ネイティブダンサー (サカナクションの曲)
「ネイティブダンサー」 | |||||
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サカナクションの楽曲 | |||||
収録アルバム | 『シンシロ』 | ||||
リリース | 2009年01月07日 | ||||
規格 | デジタルダウンロード | ||||
録音 | 2008年 | ||||
ジャンル | テクノポップ、ダンス、ロック | ||||
時間 | 4分25秒 | ||||
レーベル | Victor Entertainment | ||||
作詞者 | 山口一郎 | ||||
プロデュース | サカナクション | ||||
サカナクション 先行配信曲 年表 | |||||
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ミュージックビデオ | |||||
「ネイティブダンサー」 - YouTube |
「ネイティブダンサー」(英語: Native Dancer)はサカナクションの楽曲。2009年1月7日に、3rdアルバム『シンシロ』からデジタルシングルとしてリリースされ[1]、児玉裕一監督によるミュージックビデオは、2010年SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDSでBEST CONCEPTUAL VIDEO賞を受賞した。
2010年、この曲はシングル「アルクアラウンド」に収録するために、エレクトロニックミュージシャンのレイ・ハラカミによってリミックスされた。これは、2011年7月に亡くなるハラカミの遺作の1つとなった[2]。
制作背景
[編集]北海道に拠点を置いていたサカナクションは2枚のアルバムをビクターのサブレーベルであるBabeStar Labelでリリースした後、サカナクションはHIP LAND MUSICと所属契約を結び、2008年春に北海道から東京に移り[3]、ビクターのメインレーベルに加わった[4]。アルバムは主に神奈川県川崎市にあったボーカル 山口一郎のアパートでバンドメンバーによって作成され[5]、12月、サカナクションは初のCDシングル『セントレイ』をリリース、それが初のビルボードトップ40リリースになった[6][7]。
楽曲構成
[編集]ヴァース‐コーラス形式、DキーのメジャーキーとBキーのマイナーキーで同時に録音されている[8]テンポは130 BPMに設定され、曲の長さは4分25秒。歌はピアノのインストゥルメンタルによるG6-Asus4-Bm7の進行で始まり、アウトロがインストルメンタルコーダで終わるまで、ヴァース・コーラスともに一定している。
歌詞は、思い出を冬の花に例え、恋愛を悲しげに振り返る主人公を表現している。
制作過程
[編集]ビクターエンタテインメントからの初のCDアルバム『シンシロ』の制作において、山口は各メンバー個別にデモ曲作成へ取り組むよう依頼し、その後録音を行った。『ネイティブダンサー』は山口だけで手がけた楽曲だった[4]。山口は、ピアノに裏打ちされたボーカルから始まり、テクノポップへと発展し、スタジオとライブでパフォーマンスの違いを表現できる楽曲を作ろうとしていた[9]。曲を作るにあたって山口は久石譲にインスピレーションを受け、4コードピアノの導入を中心に構築した[10]。山口にとってこの歌はサカナクションの歌ではなく自分自身の歌であり、バンドの他のメンバーはインプット不足で単に演奏を行っているだけで、山口がサカナクションを結成する前にDJとして活動していたときのようだと感じた[9]。
発表
[編集]この曲は『シンシロ』のプロモーショントラックとして[11]、2008年月中旬からアダルト・コンテンポラリー・ミュージック(AC)を扱うラジオ番組で放送された[12]。全国放送では1月初旬にピークに達し、ACの中では最も成功した歌となったが、バンドの出身地である北海道では、その時から在京キー局からの放送を行い始めた[13][14][15]。北海道でのラジオへのリクエストとプレイ数、シングルでの販売数を調査したFMノースウェーブのSAPPORO HOT 100では、2月中旬に2週間連続3位だった[16]。
2010年にはレイ・ハラカミによって『ネイティブダンサー(rei harakami へっぽこre-arrange)』としてリミックスされ、バンドの次のシングルである『アルクアラウンド』(2010年)のカップリングとしてリリースされた[17]。山口は、レコード店で働いている間に彼のアルバム『Lust』(2005年)に出会い、ハラカミのファンになり、サカナクションのメンバーがシングル『アルクアラウンド』でのリミックスを議論したとき、すぐにハラカミとのコラボを思いついた[18]。
この曲はサカナクションのライブコンサートで頻繁に演奏され、ライブ録音はバンドによって7回リリースされている。それらは、2009年の全国ツアー『SAKANAQUARIUM 2009“シンシロ”』札幌公演での3曲のオーディオをフィーチャーしたシングル『アルクアラウンド』のボーナストラック、2010年5月15日の新木場STUDIO COASTでの『SAKANAQUARIUM 2010 kikUUiki』および2010年10月8日の日本武道館コンサートで行われた『SAKANAQUARIUM 2010 DVDセット』で2回。『SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE-』ビデオアルバムのアンコール、そして、シングル『夜の踊り子』(2012)のボーナスDVDに収録された『SAKANAQUARIUM2012"ZEPP ALIVE"』の「Zepp Alive」ライブアルバム、また2013年5月19日に幕張メッセでの『SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction』では、コンサートのためにリアレンジされた。
