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フランス語の疑問文

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フランス語 > フランス語の文法 > フランス語の疑問文

フランス語の疑問文(フランスごのぎもんぶん)では、現代標準フランス語における疑問文について記述する。フランス語は多様な疑問文の形式があり、それぞれ文体やニュアンスに違いがある。

なお、フランス語では疑問文の文末に疑問符 (Point d'interrogation) を書くが、他のラテン文字使用言語と異なり、疑問符の前に空白を置く。

疑問文

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接語倒置

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主に文語で使われる。主語が接語人称代名詞である時、定動詞(助動詞、無ければ動詞)の後に主語を置いてトレデュニオン(ハイフン)でつなぐ。疑問詞がある場合は文頭に置く。強勢は主語に置くが、一人称単数の je に限り、強勢を動詞末尾に置く。疑問詞が無い場合は尻上がりの発音になる。

  • Vous parlez français. /vu.paʁ.le.fʁɑ̃.sɛ/ (あなたはフランス語を話します。)
    Parlez-vous français ? /paʁ.le.vu.fʁɑ̃.sɛ/ (あなたはフランス語を話しますか。)
  • Vous avez acheté un sac hier. /vu.za.ve.(z)aʃ.te.œ̃.sak.jɛʁ/ (あなたは昨日カバンを買いました。)
    Quand avez-vous acheté un sac ? /kɑ̃.a.ve.vu.aʃ.te.œ̃.sak/ (あなたはいつカバンを買いましたか。)
  • Tu les as vus. /ty.le.za.vy/ (君は彼らを見ました。)
    Les as-tu vus ? /le.za.ty.vy/ (君は彼らを見ましたか。)

動詞と三人称代名詞との間には /t/ を挟む。書く時は、動詞が t または d で終われば間に何も書かず、そうでないときは -t- を書く。元々はリエゾンだが、現在は全ての動詞で義務的である。

  • Ils sont étudiants. /il.sɔ̃.(t)e.ty.djɑ̃/ (彼らは学生です。)
    Sont-ils étudiants ? /sɔ̃.til.e.ty.djɑ̃/ (彼らは学生ですか。)
  • Elle a un vélo. /ɛ.la.œ̃.ve.lo/ (彼女は自転車を持っています。)
    A-t-elle un vélo ? /a.tɛl.œ̃.ve.lo/ (彼女は自転車を持っていますか。)
  • Il habite à Paris maintenant. /i.la.bi.ta.pa.ʁi.mɛ̃t.nɑ̃/ (彼は今パリに住んでいます。)
    Où habite-t-il maintenant ? /u.a.bit.til.mɛ̃t.nɑ̃/ (彼は今どこに住んでいますか。)

一人称単数 je の接語倒置は文語のみであり、それも稀である。

  • Je sais quelque chose. /ʒə.sɛ.kɛl.kə.ʃoz/ (私は何かを知っている。)
    Que sais-je ? /kə.sɛʒ/ (私は何を知っているのか。)

複合倒置

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文語で使われる。主語が名詞句である時、定動詞の後に /t/ と主語に対応する三人称代名詞とを置いて接語倒置のようにする。疑問詞がある場合は文頭に置く。疑問詞が無い場合は尻上がりの発音になる。que, quoi は使われない。

  • Marie aime Jean. /ma.ʁi.ɛm.ʒɑ̃/ (マリーはジャンを愛しています。)
    Marie aime-t-elle Jean ? /ma.ʁi.ɛm.tɛl.ʒɑ̃/ (マリーはジャンを愛していますか。)
  • Le train est parti à six heure. /lə.tʁɛ̃.ɛ.paʁ.ti.a.si.zœʁ/ (列車は六時に出ました。)
    Quand le train est-il parti ? /kɑ̃.lə.tʁɛ̃.ɛ.til.paʁ.ti/ (列車はいつ出ましたか。)

文体的倒置

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文語、口語で使われる。語順は、疑問詞、助動詞(あれば)、動詞、主語になる。主語が名詞句であり、疑問詞があり、動詞の後に目的語が無く、動詞と疑問詞の意味的結びつきが強い時に使える。特に、疑問詞が属詞(コピュラ être の補語)なら必ず文体的倒置を使い、複合倒置は使わない。

