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ファザナドゥ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファザナドゥ
ジャンル アクションRPG
対応機種 ファミリーコンピュータ(FC)
開発元 ハドソン
発売元 日本の旗ハドソン
アメリカ合衆国の旗欧州連合の旗任天堂
プログラマー 奥野仁
小山俊典
音楽 作曲:竹間ジュン
プログラミング:滝本利昭
美術 岡本敏郎
シリーズ ドラゴンスレイヤーシリーズ
人数 1人
メディア 2メガビットロムカセット[1]
発売日 日本 198711161987年11月16日
アメリカ合衆国 198908011989年8月1日
ヨーロッパ 199012281990年12月28日
対象年齢 日本 CEROA(全年齢対象)
アメリカ合衆国 ESRBE(6歳以上)
ヨーロッパ PEGI7
コンテンツアイコン アメリカ合衆国 Mild Fantasy Violence,
Use of Tobacco

ヨーロッパ Violence
その他 型式:日本 HFC-FX
アメリカ合衆国 NES-FX-USA
ヨーロッパ NES-FX-EEC
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ファザナドゥ』(Faxanadu)は、1987年11月16日ハドソンから発売されたファミリーコンピュータアクションRPGである。

開発はハドソンが行い、音楽はナイ奏者で作曲家の竹間ジュンが担当している[2]。ゲーム内容は主人公の「勇者」を操作し、魔界丘に棲む悪の魔王を倒して麓の都エオリスに平和を取り戻すことを目的としている。

日本ファルコムから発売されたパソコン用ゲームソフト『ザナドゥ』(1985年)のファミコン移植版として開発がスタートしたが、諸般の事情により完全な別物になっている。

当時のハドソンが自社のファミコンソフトに冠していた「マル超シリーズ」の第2弾として数えられるが、発売延期を繰り返した結果、第3弾である『桃太郎伝説』(1987年10月26日)よりも後の発売となっている。

2010年にはWii用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信された。

概要

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元々は日本ファルコムパソコン用ゲームソフト『ザナドゥ』(1985年)の移植版であり、発売前の広告では『ザナドゥ(仮)』というタイトルであった。その後、ファミコンのユーザー層等を考慮してパソコン版にあったパズルゲーム的要素を排除し、純粋なアクションRPGとして再構成され、ストーリーなども異なる別物のゲームが完成した[3]。「ザナドゥ」の商標が取れなかったため[4]、ファミコン版のザナドゥということで頭に「ファ」を付けた「ファザナドゥ」とタイトルを変更して発売された[5]

本作は元のPC版のザナドゥのような地下迷宮を探索するものではなく、世界樹の木という1本の柱を軸とし、麓、幹、霧、枝、魔宮、要塞とエリア分けされた世界となっている。プレイヤーは世界樹の木の麓から上へと進み、戦いを経て成長し、頂上で待ち構える魔王を倒して平和を取り戻すといった構成になっている。

ゲームの進行状況は各地の教会で聞ける「祈りの言葉」という平仮名32文字のパスワードによって記録される。

ストーリー

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かつて平和と繁栄を誇った麓の都エオリスは、今や滅びようとしていた。流星が世界樹を直撃し、それをきっかけに狂ったモンスターたちが暴れだしたためである。井戸も枯れ、不安におののく人々。再び平和を取り戻すには、巨大な世界樹の中をつき進み、魔界丘に棲む悪の魔王を倒さなければ……。人々の期待を背負い、一人の勇士が、今、旅に出る。

移植版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 ファザナドゥ 日本 201010052010年10月5日
PAL 201011262010年11月26日
アメリカ合衆国 201102212011年2月21日
Wii ハドソン ハドソン ダウンロード
バーチャルコンソール
-

開発

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製作経緯

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本作は、発売予定が1987年の春予定から夏への延期を経て、最終的には秋の11月に発売と3度の延期を経ている。プログラマーの奥野は「どうすれば納期に間に合うか?」を考えた末に納期を最優先とし、このためPC版のザナドゥの移植ではなく、下記の仕様のようなオリジナルのゲームの製作となった[6]

