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ニック・カーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

“ニック”ニコラス・ハンティントン・カーター(Nicholas Huntington "Nick" Carter)はアメリカで多くの作家によって書き継がれてきた架空の探偵、スパイ。別名はキルマスター

単独の作家の手によるものではなく、19世紀末から現代にかけて多くの作家がニコラス・カーターその他のペンネームで創作を続けている。そのため、当初は探偵として描かれていたが、次第に冒険活劇のヒーローとなり、1960年代からはスパイとして活躍している。

初出は「ニューヨーク・ウィークリー」誌(1886年9月18日号)の「老探偵の弟子、あるいはマディソン・スクエアの謎めいた事件(The Old Detective's Pupil; or, The Mysterious Crime of Madison Square)」。これはストリート&スミス社の社長であったオーモンド・G・スミスの依頼で、ジョン・ラッセル・コリエルが書いたものである。たちまち人気を博し、ラッセルはこの後2編しか書かなかったが、スミスは他の作家にも執筆を依頼して1915年には単独タイトルのパルプ・マガジン「ニック・カーター・ウィークリー(Nick Carter Weekly)」誌が出版されるようにまでなった。

カーターの登場する小説は1950年代を通じて執筆され続け、1943年から1955年にかけて「探偵ニック・カーター(Nick Carter, Master Detective)」としてラジオドラマ化された。

1915年までに少なくとも1261冊が出版されたらしい。探偵ニック・カーターの代表作は、1899年の短編集「The Detective's Pretty Neighbor」とされ、この短編集はエラリー・クイーンの手によって発掘されて再評価された。

1960年代007ことジェームズ・ボンドシリーズの成功をみて、ニック・カーターはスパイ・キルマスター(Killmaster)として新たな冒険小説シリーズの主人公として生まれかわった。

キルマスター・シリーズの第一作「走れスパイ(Run Spy Run)」は1964年に発表され、それ以降1990年まで260編以上の作品が書かれた。

人物

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両方共ニック・カーター本人。

探偵

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老探偵ジム・カーターの息子。

変装を得意とし、シャーロック・ホームズと同様に論理的思考によって事件を解決する。

スパイ

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アメリカ合衆国の国益維持のための秘密機関「AXE」(斧の意もある)に所属するスパイ・N3号。政府から殺人許可証を発行されている4人のキルマスターの一人。

無類のプレイボーイで、愛用の拳銃はルガーP08。ナイフ術の名手でもある。

作品

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探偵ニック・カーター作品

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  • 『老探偵の弟子』 The Old Detective's Pupil; or, The Mysterious Crime of Madison Square (1886年) - 探偵ニックの第一長編
  • 『探偵の美しき隣人』 The Detective's Pretty Neighbor (1899年) - 短編集
    • 「髪ひとすじ」By a Single Hair (1886年) - 短編
    • ディキンソン夫人の秘密(宝石を盗む淑女)」 The Mystery of Mrs. Dickinson (1886年) - 短編
  • 『魔法の殺人』 The Case Of Murder By Magic - ラジオドラマの小説化
  • 『青いミンク』 The Blue Mink - 同上
  • 『二重変装』 Double Disguise - 同上
  • 『不本意な加担』 The Unwilling Accomplice  - 同上
  • 『死せる目撃者』 Dead Witnesses  - 同上

スパイ(キルマスター)ニック・カーター作品

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  • 『キルマスター2 -走れスパイ』 Run, Spy, Run (1964年):ハヤカワ・ミステリ990 - キルマスター第一長編。
  • キルマスター3  龍のスパイ』 The China Doll (1964年):ハヤカワ・ミステリ1002 - キルマスター第二長編。
  • 『キルマスター11 -リオ撃破』 Checkmate in Rio (1964年):ハヤカワ・ミステリ1243 - キルマスター第三長編。
  • 『キルマスター4 -13番目のスパイ』 The 13th Spy (1965年):ハヤカワ・ミステリ1015 - キルマスター第八長編[注釈 1]
  • 『キルマスター1 -スパイの城』 Spy Castle  (1966年):ハヤカワ・ミステリ989 - 邦題は「キルマスター1」だが、キルマスター第12長編[注釈 2]
  • 『キルマスター8 -海賊スパイ』 The Judas Spy (1968年):ハヤカワ・ミステリ1152
  • 『キルマスター6 -死の頭巾』 Hood of Death (1968年):ハヤカワ・ミステリ1112
  • 『アムステルダムの死 キルマスター』 Amsterdam (1968年)::久保書店QTブックス
  • 『キルマスター5 -地獄へ14秒』 14 Seconds to Hell (1968年):ハヤカワ・ミステリ1085
  • 『キルマスター7 -黄金スパイ』 Rhodesia (1968年):ハヤカワ・ミステリ1126
  • 『キルマスター9 -ハイジャック』 Time Clock of Death :ハヤカワ・ミステリ
  • 『キルマスター10 -遠隔スパイ』 The Mind Killers :ハヤカワ・ミステリ

脚注

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注釈

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  1. ^ 間の4作が日本語未訳
  2. ^ 間の3作が日本語未訳

出典

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関連項目

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