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ノート:トルバドゥール

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Troubadour(s)がいわゆる「吟遊詩人」以外に「世俗叙情歌」を指すというのは本当でしょうか?ブリタニカ[1]にも辞書[2]にもウィキペディアの他言語版にもそのような記述が見あたらないのですが……。もし、そうでしたら、「歌」のタイプ(ロンデルの定義とかも内容がちょっと疑問です)を中心にしたこの記事は、根本から見直さないといけないのですが。ご存じの方がいらっしゃいましたらお教えください。--Goregore 2008年6月12日 (木) 13:45 (UTC)[返信]


定義の部分に関して、現状の定義は申し訳ありませんが一般的とは言い難く(つまり検証可能性の点から疑問)、通常の定義に修正させていただきました。

  • 現状の以下の部分を削除しました。
    • 「11世紀のフランスで歌われ12世紀に盛んになった世俗叙情歌や、それを作り歌う人のことである。」
    • 「トルバドゥールには、以下のようないくつかの形式がある。」
  • 差し替えた定義は、フランス語版からの翻訳(一部省略)に英語版も参照しました。

初版からあった「世俗叙情歌」についての定義は、「世俗叙情歌の形式」という節で残します。(正確さ、情報源テンプレートはこの節を対象とします)。 ちなみに研究社「文学要語辞典」の「tenson」の項には、「中世叙情詩(Provençal Poetry)」とありました。--Goregore 2008年6月20日 (金) 08:35 (UTC)[返信]


手元にあるウルリヒ・ミヒェルス編『図解音楽事典』(白水社)の193ページには、トルバドゥールとトルヴェールの世俗抒情歌について、「形式から見た歌曲のタイプ」という節で

  • 連祷型
  • セクエンツィア型
  • 讃歌型
  • ロンデル型

の4種が挙げられています。そして、ロンデル型の説明のなかに「リフレイン付きの歌曲形式。たぶんセクエンツィア型に由来するが、(以下略)」とあるので、本文の「セクエンツィアが発展したもの」はこの記述が基になっていると思われます。「現在のポピュラー音楽を含む歌曲形式の雛形」といった記述はありませんので、これについては何を出典としているのかは不明です。また、ロンデル型は

  • バラード 
  • ヴィルレー 
  • ロンドー

の3種に分類されています。
これとは別に「内容から見た歌曲のタイプ」という節にシャンソン アルバ、オーブ パストレーラ シルヴェンテス シャンソン・ド・クロワザード 等々が挙げられています。ですから、ロンデル型のなかにシャンソン、アルバ、オーブ、等々があるかのような表現は正しくないと思われます。ロンデル型はあくまでバラード、ヴィルレー、ロンドーのようです。
さらに、トルバドゥールでは讃歌型や、より単純な有節形式を用いたが、トルヴェールは連祷型、セクエンツィア型、ロンデル型を多く用いた、といった記述がありますので、トルバドゥールに関係しているのは讃歌型のみ、ということになります。その他の形式についてはトルヴェールのページで書かれるべきことのようです。--Gruppetto 2008年8月17日 (日) 14:14 (UTC)[返信]


Gruppetto様。はじめまして。いろいろお教えいただきありがとうございます。
おかげさまでわかりました。まず、「ロンデル型」ですが、
>リフレイン付きの歌曲形式
>バラード・ヴィルレー・ロンドーの3種に分類されています。
ということは、いわゆるフランスの「三大定型詩」(Formes fixes)のことですね。「ロンデル型」というのが一般に使われている語なのか、著者ウルリヒ・ミヒェルス氏の造語かはわかりませんが(原書で調べないかぎり)、WikipediaのみならずBritannica Encyclopediaでも「Formes fixes」を使っていますので、日本語版ウィキペディアでもそれに準拠した方が良さそうです。
同様に「連祷型」「セクエンツィア型」「讃歌型」も著者独自の語法・言い回しかも知れません。しかしながら、
>トルバドゥールに関係しているのは讃歌型のみ、ということになります。その他の形式についてはトルヴェールのページで書かれるべきことのようです。
というのであれば、次のような記事に直してはどうだろうと思いました。


ウルリヒ・ミヒェルスによると、トルヴェールは世俗抒情歌の形式に「連祷型」、「セクエンツィア型」、「ロンデル型(フランスの三大定型詩のことと思われる)」を多く用いたが、トルバドゥールは「讃歌型(アンブロジウス聖歌の形式を有する世俗歌)」や、より単純な有節形式を用いた[1]

脚注

  1. ^ ウルリヒ・ミヒェルス編『図解音楽事典』(白水社)p193


もし差し支えないようでしたらこちらで修正いたします。いかがでしょうか?
PS オペラ・コミックロマンティック・オペラなどでも修正いただきありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。--Goregore 2008年8月17日 (日) 17:47 (UTC)[返信]

