ヌセルト数
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ヌセルト数(ヌセルトすう、英: Nusselt number :Nu )はドイツの ヴィルヘルム・ヌセルトに因む無次元量で、伝熱の分野で、対流による熱伝達と流体(静止している流体)の熱伝導の比率を示す。対流が生じていなければ Nu = 1 である。
定義
[編集]ヌセルト数は次で定義される:
利用法
[編集]自然対流
[編集]→「対流」も参照
となることが予想される[要出典]。実験的にはRa > 105 の条件において
で近似できることが確かめられている。
強制対流
[編集]強制対流熱伝達の場合、熱伝達率αは以下の物理量などの影響を受ける:
- L :代表長さ [m]
- U :代表速さ [m/s]
- Tw :物体の表面温度 [K]
- T∞ :流体の温度 [K]
- ρ :流体の密度 [kg/m3]
- η :流体の粘度 [Pa s]
- λ :流体の熱伝導率 [J/(m s K)]
- cp :流体の比熱 [J/(kg K)]
- β :流体の体膨張係数 [1/K]
これを無次元数の関係式にすると、ヌセルト数Nu はレイノルズ数Re 、プラントル数Pr 、グラスホフ数Gr 、エッカート数Ec 、無次元温度Tw / T∞ の関数で表される[1]:
たとえば、平板と、それに平行に流れる一様な流れの間の熱伝達は
という関係で表される[2]。ただし、レイノルズ数の代表長さと代表速度には、平板先端からの距離および一様流の速度をとる。
また、球体が一様な流れの中にある場合、次のランツ・マーシャル(Ranz-Marshall)の式が成り立つ[2][注 1]。
脚注
[編集]- ^ 条件についてはRe < 200, Pr < 250という記述もある。
参考文献
[編集]- ^ 望月貞成、村田章『伝熱工学の基礎』日新出版、1994年。ISBN 4-8173-0166-X。
- ^ a b 谷口尚司; 八木順一郎『材料工学のための移動現象論』東北大学出版会、2001年、48頁。ISBN 4-925085-44-1。
関連項目
[編集]- シャーウッド数 - 物質移動係数を無次元化したもので、ヌセルト数と類似の相関式が成り立つ。