  • Ton père est dans le jardin. /tɔ̃.pɛ.ʁɛ.dɑ̃l.ʒaʁ.dɛ̃/ (君のお父さんは庭にいます。)
    Où est ton père ? /u.ɛ.tɔ̃.pɛʁ/ (君のお父さんはどこにいますか。)
    * Où ton père est-il ? (不可)

Est-ce que

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文語、口語で使われる。語順を変えず、文頭に est-ce que を置く。疑問詞がある場合は文頭に疑問詞を置き、次に est-ce que を置く。母音または無音の h で始まる語が続くときはエリジオンest-ce qu' になる。

元々は c'est que の倒置であるが、現在は疑問を表す複合語である[1]

  • Il chante bien. /il.ʃɑ̃t.bjɛ̃/ (彼は上手に歌います。)
    Est-ce qu'il chante bien ? /ɛs.kil.ʃɑ̃t.bjɛ̃/ (彼は上手に歌いますか。)
  • Marie a acheté un sac hier. /ma.ʁi.a.aʃ.te.œ̃.sak.jɛʁ/ (マリーは昨日カバンを買いました。)
    Quand est-ce que Marie a acheté un sac ? /kɑ̃.tɛs.kə.ma.ʁi.a.aʃ.te.œ̃.sak/ (マリーはいつカバンを買いましたか。)

疑問詞が主語の時は、est-ce qui を用いる。

  • Il a mangé la pomme. /i.la.mɑ̃.ʒe.la.pɔm/ (彼がそのリンゴを食べました。)
    Qui est-ce qui a mangé la pomme ? /ki.ɛs.ki.a.mɑ̃.ʒe.la.pɔm/ (誰がそのリンゴを食べましたか。)

強調の c'est que接語倒置est-ce que になるが、複合語の est-ce que とはイントネーションで区別され、回答も異なる[1]

  • Est-ce que Zoé est venue ? /ɛs.kə.zo.e.ɛv.ny/ (それはゾエが来たということですか。 - c'est que の倒置、est-ce que は下降調)
    - Oui, c'est qu'elle est venue. /wi.sɛ.kɛ.lɛv.ny/ (はい、彼女が来たということです。)
  • Est-ce que Zoé est venue ? /ɛs.kə.zo.e.ɛv.ny/ (ゾエは来ましたか。 - 複合語の est-ce que、平板調)
    - Oui, elle est venue. /wi.ɛ.lɛv.ny/ (はい、彼女は来ました。)

疑問詞前置

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倒置をせず、疑問詞を単に文頭に置く。「何を」を意味する qu'est-ce que は元々 que + est-ce que であるが、現在は前置でのみ使われる複合語と見なされる[2]。母音または無音の h で始まる語の前ではエリジオンqu'est-ce qu' になる。主語の「何が」を表すのは qu'est-ce qui である。

疑問詞前置は口語で最も一般的に使われる疑問文の形式である。疑問詞 qui (主語の時), qu'est-ce que, qu'est-ce qui は文語、口語どちらでも前置で使われるが、他の疑問詞を前置で使うのは口語のみである。quand (いつ)は前置だと「~する時/した時」の意味と紛らわしいので、quand est-ce que のほうが好まれる。

  • Il est allé en France. /i.lɛ.(t)a.le.ɑ̃.fʁɑ̃s/ (彼はフランスに行きました。)
    Où il est allé ? /u.i.lɛ.ta.le/ (彼はどこに行きましたか。)
  • Thomas a dit quelque chose. /to.ma.a.di.kɛl.kə.ʃoz/ (トマは何かを言いました。)
    Qu'est-ce que Thomas a dit ? /kɛs.kə.to.ma.a.di/ (トマは何を言いましたか。)

in situ

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in situ (イン・サイチュー、「その場」)では、語順を変えず、疑問詞を元の位置(一般に文末)に置く。疑問詞があっても無くても尻上がりの発音になる。口語でのみ使われる。「何」を表すのは que ではなく quoi である。疑問詞が無いものは、口語で最も一般的な形式である。疑問詞があるものは、上述の疑問文の形式と異なり、文脈に強く依存する。pourquoi は使われない。

