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ブリジット・マクロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブリジット・マクロン
Brigitte Macron
2024年撮影

任期 2017年5月14日 -
元首 エマニュエル・マクロン
先代 ヴァレリー・トリールヴァイレール(2012年 - 2014年)
個人情報
生年月日 (1953-04-13) 1953年4月13日(71歳)
出生地 フランスの旗 フランスアミアン
配偶者
アンドレ=ルイ・オズィエール(André-Louis Auzière)
(結婚 1974年; 離婚 2006年)
子女 3人
職業 教師
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ブリジット・マリー=クロード・マクロンフランス語: Brigitte Marie-Claude Macron1953年4月13日 - )は、フランスの元教師。エマニュエル・マクロンフランス大統領アンドラ共同公)の妻(いわゆるファーストレディ)。出生時の姓はトロニュー(Trogneux)、以前の婚姻時の姓はオズィエール(Auzière)[1][2]

生い立ち

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ブリジット・マリー=クロード・トロニュー(Brigitte Marie-Claude Trogneux)は、フランスアミアンで、5代続くショコラティエの子である父ジャン(Jean Trogneux、1909年 - 1994年)と母シモーヌ(Simone、出生姓ピジョル(Pijol)、1910年 - 1998年)の間に、6人きょうだいの末子として生まれた[3]。チョコレート店「ジャン・トロニューフランス語版」は1872年にアミアンで創業し、現在はブリジットの甥であるジャン=アレクサンドル・トロニュー(Jean-Alexandre Trogneux)が経営している[4][5][6]

経歴

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1980年代、ブリジット(当時オズィエール姓)は、ストラスブールのコレージュ・ルシ=ベルジェ(Collège Lucie-Berger)で文学を教えた[7]。1990年代にはアミアンのイエズス会の高校であるリセ・ラ・プロヴィダンス(Lycée la Providence)でラテン語とフランス語を教えた。2007年から2015年まで、フランスで最も格式の高い私立高校の一つであるパリ16区のリセ・サン=ルイ・ド・ゴンザグ(Lycée Saint-Louis de Gonzague)で教えた[8]。この学校では、実業家ベルナール・アルノーの息子であるフレデリック(Frédéric)とジャン(Jean)にフランス語を教えた[9]

ブリジットとエマニュエル・マクロンが出会ったのはリセ・ラ・プロヴィダンスの演劇部においてであった[10]。ブリジットは演劇部の責任者であり、当時15歳のエマニュエルはその部員、一緒に参加していたブリジットの娘のローランス(Laurence)はエマニュエルのクラスメイトであった[11]。25歳差の2人の関係は大きな論争を巻き起こし、「愛はしばしば秘密にされ、しばしば秘匿され、多くの人に誤解された末にようやく認められることになった」とエマニュエルは述べている[12]

政歴

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2018年4月、国賓として米国訪問した際にホワイトハウスにてトランプ米大統領夫妻の前で妻ブリジットの手にキスをするマクロン仏大統領

1989年、ブリジット・オズィエールはフランス東部のトルヒタースハイムフランス語版市議会議員に立候補したが落選した。ブリジット自身が政界を目指したのはこの時だけである[7]

2017年、夫のエマニュエルが大統領選挙に立候補し、その選挙戦においてブリジットは積極的に役割を果たした。トップアドバイザーは「彼女は彼にとって不可欠な存在だ」と述べている[13]。選挙期間中、エマニュエルは、大統領選挙に当選したあかつきには。「彼女は(私と)常に果たしてきた役割を果たすことになるだろう。彼女が隠されることはない」と述べている[14]

エマニュエルは公式の「ファーストレディ(フランス語: première dame)」の肩書きを設け (フランスの大統領配偶者は現在公式の肩書きを持たない)、その活動のためのスタッフ、オフィス、個人に割り当てられた予算を付けることを提案した[15]。マクロンは大統領選挙中もそれ以前からも縁故主義に強く反対していたことから[16]、彼の提案に反対する27万5千筆以上の請願が集まり、フランス政府は、ブリジットには「ファーストレディ」という公式の肩書きは与えられず、公式の予算は付与しないことを発表した[17]。フランスの雑誌『Elle』とのインタビューの中で、ブリジットは、間もなく発表される透明性憲章の中で私の「役割とそれに付随するリソース」(スタッフの構成や規模を含む)について明らかにされるだろう、と述べた。そしてこの憲章は次の金曜日に発表された[18]