2010年6月、また同年8月のFantastic Plastic Machineのコンピレーションアルバムにもやついいちろうの2番目のミックステープ『新しいやつ!』でさらにアレンジされた『ネイティブダンサー(rei harakami へっぽこre-arrange)』が収録され、サカナクションのコンピレーションアルバム『懐かしい月は新しい月 〜Coupling & Remix works〜』(2015年)でも収録された[19]。
ミュージックビデオ
[編集]ミュージックビデオは、児玉裕一が監督を務め、振付は振付稼業air:man、スタイリングは北澤”momo”寿志が担当した[11][20][11]。なお、このチームは、ユニクロの「Uniqulock」キャンペーンでの功績が認められ、2008年のカンヌ国際広告祭で3つの大賞の内の1つを獲得している[11]。
『ネイティブダンサー / サカナクション』ミュージックビデオでは、印象的な2つのメインシーンがよく取り上げられる。 これは、山口一郎の腰からのミドルショットと、振付稼業air:manのダンサーの脚のショットで、それぞれ既に生産中止となったパックスニーカー、「NikeAir Force 180 Clerks」を履いている[11]。
このビデオは2009年1月7日にYouTubeで公開され[21]、最初の13日間で4万回以上再生され、1年後には100万回以上視聴された[22][23]。2009年3月に5日間にわたって東京で開催された、視覚芸術を祝うイベントであるCreative Symposium 2009」および2010年6月のロサンゼルス映画祭で、日本のミュージックビデオにおいてのビッグのショーケースの一部として上映され[23][24] SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS 2010ではBEST CONCEPTUAL VIDEO賞を受賞し、監督の児玉裕一がBEST VIDEO DIRECTOR賞を受賞した[25]。
サカナクションは『ネイティブダンサー』以来、「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」(2011年)と「さよならはエモーション」(2014年)で、振付稼業air:manとのコラボレーションを2回行っている[26]。
批評
[編集]音楽出版社の音楽情報サイト「CDJournal」は、この歌を「リズミカルなダンスチューン」と呼び、そのダンス可能なリズムと「あなたへの思考から逃れられない苦痛の気持ち」を表現した歌詞の並置を賞賛し[27][28]、「ニヒリズムに漂うノスタルジックなピアノ」からシンセサイザーの音へとどのように移行したか、そして「秋の痛みを表現した」悲しいバイオリンに感銘を受けたと評した[28]。タワーレコードの無料の月刊音楽情報誌「bounce」も同様に、この歌の「アコースティックとシンセ音の美しい融合」を称賛した[29]。「Entertainment Media Kulture」は、「ネイティブダンサー」をバンドの初期のシグネチャーソング[30]の1つとして取り上げ、言葉遣いが楽しいと歌詞を高く評価した[31]。
レイ・ハラカミによるリミックスについて「CDJournal」は、このバージョンには「安らぎを感じる浮遊感のある軽いサウンド」があり、リミックスにはノスタルジックなものがあり、一時的だった恋愛感情をうたう曲の歌詞によく合っていると評価した[27]。 また、Kenji Sasakiによる『Skream!』リミックスを「美しさと奇妙さは互いにねじれ、戦うが、山口の歌詞に包まれている」と表現した[17]。
収録曲
[編集]チャートランキング
[編集]チャート (2009) | ピーク ポジション |
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Billboard Adult Contemporary Airplay[13] | 43 |
Billboard Japan Hot 100[32] | 60 |
リリース
[編集]国 | 日付 | 形式 | レーベル | カタログコード |
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日本 | 2009年1月7日[33][34] | 着信メロディ、楽曲デジタルダウンロード | Victor Entertainment | VEAML-22827 |
マッシュアップ
[編集]2019年11月には相模鉄道(相鉄)が都心直通線(JRとの相互直通運転)の開通を記念して、本曲とくるりの「ばらの花」のマッシュアップ曲(歌:yui〈FLOWER FLOWER〉とミゾベリョウ〈odol〉)を使用した動画「100 YEARS TRAIN」[35][36]がYouTubeで公開された[37][38]。このマッシュアップ曲は同年12月25日よりFRIENDSHIP.を通して、各音楽配信サービスで配信されている[39][40]。
ライブ映像作品
[編集]曲名 | 作品名 | 備考 |
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ネイティブダンサー | SAKANAQUARIUM 2010 (B) | |
SAKANAQUARIUM 2010 (C) | ||
SAKANAQUARIUM 2011
DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE- | ||
SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction
-LIVE at MAKUHARI MESSE 2013.5.19- |
『-SAKANAQUARIUM 2013 VERSION-』という副題が追加されており、途中までDJ形式で演奏されている。 | |
SAKANAQUARIUM 2015-2016
"NF Records launch tour" -LIVE at NIPPON BUDOKAN 2015.10.27- |
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SAKANAQUARIUM2017
10th ANNIVERSARY Arena Session 6.1ch Sound Around |
脚注
[編集]- ^ “サカナクションのヒストリー” (Japanese). Oricon. June 15, 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。February 27, 2015閲覧。
- ^ “Musician Rei Harakami suddenly passes away at 40”. Tokyo Hive (July 29, 2011). April 21, 2015閲覧。
- ^ Masaki Mugikura (January 1, 2009). “サカナクション インタビュー” (Japanese). Excite. February 26, 2015閲覧。
- ^ a b Shinji Hyogo (2011). “特集 サカナクション” (Japanese). Rockin' On Japan. オリジナルのFebruary 17, 2015時点におけるアーカイブ。 February 17, 2015閲覧。.
- ^ Ichiro Yamaguchi (December 12, 2012). “レクリエーション” (Japanese). Tokyo FM. February 24, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。February 24, 2015閲覧。
- ^ Mayumi Tsuchida (December 11, 2008). “スペシャル サカナクション” (Japanese). Victor Entertainment. December 17, 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。February 26, 2015閲覧。
- ^ “セントレイ”. Oricon. December 13, 2014閲覧。
- ^ Sakanaction (September 12, 2012) (Japanese). Sakana Ensemble 2007-2009. Tokyo: Doremi Music Pub. Co., Ltd. pp. 186–197. ISBN 4285134675
- ^ a b Mayumi Tsuchida (January 15, 2009). “サカナクション(2)” (Japanese). Tower Records. February 26, 2015閲覧。
- ^ Ichiro Yamaguchi (December 17, 2012). “コード (w/副担任:岡崎英美)” (Japanese). Tokyo FM. February 24, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。February 24, 2015閲覧。
- ^ a b c d e “サカナクション「ネイティブダンサー」のPVは「UNIQLOCK」CMチーム制作” (Japanese). Barks (January 19, 2009). February 24, 2015閲覧。
- ^ “Japan Billboard Adult Contemporary Airplay” (Japanese). Billboard (January 21, 2009). January 22, 2015閲覧。
- ^ a b “Japan Billboard Adult Contemporary Airplay” (Japanese). Billboard (January 29, 2009). January 22, 2015閲覧。
- ^ “Japan Billboard Hot Top Airplay” (Japanese). Billboard (January 28, 2009). April 2, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。January 22, 2015閲覧。
- ^ “SAPPORO HOT 100 vol. 1044” (PDF) (Japanese). Sapporo: FM North Wave (February 1, 2009). February 27, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。February 27, 2015閲覧。
- ^ “SAPPORO HOT 100 vol. 1047” (PDF) (Japanese). Sapporo: FM North Wave (February 22, 2009). February 27, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。February 27, 2015閲覧。
