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プロジェクト:ウィキメディア財団ハンドブック/ユニーバーサル行動規範会話の時間 20220204

ユニーバーサル行動規範執行ガイドライン投票に向けての会話時間の私的メモ

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日時 2022年2月4日

参加者

告知サイト 会話の時間

主催 運動戦略と組織統治チーム (MSG)

はじめに

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最初から英語版からの参加者一人の方の独壇場で、ほとんどその方とホスト・メンバーの議論に終始したので多くの質問のカバーは出来ませんでしたが、以下の話題があがりました。

Zoomによるミーティングのため誰かが議論中でもチャット機能を利用したテキストでのコメント投稿が出来るのと、同時進行でetherpadでのメモを作成していく形式だったので、コメントやメモを読んだり、掲示された資料のリンクにアクセスして読んだりするのに気を取られ漏れた話題が多々あることをご了承下さい。またその英語版からの参加者の方との議論が長引いて予定の一時間を超えた部分は参加できなかったこともご了承下さい。

また自分がウィキペディアに参加し始めた時はこのプロジェクトは既にガイドライン作成の第2フェーズに突入していたこともあり、過去に財団が日本語版ウィキペディアのコミュニティに対してこの行動規範とガイドラインの説明をどこまでしていたのかがわかりませんので総体的 (holistic) な視点が欠けていることを前もってお伝えいたします。

事前に質問をメタで投稿すれば回答が返ってくる確率が高いということで、自分は事前に質問を投稿していたのですが、「持ち越し」で回答がない質問や全く触れられることもないものもあるままでの時間オーバーとなりました。

なお主催者側による英語版議事要約はメタの「2022 conversation hour summaries」(今後も内容が加筆される予定あり) にあります。ただし財団側の視点で書かれており、コミュニティ利用差側からの視点も必要かと思い、また英語的饒舌表現をそのまま訳しても読み辛いと思われます。また各コミュニティが受ける影響は違ってくると思うのですが、主催者側は全てのコミュニテイを対象に物事進めなくてはいけないので、例えば個別に日本語版コミュニティはガイドラインによって実際どういった影響を受けるのかまではカバーしてくれないので作成しました。

メモ

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Q. なぜユニーバーサル行動規範執行ガイドライン(以下ガイドライン)の投票を実施するのですか?

A. 裁定委員会(複数)からの要望が提出されたから (m:Open_Letter_from_Arbcoms_to_the_Board_of_Trustees)。信頼と安全チームが投票システムの設定を担い、過半数で可決となる。

Q.ウィキメディアでは投票で投票者数の過半数によってその可否を決定することは前例がないのですが?

A. ウィキメディアで例がなくても、実生活では住民投票などで多く採用されている方法である。投票の際、賛否の投票と共に否決の票を入れる人にはなぜ否決投票をするのか承認・否認という票に問わず全ての投票者はガイドラインに対する意見を記入が出来る様式になる[注 1]。その意見は要約としてまとめられ、もし否決された場合は2回目の投票のために文言を改訂するのに利用される。

Q. なぜユニーバーサル行動規範(以下行動規範)の時はコミュニティによる投票はなかったのですか?

A. それは理事会の使命 (Board mandate)[注 2]であったから。またコミュニティから投票の要請はなかった。行動規範自体は不変ではなく、(実状に即しているか)年次再考察の対象となる。

Q. 誰が投票出来ますか?

A. 理事選挙の投票資格に準ずる。詳細は「投票のしかた・投票資格」に掲載されているので割愛。

Q. (複数プロジェクトで)ブロックされている人は投票権がないが、もしこのガイドラインが承認された場合、その投票権が無かった人にもガイドラインが適用され制裁を受けるかもしれません。声を挙げること(投票)も出来ないその人にガイドラインが適用されるのは不公平ではないですか?

