり、わずか0秒01差でメダルを逃した[47]

ドーピング検査で陽性反応

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2011年5月のマリア・レンク杯(Maria Lenk Trophy)で行われたドーピング検査において、セーザル・シエロヴィニシウス・ワケド英語版エンリケ・バルボサ英語版と共に禁止薬物のフロセミドが検出された。検査結果は汚染されたサプリメントによるものだと主張した4人に対し、ブラジル水泳連盟は警告を与えるにとどめたが、これを不服とした世界水泳連盟は警告ではなく資格停止処分に変更することを求めてスポーツ仲裁裁判所に控訴した[48]。しかし控訴は棄却され、ヴィニシウス・ワケドだけは2度目の違反だったため1年間の資格停止処分を受けた[49]

2012年オリンピック

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2012年7-8月、ロンドンで開催されたオリンピックに出場。2大会連続の出場となった今大会では4×100mフリーリレーのみに出場し、予選で第3泳を務めたが、ブラジルは決勝進出に0秒36及ばず9位に終わった[50]

2012年世界短水路選手権

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2012年12月、イスタンブールで開催された世界短水路選手権に出場。50mバタフライにおいて、予選22秒40、準決勝22秒23、決勝22秒22と3レース連続で大会記録を樹立し[注釈 2]チャド・ルクロスを0秒04抑え自身初の世界選手権タイトルを獲得した[51]。また、この種目でのブラジル人メダリストは、2006年上海大会で銅メダルを獲得したカイオ・アルメイダ英語版しかおらず、サントスはブラジル人2人目のメダリスト、ブラジル人初のチャンピオンに輝いた[52]

2013年世界選手権

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2013年7-8月、バルセロナで開催された世界選手権に出場。50mバタフライの準決勝を今季世界最高記録となる22秒81で突破するも、決勝では23秒21とタイムを落とし、セーザル・シエロ(23秒01)、ユージン・ゴッドソー英語版(23秒05)、フレデリック・ブスケ英語版(23秒11)に次ぐ4位に終わり、長水路の世界選手権メダルを0秒10差で逃した[53][54]

2013年ワールドカップ

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2013年11月、北京で開催されたワールドカップ英語版・第8戦に出場。50mバタフライで22秒13をマークし、自身の持つ短水路南米記録(22秒16)を更新した[42]

2014年世界短水路選手権

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2014年12月、ドーハで開催された世界短水路選手権に出場。今大会から実施された4×50mメドレーリレーと混合4×50mメドレーリレーで金メダル、50mバタフライで銀メダルを獲得した。4×50mメドレーリレーでは決勝の第3泳者の中で最速となる21秒68で泳ぎ、第1泳のギリェルメ・ギド英語版、第2泳のフェリペ・フランサ・ダ・シルヴァ英語版、第4泳のセーザル・シエロと共に、ロシアが予選で樹立した短水路世界記録(1分32秒78)を更新する1分30秒51をマークし、フランスを0秒74抑えて初代チャンピオンに輝いた[55]。なお、この短水路世界記録は2017年にロシアによって1分30秒44に塗り替えられた[56]。4×50mメドレーリレー決勝の約2時間後には混合4×50mメドレーリレー決勝で第3泳を務めると、先を泳ぐ女子選手たちを追い抜き順位を5位から1位に押し上げ[注釈 3]、第1泳のエティエネ・メデイロス英語版、第2泳のフェリペ・フランサ・ダ・シルヴァ、第4泳のラリサ・オリベイラ英語版と共に1分37秒26の短水路南米記録を樹立し、アメリカの持つ短水路世界記録(1分37秒17)に迫る好タイムで金メダルを獲得した[57]ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ50mバタフライは、決勝で自身の持つ短水路南米記録(22秒13)を更新する22秒08をマークするも、準決勝でサントスの持つ大会記録(22秒22)を22秒20に塗り替え、決勝でも21秒95に大会記録を縮めたチャド・ルクロスに0秒13及ばず連覇を逃した[58][59]

2015年世界選手権

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2015年カザン世界選手権のメダルセレモニー(一番左)