こちらこそ、よろしくお願い致します。
ところで、『図解音楽事典』193頁の「形式から見た歌曲のタイプ」の節の冒頭部分には、「(ゲンリヒによると)4つの基本形に分けられる」とありました。そこで、巻末の「文献と出典」を見ますと、
Gennrich.F. :Troubadours,Trouveres,Minne- und Meistergesang. MW2.Köln 1960.
とありました。
また、「三大定型詩」は、一般的には14、15世紀の詩型とされていますが、en:Formes fixesには、「これらの3つの形式の全ては13世紀には見出される」とありますね。13世紀というとトルヴェールの後期に当たるかと思います。ただ、「三大定型詩」として確立されるのは14世紀になってからになるのでしょうか。なので、おそらくゲンリッヒが様々な形式を分類するにあたって、「後の時代に『三大定型詩』となるもの」を「ロンデル型」という名称でまとめたのではないかと推測します。
また、「讃歌型」ですが、『図解音楽事典』では、「<アンブロジウスの讃歌>の形式に遡る」とありました。つまり、アンブロジウス聖歌の形式そのままではなく、それを基に何らかの変化をしている可能性もあります。そこで、次のようにしてみるのはいかがでしょうか。


音楽学者のF.ゲンリッヒはトルバドゥールとトルヴェールの世俗抒情歌の形式を「連祷型」「セクエンツィア型」「讃歌型(アンブロジウス聖歌の形式を基にした世俗歌)」「ロンデル型(後にフランスの三大定型詩となったもの)」の4つに分類しているが、トルバドゥールの時代はこのうち、「讃歌型」や、より単純な有節形式が用いられた。[1]


ゲンリッヒの文献を直接参照してはいないので、注脚の中はミヒェルスのままでよいと思います。--Gruppetto 2008年8月18日 (月) 07:57 (UTC)[返信]


Gruppetto様。再度の情報ありがとうございます。さっそく「Gennrich」で調べてみましたら、イタリア版ウィキペディアの「トルバドゥール」にGennrichの記述がありました。(it:Trovatore#Poesia trobadorica

Le forme poetico-musicali, secondo il musicologo Friedrich Gennrich, si possono sintetizzare in:

  • tipo litania: ripetizione di una stessa cellula melodica, con possibile alternanza tra solo e coro (AAA...);
  • tipo lai-sequenza: ogni frase viene ripetuta due volte (AA BB CC...);
  • tipo inno: strofe aventi la stessa melodia e la stessa metrica;
  • tipo rondeau: il ritornello corale si contrappone a una o più strofe solistiche.

上から順に「連祷型」「レー=セクエンツァ型」「讃歌型」「ロンドー型」で、「讃歌型」の定義は「同じメロディと同じ韻律を持つストローフィ」になっています。

さらにネットでは次のような記事を見つけました。([3]

GENNRICH, FRIEDRICH. Grundriss einer Formenlehre des mittelalterlichen Liedes als Grundlage einer musikalischen Formenlehre des Liedes. Halle (Saale), Max Niemeyer Verlag, 1932. With musical examples. Wrappers. 8vo. XIII, 288 pp. (partly unopened). The study has a theoretical part of ± 40 pp. and a practical part of ± 200 p. about types of songs: der Litaneitypus (Chanson de Geste, Laissenstrophe, Rotrouenge, Chanson avec des Refrains), der Rondeltypus (Rondeau, Virelai, Ballade, Kanon), der Sequenztypus (Sequenz, Lai und Leich, Estampie, Note, Strophenlai, Laiausschnitte), der Hymnentypus (kirchliche Hymne, Vers, Kanzone, Rundkanzone). Several indexes. (A very fine copy). Booknr: 3359. € 20

タイプごとの歌のジャンルが書かれてあり、以下にまとめてみます。

  • Litaneitypus(連祷型)
    • Chanson de Geste(武勲詩)-トルヴェール
    • Laissen-strophe
    • Rotrouenge (トゥルバドールの歌のタイプ)発音と解説は[4]、フランス語版ウィクショナリー Rotrouenge を見ますと「chansons de toile」に関係あるようです。
    • Chanson avec des Refrains(リフレインを伴うシャンソン)
  • Rondeltypus(ロンデル型)
    • Rondeau(ロンドー)
    • Virelai(ヴィルレー)
    • Ballade(バラード)
    • Kanon(カノン)
  • Sequenztypus(セクエンツィア型)
    • Sequenz(セクエンツィア)
    • Lai(レー (詩形))、Leich(ライヒ。レーのドイツ語読み)
    • Estampie(エスタンピー
    • Note
    • Strophen-lai
    • Laiausschnitte
  • Hymnentypus(讃歌型)