A. 答えは持ち越し。

Q. どんな方針も実践してみないとどんな問題が潜んでいるかわからないものですが、このユニバーサル行動規範が既存の方針をあまり変えるものだとは思えないのですが?

A. (問題行動を起こす人を)ブロックしたりすることなど、既存の方針とあまり違いはないかもしれません。が、各コミュニティは行動規範よりさらに厳しい方針を設定することも出来るが、実際には多くの場合既存の方針とあまり違いはないであろう。ただガイドラインには不服申し立てのプロセスが綴られており、誰でも(特に告発された人)が発言できる権利が与えられている。

Q. 査読済みのガイドラインですが既に文言に対して様々な問題点が指摘されています。このままの文言で投票に臨むのですか?それとも投票前に改定することはあるのでしょうか?[注 3]

A. 答えは持ち越し。

Q. 上位権限者が行動規範遵守の明示 (affirmation) を拒んだり、明示要請を無視した場合はどうなるのでしょう?権限をはく奪されてしまうのでしょうか?はく奪するというなら誰にその権限があるのでしょうか?現在の文言には明示しなくてはならない期限は設定されていません。

A. 答えは持ち越し。

コメント会話時間内では答えは持ち越しとなりましたが、その後メタの要約ページに「回答」が掲載され、 affirmation (明示) をacknowledge (同意)という表現に変更する旨が綴られるも、実際に投票にかけられる文言は「Affirmation (明示)」のままで何を「変更するのか」不明。また既に (具体的にいつ?) 存在する上位権限者には同意しなくてならない期限は設けないとのこと。

Qまた上位権限者がトレーニングを拒んだり、出席しなかった場合はどうなるのでしょう?

A. トレーニングはあくまで推奨となっている。人々が行動規範をもっと良く理解するためのもので、財団にとって門番として(行動規範履行のために)必然性のあるものではない。

コメントしかしトレーニングが実施された場合、上位権限者に強制的に課せられる文言とその兼ね合いや齟齬に対する回答や説明はなし。

Q. トレーニングはどのように行われるのでしょうか?その内容は誰が決めるのですか?

A. 財団はコミュニティと協働して作成に取り組む。外部の専門家も作業に加わる。

Q. 管理者が実際トレーニングを受け「これは違う、このケースはこのような結果になるべきではない」などとトレーニングの内容に異議がある場合はどう解決しますか?コミュニティ全体にトレーニングを実施する前にコミュニティに相談しますか?トレーニングがコミュニティにとって有意義であるとどうやって保証するのですか?

A. 答えは持ち越し。


  • この後、前述の英語版利用者とホストの間で「right-to-be-heard (聞いてもらう権利) 」の延々と議論が続く。これは、もし利用者が誰かから告発されたら、告発された側は自分の言い分を聞いてもらう権利が現在の文言では全員に確約されていないことについて追及。また告発された側は告発した側がプライバシーの秘匿を選択した場合何を告発されているのか理解することなく「裁かれる」のではないかとという疑問などを提示。その議論の過程で事前提出質問への回答がありました。しかしその英語版利用者への直接回答は持ち越し。


  • 【ホスト側の説明】草案委員会は包括的な「聞いてもらう権利」を全ての人に与えたくはなかった。その理由は例えば命の危険を脅かすケースやソックパペットなどがあるからで、それらの例外を具体的にガイドラインでリストアップすることは役に立たないと考えた。それらの詳細はU4Cが決められるために、U4Cの責務範囲として含めており、ガイドラインでは詳細は記述しないと決めた。


Q. 告発方法を簡単化することによって、LTAなどが偽造・不正の告発を量産してコミュニティを混乱に陥れてしまう懸念がありますが?

A. 「案件の担当者が、悪意のある報告をフィルタリングできるようにします」そして「IP荒らしや、スパム専用アカウント、それに類する場合などは不服申し立てはできません」とガイドラインの文言に書かれてる。

このLTAなどによる報復行為の件について、質問を受け取った側は深刻にとらえており、検討に入っています[[1]]翻訳が追いつかず申し訳ございません--YShibata (WMF)会話) 2022年2月20日 (日) 12:17 (UTC)
コメント @YShibata (WMF)さんこのページのノートへ返信を書きました。 --RottenApple777会話) 2022年2月22日 (火) 16:31 (UTC)