  • Elle est japonaise. /ɛ.lɛ.ʒa.pɔ.nɛz/ (彼女は日本人です。)
    Elle est japonaise ? /ɛ.lɛ.ʒa.pɔ.nɛz/ (彼女は日本人ですか。)
  • Thomas a dit quelque chose. /to.ma.a.di.kɛl.kə.ʃoz/ (トマは何かを言いました。)
    Thomas a dit quoi ? /to.ma.a.di.kwa/ (トマは何を言いましたか。 - in situ)
    トマが何かを言ったと知っている時にのみ使う。
    Qu'est-ce que Thomas a dit ? /kɛs.kə.to.ma.a.di/ (トマは何を言いましたか。 - 疑問詞前置)
    トマが何も言っていないかもしれない時にも使える。

強調構文

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強調構文 c'est ... que の強調される部分に疑問詞を置く。pourquoi は使われない。さらに疑問詞を前置しても良い。ただし quoi は前置できない。

  • Elle a acheté un sac hier. /ɛ.la.aʃ.te.œ̃.sak.jɛʁ/ (彼女は昨日カバンを買いました。)
    C'est hier qu'elle a acheté un sac. /sɛ.tjɛʁ.kɛ.la.aʃ.te.œ̃.sak/ (彼女がカバンを買ったのは昨日です。)
    C'est quand qu'elle a acheté un sac ? /sɛ.kɑ̃.kɛ.la.aʃ.te.œ̃.sak/ (彼女がカバンを買ったのはいつですか。)
    Quand c'est qu'elle a acheté un sac ? /kɑ̃.sɛ.kɛ.la.aʃ.te.œ̃.sak/ (〃)

-ti/-tu

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疑問を表す /ti/ または /ty/ を動詞の後に置く。口語でのみ使われる。フランスを含むヨーロッパではほぼ廃れ、ケベック州でのみ /ty/ がしばしば使われる[3]複合倒置-t-il の末尾 /l/ が脱落したものに由来する[4]

/ti/-ti, -ty, -t-i, -t-y と書かれ、また t または d の後では -i, -y と書かれる。/ty/-tu と書かれる。

  • Le soleil brille. /lə.sɔ.lɛj.bʁij/ (太陽が照っています。)
    Le soleil brille-ti ? /lə.sɔ.lɛj.bʁij.ti/ (太陽が照っていますか。)
    Le soleil brille-t-il ? /lə.sɔ.lɛj.bʁij.til/ (〃)
  • C'est bon. /sɛ.bɔ̃/ (それは良いです。)
    C'est-y bon ? /sɛ.ti.bɔ̃/ (それは良いですか。)

付加疑問文

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主に口語で使われる。疑問詞が無い場合、通常の文の後に n'est-ce pas ? を加えると疑問文になる。英語と異なり、一種類しかない。

  • Sophie a vu le film. /sɔ.fi.a.vyl.film/ (ソフィーはその映画を見ました。)
    Sophie a vu le film, n'est-ce pas ? /sɔ.fi.a.vyl.film.nɛs.pa/ (ソフィーはその映画を見ましたよね。)

間接疑問文

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聞き手に質問するのではなく、疑問文を別の文に埋め込んだものを間接疑問文と呼ぶ。文語、口語で使われる。間接疑問文の構造は基本的に疑問詞前置と同じだが、以下の点が異なる。

  • 一般疑問文では si を用いる。
  • qu'est-ce que, qu'est-ce qui の代わりにそれぞれ ce que, ce qui を用いる。
  • 元の疑問文が文体的倒置なら、間接疑問文でも文体的倒置を使える。特に、動詞が être, avoir, aller なら文体的倒置が必須である。

口語では est-ce que, est-ce qui, qu'est-ce que, qu'est-ce qui を用いることもあるが、一般的ではない。


  • Elle est étudiante ? /ɛ.lɛ.(t)e.ty.djɑ̃t/ (彼女は学生ですか。)
    Je ne sais pas si elle est étudiante. /ʒən.sɛ.pa.si.ɛ.lɛ.(t)e.ty.djɑ̃t/ (彼女が学生か、私は知りません。)
    Je ne sais pas est-ce qu'elle est étudiante. /ʒən.sɛ.pa.ɛs.kɛ.lɛ.e.ty.djɑ̃t/ (〃)
  • Où habite Vincent ? /u.a.bit.vɛ̃.sɑ̃/ (ヴァンサンはどこに住んでいますか。)
    Je ne sais pas où Vincent habite. /ʒən.sɛ.pa.u.vɛ̃.sɑ̃.a.bit/ (ヴァンサンがどこに住んでいるか、私は知りません。)
    Je ne sais pas où habite Vincent. /ʒən.sɛ.pa.u.a.bit.vɛ̃.sɑ̃/ (〃)
    Je ne sais pas où est-ce que Vincent habite. /ʒən.sɛ.pa.u.ɛsk.vɛ̃.sɑ̃.a.bit/ (〃)
  • Qu'est-ce que vous lisez ? /kɛs.kə.vu.li.ze/ (あなたは何を読んでいますか。)
    Je ne sais pas ce que vous lisez. /ʒən.sɛ.pa.skə.vu.li.ze/ (あなたが何を読んでいるか、私は知りません。)
    Je ne sais pas qu'est-ce que vous lisez. /ʒən.sɛ.pa.kɛs.kə.vu.li.ze/ (〃)