パブリックイメージ

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2019年フランス・ビアリッツ・サミットでのマクロン夫妻とトランプ夫妻

ブリジット・マクロンは『デイリー・メール』紙、『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙、『オブザーバー』紙の熱心な批評の対象となっている[19]。彼女の国際的会合でのドレススタイルには頻繁にコメントが寄せられている[20]。『フィナンシャル・タイムズ』紙は、彼女のスタイルは「エセックス・ガール」のようだと記述している[21]ベルナール・アルノー一家と親しいことから、彼女は公式の外出時に無償でルイ・ヴィトンの服を着ていたとして論議を呼んだ[22][23]

私生活

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1974年6月22日、ブリジットは銀行家アンドレ=ルイ・オズィエール(André-Louis Auzière、1951年 – 2019年)と結婚し[24][25]、彼との間に3人の子セバスチャン(Sébastien、1975年 - )、ローランス英語版(Laurence、1977年 - )、ティフェヌ(Tiphaine、 1984年 - )が生まれた[8]。彼らは 1991年までトルヒタースハイムフランス語版で暮らし、その後アミアンに移った[7]。1993年、40歳の時にブリジットはリセ・ラ・プロヴィダンスで、教え子で、娘ローランスの同級生だった当時15歳のエマニュエル・マクロンと出会った[26][27]。ブリジットは2006年1月にオズィエールと離婚し、2007年10月にマクロンと再婚した[28][29]。マクロンとの間に子はいないが、前夫との間の子から生まれた7人の孫がいる[8]

