ハリメデ (衛星)
ハリメデ Halimede | |
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仮符号・別名 | S/2002 N 1 Neptune IX |
分類 | 海王星の衛星 |
発見 | |
発見日 | 2002年8月14日[1][2] |
発見者 | M・J・ホルマン、 J・J・カヴェラーズ、 Tommy Grav、 Wesley C. Fraser、 Dan Milisavljevic[1] |
軌道要素と性質 元期:TDB 2,451,544.5(2000年1月1.0日)[3] | |
固有軌道長半径 (ap) | 16,590,500 km[3] |
固有離心率 (ep) | 0.417[3] |
固有公転周期 (Pp) | 1879.78 日[3](5.15 年) |
固有軌道傾斜角 (ip) | 119.6°[3] |
固有近点引数 (ωp) | 157.9°[3] |
固有昇交点黄経 (Ωp) | 326.0°[3] |
固有平均近点角 (Mp) | 135.8°[3] |
海王星の衛星 | |
物理的性質 | |
平均直径 | 62 km[4] |
絶対等級 (H) | 10.0[5] |
アルベド(反射能) | 0.04 (仮定値)[4] |
色指数 (B-V) | 0.73[6] |
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ハリメデ[7][8] (Neptune IX Halimede) は、海王星の第9衛星である。
発見と命名
[編集]ハリメデは、2002年8月14日にマシュー・J・ホルマンが率いる観測グループによって、セロ・トロロ汎米天文台の 4 m 望遠鏡およびマウナ・ケア山のカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡を用いた観測で発見された[9][10][11]。発見は、サオ、ラオメデイアの発見と合わせて、翌2003年1月13日に国際天文学連合のサーキュラーおよび小惑星センターのサーキュラーで公表され、S/2002 N 1 という仮符号が与えられた[9][10][11]。
海王星に新たに衛星が発見されるのは1989年に探査機ボイジャー2号が海王星をフライバイした時以来であり、また地上観測による海王星の新衛星の発見は、1949年にジェラルド・カイパーがネレイドを発見して以来のことであった[11][注 1]。非常に暗く遠方を公転している衛星であるため、ボイジャー2号のフライバイの際には観測できなかったと考えられている[1]。
その後2007年2月3日に、ギリシア神話における海の女神であるネレイデスの一人ハリメーデーに因んで命名され、Neptune IX という確定番号が与えられた[15][16]。
なお2004年になって、1999年に行われた海王星の観測でハリメデが撮影されていたが、この時には見逃されていたことが判明している[17]。当時の観測では新しい衛星は検出されなかったと報告されていたが[18]、2004年のハリメデの新しい天体暦に基づき予想される位置にハリメデが写っていることが確認された[17]。
特徴
[編集]ハリメデは、海王星の自転方向に対して逆行して周囲を公転している不規則衛星である。軌道傾斜角のみを見るとプサマテとネソと似ているものの、軌道長半径は大きく異なる[17]。
ハリメデの直径は、アルベドを0.04と仮定すると 62 km と推定される[4]。また可視光では中間色 (灰色) を示す[6]。色がネレイドと非常に似ていることや、太陽系年齢の間に天体衝突を起こした確率が高い (41%) と推定されることから[17]、ハリメデはネレイドの破片である可能性が示唆されている[6]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “In Depth | Halimede – Solar System Exploration: NASA Science”. アメリカ航空宇宙局 (2017年12月5日). 2019年1月24日閲覧。
- ^ “Planet and Satellite Names and Discoverers”. Planetary Names. 国際天文学連合. 2015年1月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Jet Propulsion Laboratory (2013年8月23日). “Planetary Satellite Mean Orbital Parameters”. Jet Propulsion Laboratory Solar System Dynamics. ジェット推進研究所. 2018年12月25日閲覧。
- ^ a b c Sheppard, Scott S.; Jewitt, David C.; Kleyna, Jan (2006). “A Survey for "Normal" Irregular Satellites around Neptune: Limits to Completeness”. The Astronomical Journal 132: 171–176. arXiv:astro-ph/0604552. Bibcode: 2006AJ....132..171S. doi:10.1086/504799.
- ^ “Natural Satellites Ephemeris Service”. Minor Planet Center. 2024年5月9日閲覧。(「Selection of Objects」にて「All Neptunian outer irregular satellites」と「I require Orbital Elements」にチェックを入れて「Get Information」と表示されると海王星の全ての不規則衛星の軌道要素が表示されるが、ここに表記されているのは他の天体からの摂動の影響を除外していない特定の日時を元期とした軌道要素であることに留意)
- ^ a b c Grav, Tommy; Holman, Matthew J.; Fraser, Wesley C. (2004-09-20). “Photometry of Irregular Satellites of Uranus and Neptune”. The Astrophysical Journal 613 (1): L77–L80. arXiv:astro-ph/0405605. Bibcode: 2004ApJ...613L..77G. doi:10.1086/424997.
- ^ “衛星日本語表記索引”. 日本惑星協会. 2019年3月9日閲覧。
- ^ “太陽系内の衛星表”. 国立科学博物館. 2019年3月9日閲覧。
- ^ a b Daniel W. E. Green (2003年1月13日). “IAUC 8047: Sats OF NEPTUNE; N IN NGC 185; 2003H”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月23日閲覧。
- ^ a b Brian G. Marsden (2003年1月13日). “MPEC 2003-A75 : S/2002 N 1, 2002 N 2, 2002 N3”. 小惑星センター. 2019年1月24日閲覧。
- ^ a b c “木星と海王星に新衛星発見”. 国立天文台・天文ニュース. 国立天文台 (2003年1月16日). 2019年1月24日閲覧。
- ^ Brian G. Marsden (1981年5月29日). “IAUC 3608: 1981 N 1; Sats OF SATURN; 1980l”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月22日閲覧。
- ^ Reitsema, H. J.; Hubbard, W. B.; Lebofsky, L. A.; Tholen, D. J. (1982). “Occultation by a Possible Third Satellite of Neptune”. Science 215 (4530): 289–291. Bibcode: 1982Sci...215..289R. doi:10.1126/science.215.4530.289. PMID 17784355.
- ^ Brian G. Marsden (1989年8月2日). “IAUC 4867: NEPTUNE; JUPITER”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月22日閲覧。
- ^ Daniel W. E. Green (2007年2月3日). “IAUC 8802: P/2006 XG_16; Sats OF NEPTUNE; C/2006 P1”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 国際天文学連合. 2019年1月24日閲覧。
- ^ “No.271: 海王星の衛星に新しい名前 | 国立天文台(NAOJ)”. 国立天文台 アストロ・トピックス. 国立天文台 (2007年2月9日). 2019年1月24日閲覧。
- ^ a b c d Holman, Matthew J.; Kavelaars, J. J.; Grav, Tommy; Gladman, Brett J.; Fraser, Wesley C.; Milisavljevic, Dan; Nicholson, Philip D.; Burns, Joseph A. et al. (2004). “Discovery of five irregular moons of Neptune”. Nature 430 (7002): 865–867. doi:10.1038/nature02832. ISSN 0028-0836.
- ^ Gladman, B (2000). “The Discovery of Uranus XIX, XX, and XXI”. Icarus 147 (1): 320–324. doi:10.1006/icar.2000.6463. ISSN 00191035.