疑問詞

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フランス語の主な疑問詞には以下のものがある。

  • combien /kɔ̃.bjɛ̃/: どのくらい
  • le quantième : 何番目の
  • comment /kɔ.mɑ̃/: どう
  • lequel /lə.kɛl/: どれ (男性単数)
    • laquelle /la.kɛl/: どれ (女性単数)
    • lesquels /le.kɛl/: どれ (男性複数)
    • lesquelles /le.kɛl/: どれ (女性複数)
  • /u/: どこ
  • pourquoi /puʁ.kwa/: なぜ
  • quand /kɑ̃/: いつ
  • que /kə/: 何 (倒置・単独)
    • ce que /skə/: 何 (間接疑問文・単独・非主語)
    • ce qui /ski/: 何 (間接疑問文・単独・主語)
    • qu'est-ce que /kɛsk/: 何 (前置・単独・非主語)
    • qu'est-ce qui /kɛs.ki/: 何 (前置・単独・主語)
    • quoi /kwa/: 何 (その他、前置詞の後)
  • quel /kɛl/: どんな (男性単数)
    • quelle /kɛl/: どんな (女性単数)
    • quels /kɛl(z)/: どんな (男性複数)
    • quelles /kɛl(z)/: どんな (女性複数)
  • qui /ki/: 誰


「何」を表す疑問詞は、疑問文の形式により使い分ける。

「どんな」を表す疑問詞は、後続の名詞にしたがって quel, quelle, quels, quelles を書き分けるが、複数形でリエゾンがある時以外は同じ発音である。

lequel は、定冠詞quel からなる複合語なので、前置詞 àde の後では義務的な縮約が起きる。

  単独 à + de +
単数 男性 lequel
/lə.kɛl/
auquel
/o.kɛl/
duquel
/dy.kɛl/
女性 laquelle
/la.kɛl/
à laquelle
/a.la.kɛl/
de laquelle
/də.la.kɛl/
複数 男性 lesquels
/le.kɛl/
auxquels
/o.kɛl/
desquels
/de.kɛl/
女性 lesquelles
/le.kɛl/
auxquelles
/o.kɛl/
desquelles
/de.kɛl/


疑問詞を文頭に移動する時、疑問詞が句に含まれているなら、句全体を移動する。英語のように前置詞を文末に残すことはできない。ただし疑問詞に続く de で始まる句は切り離して良い。

  • Ils ont deux enfants. /il.zɔ̃.dø.zɑ̃.fɑ̃/ (彼らには二人の子がいます。)
    Combien d'enfants ont-ils ? /kɔ̃.bjɛ̃.dɑ̃.fɑ̃.ɔ̃.til/ (彼らには何人の子がいますか。)
    Combien ont-ils d'enfants ? /kɔ̃.bjɛ̃.ɔ̃.til.dɑ̃.fɑ̃/ (〃)
  • Elle vient de France. /ɛl.vjɛ̃.də.fʁɑ̃s/ (彼女はフランスから来ました。)
    D'où vient-elle ? /du.vjɛ̃.tɛl/ (彼女はどこから来ましたか。)
  • Le train est parti à six heure. /lə.tʁɛ̃.ɛ.paʁ.ti.a.si.zœʁ/ (列車は六時に出ました。)
    À quelle heure le train est-il parti ? /a.kɛ.lœʁ.lə.tʁɛ̃.ɛ.til.paʁ.ti/ (列車は何時に出ましたか。)

返答

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一般疑問文の返答に用いる語には、oui, non, si がある。肯定疑問文の返答には、肯定 oui と否定 non を用いる。否定疑問文の返答には、肯定(否定の否定) si と否定 non を用いる。これらの語の選択は、英語ドイツ語などと同様に、返答が肯定文か否定文かで決まり、日本語のように質問者への同意を表すのではない。

