フクースナ・イ・トーチカ
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種類 | 非公開企業 |
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業種 | 外食産業 |
事業分野 | ファストフード |
設立 | 2022年 |
創業者 | アレクサンドル・ゴヴォル |
本社 | バロバヤ通り26番地、、 |
拠点数 | 800 |
事業地域 | ロシア |
サービス | フランチャイズ |
ウェブサイト | vkusnoitochka.ru |
フクースナ・イ・トーチカ(ロシア語: Вкусно – и точка、Vkusno i tochka)は、ロシアのファストフードチェーンである。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、マクドナルドがロシア国内の全店舗を閉鎖して実業家のアレクサンドル・ゴボルに売却し、ゴボルが新ブランドで再オープンさせた。メニューはマクドナルドのものを引き継いでいる[1][2][3][4]。
歴史
[編集]2022年2月のロシアのウクライナ侵攻の後もマクドナルドはロシア国内の店舗の営業を継続していたが、ソーシャルメディアにおける非難を受けて、同年3月8日、マクドナルドはロシア国内の店舗の一時休業と、従業員への給与の支払いの継続を発表した[5][6]。BBCのロシア担当デスクのスティーブ・ローゼンバーグは、マクドナルドのロシア1号店の開店が冷戦終結の象徴となったことを振り返り、ロシアのマクドナルドの閉店は「非常に象徴的」だと述べた[6]。ロイターも、ロシア国内のマクドナルドが、「ソ連の崩壊と、アメリカの資本主義の繁栄の象徴」として「象徴的な重要性」を持っていたと述べた[7]。マクドナルド休業の報道を受けて、国家院議長のヴャチェスラフ・ヴォロージンが「マクドナルドが閉店を発表した。それは良い、閉店しろ! 明日には、マクドナルドではなくワーニャ伯父さんの店があるだろう」と言ったと報じられた。実際に、マクドナルドの"M"のロゴを横倒しにして線を引いた「ワーニャ伯父さん」の商標登録が出願された[8]。このロゴマークはモスバーガーの物に似ていると指摘された[1]。
5月16日、マクドナルドはロシアから完全に撤退することを決定した[9]。5月27日、マクドナルドがロシア国内の店舗をロシアにおけるフランチャイザーであるアレクサンドル・ゴボルに売却すると報じられた。ロシア国内のマクドナルドを引き継ぐ会社のブランド名として、特許出願書類には"Fun and Tasty"や"The Same One"などの名前が記載されていた[10]。ゴボルによる買収が発表された直後、同社はマクドナルドの"M"のロゴを新しいロゴに変更した[11]。新ブランド名は「フクースナ・イ・トーチカ」(ロシア語: Вкусно и точка)とすることが発表された[12][13]。日本語では「おいしい、それだけ」[14]、「おいしい、以上」[15]などと訳されている。
2022年6月12日、モスクワ市内の15店舗が新ブランドで営業を再開し[16]、その翌日にはモスクワ市内とその周辺の50店舗で営業を再開した。
インタファクス通信やタス通信によると、2018年からウラジオストクなどのロシア極東地域にてファストフード店を展開している「イエダ・イ・トーチカ」[17]の経営者は「事実上うちの店名のコピーだ」として、法的措置も検討していることが2022年6月15日に報じられた[18][19]。7月2日には販売されていたバーガーのパンにカビが生えていたとする写真がSNSに投稿されるなど、品質管理を不安視する声もあがった[20]。
2022年11月、フクースナ・イ・トーチカはロシアと同様の理由でマクドナルドが撤退したベラルーシでもフランチャイズを展開することを明らかにし、マクドナルドから事業を引き継いだ上で同月22日から営業を開始することを発表した。同国大統領のアレクサンドル・ルカシェンコは「(マクドナルドが)撤退してくれてありがたい」と歓迎のコメントを出した[21]。
メニュー
[編集]チェーンの総管理者によれば、物流システムの関係で、予定していた全てのメニューはまだ提供されていない。フクースナ・イ・トーチカでは、マックフルーリー、サラダは提供されない。
2022年6月現在、フクースナ・イ・トーチカで提供されている商品は以下の通りである(括弧内は対応するマクドナルドの商品)。
- ボリショイ・バーガー、ビッグ・バーガー(ビッグマック)[22]
- フィッシュバーガー(フィレオフィッシュ)、ダブル・フィッシュバーガー
- チキンバーガー(マックチキン)、チキンプレミア(シリアスリー・チキン)
- シーザーロール(マックラップ)、シーザーロール・ベーコン、フレッシュロール
- フライドポテト、ポテトウェッジズ
- チキンナゲット(チキンマックナゲット)、チキンストリップ、モッツァレラディッパー、シュリンプ
- コカ・コーラ ゼロ、ミルクシェーキ、サンデー、紅茶、コーヒー、ジュース
- 朝食メニュー:パンケーキ、オムレツ、チェリーパイ
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b Андрей Абрамов, Абдулла Шакиров (2022年6月12日). “Объявлено новое название «Макдональдса» в России”. Комсомольская правда. 2022年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月12日閲覧。
- ^ “Бывшая сеть ресторанов «Макдоналдс» в России будет называться «Вкусно и точка»”. Meduza (2022年6月12日). 2022年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月12日閲覧。