2015年8月、カザンで開催された世界選手権の50mバタフライに出場。2大会連続3度目の決勝に進出すると、決勝ではフローラン・マナドゥ(22秒97)に0秒12及ばず優勝は逃すも、長水路の世界選手権では自身初のメダルとなる銀メダルを獲得した[60]。35歳5カ月20日でメダルを獲得したサントスは、2005年モントリオール大会男子50m平泳ぎの金メダルを35歳5カ月12日で獲得したマーク・ヴァルネッケ英語版を上回り、世界選手権の最年長メダリストとなった[61]

2016年世界短水路選手権

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2016年12月、ウィンザーで開催された世界短水路選手権に出場。混合4×50mメドレーリレーにおいて、決勝の第3泳者の中で唯一の男子選手であるサントスは21秒93で泳ぎ、6位から1位に順位を押し上げた。最終的にブラジルはアメリカに0秒52及ばず連覇は逃したが、2大会連続のメダルとなる銀メダルを獲得した[62]

2017年マリア・レンク杯

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2017年5月、マリア・レンク杯(Maria Lenk Trophy)の50mバタフライで22秒61をマークし、セーザル・シエロの持つ南米記録(22秒76)を5年ぶりに更新した。また、これはラファエル・ムニョスが2009年に高速水着で樹立した世界記録(22秒43)に次ぐ歴代2位の記録であり、繊維製水着の記録としては世界最高記録となった[63][64]。なお、繊維製水着の世界最高記録は、2018年にアンドリー・ゴボロフ英語版によって22秒53に塗り替えられた[65]

2017年世界選手権

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2017年7月、ブダペストで開催された世界選手権の50mバタフライに出場。3大会連続4度目の決勝に進出すると、決勝ではベン・プラウド(22秒75)に0秒04及ばず惜しくも優勝は逃したが、2大会連続となる銀メダルを獲得した[66]。37歳5カ月10日でメダルを獲得したサントスは、自身の持つ世界選手権の最年長メダリスト記録を更新した[61]

2018年ワールドカップ

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2018年9月、ワールドカップ英語版・第3戦(アイントホーフェン)の50mバタフライで自己ベストタイ記録及び短水路南米タイ記録となる22秒08をマークすると、1週間後の第4戦(ブダペスト)の50mバタフライで21秒75をマークし、シュテファン・デイブラー英語版が2009年に高速水着で樹立した短水路世界記録(21秒80)を更新した。また、これによりサントスは、シュテファン・デイブラー、ローランド・スクーマンチャド・ルクロスに次いで、22秒の壁を破る史上4人目の選手となった[67]。なお、この記録は、2021年にセバスティアン・サボー英語版が同タイムをマークしたため共同の短水路世界記録となったが[68]、2024年にノエ・ポンティ英語版が21秒67に塗り替えて短水路世界記録ではなくなった[69]。また、同年にイリア・カルン英語版が21秒67をマークしたため短水路アメリカ大陸記録でもなくなった[70]

2018年世界短水路選手権

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2018年12月、杭州で開催された世界短水路選手権英語版に出場。第3泳を務めた4×50mメドレーリレーで銅メダル獲得に貢献した。4×50mメドレーリレー決勝の約40分後には50mバタフライ決勝で21秒81の大会記録(当時)を樹立し、前大会記録保持者のチャド・ルクロスを0秒16抑え、この種目で6年ぶりに世界選手権タイトルを獲得した[71]。38歳のサントスは史上最年長の競泳世界チャンピオンとなった[72]

2019年チャンピオンズスイムシリーズ

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2019年5月、ブダペストで開催されたチャンピオンズスイムシリーズ・第2戦の50mバタフライにおいて、自身の持つ世界歴代3位の記録[注釈 4]、アメリカ大陸記録、南米記録を0秒01更新する22秒60をマークした[73][74]。このアメリカ大陸記録は2か月ほどしか持たず、7月の世界選手権ケーレブ・ドレッセルによって22秒57に塗り替えられた[75]