栄典

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外国の栄典

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脚注

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  1. ^ “French President arrives in Japan for G20 summit”. NHK World. (2019年6月26日). オリジナルの2019年6月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190628235110/https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20190626_20/ 2019年7月24日閲覧。 
  2. ^ Brigitte Trogneux – La biographie de Brigitte Trogneux avec Gala.fr” (フランス語). Gala.fr. Média Prisma. 2017年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月12日閲覧。
  3. ^ Brigitte TROGNEUX – Fraternelle : l'encyclopédie biographique de l'Homo erectus – Geneanet”. Geneanet. 2017年4月15日閲覧。
  4. ^ Lévy-Frébault, Tiphaine (2015年6月25日). “Qui est Brigitte Trogneux, l'épouse d'Emmanuel Macron?”. レクスプレス. http://www.lexpress.fr/styles/vip/qui-est-brigitte-trogneux-l-epouse-d-emmanuel-macron_1693001.html 2017年5月3日閲覧。 
  5. ^ “Arras : la chocolaterie Trogneux va déménager sur la place des Héros”. ヴォワ・デュ・ノール. (2015年10月30日). http://www.lavoixdunord.fr/archive/recup%3A%252Fregion%252Farras-la-chocolaterie-trogneux-va-demenager-sur-la-ia29b0n3133866 2017年5月7日閲覧。 
  6. ^ Homepage”. Jean Trogneux. 2017年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月7日閲覧。
  7. ^ a b c Hartzer, Renaud (2017年5月8日). “Brigitte Macron a fait ses premiers pas en politique... en Alsace”. France 3 Grand Est. http://france3-regions.francetvinfo.fr/grand-est/brigitte-macron-fait-ses-premiers-pas-politique-alsace-1249989.html 2017年5月8日閲覧。 
  8. ^ a b c Brigitte Macron” (英語). elysee.fr (2018年11月15日). 2022年5月31日閲覧。
  9. ^ Les petits secrets de la famille Arnault, propriétaire de LVMH.” (フランス語). Capital.fr (2017年4月5日). 2021年2月14日閲覧。
  10. ^ Druckerman, Pamela (2017年2月2日). “Sex and the French Elections”. The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2017/02/02/opinion/sex-and-the-french-elections.html 2017年4月12日閲覧。 
  11. ^ “France's Macron defied parental veto on schoolboy love affair with teacher”. Reuters. (2017年4月12日). https://www.reuters.com/article/us-france-election-macron-book-idUSKBN17E21X 2017年4月12日閲覧。 
  12. ^ Sommerlad, Joe (20 June 2022). “French parliamentary elections: Emmanuel Macron in profile” (英語). The Independent. https://www.independent.co.uk/news/world/europe/macron-french-parliamentary-elections-family-b2104885.html 
  13. ^ “The Singular Woman Behind France's Front-Runner”. Bloomberg. (2017年4月7日). https://www.bloomberg.com/politics/articles/2017-04-07/the-singular-woman-behind-france-s-front-runner 2017年4月12日閲覧。 
  14. ^ Pithers, Ellie. “How Brigitte Macron Is Redefining First Lady Dressing” (英語). British Vogue. http://www.vogue.co.uk/article/brigitte-macron-style-analysis 2017年4月12日閲覧。 
  15. ^ Willsher, Kim (2017年8月6日). “Emmanuel Macron under fire for plan to give wife 'first lady' role” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/world/2017/aug/06/emmanuel-macron-french-president-wife-first-lady-official-status 2019年9月8日閲覧。 
  16. ^ Masters, James (2017年8月7日). “Emmanuel Macron under fire over wife's 'First Lady' role” (英語). CNN. 2022年5月28日閲覧。
  17. ^ Willsher, Kim (2017年8月8日). “No 'first lady' title for Brigitte Macron after petition over her status” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/world/2017/aug/08/no-first-lady-title-for-brigitte-macron-after-petition-over-her-status 2017年8月17日閲覧。 
  18. ^ “Brigitte Macron: A 'first lady' in all but title – France 24” (英語). France 24. (2017年8月17日). http://www.france24.com/en/20170817-france-brigitte-macron-first-lady-status-title-emmanuel-macron-politics 2017年8月17日閲覧。 
  19. ^ “Les 50 Français les plus influents du monde”. Vanity Fair: pp. 90. (2017年12月) 
  20. ^ Julia, Avellaneda (2017年9月21日). “Les jupes courtes de Brigitte Macron à New York divisent la presse internationale” (フランス語). Madame Figaro. 2024年8月27日閲覧。
  21. ^ Le Financial Times s'interroge sur le style "cagole" de Brigitte Macron” (フランス語). L'Express (2017年5月10日). 2024年8月27日閲覧。
  22. ^ Polémique : Brigitte Macron habillée gratuitement par LVMH” (フランス語). Marie Claire. 2024年8月27日閲覧。
  23. ^ Les petits secrets de la famille Arnault, propriétaire de LVMH.” (フランス語). Capital.fr (2017年4月5日). 2024年8月27日閲覧。
  24. ^ Cédric Rémia (2017年4月27日). “Qui est André-Louis Auzière, l'ex-mari de Brigitte Macron ?”. Télé-Loisirs. 2022年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月16日閲覧。
  25. ^ Sophie des Déserts (2020年10月7日). “Emmanuel Macron, son projet d'école, le décès de son père… Tiphaine Auzière se confie à Paris Match”. Paris Match. 2022年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月16日閲覧。.
  26. ^ 'I will come back and I will marry you': How Emmanuel Macron met his teacher and wife Brigitte Trogneux” (英語). DNA India (2017年5月8日). 2019年8月27日閲覧。
  27. ^ Fulda, Anne (2018年7月17日). “The Macron affair: How the French election winner's parents discovered he was dating his teacher” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235. https://www.telegraph.co.uk/family/relationships/macron-affair-french-presidential-candidates-parents-discovered/ 2019年8月27日閲覧。 
  28. ^ Gerber, Louis. “Emmanuel Macron the new French minister of the economy”. www.cosmopolis.ch. 2017年4月12日閲覧。
  29. ^ VIDEO. Les images du mariage d'Emmanuel Macron temps de Brigitte Trogneux diffusées. Le Parisien (22 November 2016).
  30. ^ Modtagere af danske dekorationer”. 2023年11月9日閲覧。
  31. ^ Quirinale website
  32. ^ Le président Emmanuel Macron élevé dans la dignité de grand croix de l'ordre national”. 2023年11月9日閲覧。
  33. ^ Statsbesök från Frankrike” (2024年1月30日). 2024年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月14日閲覧。