ファンタスティック・フォー (2015年の映画)
ファンタスティック・フォー | |
---|---|
Fantastic Four | |
監督 | ジョシュ・トランク |
脚本 |
ジェレミー・スレイター サイモン・キンバーグ ジョシュ・トランク |
原作 |
スタン・リー ジャック・カービー 『ファンタスティック・フォー』 |
製作 |
サイモン・キンバーグ マシュー・ヴォーン ハッチ・パーカー ロバート・クルツァー グレゴリー・グッドマン |
製作総指揮 |
ケヴィン・フェイグ アヴィ・アラッド スタン・リー |
出演者 |
マイルズ・テラー マイケル・B・ジョーダン ケイト・マーラ ジェイミー・ベル トビー・ケベル レグ・E・キャシー ティム・ブレイク・ネルソン |
音楽 |
マルコ・ベルトラミ フィリップ・グラス |
撮影 | マシュー・ジェンセン |
編集 |
エリオット・グリーンバーグ スティーヴン・E・リフキン |
製作会社 |
20世紀フォックス マーベル・エンターテインメント コンスタンティン・フィルム マーヴ・フィルムズ 1492ピクチャーズ Kinberg Genre Robert Kulzar Productions TSGエンターテインメント |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 |
2015年8月7日 2015年10月9日 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $120,000,000[1] |
興行収入 |
$167,977,596[2] $56,117,548[2] 3億3467万円[3] |
『ファンタスティック・フォー』(Fantastic Four)は、マーベル・コミックの同名のスーパーヒーローチームをベースにした、2015年のアメリカのスーパーヒーロー映画。映画「ファンタスティック・フォー」フランチャイズのリブート作品である。ジェレミー・スレーター、サイモン・キンバーグと共同で脚本を執筆したジョシュ・トランクが監督を務め、マイルズ・テラー、マイケル・B・ジョーダン、ケイト・マーラ、ジェイミー・ベル、トビー・ケベルらが出演している。
概要
[編集]『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』の興行成績が振るわなかったため、20世紀フォックスはフランチャイズのリブート計画を発表し、2009年に開発が開始された。2012年7月にトランクが監督に起用され、2014年1月に主要キャラクターのキャスティングが行われた。主要撮影は2014年5月4日よりルイジアナ州バトンルージュで開始され、2ヶ月間行われた。監督のオリジナル・カットに不満があったフォックスの幹部は、再撮影を義務付け、2015年1月に行われた。
2015年8月4日にニューヨークのウィリアムズバーグ・シネマズでプレミア上映され、米国では8月7日に公開された。脚本、演出、ユーモアの欠如、ダークなトーン、テンポ、編集、ビジュアル、主要キャラクターのダイナミックさの欠如、原作への不忠実さなどが批判され、概ね否定的な評価を受けたが、キャストの演技やミュージカル・スコアについては賞賛の声もあった。製作費1億5,500万ドルに対し、全世界で1億6,800万ドルの興行収入を上げ、8,000万ドル以上の損失を出した。また、トランクは、スタジオの妨害を理由にして、最終的な作品への不満を口にした。
第36回ゴールデンラズベリー賞では、「最低監督」「最低前日譚・リメイク・盗作・続編」「最低作品」の各部門で受賞し(後者は『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』と同点)、「最低スクリーン・コンボ」「最低脚本」にもノミネートされた。
2017年6月9日に続編の公開が予定されていたが、1作目の失敗を受けて中止された。また、2019年のディズニーによる21世紀フォックスの買収に伴い、映画化権がマーベル・スタジオに戻ったため、20世紀フォックスが配給した「ファンタスティック・フォー」の3作目にして最後の作品となった。
キャスト
[編集]※括弧内は日本語吹替
- リード・リチャーズ / Mr.ファンタスティック - マイルズ・テラー(木村昴)
- ジョニー・ストーム / ヒューマン・トーチ - マイケル・B・ジョーダン(櫻井トオル)
- スーザン・ストーム / インビジブル・ウーマン - ケイト・マーラ(堀北真希[4])
- ベン・グリム / ザ・シング - ジェイミー・ベル(遠藤純平 / ゴリ〈ガレッジセール〉[5])
- ヴィクター・フォン・ドゥーム / Dr.ドゥーム - トビー・ケベル(阪口周平)
- フランクリン・ストーム博士 - レグ・E・キャシー(土師孝也)
- ハーヴェイ・アレン博士 - ティム・ブレイク・ネルソン(てらそままさき)
その他声の出演:佐々木睦、小形満、上田燿司、青山穣、中村章吾、宮本淳、北村謙次、岡井カツノリ、吉田麻実、品田美穂、佐野康之、御沓優子、髙梨愛、烏丸祐一、西田光貴、吉野真生、ラヴェルヌ知輝、森尾俐仁
