バス事故
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バス事故(ばすじこ)とは、バスに関する事故、交通事故である。
原因と対策
[編集]原因
[編集]事故の原因は事故ごとに異なるが、これまでの事故からは以下のような原因が挙げられる。
- 自然災害:土砂崩れ、岩盤崩落など。
- 運転ミス:青木湖バス転落事故など。
- 他の車両との衝突:JR貸切バス事故など。
- 車両の整備不良
- 運転手やバス会社の健康管理[1]
- 疾病や過労[1]
- シートベルトの不着用:2008年の道路交通法改正で観光バスの客席でもシートベルト着用は義務化された[2]。しかし、違反点数の加点は高速道路走行中に限られる[2]。交通事故解析士認定協会会長は2016年の軽井沢スキーバス転落事故を受けて「飛行機並みに着用を徹底すべきだ」とコメントした[2]。
- ガードレール:一般道のガードレールについて名古屋大学環境学研究科の加藤博和准教授(公共交通政策)は、「巨大で重いバスがぶつかれば、一般道のガードレールではとても食い止められない」と述べている[2]。
- 犯罪行為:バスジャック、テロリズムによる犯行など
- 運転手による自殺行為
- 車内事故:走行中における乗客の不用意な車内移動による転倒など。乗客の行為が直接の原因であり車両の損傷も発生しにくいが、発生した場合に運転手が責任を負う場合もある。
対策
[編集]日本のバス事故
[編集]日本国内で発生した主なバス事故について列挙する。
- 1950年4月14日:横須賀トレーラーバス火災事故。死傷者50名。
- 1950年11月7日:物部川バス転落事故。死者33名。
- 1951年7月15日:天竜川バス転落事故。死者28名前後[6]。
- 1951年7月26日:北海道中央バスに積み込まれていたセルロイド製映画フィルム22巻が自然発火し、12名死亡、32名が重軽傷[7]。
- 1951年11月3日:野村町発伊予大洲行きのロマンスシート型国鉄バスが愛媛県東宇和郡野村町で出火し、死者32名、重傷者7名の大惨事となった[7]。積み込まれていたセルロイド製映画用フィルムが補助バッテリーの熱で引火したことが原因で、この事故を受け「100グラムを超えるフィルムその他のセルロイド類」のバス車内への持ち込みが禁止された[7]。
- 1955年5月14日:北上バス転落事故[8]。死者12名。
- 1956年1月28日:長浜町バス転落事故。死者9名。
- 1956年9月9日:名古屋観光の永平寺参拝と温泉巡りを兼ねた刈谷市からのツアー客を乗せたバスが、福井県武生市春日野町の国道8号線(現在は廃道)で崖下に転落。死者10名、負傷者32名。
- 1960年7月24日:比叡山バス転落事故。死者28名。
- 1968年8月18日:飛騨川バス転落事故[9]。死者104名。負傷者3名。集中豪雨による土砂崩れが原因。
- 1972年9月23日:鳥居川バス転落事故。死者15名。
- 1975年1月1日:青木湖バス転落事故[10][11]。長野県青木湖畔で発生。死者24名、負傷者15名。
- 1977年8月11日:昇仙峡バス転落事故[12][13]。死者11名、負傷者34名。
- 1985年1月28日:犀川スキーバス転落事故[14]。死者25名、負傷者8名。
- 1985年3月9日:九重バス事故。死者3名、負傷者31名。
- 1989年7月16日:越前海岸岩盤崩落事故。マイクロバスの乗客15名全員死亡。
- 1994年5月26日:JR貸切バス事故。死者1名、負傷者27名。
- 1995年8月10日:東名山北バス事故。死傷者44名。追突したトラックの過積載が原因。
- 1996年2月10日:豊浜トンネル岩盤崩落事故[15]。乗客20名全員死亡。
- 2005年4月28日 : 磐越自動車道バス横転事故。乗客3名死亡、負傷者20名。
- 2007年2月18日:吹田スキーバス事故。添乗員1名死亡、負傷者26名。
- 2008年4月11日:脱輪タイヤ衝突バス事故。死亡者1名、負傷者7名。名阪近鉄バスの運転手が殉職。
- 2012年4月29日:関越自動車道高速バス居眠り運転事故。死者7名、負傷者39名。ツアーバス規制の契機となる。
- 2016年1月15日:軽井沢スキーバス転落事故。死亡者15名、負傷者26名。
- 2022年8月22日:名古屋高速バス横転炎上事故。死亡者2名、負傷者7名。
- 2022年10月13日:静岡観光バス横転事故。死亡者1名、負傷者35名。
- 2023年6月18日:八雲町都市間高速バス正面衝突事故。死亡者5名(トラック運転手含む)、負傷者12名。
脚注
[編集]- ^ a b c d 国土交通省「北陸道高速バス事故を受けた対策について」平成26年4月18日 資料1、資料2、資料3、参考資料も参照
- ^ a b c d 中日新聞 2016年1月16日
- ^ 平成25年版交通安全白書第1編 陸上交通。p63
- ^ 平成25年版交通安全白書第1編 陸上交通。p56
- ^ 平成25年版交通安全白書第1編 陸上交通。p58
- ^ 「乗客28人呑まる 天竜川にバス転落」日本経済新聞、昭和26年7月16日、3面。
- ^ a b c 32名が犠牲に…バス爆発事故を引き起こしたのは「映画のフィルム」だった 現代ビジネス、講談社、2020年11月13日
- ^ 岩手)北上のバス転落事故から60年、交通安全誓い慰霊 朝日新聞岩手版、2015年5月15日閲覧。
- ^ 飛騨川バス転落事故 岐阜県
- ^ 第75回国会 参議院決算委員会議事録第2号(昭和50年1月21日) 国会会議録
- ^ 長野県警察50年の主な事件・事故(昭和50年 - 59年) 長野県警察
- ^ 昇仙峡バス転落事故に関する質問主意書衆議院、昭和52年10月18日
- ^ 衆議院議員鈴木強君提出昇仙峡バス転落事故に関する質問に対する答弁書 衆議院、昭和52年10月25日
- ^ 痛恨の犀川スキーバス事故 日本福祉大学ウェブサイト。
- ^ 菊地宏吉、水戸義忠「国道229号線豊浜トンネル上部斜面の岩盤崩落メカニズムに関する地質工学的考察」応用地質 39(5)、pp.456-470、1998年12月10日。
参考文献
[編集]- 高速・貸切バスの安全・安心回復プラン 国土交通省、平成25年4月2日
- 北陸道高速バス事故を受けた対策について 国土交通省、平成26年4月18日(資料1、資料2も参照)
- 平成25年版交通安全白書(第1編 陸上交通)