フェノキサスルホン
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フェノキサスルホン fenoxasulfone[1] | |
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2,5-ジクロロ-4-エトキシベンジル=4,5-ジヒドロ-5,5-ジメチル-1,2-オキサゾール-3-イル=スルホン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 639826-16-7 |
特性 | |
化学式 | C14H17Cl2NO4S |
モル質量 | 366.26 g mol−1 |
外観 | 白色の結晶 |
匂い | 無臭(25℃) |
密度 | 1.4 g/cm3 |
融点 |
157.6 °C, 431 K, 316 °F |
沸点 |
(260℃付近で分解) |
水への溶解度 | 170μg/l(20℃) |
有機溶媒への溶解度 | n-ヘキサン 0.0422 g/l トルエン 16.9 g/l ジクロロメタン 144 g/l メタノール 2.19 g/l アセトン 47.8 g/L 酢酸エチル 22.6 g/l (いずれもフラスコ法、20℃[2]) |
危険性 | |
半数致死量 LD50 | >2000mg/kg(ラット、経口) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フェノキサスルホン(英: fenoxasulfone)は、イソキサゾリン系の除草剤の一つである。分子式はC14H17Cl2NO4S。IUPAC命名法では2,5-ジクロロ-4-エトキシベンジル=4,5-ジヒドロ-5,5-ジメチル-1,2-オキサゾール-3-イル=スルホン、CAS命名法では3-[[(2,5-ジクロロ-4-エトキシフェニル)メチル]スルホニル]-4,5-ジヒドロ-5,5-ジメチルイソキサゾールと表記される[3]。
効能
[編集]クミアイ化学工業とイハラケミカル工業が開発した除草剤で、2014年10月3日に農薬取締法に基づく農薬登録を取得した[4]。ワックス層の形成に必要な超長鎖脂肪酸を合成する酵素を阻害することにより、植物は正常な生育ができず枯死に至る[5]。ノビエをはじめとする一年生のイネ科雑草や広葉雑草に対し効果があり、クミアイ化学からは水田向けの単剤「ヒエカット」、ピリミスルファンとの混合剤「ガンガン」、ブロモブチド・ベンスルフロンメチルとの3剤混合剤「クミスター」、ピリミスルファン・ベンゾビシクロンとの3剤混合剤「ベンケイ」、ピリミスルファン・ピラクロニルとの3剤混合剤「ヤブサメ」などが販売されている[4]。理研グリーンからは、日本芝・西洋芝向けの「スパーダ顆粒水和剤」が販売されている[2]。2014年10月現在、日本以外の国での登録はない[2]。
脚注
[編集]- ^ “水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料 フェノキサスルホン” (PDF). 環境省. 2018年2月13日閲覧。
- ^ a b c “審査報告書 フェノキサスルホン” (PDF). 農林水産省消費・安全局農産安全管理課、独立行政法人農林水産消費安全技術センター (2016年3月31日). 2018年2月13日閲覧。
- ^ “平成26年1月21日中央環境審議会土壌農薬部会(第38回)フェノキサスルホン資料” (PDF). 食品安全委員会 (2014年1月21日). 2018年2月13日閲覧。
- ^ a b 『新規除草剤「フェノキサスルホン剤」の農薬登録取得について』(PDF)(プレスリリース)クミアイ化学工業、2014年10月3日 。2018年2月13日閲覧。
- ^ 「新規水稲用除草剤 フェノキサスルホン」(PDF)『雑草と作物の制御』第11巻、日本植物調節剤研究協会、2015年、36-39頁、2018年2月13日閲覧。