製作
[編集]企画
[編集]2009年8月、20世紀フォックスは『ファンタスティック・フォー』の映画フランチャイズをリブートする計画を発表した。プロデューサーとしてアキヴァ・ゴールズマン、脚本家としてはマイケル・グリーンが雇われた[6]。2012年7月、ジョシュ・トランクが監督[7]、ジェレミー・スレーターが脚本家として雇われた[8]。2013年2月、マシュー・ヴォーンがプロデューサーとして加わった[9]。2013年6月、セス・グレアム=スミスが脚本修正のために雇われた[10]。コンサルタントのマーク・ミラーによると、本作は映画『X-メン』シリーズと世界設定を共有している[11]。2013年10月、 サイモン・キンバーグが共同脚本家兼プロデューサーとして雇われた[12] 。
2014年2月、マイケル・B・ジョーダンがジョニー・ストーム / ヒューマン・トーチを演じる予定であり、またケイト・マーラがスーザン・ストーム / インビジブル・ウーマン役にキャスティングされたことが明らかとなった[13]。ジョーダンはトランクの前作で監督デビュー作である『クロニクル』にも出演していた。2014年3月、トビー・ケベルがヴィクター・フォン・ドゥーム / ドクター・ドゥーム役にキャスティングされ[14]、マイルズ・テラーがリード・リチャーズ / ミスター・ファンタスティック役に検討されていることが明らかとなり、さらにジェイミー・ベルがベン・グリム / ザ・シング役に決定したことが報じられた[15]。これ以前にはキット・ハリントンとジャック・オコンネルはリード・リチャーズ役として検討され、またシアーシャ・ローナンがスーザン・ストーム役の候補に挙がっていた[16]。またサム・ライリー、エディ・レッドメイン、ドーナル・グリーソンがドクター・ドゥーム役に考慮されていた[17]。
Nerdistによると、ドゥームボットが登場する[18]。4月末、キンバーグは本作が「前2作よりも現実的」であると説明し[19]、1作目でやったよりも「若い」物語であると述べた[20]。同月末までにティム・ブレイク・ネルソンがハーヴェイ・エルダー役の最終交渉に入った[21]。2014年5月、レグ・E・キャシーがスーザンとジョニーの父であるフランクリン・ストーム役にキャスティングされた[22]。
撮影
[編集]撮影は2014年5月5日にルイジアナ州バトンルージュのケルト・メディア・センターで開始された[23][24]。
封切り
[編集]日本では2015年10月9日に639スクリーンで公開され、公開初週土日2日間の全国映画動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場6位、動員7万761人、興収9,395万7,600円を記録した[25]。
評価
[編集]本作は批評家より酷評されている、2016年3月4日の時点でRotten Tomatoesでは208のレビュー中9%の支持となっており、平均点は10点満点で3.4点となった。「物質転送装置の開発に重きを置き過ぎて、アクションシーンがほとんど無い」ことが最も大きな批判を呼ぶこととなった。
本作は、第36回ゴールデンラズベリー賞で最低作品賞と最低リメイク、パクリ、続編映画賞を受賞した[26]。
続編
[編集]2017年7月14日に続編が公開予定であったが[27]のちに製作中止された。
参考文献
[編集]- ^ https://m.imdb.com/title/tt1502712/
- ^ a b “Fantastic Four (2015)”. Box Office Mojo. August 5, 2017閲覧。
- ^ 「キネマ旬報」2016年3月下旬号 45頁
- ^ “堀北真希、吹き替え声優初挑戦 起用の決め手は“透明感””. ORICON (2015年8月12日). 2015年8月12日閲覧。
- ^ “岩の塊のようなビジュアルを持つ個性的なキャラクター“ザ・シング”役の日本語吹き替え版声優がガレッジセールのゴリさんに決定!”. 映画『ファンタスティック・フォー』オフィシャルサイト. 2015年9月14日閲覧。
- ^ “Fox is Rebooting Fantastic Four” (August 31, 2009). June 23, 2013閲覧。
- ^ “Comic-Con: Fantastic Four Director Confirmed While Daredevil Director Exits” (July 11, 2013). June 23, 2013閲覧。
- ^ Perry, Spencer (July 13, 2013). “Comic-Con: Fantastic Four Reboot Gets a Writer”. June 23, 2013閲覧。
- ^ Lesnick, Silas (February 22, 2013). “Matthew Vaughn to Produce Fantastic Four”. June 23, 2013閲覧。
