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フランス語から英語への借用(フランスごからえいごへのしゃくよう)とは、フランス語から英語に入った借用語や翻訳借用のことである。1066年のノルマン・コンクエストによって、ノルマン人の話していた中世フランス語(ノルマンフレンチ)がイングランドの貴族の公用語となり、その後13世紀が流入の絶頂期だった。その後も現代に至るまで流入が見られる。本来英語はゲルマン語派でありドイツ語と祖を同じくするが、現在の英語の全語彙の45%がフランス語由来という推計[1]もあり、その数は膨大なものになる。その範囲は日常語から専門用語まで幅広く、意味や綴りが変化しているものも多く、ほとんどの場合外来語だと認識さえされていない。
主な借用語[編集]
- adventure(冒険)
- arrest(逮捕)
- beef(ビーフ)
- blue(青)
- brooch(ブローチ)
- button(ボタン)
- captain(キャプテン)
- cathedral(大聖堂)
- chair(イス)
- chancellor(首相)
- city(都市)
- conversation(会話)
- court(法廷)
- dance(ダンス)
- date(デート)
- diamond(ダイアモンド)adamas(征服されがたいもの)が語源。
- dinner(夕食)
- dress(ドレス)
- easy(簡単な)
- fashion(ファッション)ラテン語のfactio(作る)が語源。
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- fine(晴れ)
- flower(花)
- forest(森林)
- gallery(ギャラリー)
- gaol(牢獄)中世イル=ド=パリの綴りと11世紀ノルマンディ地方の発音が結合した珍しい語。
- government(政府)
- lamp(ランプ)
- liberty(自由)
- mess(散在)
- minister(大臣)
- mountain(山)
- music(ミュージック)語源はギリシア語から。
- nice(親切な)
- novice(初心者)
- ocean(海)
- orange(オレンジ)
- parliament(議会)
- pearl(真珠)
- pen(ボールペン)
- people(人々)
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- please(どうぞ)
- prince(王子)
- punishment(罰)
- rendezvous(会う約束)
- retire(リタイア)
- river(川)
- roast(ロースト)
- salad(サラダ)
- sport(スポーツ)語源はラテン語のdeportareで仏語のdesport(気晴らしをする)がイギリスを経て変化した単語。
- spy(スパイ)
- story(ストーリー)ラテン語historiaから
- tennis(テニス)
- ticket(チケット)
- treaty(条約)
- try(トライ)
- use(使う)
- virgin(童貞・処女)
- vogue(流行)
- -ishで終わる動詞 (finish、punish、perishなど:フランス語の接続法語尾-isseから)
- -tion, -sionで終わる名詞の大部分
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関連項目[編集]
外部リンク[編集]