ただしこの内容は本の宣伝文のようで、さらに原書にそう書かれてあるかの検証もできませんので参考でしかありません。 したがいまして、Gruppettoの文案にゲンリッヒのファーストネーム(フリードリヒ)のみ追加したものを、本文の「ジャンル」の末尾に(イタリア語版と同じ構成になります)移動いたします。--Goregore 2008年8月18日 (月) 12:09 (UTC)[返信]


上記のネットの記事は、『図解音楽事典』で書かれている内容とかなり近いです。『図解音楽事典』では、讃歌型には

  • シャンソン型詩節
  • ロンド・シャンソン

の2つが挙げられています。これは恐らくネットの記事のKanzoneとRundkanzoneを仏語化したもので、指しているのは同じ形式だと思われます。とりあえず、これをもとに「讃歌型」の具体的な構造について簡単な説明を付け加えておこうと思います。--Gruppetto 2008年8月19日 (火) 16:51 (UTC)[返信]


Rundkanzone——Googleでざっと検索しましたら、どうもゲンリッヒの造語のようですね。「rounded chanson」という英訳もあるようなので、Gruppetto様のおっしゃる通り、同じものだと思います。なお上記のde:LiedformではReprisenbarform(反復バール形式?)の別表記扱いですが、「A – A – B – A; A – A' – B – A; A – A' – B – A」と形式が一致していません。あと、脚注に日本語監修者を入れ忘れていたので追記しておきますね。--Goregore 2008年8月19日 (火) 23:21 (UTC)[返信]


基本的には、(英語版や独語版を含めて)Wikipediaのような、誰もが自由に編集できるものよりも、出版されているものの方が信憑性が高いと私は考えています。また、de:Liedformは、中世の音楽についてのページではなく、一般的な音楽用語としてのLiedformについて書かれているものですので、ここに示されるRundkanzoneは、「ポップスやジャズによく見られる」という記述からしても、あくまで一般的な音楽用語としてのRundkanzoneの現代における意味、用法が示されているのではないでしょうか。ゲンリッヒが、中世叙情歌の形式の1つとして示したRundkanzoneは、『図解音楽事典』の「ロンド・シャンソン」のab ab cdbではないかと思います。--Gruppetto 2008年8月20日 (水) 12:16 (UTC)[返信]

de:Liedformが正しいとは書いておりません。ノートでご報告申し上げただけです(1.Rundkanzone=rounded chanson=ロンド・シャンソンであろうこと、2.もしRundkanzone=Reprisenbarformであればトルバドゥールではなくミンネザングの歌になりますが、形式が一致していなのでそうではなかろうこと。1も2もGruppetto様の記事の裏付けになるかと思いました)。方針につきましては、Gruppettoさんのおっしゃる通りです。ともあれ、今回のやりとりで、「ロンデル」なり「ロンド・シャンソン」が特殊な用語とわかったことは収穫でした。「ロンド」「ロンドー」「ロンドー体」「ロンデル」があり、国によっては「ロンドー」が「ロンド」だったりしますので。いろいろどうもありがとうございました。--Goregore 2008年8月20日 (水) 12:58 (UTC)[返信]

リダイレクトの「トロバドール」を使いたいのですが

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19世紀以来、キューバのシンガーソングライターは「トロバドール」と呼ばれておりまして[2]、そのことに関する記事を書きたいと思うのですが、トロバドールを記事化しても良いでしょうか? トルバドゥール関連でも「トロバドール」と表記している例が少なからず見受けられるので、問題があれば別の記事名で立項するか相談の上で決めたいと思います。--茂林寺たぬき会話2016年4月7日 (木) 00:08 (UTC)[返信]

  1. ^  
  2. ^ 世界は音楽でできている中南米・北米・アフリカ編』p.31
es:Trovadorを見ますと(まあ自動翻訳でザッと見ただけなのですが)、やはり中世ヨーロッパの吟遊詩人について書かれているようです。なので、どうなのでしょう…。キューバのシンガーソングライターについての独立した記事の例が外国語版にあるのであれば、その記事名に基づくのが良いようにも思います。--Gruppetto会話2016年4月7日 (木) 06:04 (UTC)[返信]
英語版記事のen:Twoubadouですね。日本語ではトゥバドウトゥバドゥとも表記されるようです。ハイチ語発音: [twubadu]なので、このほうが近いのかもしれません。語源はやはり本項目で説明されているトルバドゥールです。どの名前で執筆されるにせよ、曖昧さ回避が必要かと思います。--StrangeMist (StrangeSnow / Talk) 2016年4月7日 (木) 07:54 (UTC)[返信]
他言語版に準ずる旨、了解いたしました。英語版に倣ってトローバで立項し、内部にトロバドール節を設けることにします。ありがとうございました。--茂林寺たぬき会話2016年4月7日 (木) 08:45 (UTC)[返信]
なるほど、en:Trovaですね。納得です。--StrangeMist (StrangeSnow / Talk) 2016年4月7日 (木) 09:45 (UTC)[返信]