- ^ “McDonald`s объявил об уходе из России”. Ведомости (2022年5月16日). 2022年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月16日閲覧。
- ^ Дмитрий Катаев (2022年5月20日). “Кто такой Александр Говор, и какие активы у него в России?”. Ksonline.ru. 2022年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月12日閲覧。
- ^ Harris, Sophia (8 March 2022). “McDonald's, Starbucks, Coke, Pepsi join companies suspending business in Russia”. CBC News (Toronto ON: Canadian Broadcasting Corporation). オリジナルの8 March 2022時点におけるアーカイブ。 8 March 2022閲覧。
- ^ a b “McDonald's, Coca-Cola and Starbucks halt Russian sales”. BBC News (London UK: British Broadcasting Corporation). (8 March 2022). オリジナルの8 March 2022時点におけるアーカイブ。 8 March 2022閲覧。
- ^ Russ, Hilary (8 March 2022). “McDonald's, icon of post-Soviet era, to close all restaurants in Russia”. National Post. Reuters (Toronto ON). オリジナルの13 June 2022時点におけるアーカイブ。 8 March 2022閲覧。
- ^ Harris, Sophia (18 March 2022). “Russia aims to open its own version of McDonald's with similar logo after U.S. chain pulls out”. CBC News (Toronto ON: Canadian Broadcasting Corporation) 19 March 2022閲覧。
- ^ Valinsky, Jordan. “McDonald's is leaving Russia altogether”. CNN. 16 May 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。16 May 2022閲覧。
- ^ “McDonald's new brand name in Russia could be 'Fun and Tasty'”. CNN (27 May 2022). 29 May 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。29 May 2022閲覧。
- ^ Liang, Annabelle (10 June 2022). “Russia's new version of McDonald's unveils logo”. BBC News. オリジナルの10 June 2022時点におけるアーカイブ。 10 June 2022閲覧。
- ^ “Вкусно и точка". Что открылось в Москве вместо "Макдоналдса” (ロシア語). BBC News Russian (12 June 2022). 13 June 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。12 June 2022閲覧。
- ^ “Vkusno i tochka: McDonald's restaurants reopen in Russia under new name”. Reuters (12 June 2022). 12 June 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。12 June 2022閲覧。
- ^ “マクドナルド後継店が開店 新名称は「おいしい。それだけ」―ロシア”. 時事通信社. (2022年6月12日) 2022年6月14日閲覧。
- ^ “ロシア版マクドナルド、新店名は「おいしい、以上」”. AFP. (2022年6月12日) 2022年6月14日閲覧。
- ^ Roth, Andrew (2022年6月12日). “McDonald’s restaurants in Russia reopen under new brand” (英語). The Guardian. 2022年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月13日閲覧。
- ^ 日本語で「食事。それだけ」の意味。
- ^ “ロシア版マクドナルドの新名称、国内で変更求める声 裁判の可能性も”. 朝日新聞 (2022年6月15日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “マック後継店の名称変更を ロシア、ウラジオの同業店主”. 共同通信 (2022年6月16日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “「パンにカビ」で残念なあだ名も ロシアのマック後継チェーンで騒動”. 朝日新聞. (2022年7月5日) 2022年7月6日閲覧。
- ^ “ベラルーシ大統領、米マクドナルド撤退「ありがたい」”. AFP通信 (2022年11月18日). 2022年11月19日閲覧。
- ^ “「ビッグマック」新製品名で販売続く、マクドナルド撤退のロシア”. ロイター通信. (2022年6月17日) 2022年6月17日閲覧。