- ^ a b Kenji Sasaki. “NEW DISCS サカナクション『アルクアラウンド』” (Japanese). Geki-Rock Entertainment Inc.. April 18, 2015閲覧。
- ^ “御礼。” (Japanese). Ichiro Yamaguchi (July 29, 2011). April 22, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。April 23, 2015閲覧。
- ^ “サカナクション"月"のコンセプト作にメンバーREMIX&山口一郎初監督MV” (Japanese). Natalie (July 3, 2015). July 4, 2015閲覧。
- ^ “ネイティブダンサー” (Japanese). Space Shower. February 17, 2015閲覧。
- ^ “新曲PV公開。” (Japanese). Ichiro Yamaguchi (January 7, 2009). February 26, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。February 26, 2015閲覧。
- ^ “サカナクションPVが「UNIQLOCK」CMチーム制作で話題沸騰!” (Japanese). CDJournal (January 20, 2009). February 26, 2015閲覧。
- ^ a b “サカナクションのPVがアメリカの国際映画祭に出展” (Japanese). Barks (May 25, 2010). February 26, 2015閲覧。
- ^ “やっぱり広告は面白い。クリエイターたちのめくるめく饗宴「クリエイティブ・シンポシオン2009」” (Japanese). White Screen (March 19, 2009). February 26, 2015閲覧。
- ^ “児玉裕一監督が3年連続最優秀監督賞!” (Japanese). White Screen (March 19, 2009). February 26, 2015閲覧。
- ^ “Works” (Japanese). Furitsuke Kagyou Air:Man. February 26, 2015閲覧。
- ^ a b “サカナクション / アルクアラウンド” (Japanese). Oricon. April 18, 2015閲覧。
- ^ a b “サカナクション / シンシロ [限定]” (Japanese). CDJournal. February 24, 2015閲覧。
- ^ Kuniko Yamada. “【CD】シンシロ<期間限定価格盤>” (Japanese). Tower Records Japan. April 21, 2015閲覧。
- ^ 代表曲
- ^ “「サカナクション」ブレイク前の名曲を歌詞で追う!” (Japanese). Entertainment Media Kulture. Recruit Holdings (2015年). December 26, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。December 26, 2015閲覧。
- ^ “Japan Billboard Hot 100” (Japanese). Billboard (January 29, 2009). January 22, 2015閲覧。
- ^ “1月21日発売3rd ALBUM『シンシロ』から1曲「ネイティブダンサー」を1月7日先行配信!” (Japanese). Victor Entertainment (January 7, 2009). January 22, 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。February 22, 2015閲覧。
- ^ “ネイティブダンサー” (Japanese). Victor Entertainment. January 24, 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。February 22, 2015閲覧。
- ^ 相鉄都心直通記念ムービー「100 YEARS TRAIN」 - YouTube(相鉄グループ公式チャンネル)
- ^ 二階堂ふみが黒ギャル!曲はくるり×サカナクションのマッシュアップ 大正から令和4つの時代を超えるラブストーリー 相鉄都心直通記念ムービー「100 YEARS TRAIN」 - YouTube(オリコン公式チャンネル)
- ^ 相鉄都心直通記念ムービー「100 YEARS TRAIN」公開 音楽はFLOWER FLOWERの“yui”さんとodolの“ミゾベリョウ”さんが歌う「ばらの花」(くるり)と「ネイティブダンサー」(サカナクション)のマッシュアップ曲を起用 (PDF) (相鉄ホールディングス株式会社 2019年11月28日)
- ^ 都心直通プロジェクト:相鉄都心直通記念ムービー 公式サイト(相鉄グループ 2019年12月27日閲覧)
- ^ 記念ムービーテーマソング「ばらの花 × ネイティブダンサー」配信決定 (PDF) (相鉄ホールディングス株式会社 2019年12月25日)
- ^ くるり×サカナクションのマッシュアップ曲“ばらの花 × ネイティブダンサー”の配信がスタート(rockinon.com, 2019年12月25日)