  • Vous parlez anglais ? /vu.paʁ.le.ɑ̃.glɛ/ (あなたは英語を話しますか。)
    - Oui, je le parle. /wi.ʒəl.paʁl/ (はい、私はそれを話します。 - 「話す」の肯定)
    - Non, je ne le parle pas. /nɔ̃.ʒən.lə.paʁ.lə.pa/ (いいえ、私はそれを話しません。 - 「話す」の否定)
  • Vous ne parlez pas anglais ? /vun.paʁ.le.pa.ɑ̃.glɛ/ (あなたは英語を話さないのですか。)
    - Si, je le parle. /si.ʒəl.paʁl/ (いいえ、私はそれを話します。 - 「話す」の肯定)
    - Non, je ne le parle pas. /nɔ̃.ʒən.lə.paʁ.lə.pa/ (はい、私はそれを話しません。 - 「話す」の否定)

疑問詞疑問文では、疑問詞に対する返答部分が焦点になる。焦点は強勢を持たねばならないが、通常のフランス語の人称代名詞接語であり強勢を持てないので、必ず c'est + 強勢形を使う。主語の名詞句も強勢を持てず、主題と見なされやすいので、同様に c'est を使う。

  • Qui est-ce que vous aimez ? /ki.ɛsk.vu.zɛ.me/ (あなたは誰を愛していますか。)
    - C'est elle. /sɛ.tɛl/ (それは彼女です。)
    - C'est elle que j'aime. /sɛ.tɛl.kə.ʒɛm/ (私が愛しているのは彼女です。)
    - *Je l'aime. /ʒə.lɛm/ (私は彼女を愛しています。 - 不可)
  • Qui vous aime ? /ki.vu.zɛm/ (誰があなたを愛していますか。)
    - C'est Jeanne. /sɛ.ʒan/ (それはジャンヌです。)
    - C'est Jeanne qui m'aime. /sɛ.ʒan.ki.mɛm/ (私を愛しているのはジャンヌです。)
    - *Jeanne m'aime. /ʒan.mɛm/ (ジャンヌは私を愛しています。 - 不可)

主語以外の名詞句および副詞句は焦点になれるので、c'est を使わなくて良い。ただし文頭の副詞句は主題と見なされるので、それを焦点にすることはできない。

  • Qui est-ce que vous aimez ? /ki.ɛsk.vu.zɛ.me/ (あなたは誰を愛していますか。)
    - J'aime Jeanne. /ʒɛm.ʒan/ (私はジャンヌを愛しています。)
    - C'est Jeanne que j'aime. /sɛ.ʒan.kə.ʒɛm/ (私が愛しているのはジャンヌです。)
  • Quand est-ce que vous avez vu le film ? /kɑ̃.tɛs.kə.vu.za.ve.vyl.film/ (あなたはその映画をいつ見ましたか。)
    - Je l'ai vu hier soir. /ʒə.le.vy.jɛʁ.swaʁ/ (私はそれを昨夜見ました。)
    - *Hier soir, je l'ai vu. /jɛʁ.swaʁ.ʒə.le.vy/ (昨夜は、私はそれを見ました。 - 不可)

参考文献

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  1. ^ a b Rooryck, Johan (1994), “On two types of underspecification: Towards a feature theory shared by syntax and phonology”, Probus 6: 207-233, doi:10.1515/prbs.1994.6.2-3.207, https://doi.org/10.1515/prbs.1994.6.2-3.207 
  2. ^ Zuckerman, Shalom (2001), “The Acquisition of "Optional" Movement”, Groningen Dissertations in Linguistics (Groningen University) 34, http://dissertations.ub.rug.nl/FILES/faculties/medicine/2001/s.zuckerman/thesis.pdf 
  3. ^ Vecchiato, Sara (2000), Haeberli, Eric; Laenzlinger, Christopher, eds., “The TI/TU Interrogative Morpheme in Québec French”, Generative Grammar in Geneva (the Department of Linguistics of the University of Geneva) 1: 141-163, http://www.unige.ch/lettres/linge/syntaxe/journal/pdf_volume_one/article5_Vecchiato.pdf 
  4. ^ 川本茂雄, ed. (2007), フランス語統辞法(新装版), 白水社, pp. 260-261 

関連項目

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