- ^ Lesnick, Silas (February 26, 2013). “Seth Grahame-Smith Boards Fantastic Four”. June 23, 2013閲覧。
- ^ Perry, Spencer (August 19, 2013). “Will Fantastic Four Share a Universe with X-Men?”. August 23, 2013閲覧。
- ^ Kit, Borys (October 1, 2013). “Simon Kinberg Tapped to Write 'Fantastic Four' (Exclusive)”. The Hollywood Reporter October 2, 2013閲覧。
- ^ Kroll, Justin (February 19, 2014). “‘Fantastic Four’ Cast Revealed”. Variety February 20, 2014閲覧。
- ^ “Toby Kebbell to Play ‘Fantastic Four’ Villain Doctor Doom (EXCLUSIVE)”. Variety. (April 1, 2014) April 1, 2014閲覧。
- ^ Vejvoda, Jim (March 8, 2014). “Miles Teller on What Appealed to Him About The Fantastic Four Reboot”. IGN. March 8, 2014閲覧。
- ^ Kroll, Justin (October 9, 2013). “‘Fantastic Four’: Actors and Actresses Lining Up for Roles”. Variety. May 6, 2014閲覧。
- ^ Sneider, Jeff. “‘Fantastic Four': Dr. Doom Short List Down to 4 Actors With Accents (Exclusive)”. The Wrap. May 6, 2014閲覧。
- ^ “Nerdist News: Exclusive FANTASTIC FOUR Details Revealed!”. Nerdist (April 2, 2014). April 2, 2014閲覧。
- ^ “WonderCon 2014: Simon Kinberg on X-Men & Fantastic Four”. Crave Online (April 20, 2014). April 20, 2014閲覧。
- ^ Kaye, Don (April 20, 2014). “The Fantastic Four Movie: Simon Kinberg Drops Origin and Story Hints”. Den of Geek. April 20, 2014閲覧。
- ^ Kit, Borys (April 30, 2014). “Tim Blake Nelson in Final Talks to Join 'The Fantastic Four' (Exclusive)”. The Hollywood Reporter. April 30, 2014閲覧。
- ^ Siegel, Tatiana (May 8, 2014). “Fox's 'Fantastic Four' Reboot Adds 'The Wire's' Reg E. Cathey (Exclusive)”. The Hollywood Reporter. May 8, 2014閲覧。
- ^ Scott, Mike (May 5, 2014). “'Fantastic Four' reboot begins filming today in Baton Rouge; here's what we know so far”. Times-Picayune. May 5, 2014閲覧。
- ^ Christine (May 5, 2014). “‘Fantastic Four’ begins filming in Louisiana!”. onlocationvacations.com May 6, 2014閲覧。
- ^ 壬生智裕 (2015年10月14日). “岡田准一『図書館戦争』が前作超えの好スタートで1位!【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ. 2015年10月15日閲覧。
- ^ “アカデミー賞前夜に最低映画決定、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」が5冠”. 映画ナタリー (2016年2月28日). 2016年2月29日閲覧。
- ^ Couch, Aaron (March 20, 2014). “Fox Sets Dates for 'Wolverine,' 'Fantastic Four' Sequels”. The Hollywood Reporter March 21, 2014閲覧。