2019年世界選手権

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2019年7月、世界水泳連盟からの招待により、光州で開催された世界選手権の50mバタフライに出場した。今大会のブラジル水泳連盟の代表選考はオリンピック実施種目だけだったため、オリンピックで実施されない50mバタフライのサントスは代表に選出されていなかったが、今年のチャンピオンズスイムシリーズ3大会全て優勝、今季世界最高記録の22秒60をマークしていることなどが評価され、世界水泳連盟から招待を受けての出場が実現した[76]。また、今大会で長水路の世界選手権に7度目の出場を果たしたサントスは、ブラジル選手の最多出場記録を更新した[77]。サントスは予選を11位(23秒48)、準決勝を2位(22秒77)で突破し、4大会連続5度目の決勝に進出した。準決勝で今季世界最高及び大会記録(22秒57)をマークしたケーレブ・ドレッセルが決勝で22秒35と更に記録を縮めて優勝する中、2位のオレグ・コスティン英語版(22秒70)に次ぐ3位(22秒79)に入り、前回大会より順位は落としたものの3大会連続となるメダルを獲得した[78]。39歳のサントスは自身の持つ世界選手権の最年長メダリスト記録を更新した[79]

2021年世界短水路選手権

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2021年12月、アブダビで開催された世界短水路選手権英語版に出場。連覇のかかった50mバタフライは準決勝を2位(22秒12)突破すると、決勝では16歳年下のディラン・カーター(21秒98)を0秒05抑えて優勝し、この種目で自身3度目の世界選手権タイトルを獲得した[80]。41歳のサントスは自身の持つ競泳世界チャンピオンの最年長記録を更新するとともに[72]、40歳を超えて世界短水路選手権のメダルを獲得した初の選手となった[81]

2022年世界選手権

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2022年6月、ブダペストで開催された世界選手権の50mバタフライに出場。予選は13位(23秒46)、準決勝はギリギリ8位(23秒04)での突破となったが、決勝ではケーレブ・ドレッセル(22秒57)に次ぐ2位に入り、0秒21差で優勝は逃したものの4大会連続となるメダルを獲得した[82]。サントスは自身の持つ世界選手権の最年長メダリスト記録を42歳125日に更新するとともに[79][83]、40歳を超えて世界選手権のメダルを獲得した初の選手となった[81]。また、今大会でサントスは世界選手権に出場した史上最年長の選手となったが、この記録は2023年福岡大会に43歳で出場したローランド・スクーマンによって塗り替えられた[83][84]

2022年世界短水路選手権

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2022年12月、メルボルンで開催された世界短水路選手権英語版の50mバタフライに出場。予選を14位(22秒46)、準決勝を4位(22秒08)で突破すると、決勝では自身の持つ大会記録(21秒81)を更新する21秒78をマーク。21歳年下のノエ・ポンティ英語版(21秒96)と16歳年下のセバスチャン・サボ英語版(21秒98)を抑え、自身とセバスチャン・サボが持つ短水路世界記録(21秒75)に0秒03差と迫る好タイムで自身4度目の優勝[85]、この種目で史上初の3連覇を飾った[86]。また、42歳のサントスは、自身の持つ競泳世界チャンピオンと世界短水路選手権メダリストの最年長記録を更新した[87][88]。金メダルを獲得した後に「これが私のキャリア最後のレースだ」と語り[注釈 5]、現役を引退した[89]

現役引退後

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引退宣言したものの完全に泳ぐのをやめてはおらず、2023年と2024年にメキシコで開催された大会の50mバタフライに出場し、マイケル・アンドリュー英語版ディラン・カーターを破って優勝[90][91]、2024年にマスターズ水泳デビューを果たし、50mバタフライで40-44歳のマスターズ世界記録を樹立するなどしている[92]

人物

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受賞

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成績

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世界大会

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世界水泳連盟ウェブサイトなど参照[101]