製作指針

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  • グラフィックについては基本的にリアルな感じのものにする。
  • 2頭身のキャラは恰好が悪いのでキャラの頭身を高くしてプロポーションを良くする。足すりアニメーションにならないスプライトのシステムを作る。
  • 全画面スクロールにしたいがドライバやツールが間に合わないので画面単位のスクロールにする。
  • システムはアクションなのでジャンプは必要。飛んでから着地位置の微調整はできない仕様とする。
  • RPGとしている関係上、経験値の数値・アイテム・魔法の要素は入れる。
  • ストーリーは、王様から使命を受けて世界を救うという王道展開の話。メッセージには漢字を使いたい。

後日談

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以上のような製作経緯により、本作は良作のオリジナルアクションRPGに仕上がってはいたが、元のPC版『ザナドゥ』の移植作品として見ることは不可能なレベルのアレンジであった。後にハドソンがPCエンジンCD-ROM2用に『イースI・II』(1989年)を制作する際に、立川のファルコムへライセンス交渉に訪れた中本伸一と岩崎啓眞らに対し、ファルコム側はこういった前例を鑑みて「穏便に移植を断念してもらえる程度」のライセンス料を提示。しかし、中本はそれでも「PCエンジンのCD-ROM2の普及に繋がれば元が取れる」と即決し、契約は成立してPCエンジン版イースの制作が決定したという経緯が、後に岩崎のブログの当時の製作手記で語られている[7]

スタッフ

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  • プログラム:奥野仁
  • ウィンドウシステム:小山俊典
  • グラフィック:岡本敏郎
  • サウンド:滝本利昭
  • 企画・シナリオ:内村

評価

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評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通29/40点(FC)[8]
IGN8.5/10点(VC)[9]
NintendoLife8/10点(NES)[10]
ファミリーコンピュータMagazine20.79/30点(FC)[1]

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計29点(満40点)[8]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、20.79点(満30点)となっている[1]。また、同雑誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、パソコン版『ザナドゥ』と比較した上で「ゲームをアレンジしすぎてオリジナルのおもしろさが損なわれた」と否定的に評価している[1]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.76 3.51 3.39 3.65 3.23 3.25 20.79

その他

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Bugってハニー
1986年〜1987年に放映していたハドソン提供のテレビアニメ。作中にはハドソンのゲームのキャラクターもしばしば登場しており、1987年7月には第39話「ザナドゥ・英雄伝説」と第40話「ザナドゥ勇者復活!」が放映された。ただし制作と放映がファザナドゥと改題される前ということもあり、タイトルがザナドゥとなっている他、作中の設定なども本作の製品版とは大きく異なるオリジナル設定である。ちなみに当時アニメの放映中には、ハドソンのCMに高橋名人とハニー役の神代智恵の2人が出演したこともあり、その際にキャンペーンで『ザナドゥ』をプレゼントという告知もあった。
明治チョコスナック ハイスコア ファザナドゥ
本作の発売前に明治製菓より販売されていたハドソンとのコラボによる関連商品。チョコレートスナック菓子にオリジナルカードが3枚付属しており(全40枚)、複数集めることによりゲームとしても遊べるという内容だった。本作の開発の遅れと発売延期によりファミコン版の仕様が中々確定しなかったこともあってか、付属のカードに描かれている絵や設定は本作の製品版とは大きく異なる[11]

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、174頁。 
  2. ^ 竹間ジュンのTVゲーム音楽”. 2019年12月12日閲覧。
  3. ^ 高橋名人公式ブログ 16連射のつぶやき 今日は、「ファザナドゥ」が発売された日 より
  4. ^ 岩崎啓眞のブログ『Colorful Pieces of Game』 イースI・II通史(8):『ファザナドゥ』開発物語(1)より
  5. ^ 高橋名人公式ブログ 16連射のつぶやき ファザナドゥ より
  6. ^ 岩崎啓眞のブログ『Colorful Pieces of Game』 イースI・II通史(9):『ファザナドゥ』開発物語(2/終)より
  7. ^ 岩崎啓眞. “1989年2月 - イースの許諾を取りに行く”. 2016年10月24日閲覧。
  8. ^ a b ファザナドゥ まとめ [ファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年10月10日閲覧。
  9. ^ Faxanadu Review - IGN”. IGN. 2015年12月31日閲覧。
  10. ^ Review: Faxanadu(Virtual Console / NES)”. Nintendo Life. 2015年12月31日閲覧。
  11. ^ 前年には『スターソルジャー』とのコラボレーションで同類の商品が発売されていた。

関連項目

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外部リンク

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