  • またガイドラインは既にかなり長いが、「あまり詳細を運用前から決めたくない」とのことで、設立されるU4Cが更なる細則を決定することも示唆していました。


  • その後U4Cを創設することを手助けする「U4C構築委員会 (U4C Building Committee)」の説明があり。

議題にあがらなかった回答持ち越し質問

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  • このガイドラインは報復についての言及がありませんが?
  • (メタウィキの) 記述には、(一回目の) 投票で否決された場合、コミュニティの懸念に対処すべくガイドラインの再度の改訂が二回目の投票前に行われる事が含まれていますが、どのような状況で二回目の投票なしで再改訂されたガイドラインを実施することが出来るのでしょうか?
  • コミュニティグループがトレーニングの内容を作成すべきではないですか?またコミュニティはトレーニングの文書に対して直接拒否権があるべきではないですか?
  • 非英語版のローカルコミュニティから要望があった場合、ガイドラインのその該当言語での訳文を財団の正式ウェブサイト (ボランティアや一部職員による編集が不可能なfoundation.wikimedia.orgのこと) にて掲載する前に(メタウィキ上ではなく) ローカルコミュニティに持ち帰っで検討する機会はありますか?
  • トレーニングの項に唐突に登場する「We」とは誰のことですか?

注釈

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  1. ^ 2月25日の会議の際に明確な説明があった。
  2. ^ 非営利団体とはいえコーポレート法人なので、一般企業の取締役会に使命があるように理事会にも使命がある。使命の説明は「取締役会の コーポレートガバナンス (PDF)」の p12 を参照されたし。
  3. ^ 「会話の時間」内でこの質問が出されたにも関わらず、公式議事要約には2022年2月22日時点で回答どころか質問の記述も一切ありません。

私的考察

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行動規範とガイドラインの内容は殆ど日本語版の既存の方針やガイドラインでカバーされているので、ガイドラインによって影響を受ける部分は自分が思いつく範囲では以下の通り。今後「持ち越し」となった質問の回答があった場合更に追加される可能性はあります。

  • 上位権限者が行動規範にacknowledge (同意)する必要があるが、既に上位の権限を持つ人は「同意」をしなくてはならない期限はなくあまり影響は無し。新規に上位の権限を得た人は「同意」をする必要があるが日本語版は新規の上位の権限取得者が加わる例は2022年2月時点であまり見かけないようなので影響は最低限と思われます。
  • トレーニングはあくまで推奨とのことですが、日本語版で実施された場合上位権限者の参加は強制になるのか不明。【要再質問】
コメント トレーニングを実施するか否かに各コミュニティには決定権はあるのか?【要質問】
  • 恐らく一番影響を受けるのが日本語版に裁定委員会が存在しないことから、違反の報告やローカルでの上位権限者によるブロックなどの措置決定を不満に思う利用者による不服申し立てがU4Cに持ち込まれるケースが出てくることであろうこと。
コメント ただしU4Cは不服申し立てを受け付けるかどうかの裁量があり、ソックパペットやIP悪戯ユーザーによる申し立てや、短期の措置に関する決定などに対しての申し立てなどが、受託可否の考慮要素の例としてあげられている。
コメント その際の財団による翻訳の援助はあるのかという質問には全く触れられず、回答無し。【要再質問】
  • 利益相反に関する記述があるので、例えばブロック依頼の投票などで実害を被った人物や、被依頼者と依頼の原因となるノートなどで深く議論に関わった人物が上位権限者で、さらにそこで決定の投票までしてしまうと、不服申し立てがU4Cに持ち込まれた場合、ローカルの決定が覆されてしまう可能性があるばかりや、管理者の権限濫用行為などの訴えを呼び起こしてしまう可能性もあるので注意が必要なこと。
  • ガイドライン承認の暁には行動規範を全ページのフッター、利用者登録ページ、編集同意画面などからリンクを張る。これは技術的かつ事務的なことであまり影響はないと思われます。

関連項目

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