大会 場所 種目 結果 記録 泳順 備考
ブラジルの旗 ブラジル代表
2001 世界選手権 福岡 50m自由形 予選30位 23秒04
50mバタフライ 予選28位 24秒83
2002 世界短水路選手権 モスクワ 50m自由形 予選23位 22秒52
50mバタフライ 準決勝13位 24秒15
2003 世界選手権 バルセロナ 50mバタフライ 予選40位 25秒15
2004 世界短水路選手権 インディアナポリス 50m自由形 銅メダル 21秒71
100m自由形 8位 48秒88
4x100mフリーリレー 銀メダル 3分12秒73 4泳
2005 ユニバーシアード イズミル 50m自由形 銅メダル 22秒44
50mバタフライ 銅メダル 23秒98
2006 世界短水路選手権 上海 50m自由形 7位 21秒90
50mバタフライ 予選21位 24秒19
4x100mフリーリレー 5位 3分12秒68 4泳
2007 ユニバーシアード バンコク 50m自由形 金メダル 22秒12 CR
50mバタフライ 銀メダル 23秒74
2008 オリンピック 北京 50m自由形 準決勝16位 22秒15
2009 世界選手権 ローマ 50m自由形 準決勝10位 21秒69
50mバタフライ 5位 23秒00 AR
2010 世界ミリタリー選手権 ヴァーレンドルフ 50m自由形 金メダル 22秒58
50mバタフライ 金メダル 23秒42
4x100mフリーリレー 金メダル 3分21秒72
世界短水路選手権 ドバイ 50m自由形 準決勝13位 21秒43
50mバタフライ 4位 22秒45
4x100mフリーリレー 銅メダル 3分05秒74 1泳 AR
2012 オリンピック ロンドン 4x100mフリーリレー 予選9位 3分16秒14 3泳
世界短水路選手権 イスタンブール 50m自由形 予選6位 21秒50
50mバタフライ 金メダル 22秒22 CR
2013 世界選手権 バルセロナ 50mバタフライ 4位 23秒21
4x100mメドレーリレー 予選12位 3分36秒31 3泳
2014 世界ミリタリー選手権 テネロ=コントラ英語版 50mバタフライ 金メダル 23秒59
世界短水路選手権 ドーハ 50mバタフライ 銀メダル 22秒08
100mバタフライ 準決勝14位 50秒79
4x50mメドレーリレー 金メダル 1分30秒51 3泳 WR
混合4x50mメドレーリレー 金メダル 1分37秒26 3泳 AR
2015 世界選手権 カザン 50mバタフライ 銀メダル 23秒09
ミリタリーワールド
ゲームズ
英語版
聞慶 50m自由形 8位 23秒15
50mバタフライ 金メダル 23秒30
100mバタフライ 6位 53秒70
4x100mフリーリレー 金メダル 3分18秒56 3泳 CR
2016 世界短水路選手権 ウィンザー 50m自由形 予選32位 21秒95
50mバタフライ 準決勝9位 22秒82
混合4x50mメドレーリレー 銀メダル 1分37秒74 3泳
2017 世界選手権 ブダペスト 50mバタフライ 銀メダル 22秒79
2018 世界短水路選手権英語版 杭州 50mバタフライ 金メダル 21秒81 CR
4x50mメドレーリレー 銅メダル 1分31秒49 3泳
4x100mメドレーリレー 4位 3分22秒00 3泳
混合4x50mメドレーリレー 予選9位 1分39秒24 3泳
2019 世界選手権 光州 50mバタフライ 銅メダル 22秒79
2021 世界短水路選手権英語版 アブダビ 50mバタフライ 金メダル 21秒93
4x100mメドレーリレー 予選4位 3分26秒30 3泳 [注釈 6]
混合4x50mメドレーリレー 予選10位 1分41秒44 3泳
2022 世界選手権 ブダペスト 50mバタフライ 銀メダル 22秒78
世界短水路選手権英語版 メルボルン 50mバタフライ 金メダル 21秒78 CR
4x50mフリーリレー 8位 1分26秒34 3泳
CR=大会記録、WR=世界記録、AR=南米記録

記録

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樹立した世界記録

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水路 種目 記録 泳順 日付 大会 場所 脚注
短水路 4x50mメドレーリレー 1分30秒51 3泳 2014年12月4日 世界短水路選手権 ドーハ [55]
短水路 50mバタフライ 21秒75 2018年10月6日 ワールドカップ英語版 ブダペスト [67]

樹立した南米記録(個人種目)

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水路 種目 記録 日付 大会 場所 脚注
短水路 50mバタフライ 23秒92 2001年1月25日 ワールドカップ英語版 ストックホルム [10]
短水路 50mバタフライ 23秒82 2001年11月17日 ワールドカップ英語版 リオデジャネイロ [14]
短水路 50mバタフライ 23秒41 2002年1月26日 ワールドカップ英語版 ベルリン [15][16]
短水路 50m自由形 21秒32 2004年9月10日 ホセ・フィンケル杯 サントス [17]
長水路 50mバタフライ 23秒23 2009年7月26日 世界選手権 ローマ [33]
長水路 50mバタフライ 23秒00 2009年7月26日 世界選手権 ローマ [34]
長水路 50mバタフライ 23秒00 2009年7月27日 世界選手権 ローマ [34]
長水路 50mバタフライ 22秒87 2009年9月4日 ホセ・フィンケル杯 パリョサ英語版 [35]
短水路 50mバタフライ 22秒42 2009年11月14日 ワールドカップ英語版 ベルリン [37]
短水路 50mバタフライ 22秒17 2009年11月14日 ワールドカップ ベルリン [38]
短水路 50m自由形 20秒90 2009年11月15日 ワールドカップ ベルリン [39]
短水路 50m自由形 20秒74 2009年11月15日 ワールドカップ ベルリン [40]
短水路 50mバタフライ 22秒16 2009年11月21日 ワールドカップ シンガポール [41][42]
短水路 50mバタフライ 22秒13 2013年11月13日 ワールドカップ英語版 北京 [42]
短水路 50mバタフライ 22秒08 2014年12月6日 世界短水路選手権 ドーハ [58]
長水路 50mバタフライ 22秒61 2017年5月3日 マリア・レンク杯 リオデジャネイロ [63]
短水路 50mバタフライ 22秒08 2018年9月 ワールドカップ英語版 アイントホーフェン [67]
短水路 50mバタフライ 21秒75 2018年10月 ワールドカップ ブダペスト [67]
長水路 50mバタフライ 22秒60 2019年5月11日 チャンピオンズスイムシリーズ ブダペスト [73]

自己ベスト

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世界水泳連盟ウェブサイト参照[101]

種目 記録 日付 大会 場所 備考
長水路
50m自由形 21秒69 2009年7月31日 世界選手権 ローマ
100m自由形 49秒11 2011年5月3日 マリア・レンク杯 リオデジャネイロ
50mバタフライ 22秒60 2019年5月11日 チャンピオンズスイムシリーズ ブダペスト 元アメリカ大陸記録
南米記録
100mバタフライ 52秒31 2015年12月17日 ブラジルオープン パリョサ英語版
短水路
50m自由形 20秒74 2009年11月15日 ワールドカップ英語版 ベルリン 元南米記録
100m自由形 47秒31 2013年11月9日 ワールドカップ英語版 東京
50mバタフライ 21秒75 2018年10月6日 ワールドカップ英語版 ブダペスト 元世界記録
元アメリカ大陸記録
南米記録
100mバタフライ 49秒87 2020年11月9日 ISL ブダペスト

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 大会前の南米記録はセーザル・シエロの23秒42。
  2. ^ 予選の22秒40はタイ記録
  3. ^ 決勝で第3泳者に男子選手を起用したのはブラジル、ドイツ、ウクライナの3チームだけで、第2泳者が泳ぎ切った時点での順位はウクライナが6位、ドイツが7位だった。
  4. ^ アンドリー・ゴボロフ英語版(22秒27)、ラファエル・ムニョス(22秒43)に次いで。
  5. ^ 正確に言えばこれが最後のレースではなく、翌日の4×50mフリーリレーの予選と決勝にも出場した。
  6. ^ 予選のみ出場。決勝のブラジルは3分23秒57で4位。

出典

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外部リンク

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